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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第540話 椎名 響 18 ガーグ老との再会 4&従魔登録&ダンジョン初攻略
娘はガーグ老から渡された通信の魔道具が、影衆当主の長男に繋がる事へ困惑した様子をみせる。
まぁ普通に考えたら家族でもない人物が相手になるのは、変だと思うだろう。
「あの……、ガーグ老の息子さんに繋がるのは悪い気がするんですが」
「なに問題ない。あぁ、渡すのは長男のゼンだ」
「ゼンさんは王宮で王族の近衛をされているから、連絡しても対処出来ないんじゃ……」
ガーグ老は家具職人に偽装していたようだが、息子達の職業を聞いてなかった。
どうやら王族を警護する近衛になっているらしい。
迷宮都市から王都までは、早馬で駆けても1週間は掛かりそうだが?
毎週どう稽古を付けてるんだ……。
ガーグ老が沙良の疑問に対しどう切り抜けるか待っていると、
「あぁ、今は休職し迷宮都市に戻ってきておるから大丈夫だ」
なんと息子を休職にしてしまった!
いやいや、近衛の職を休職する騎士などおらんぞ?
しかも、それだと無職の状態にならないか?
沙良達といつ出会ったのか知らないが……。
その理由では、あまり長く一緒にはいられない。
娘は休職中の男性と結婚するのか?
ヒモ状態の婿は遠慮したい。
「じゃあ、お言葉に甘えて頂きますね」
沙良はガーグ老の息子が休職していると聞き納得したのか、お礼を言い俺達と一緒に工房を出た。
俺の両肩に止まっているポチとタマが、名残惜しそうに離れていく。
ごめんな、お前達のご主人様を召喚するのに、まだ時間が掛かりそうだ。
工房を出てホームに戻る途中、娘が話しかけてきた。
「お父さん、ガーグ老達が将棋を指せて驚いたでしょう? 以前仕えていた姫様が教えてくれたんだって。元日本人みたいだから会えなくて残念だね。もらった剣は形見の品だから、大切にしないと駄目だよ?」
ガーグ老達に、樹が王宮を抜け出すため将棋を教えたと言っていた気がする。
その姫様と異世界で再会した後、結婚したのは黙っておかないと。
姫様は当然、樹だ。
となると家具職人の前は、王族を護衛していた元騎士という設定なんだろう。
じゃないと稽古を付けるだけの技量があるのは不自然だ。
武人が家具職人になるのは無理があり過ぎる。
本当に家具を製作出来るんだろうか?
俺が譲り受けた剣は樹の形見の品ではなく俺専用の武器だが、ここは同意しておこう。
「あぁ……それは残念だな。剣は大切に使用するよ」
「あとね、ガーグ老が通信の魔道具をくれたの。お父さんに渡しておくから、何かあったら連絡してね。魔力消費が高い魔道具みたい。使用後は、忘れずにハイエーテル飲んだ方がいいと思う」
予定通り、沙良は俺に通信の魔道具を渡してくれた。
ホームに戻った後、妻と一緒に食べてと鰻の蒲焼を渡される。
おお、今日は鰻丼だな~!
昼はすき焼き、夜は鰻丼なんて最高じゃないか?
その夜。
いつになく積極的な妻と仲良く頑張ってしまった……。
まるで20代の頃に戻った感じなんだが……。
翌日の月曜日。
今日から沙良達と初めてダンジョンを攻略する。
午前中は結花さんが魔物をテイムするらしく、先に妻がテイムした魔物の従魔登録を済ませてほしいと言われた。
沙良が結花さんと雫ちゃんを連れてダンジョンにいった後、残された俺達は受付嬢へ従魔登録の申請をする。
再び別室に案内され、ギルドマスターが対応してくれた。
従魔登録の用紙は代表して俺が書類を記入する。
テイム魔法か……、出来れば習得したいな。
沙良の従魔である迷宮タイガーは、白虎だからかなり見栄えがいい。
ゴールデンウルフには沙良が騎乗し、迷宮タイガーには賢也と尚人君が騎乗する。
妻がテイムしたシルバーウルフに2人で騎乗するのか?
テイムしたばかりの魔物で大丈夫だろうか……。
記入した書類を渡すと、ギルドマスターから従魔用の首輪を渡される。
その際、漏れた溜息が気になった。
何だ?
従魔登録に何か問題でも?
この後で結花さんも2匹登録する予定なんだがなぁ。
よく考えたら7人パーティーで5匹の従魔がいるのは、おかしいかも知れん。
従魔登録を済ませギルド内で沙良達を待っている間、冒険者達の視線がボブに集中する。
迷宮都市では従魔が珍しい存在なんだろう。
王都や摩天楼のあるダンジョンは普通に見掛けたが……。
1時間程で、沙良達が新しくテイムした3匹の従魔を連れ戻ってきた。
結花さんがテイムした魔物を見て絶句する。
どうしてウサギにしたんだ?
