異世界のんびり自由な流浪旅?

霜月雪

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 俺が少年と呼ばれるとはなぁ。
 見た目にもステータス的にも年齢は若返ってはいるが、こっちに来る前まではそれなりの年齢だっただけに複雑だ。
 まぁ、エルフは寿命が長いって話だから見た目と年齢が一致しているとは限らないんだろうけど。
 目の前にいるエルフを見た目で判断するなら20代ぐらいだから、少年と呼ばれても仕方ないか。
 しかし、大きいとは思っていたが目の前で揺れると目を奪われるなぁ。


「そんなに気になる?」

「ん?」

「コレよ」


 目の前のエルフがおっぱいを上下に揺らす。


「ずいぶん凝視していたわよ」


 フィアが呆れたように呟く。
 考え込んでいるうちに、エルフの胸元に視線が向いていたか。
 目の前で揺れている事に気がついてから、おっぱいにくぎ付けだったけど。


「はははっ!約束の事だけど、さずがにこの場でするわけにはいかないわよ」


 目の前のエルフは笑いながら嬉しそうに話す。


「俺だって理解している」


 冒険者ギルドの人目の多い場所で好きに堪能してくれと言われても困るよ。
 積極性は強くても人目を気にしてくれるのは助かる。


「少年のような人は嬉しいよ」

「それは、わかるわ」


 何か二人で納得してるよ。


「わかってくれるなら何よりよ。私はメイリア、深緑の風っていうパーティを組んでるわ。他のメンバーはあそこね」


 メイリアが手を振りながら示した食事処の方を見ると、こちらに手を振っている女性4人が残りのメンバーの様だ。


「メンバーの事は機会があったらね」

「わかった。で、俺がヒロ、こっちがフィア。改めてよろしくな」

「ええ、よろしくね。で、ヒロは依頼掲示板の前で何を考えていたの?」

「それが気になって声をかけてきたのか?」

「まぁ、見知った少年が依頼掲示板の前で考え込んでいればねぇ」


 メイリアに気をつかわせたかな。


「この依頼掲示板の上にはランクが書かれていなと思ってさ」

「ああ、この依頼掲示板は常時依頼の掲示板だからね」

「常時依頼?」

「ん?もしかして、依頼掲示板について聞いていないの?」


 ミランナに説明を受けた時に聞いた記憶が無いんだが、聞き逃しただけか?
 視線をフィアに向けると左右に首を振ったって事は、依頼掲示板の話は聞いてないようだ。
 聞いていれば言ってくるだろうし。
 あの時は魔物の解体の事しか頭になかったからな仕方ない。


「聞いてないな」

「えっ、それじゃ依頼掲示板の依頼を受けたこともないの?」

「言われてみると無いな」

「何で稼いでいるのよ」

「魔物の買い取りになるかな」

「ああ、そういえばヒロと初めて話したのも魔物の解体受付だったわね」

「そん時は驚かれたけどな」

「まさか獣人のいる受付に人が来るとは思わないわよ。まぁ、その事はいいわ。とりあえず依頼掲示板ね。ランクの書かれている依頼掲示板に張られている依頼は、依頼掲示板から剥がして向こうの受付に持っていけば依頼を受けられるわ」


 メイリアは受付のある方を指し示す。
 受付の方を見た時にリュイル達を見たが、受付近くで話し合っているところを見ると呼ばれるまでに時間がかかっているようだ。


「ランクのある依頼で受けられるのは、自分のランクより一つ上までね」

「それは聞いたな」

「ちなみに、依頼を剥がして受け付けに持って行ったときに、依頼の事を聞けば教えてくれたり相談に乗ってくれる受付のギルド職員もいるわよ」

「それは助かるな」

「教えてくれない受付のギルド職員もいるけどね」


 今の所は依頼を受けるつもりはないから、受付で依頼の事を聞く事はたぶん無いかな。


「常時依頼は受付をしなくても受けられる依頼ね。採取なら指定された物を指定の数だけ、討伐なら指定の討伐部位を指定の数だけ受付に持っていけば報酬をもらえるわ」


 なるほどね。
 依頼をはがず事は無いから、綺麗に見やすく並べて依頼が張られているわけか。
 そうだ街から出た集団の事なにか知ってるかも。


「なぁ、メイリア。この街の入り口で集団とすれ違ったんだけど何か知らないか?」

「もしかして、ヒロは最近街に居なかったの?」


 尋ねると慌てたようにメイリアは肩に腕を回し声を落とす。


「ああ、少し前に街から離れていて今日戻ってきた」

「それなら仕方ないわね」

「声を落として話すのは、周囲に聞かれたら不都合があるのか?」

「不都合はないと思うけど、何があるか分からないから話している事を周囲に聞かれるのは避けたいわね」


 おいおい。
 面倒ごとなら避けたいんだけど。

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