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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第490話 迷宮都市 両親の召喚 6 両親の武器と防具を購入
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両親の冒険者登録を済ませ冒険者ギルドから出ると、次は武器屋に向かう。
これからLv上げをするのに、武器と防具は必要だからね。
武器屋に行くと言うと、何故か兄と旭が目を輝かせた。
いやもう新しい武器は買わないよ?
前回購入した武器屋に入り、それぞれ得物を何にするか決めてもらった。
父は剣、母は槍にするらしい。
2人とも初心者なので、そんなに高い物は必要ないだろう。
母には私と同じミスリル製の短槍で、金貨1枚(100万円)の物を選んであげた。
父は剣が陳列されている棚に向かい、手に取って何かを確認している。
どれでも同じだと思うけど、男性にとって武器はロマンらしいから好きな物を買ってあげよう。
「……あれは今……王宮の宝物庫に置いてあるのか?」
ぽつりと漏れ聞こえた父の言葉に、はっ? となる。
一体、私にどれだけ高い武器を買わせる気なの!?
そもそも王宮の宝物庫にあるような貴重な剣は、店売りしてないよ!
父がどんな剣を選ぶか戦々恐々として見ていると、ガラスケースに入った剣に魅入っている。
やめて~、それお店で一番高いやつじゃん!
「店主、この剣を見せてくれ」
「お客様、この剣は少々値が張りますが……」
父の身形を見てお金を持っていないと判断した店主が、遠回しに拒絶の意を表した。
迷宮都市にいる、冒険者の顔を見知っているのだろう。
父が悲しそうな顔をしたので、仕方なく私が店主にお願いしてあげる事にした。
見るだけだからね?
「すみません、私のパーティーメンバーなんです。少しだけ見させてもらえませんか?」
「おや、サラ嬢の新しいメンバーですか? では、お見せしましょう」
店主はそう言うと厳重に錠がされたガラスケースを開けて、剣を取り出してみせた。
ここでも名前が知られているなんて、私ってば有名ね~。
店主から手渡された剣を父に渡してあげると、手に持ちじっと見つめている。
きっと鑑定をしているんだろう。
私は見ても全く分からないので、商品の内容が書かれた羊皮紙を読む。
素材はオリハルコンで、ドワーフの名匠バール氏の作品とある。
剣に付いているのは、コカトリスキングの魔石を加工した物らしい。
石化魔法が付与されている。
そして、お値段は金貨300枚(3億円)となっていた。
3億って……家の値段だよ!
石化魔法なら、ダンジョンで攻略すれば覚える事が出来るので必要ない。
父は気が済んだだろうか?
そう思って様子を窺うと、何やら険しい顔付きをしてるみたいだ。
「店主、この剣は紛い物だ。素材はオリハルコンが表面を覆っているだけで、中身はミスリル製のようだな。それにバール氏とあるが、この剣の製作者はドワーフじゃなく人間だ。更に言うと、コカトリスキングの魔石ではなく、コカトリスの魔石のようだぞ?」
あ~、鑑定魔法が使用出来るってバレちゃうよ!
『手紙の人』から与えられた能力について、口止めするのを忘れてた~。
「……もしかして、鑑定の能力をお持ちですか?」
ほら、店主にバレてるし……。
「あぁ、そうだ。知りながら展示していた訳じゃないだろう。偽物を掴まされたな」
「何とっ! 教えて下さり、ありがとうございます」
そう言って店主は父に向かい丁寧に頭を下げた。
はぁ~、良い人で助かった。
嘘を吐くなと怒鳴られ、店から追い出されるかと思ったよ。
結局、父がその後に選んだのはミスリル製の金貨1枚(100万円)の物だったので、ほっと胸を撫で下ろした。
これは母の値段に合わせたのかな?
