異世界のんびり自由な流浪旅？

霜月雪

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　エルメリアがリエッタさんを連れてくるとは思わなかったな。
　リエッタさんは絨毯の店をやっているのだがから、商業ギルドの受付にいるエルメリアと知り合いでもおかしくはないのか。
　どうしてエルメリアがここに連れてくることになったんだ。
　商業ギルド職員として、俺に謝ったってことは本来なら連れてくるような事はしないんだろうけど。
　まぁ、連れてくるのに問題があるなら、ルーミア、ラルフィナさん、ルティナの誰かが言うだろうし連れて来ないだろう。
　来ることに反対はしなかったから一緒に来たのだろうし、反対しなかったのは全員が獣人だからか。

「ヒロくん、エルメリアを責めないであげて～。私が無理を言って連れてきて貰ったのよ～」

　頭を下げたエルメリアの後ろにいるリエッタさんが言ってくる。
　どうやら、リエッタさんはエルメリアに頼み込んだようだ。
　リエッタさんを連れてきた事をエルメリアに責める気は元々ないんだが、エルメリアは頭を下げたままだ。

「エルメリア、リエッタさんを連れてきた事については気にしなくていいよ」

「ですが」

「リエッタさんは知らない相手ではないからさ。ここに連れてくることに問題あるならここに来る前に、ルーミア、ラルフィナさん、ルティナの誰かがエルメリアに言っているだろうから」

　エルメリアは頭を上げてルーミア、ラルフィナさん、ルティナの３人を見る。

「ね、言ったでしょ」

「ヒロくんだもんね～」

「２人の言う通りでした」

　ん？
　ルーミアとラルフィナさんはここに来るまでにエルメリアにどんな事を話したんだろうか。
　知りたいけれど、なんとなく知らない方が良い気がするな。

「リエッタさんは、どうしてここに？」

　無理を言って来たってことは理由があるはず。

「ヒロくんに頼まれた物が出来てるんだど受け取りに来ないから～」

　そうか、頼んでいたものが出来上がっていたのか。
　しかし、あの時に頼んだ数はルティナが泊まる前だったはずだから、ルティナの分だけ無いのはなぁ。
　リエッタさんも今日から泊まっていくことになるんだろうから、追加で頼んでおいた方がいいだろう。

「あと、ヒロくんに頼み事があってね～」

「頼み事？」

「そう、お礼はするし～、期待していいよ～」

　頼んだ物が出来上がっていることの知らせと、頼み事の２つの理由で来たのか。
　エルメリアに頼んでまで来た理由は頼み事の方か。
　俺で出来る事なら良いんだが、無理そうならみんなに助けてもらおう。

「ねぇ、ヒロ」

　考えていると、隣にいるフィアが声を掛けてくる。

「どうした、フィア？」

「食事しながらでも話は出来るわよね」

　どうやら夕食の催促だ。
　リエッタさんとの話は食事しながらでも、食後にでもゆっくり話すればいいか。
　仕事から帰ってきたルーミア、エルメリア、ラルフィナさん、ルティナは疲れているし、お腹もすいているだろう、いつもなら帰ってきたらすぐに食事だし。
　玄関で長々と立ち話をすることも無いだろう。

「そうだな、夕食にするか。リエッタさんは夕食まだだよな」

「まだよ～。でも良いの～？」

「もちろんかまわないよ。リエッタさんの頼み事の話もあるし、俺もリエッタさんに話があるから」

　リエッタさんが夕食を食べても大丈夫な量はあるはず。
　明日、冒険者ギルドの後にメリアの所とミルアの所に一緒に行ってもらわないといけないし。

「エルメリア、リエッタさんを案内してくれ」

「わかりました」

　エルメリアはリエッタさんに声をかけ一緒に絨毯の敷いてある部屋へ歩いていく。

「すぐに夕食にするから、みんなも部屋に」

　そう言ってみんなを部屋に促した後にキッチンに向かい準備しておいた夕食をアイテムボックスへしまい込む。　持って運ばなくて良いんだから便利なスキルだよ。
　いつもの部屋に行くと、そこには絨毯の上で寝転がっているリエッタさんが。
　近くでは、レスティナ、アイシェラ、ルーミア、ルティナの４人も一緒に寝転がっている。

「なに、やってんの？」

「絨毯の使い方が気になったのと～、寝転がるとくつろげるって言うからね～」

　尋ねれば寝転がったままのリエッタさんから返事が返ってくる。
　くつろげると言ったのは一緒に寝転がってる４人が言ったのだろうけど、もう少し格好を気にした方がいいと思うのだが。
　スカートがめくりあがって下着が見えてるし。
　４人は俺に下着を見られている事に気が付いているけど気にした様子もないし、リエッタさんは硬さの違う絨毯を重ねる使い方や、感触を確かめる事が優先のようで下着が見えていることに気がついていない。

「くつろぐのも良いけど、夕食にするぞ」

　夕食の準備をしながら寝転がっている５人に声を掛けると起き上がり移動してくる。
　起き上がった時にリエッタさんは下着が見えていることに気がついてこちらを向き視線があうと微笑んでくる。
　４人が下着を見られても気にしないのはわかる、一緒に風呂にも入るし、朝は下着姿で食事してるからなぁ。
　リエッタさんはそうじゃないんだが、まさか微笑んでくるとは思わなかったな。
　夕食の準備が終わりみんなが席に着けば食事だ。
　リエッタさんと食事中に話をしようとしたが、リエッタさんは笑顔で美味しそうに食べてたし、みんなと楽しそうに話をしていたから、話をするのは食後にしたよ。

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