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3. 目覚めれば悪役令嬢
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目が覚めると、悪役令嬢マリーになっていた。
冗談みたいな話だけど、ユリーカはどうやら真理が昨日読んでいたウェブ漫画の世界の神様らしかった。真理がそう結論付けるまでには、たっぷり二十分かかった。
真理は知らない部屋のベッドで寝ていた。ユリーカの腕の中にいたはずなのだが、今はふかふかのベッドの上にいる。
ここは誰の部屋なのだろうか?ユリーカが自分の世界に連れてきたはずだ。ここはユリーカの世界なのだろうか?何もかもが疑問だ。
真理は天蓋付きのベッドから起き上がると、さっと部屋を見渡す。ピンクや花柄、ゴージャスなカーテンのタッセル。この部屋の持ち主の趣味はだいぶ乙女らしい。お姫様が住んでいそうな部屋だ。
凝った装飾がされた箱から、宝石を手に取って眺める。大きくて色の濃い宝石に、細かな金銀の細工が施されたペンダントやブローチが几帳面に保管されている。あながちお姫様は間違いではないかもしれないと、真理は思う。宝石を箱に戻すと、鏡の前に立った。
真理は息を呑んだ。鏡には真理ではない人間が映っていた。肩まで伸びた見事な金髪に、お人形のような顔立ち。ぱっちりとした瞳は青っぽいが、よく見ると灰色だ。
(待って、これは悪役令嬢マリーじゃない?見れば見るほど美少女!あたしってば、かわいい!)
確かにマリーはこんな人だったと、真理は鏡にこれ以上近づけないほどの距離で、自分の姿を見つめている。正確には、漫画を実写化したらこんなかんじだというべきだろう。
真理は満足するまで自分の新しい顔を眺めると、ふかふかのベッドにダイブし、大の字になって考え事を始めた。
(これが漫画の世界なら、あたしは悪役令嬢として王子の卒業パーティーから追放されて、あたしの代わりに義理の妹が王子の婚約者になるんだ。まだ一話しか読んでなかったけど、マリーは自由になれると喜んでいたようだった。あたしも自由にしていいってことかな?)
ノックの音がすると、メイドの恰好をした若い女が入室した。
「おはようございます、マリーお嬢様。本日はご希望通りにブルーのワンピースと、おそろいのリボンでよろしいですか?」
「え?ああ、じゃあそれでお願いね」
マリーはされるがままにメイドに着替えを手伝われ、気がつけばフリルがかわいいワンピースを着せられ、髪には大きなブルーのリボンが巻かれていた。
「かわいい!ありがとう。まるでアリスみたい」
しまったと思ったが、すでに感情は口から飛び出していた。メイドはくすくす笑って言った。
「まあ、お嬢様ったら。わたしみたいだなんて、どこも似ていませんよ」
マリーはぽかんと口をあけたのも一瞬、納得がいった顔をして、おかしそうに笑った。
「あたしはまだ寝ぼけてるみたい。頭がぼーっとしてるから、フォローをよろしくね!」
アリスに案内されるまま部屋を出て、おいしそうな匂いのする方向へ進む。たまらず部屋に入ると、気がつけばマリーは椅子に座って、目の前にはごちそうが並んでいた。
湯気が立ち上がるカフェオレに、バターたっぷりのクロワッサン、宝石のように輝くジャム、水分をたっぷりと含んだ果実。
鏡で見た自分の姿とそっくりな二人が、声をかけてきた。
「明日からロイヤルフルールアカデミーに入学する気分はどうだ?あそこは格式高い学校だ。先生も生徒も立派な人ばかりだよ」
「明日?ロイヤルフルールアカデミー……」
「お父様、マリーは寝ぼけているんじゃない?お前、この調子で二年間もやっていけるの?真面目にやらないと、あそこは平気で生徒を落第させるからな」
マリーを心配そうに見ているのは、金髪の紳士と美少年だ。
「まあ大丈夫だろう。マリーはしっかりしているから。それにジョゼフ王子の婚約者の筆頭候補なんだ。みんな助けてくれるだろう」
マリーはふわふわのクロワッサンを咀嚼し、にっこりとほほ笑むと、かわいらしく言った。クロワッサンのあまりのおいしさに、マリーはご機嫌だ。