兄達はそんな遣り取りを知らず、2人で楽しそうに店内にあるロマン武器を見て回っていた。
ハラハラしたのは私だけか……。
商品代金を払い武器屋から出ると、次は防具屋に向かう。
道中、父には無暗に鑑定の能力を披露しないように注意をした。
防具屋では、私達と同じワイバーン製の革鎧を購入する。
両親のサイズは店頭にあったので、直ぐに買う事が出来たよ。
用事が済んだので、異世界からホームの自宅に戻ってくる。
昨日は実家だったけど、今日は兄達の部屋で昼食を取る事にした。
私と母が料理を作っている間、旭は早速父に大量の金貨を日本円に換金してもらっているようだ。
午後から兄と車を買いに行くと言い、はしゃいでいる。
お金が沢山あるから好きな車を購入すればいいよ。
旭は異世界のお金を、今まで使用した事がなかったからね~。
一体、どんな車を買う心算なんだろう?
昼食のメニューは、昨日の夕食会で出した残り物のおかず数品とアサリの味噌汁。
母が作った茶碗蒸しと、私の作った蓮根のキンピラだ。
お昼なので、迷宮ウナギは出さない。
昼食後、両親を実家に送り兄達とは別行動をする。
再び異世界に移転し、ガーグ老の工房へと向かった。
両親と雫ちゃん、旭のお母さんの稽古を付けてもらえるよう頼みにいくのだ。
両親は、剣も槍も手に持った事さえない素人だからね。
あぁ、雫ちゃんと旭のお母さんのステータスを聞いておく必要があるな。
きっと旭のお母さんは、魔法を習得していないだろう。
転移組なら魔物から習得が可能だ。
雫ちゃんは転生者だから、この世界では王都の魔法学校で習う必要があるんだけど……。
同い年なら、入学は難しいかも知れない。
確か12歳からだった筈。
何か良い方法があるといいんだけど、この世界の人がどうやって魔法を覚えるか知らないんだよね~。
今更アマンダさんに聞く訳にもいかないし、困ったな……。
魔法の習得について考えながら歩いていると、白梟の『ポチ』と『タマ』が上空から降りてきて私の両肩に止まった。
そしてしきりに鼻を鳴らしている。
え? 私の匂いを嗅いでいるの?
昨日、ちゃんとお風呂には入ったんだけど……。
2匹の行動が理解出来ないまま、私は家具工房の門を開けた。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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武器屋に行くと言うと、何故か兄と旭が目を輝かせた。
いやもう新しい武器は買わないよ?
前回購入した武器屋に入り、それぞれ得物を何にするか決めてもらった。
父は剣、母は槍にするらしい。
2人とも初心者なので、そんなに高い物は必要ないだろう。
母には私と同じミスリル製の短槍で、金貨1枚(100万円)の物を選んであげた。
父は剣が陳列されている棚に向かい、手に取って何かを確認している。
どれでも同じだと思うけど、男性にとって武器はロマンらしいから好きな物を買ってあげよう。
「……あれは今……王宮の宝物庫に置いてあるのか?」
ぽつりと漏れ聞こえた父の言葉に、はっ? となる。
一体、私にどれだけ高い武器を買わせる気なの!?
そもそも王宮の宝物庫にあるような貴重な剣は、店売りしてないよ!
父がどんな剣を選ぶか戦々恐々として見ていると、ガラスケースに入った剣に魅入っている。
やめて~、それお店で一番高いやつじゃん!
「店主、この剣を見せてくれ」
「お客様、この剣は少々値が張りますが……」
父の身形を見てお金を持っていないと判断した店主が、遠回しに拒絶の意を表した。
迷宮都市にいる、冒険者の顔を見知っているのだろう。
父が悲しそうな顔をしたので、仕方なく私が店主にお願いしてあげる事にした。
見るだけだからね?
「すみません、私のパーティーメンバーなんです。少しだけ見させてもらえませんか?」
「おや、サラ嬢の新しいメンバーですか? では、お見せしましょう」
店主はそう言うと厳重に錠がされたガラスケースを開けて、剣を取り出してみせた。
ここでも名前が知られているなんて、私ってば有名ね~。
店主から手渡された剣を父に渡してあげると、手に持ちじっと見つめている。
きっと鑑定をしているんだろう。
私は見ても全く分からないので、商品の内容が書かれた羊皮紙を読む。
素材はオリハルコンで、ドワーフの名匠バール氏の作品とある。
剣に付いているのは、コカトリスキングの魔石を加工した物らしい。
石化魔法が付与されている。
そして、お値段は金貨300枚(3億円)となっていた。
3億って……家の値段だよ!