「ありがとう、お父様」
マリーの父親は娘に笑顔を返すと、ピンク色の髪の少女に向かって心配そうな顔を向けた。
「コレット。君もマリーと一緒に入学するんだよ。家庭教師の先生からは努力していると聞いているけど、大丈夫そうか?」
マリーは食べ物以外にやっと注意を向けると、コレットを見た。目立つピンク色の髪型なのに、なぜ今まで気づかなかったのだろう。
「マリーと一緒に入学できてすんごく嬉しい!緊張して今夜は眠れねえかもしれないなあ」
マリーはクロワッサンを喉に詰まらせてしまった。カフェオレを飲んで、落ち着きを取り戻すと、改めてコレットを観察した。
ピンク色の髪はくるくるとカールし、純真そうなスカイブルー色の瞳は輝いている。天使のように愛らしい笑顔から飛び出す訛りは、破壊力抜群だ。これがギャップというやつなのか。
コレットが敵である可能性は瞬時にマリーの頭から吹っ飛んで、彼女と共に学園生活を乗り切ろうと心に誓う。
「コレット、あたしもあなたと一緒で心強い」
マリーはコレットに向かって、前のめりに言った。マリーはここでの記憶も常識もないのだ。明日からの学校生活に一人で立ち向かうにはいささか不安を感じていた。コレットの方がこの世界の住人としての経験値は高い。一緒にいてもらえれば百人力だと考えると、自然とマリーの頬が緩む。
「王子様ってかっこええのかな?一目見てみてえなあ」
「コレットは面白いことを言うのねえ。同じ学校なんだから見る機会はあるでしょ?そうよね?」
乙女らしい空想を始めたコレットと同じくらい能天気な声で、コレットの髪をくすませたピンク色にしたような女が言った。コレットの母親、つまりマリーの継母だろう。
「コレットは女優の娘なんだもの。すぐに王子様やお友達の目に留まって、学園の人気者になるわよお」
芝居がかった仕草でコレットに話しかける継母を尻目に、マリーの兄がコレットに助言をした。
「いいかい、コレット。学校では美しいマナーと、丁寧な言葉遣いに気を付けるんだ。お願いだから、デ・ラ・クレール家に恥じない行動をしてくれよな。マリー、お前もだからな」
朝食を終え、自分の部屋に戻ってきたマリーは、早くもお気に入りの場所となった花柄の長椅子に、無防備な姿勢で座っている。マリーはときおり舟をこぎながらも、明日からの振舞いについて考える。
在学中に王子の婚約者となるが、いつのまにかコレットにその座を奪われ、卒業パーティーには婚約破棄を言い渡されるのだろう。そのあとは王子から解放されて好きなことをできそうだ。
王子に婚約破棄をされないことが最も平和だが、それは漫画でよく見た王道パターンだ。攻略対象のメンズを骨抜きにするのだ。
自分にはとても無理だと、マリーは思う。実際、これまで一人にだって告白された経験がないのだから、そう考えるのは最もだろう。
モテるためには思わせぶりな態度で彼ら全員に接しなければいけないし、こまめでないといけない。めんどくさがりのマリーでは三日と持たないだろう。
まだ起きもしないことに気を揉むのに飽きたのか、マリーは長椅子からぴょんと起き上がった。革製のカバンを見つけると、ロイヤルフルールアカデミーの入学許可証やオリエンテーションのリストを取り出した。
文字が読めるし、言語には困っていない。神様に感謝だ。そういえば、ここはユリーカの世界だ。
「ユリーカ様が今もあたしを見守ってくれているかな」と、マリーは口にした。胸を絞めつけるようなため息とともに、小さくつぶやいた。
「ユリーカ様に会いたい」
ノックの音がして、マリーはドアを見る。元気よくドアが開くと、コレットが部屋に入ってきた。
「マリー!私は心配でたまらねえんだ。今朝もお兄様に注意されたけど、言葉遣いやマナーは難しくて、いっくら練習しても全然身につかないんだから。ママは、私はすぐに人気者になれるって言うけど、お高く留まったお嬢さんたちから田舎者って馬鹿にされないだろうか?」
コレットは華やかな見た目でかわいい。それなのに喋ると一転して、気さくで普通の女の子になる。彼女のそんな一面に、マリーは親近感を覚えるのだった。