石化魔法なら、ダンジョンで攻略すれば覚える事が出来るので必要ない。
父は気が済んだだろうか?
そう思って様子を窺うと、何やら険しい顔付きをしてるみたいだ。
「店主、この剣は紛い物だ。素材はオリハルコンが表面を覆っているだけで、中身はミスリル製のようだな。それにバール氏とあるが、この剣の製作者はドワーフじゃなく人間だ。更に言うと、コカトリスキングの魔石ではなく、コカトリスの魔石のようだぞ?」
あ~、鑑定魔法が使用出来るってバレちゃうよ!
『手紙の人』から与えられた能力について、口止めするのを忘れてた~。
「……もしかして、鑑定の能力をお持ちですか?」
ほら、店主にバレてるし……。
「あぁ、そうだ。知りながら展示していた訳じゃないだろう。偽物を掴まされたな」
「何とっ! 教えて下さり、ありがとうございます」
そう言って店主は父に向かい丁寧に頭を下げた。
はぁ~、良い人で助かった。
嘘を吐くなと怒鳴られ、店から追い出されるかと思ったよ。
結局、父がその後に選んだのはミスリル製の金貨1枚(100万円)の物だったので、ほっと胸を撫で下ろした。
これは母の値段に合わせたのかな?
兄達はそんな遣り取りを知らず、2人で楽しそうに店内にあるロマン武器を見て回っていた。
ハラハラしたのは私だけか……。
商品代金を払い武器屋から出ると、次は防具屋に向かう。
道中、父には無暗に鑑定の能力を披露しないように注意をした。
防具屋では、私達と同じワイバーン製の革鎧を購入する。
両親のサイズは店頭にあったので、直ぐに買う事が出来たよ。
用事が済んだので、異世界からホームの自宅に戻ってくる。
昨日は実家だったけど、今日は兄達の部屋で昼食を取る事にした。
私と母が料理を作っている間、旭は早速父に大量の金貨を日本円に換金してもらっているようだ。
午後から兄と車を買いに行くと言い、はしゃいでいる。
お金が沢山あるから好きな車を購入すればいいよ。
旭は異世界のお金を、今まで使用した事がなかったからね~。
一体、どんな車を買う心算なんだろう?
昼食のメニューは、昨日の夕食会で出した残り物のおかず数品とアサリの味噌汁。
母が作った茶碗蒸しと、私の作った蓮根のキンピラだ。
お昼なので、迷宮ウナギは出さない。
昼食後、両親を実家に送り兄達とは別行動をする。
再び異世界に移転し、ガーグ老の工房へと向かった。
両親と雫ちゃん、旭のお母さんの稽古を付けてもらえるよう頼みにいくのだ。
両親は、剣も槍も手に持った事さえない素人だからね。
あぁ、雫ちゃんと旭のお母さんのステータスを聞いておく必要があるな。
きっと旭のお母さんは、魔法を習得していないだろう。
転移組なら魔物から習得が可能だ。
雫ちゃんは転生者だから、この世界では王都の魔法学校で習う必要があるんだけど……。
同い年なら、入学は難しいかも知れない。
確か12歳からだった筈。
何か良い方法があるといいんだけど、この世界の人がどうやって魔法を覚えるか知らないんだよね~。
今更アマンダさんに聞く訳にもいかないし、困ったな……。
魔法の習得について考えながら歩いていると、白梟の『ポチ』と『タマ』が上空から降りてきて私の両肩に止まった。
そしてしきりに鼻を鳴らしている。
え? 私の匂いを嗅いでいるの?
昨日、ちゃんとお風呂には入ったんだけど……。
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