「大丈夫。だって、あなたってかわいいもん。すぐに人気者になれるんじゃない?あたしもちょうど、明日からうまくやれるといいなと考えていたの。助け合っていきましょうね!」
二人は互いの手をがしっと取り合った。
冗談みたいな話だけど、ユリーカはどうやら真理が昨日読んでいたウェブ漫画の世界の神様らしかった。真理がそう結論付けるまでには、たっぷり二十分かかった。
真理は知らない部屋のベッドで寝ていた。ユリーカの腕の中にいたはずなのだが、今はふかふかのベッドの上にいる。
ここは誰の部屋なのだろうか?ユリーカが自分の世界に連れてきたはずだ。ここはユリーカの世界なのだろうか?何もかもが疑問だ。
真理は天蓋付きのベッドから起き上がると、さっと部屋を見渡す。ピンクや花柄、ゴージャスなカーテンのタッセル。この部屋の持ち主の趣味はだいぶ乙女らしい。お姫様が住んでいそうな部屋だ。
凝った装飾がされた箱から、宝石を手に取って眺める。大きくて色の濃い宝石に、細かな金銀の細工が施されたペンダントやブローチが几帳面に保管されている。あながちお姫様は間違いではないかもしれないと、真理は思う。宝石を箱に戻すと、鏡の前に立った。
真理は息を呑んだ。鏡には真理ではない人間が映っていた。肩まで伸びた見事な金髪に、お人形のような顔立ち。ぱっちりとした瞳は青っぽいが、よく見ると灰色だ。
(待って、これは悪役令嬢マリーじゃない?見れば見るほど美少女!あたしってば、かわいい!)
確かにマリーはこんな人だったと、真理は鏡にこれ以上近づけないほどの距離で、自分の姿を見つめている。正確には、漫画を実写化したらこんなかんじだというべきだろう。
真理は満足するまで自分の新しい顔を眺めると、ふかふかのベッドにダイブし、大の字になって考え事を始めた。
(これが漫画の世界なら、あたしは悪役令嬢として王子の卒業パーティーから追放されて、あたしの代わりに義理の妹が王子の婚約者になるんだ。まだ一話しか読んでなかったけど、マリーは自由になれると喜んでいたようだった。あたしも自由にしていいってことかな?)
ノックの音がすると、メイドの恰好をした若い女が入室した。
「おはようございます、マリーお嬢様。本日はご希望通りにブルーのワンピースと、おそろいのリボンでよろしいですか?」
「え?ああ、じゃあそれでお願いね」
マリーはされるがままにメイドに着替えを手伝われ、気がつけばフリルがかわいいワンピースを着せられ、髪には大きなブルーのリボンが巻かれていた。
「かわいい!ありがとう。まるでアリスみたい」
しまったと思ったが、すでに感情は口から飛び出していた。メイドはくすくす笑って言った。
「まあ、お嬢様ったら。わたしみたいだなんて、どこも似ていませんよ」
マリーはぽかんと口をあけたのも一瞬、納得がいった顔をして、おかしそうに笑った。
「あたしはまだ寝ぼけてるみたい。頭がぼーっとしてるから、フォローをよろしくね!」
アリスに案内されるまま部屋を出て、おいしそうな匂いのする方向へ進む。たまらず部屋に入ると、気がつけばマリーは椅子に座って、目の前にはごちそうが並んでいた。
湯気が立ち上がるカフェオレに、バターたっぷりのクロワッサン、宝石のように輝くジャム、水分をたっぷりと含んだ果実。
鏡で見た自分の姿とそっくりな二人が、声をかけてきた。
「明日からロイヤルフルールアカデミーに入学する気分はどうだ?あそこは格式高い学校だ。先生も生徒も立派な人ばかりだよ」
「明日?ロイヤルフルールアカデミー……」
「お父様、マリーは寝ぼけているんじゃない?お前、この調子で二年間もやっていけるの?真面目にやらないと、あそこは平気で生徒を落第させるからな」
マリーを心配そうに見ているのは、金髪の紳士と美少年だ。
「まあ大丈夫だろう。マリーはしっかりしているから。それにジョゼフ王子の婚約者の筆頭候補なんだ。みんな助けてくれるだろう」
マリーはふわふわのクロワッサンを咀嚼し、にっこりとほほ笑むと、かわいらしく言った。クロワッサンのあまりのおいしさに、マリーはご機嫌だ。
「ありがとう、お父様」
マリーの父親は娘に笑顔を返すと、ピンク色の髪の少女に向かって心配そうな顔を向けた。
「コレット。君もマリーと一緒に入学するんだよ。家庭教師の先生からは努力していると聞いているけど、大丈夫そうか?」
マリーは食べ物以外にやっと注意を向けると、コレットを見た。目立つピンク色の髪型なのに、なぜ今まで気づかなかったのだろう。
「マリーと一緒に入学できてすんごく嬉しい!緊張して今夜は眠れねえかもしれないなあ」
マリーはクロワッサンを喉に詰まらせてしまった。カフェオレを飲んで、落ち着きを取り戻すと、改めてコレットを観察した。
ピンク色の髪はくるくるとカールし、純真そうなスカイブルー色の瞳は輝いている。天使のように愛らしい笑顔から飛び出す訛りは、破壊力抜群だ。これがギャップというやつなのか。
コレットが敵である可能性は瞬時にマリーの頭から吹っ飛んで、彼女と共に学園生活を乗り切ろうと心に誓う。
「コレット、あたしもあなたと一緒で心強い」
マリーはコレットに向かって、前のめりに言った。マリーはここでの記憶も常識もないのだ。明日からの学校生活に一人で立ち向かうにはいささか不安を感じていた。コレットの方がこの世界の住人としての経験値は高い。一緒にいてもらえれば百人力だと考えると、自然とマリーの頬が緩む。
「王子様ってかっこええのかな?一目見てみてえなあ」
「コレットは面白いことを言うのねえ。同じ学校なんだから見る機会はあるでしょ?そうよね?」
乙女らしい空想を始めたコレットと同じくらい能天気な声で、コレットの髪をくすませたピンク色にしたような女が言った。コレットの母親、つまりマリーの継母だろう。
「コレットは女優の娘なんだもの。すぐに王子様やお友達の目に留まって、学園の人気者になるわよお」
芝居がかった仕草でコレットに話しかける継母を尻目に、マリーの兄がコレットに助言をした。
「いいかい、コレット。学校では美しいマナーと、丁寧な言葉遣いに気を付けるんだ。お願いだから、デ・ラ・クレール家に恥じない行動をしてくれよな。マリー、お前もだからな」
朝食を終え、自分の部屋に戻ってきたマリーは、早くもお気に入りの場所となった花柄の長椅子に、無防備な姿勢で座っている。マリーはときおり舟をこぎながらも、明日からの振舞いについて考える。
在学中に王子の婚約者となるが、いつのまにかコレットにその座を奪われ、卒業パーティーには婚約破棄を言い渡されるのだろう。そのあとは王子から解放されて好きなことをできそうだ。
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自分にはとても無理だと、マリーは思う。実際、これまで一人にだって告白された経験がないのだから、そう考えるのは最もだろう。
モテるためには思わせぶりな態度で彼ら全員に接しなければいけないし、こまめでないといけない。めんどくさがりのマリーでは三日と持たないだろう。
まだ起きもしないことに気を揉むのに飽きたのか、マリーは長椅子からぴょんと起き上がった。革製のカバンを見つけると、ロイヤルフルールアカデミーの入学許可証やオリエンテーションのリストを取り出した。
文字が読めるし、言語には困っていない。神様に感謝だ。そういえば、ここはユリーカの世界だ。
「ユリーカ様が今もあたしを見守ってくれているかな」と、マリーは口にした。胸を絞めつけるようなため息とともに、小さくつぶやいた。
「ユリーカ様に会いたい」
ノックの音がして、マリーはドアを見る。元気よくドアが開くと、コレットが部屋に入ってきた。
「マリー!私は心配でたまらねえんだ。今朝もお兄様に注意されたけど、言葉遣いやマナーは難しくて、いっくら練習しても全然身につかないんだから。ママは、私はすぐに人気者になれるって言うけど、お高く留まったお嬢さんたちから田舎者って馬鹿にされないだろうか?」
コレットは華やかな見た目でかわいい。それなのに喋ると一転して、気さくで普通の女の子になる。彼女のそんな一面に、マリーは親近感を覚えるのだった。
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