あんな飛び跳ねる魔物に乗るなんて正気じゃない。
騎獣としては最悪の部類に入るだろう。
しかも名前を聞いて頭が痛くなった。
アレキサンドリア・リヒテンシュタインと源五郎とは……。
結花さんは、妻と同じセンスをしているのかも。
尚人君が名前を聞き残念そうな顔をしていた。
まだボブの方がましか……。
そして沙良は、新たに迷宮タイガーをテイムしたようだ。
それを見た賢也が顔色を変える。
「沙良、従魔がもう1匹増えているように見えるんだが?」
おっとこれは、長男のお説教が始まりそうだ。
きっとボブに2人は乗れないと思い、俺の騎獣をテイムしてくれたんだろう。
「魔物のテイムにはMPが必要だったんだよな。悪い、母さんのテイムしたボブに2人乗りは無理そうだから、もう1匹テイムしてくれるよう沙良に頼んだんだ」
俺はすかさずフォローに回る。
「……分かった。新しい従魔の名前を教えてくれ」
「泰雅だよ!」
うん、娘はまた安易な名前を付けたらしい。
タイガーで泰雅とは……。
「サラちゃん、相変わらずまんまの名前を付けたんだ……。でもフォレストウサギの源五郎よりいいかなぁ」
尚人君の本音が漏れたようだ。
3匹の従魔登録が済み、いよいよそれぞれの騎獣に乗ってダンジョンへと向かう。
ダンジョンに到着すると入場料の銀貨1枚(1万円)を払い中に入る。
スキップ制度を受けたから、ダンジョン内が迷路状なのは既に分かっていた。
俺達は従魔に乗ったまま移動する。
あぁ、これじゃ沙良の護衛をするのは難しいだろう。
エルフとはいえ、人型では魔物の速度に追いつくのは不可能だ。
影衆達は相当苦労しているようだな。
ドラゴンの風太に騎獣を運んでもらうにしても、その騎獣の数は直ぐに揃わない。
苦肉の策として、通信の魔道具が役に立つといいんだが……。
沙良が地下15階までに習得出来る魔法を、俺と妻と結花さんに魔物から受けてほしいという。
俺は現在4属性魔法のボール系しか覚えていなかったため、その提案には賛成だ。
その結果、4属性魔法のアロー系・ニードル系、氷魔法、雷魔法、闇魔法、石化魔法、魅惑魔法を習得する。
「まじかっ……こんな簡単に!」
俺はステータス画面を確認し、思わず口にしてしまう。
教会の儀式を受け魔術書で覚える魔法の仕組みは、どこに消えたんだ?
地下15階の安全地帯に到着後、沙良がマジックテントを幾つも出していた。
そんなに数が必要なのか?
6人用なら1個でいいだろうに……。
お昼の時間を過ぎていたので、テント内からホームに戻り昼食にする。
沙良の家で妻と一緒に、これから料理を作るらしい。
ダンジョン攻略中、妻と娘の手料理が食べられるとは……。
摩天楼のダンジョンで提供された携帯食料とは違い過ぎ涙が出そうだ。
2人が料理を作り始めると、結花さんが「私もお手伝いするわ」と申し出る。
あぁ、それだけは止めてくれ!
危険を感じた雫ちゃんと尚人君が、「お母さんは何もしないでいいよ!」と止めに入ってくれ助かった。
携帯食料より酷い物を食べさせられる所だ。
ただ何もさせないのは申し訳ないと思ったのか、代わりにお茶を淹れてほしいと頼んでいる。
お茶なら大丈夫だろう。
出来上がった料理を食べながら、雫ちゃんと結花さんが感動していた。
「ダンジョン攻略中に、美味しいご飯が食べられるなんて夢みたい! もうあの塩味のスープとパサパサのパンとは、おさらばよ!」
「夜はお風呂に入れて、自宅のベッドで眠れるんでしょう? 沙良ちゃんと一緒のパーティーを組めて良かったわ~」
俺はその意見に激しく同意し、うんうんと頷いた。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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まぁ普通に考えたら家族でもない人物が相手になるのは、変だと思うだろう。
「あの……、ガーグ老の息子さんに繋がるのは悪い気がするんですが」
「なに問題ない。あぁ、渡すのは長男のゼンだ」
「ゼンさんは王宮で王族の近衛をされているから、連絡しても対処出来ないんじゃ……」
ガーグ老は家具職人に偽装していたようだが、息子達の職業を聞いてなかった。
どうやら王族を警護する近衛になっているらしい。
迷宮都市から王都までは、早馬で駆けても1週間は掛かりそうだが?
毎週どう稽古を付けてるんだ……。
ガーグ老が沙良の疑問に対しどう切り抜けるか待っていると、
「あぁ、今は休職し迷宮都市に戻ってきておるから大丈夫だ」
なんと息子を休職にしてしまった!
いやいや、近衛の職を休職する騎士などおらんぞ?
しかも、それだと無職の状態にならないか?
沙良達といつ出会ったのか知らないが……。
その理由では、あまり長く一緒にはいられない。
娘は休職中の男性と結婚するのか?
ヒモ状態の婿は遠慮したい。
「じゃあ、お言葉に甘えて頂きますね」
沙良はガーグ老の息子が休職していると聞き納得したのか、お礼を言い俺達と一緒に工房を出た。
俺の両肩に止まっているポチとタマが、名残惜しそうに離れていく。
ごめんな、お前達のご主人様を召喚するのに、まだ時間が掛かりそうだ。
工房を出てホームに戻る途中、娘が話しかけてきた。
「お父さん、ガーグ老達が将棋を指せて驚いたでしょう? 以前仕えていた姫様が教えてくれたんだって。元日本人みたいだから会えなくて残念だね。もらった剣は形見の品だから、大切にしないと駄目だよ?」
ガーグ老達に、樹が王宮を抜け出すため将棋を教えたと言っていた気がする。
その姫様と異世界で再会した後、結婚したのは黙っておかないと。
姫様は当然、樹だ。
となると家具職人の前は、王族を護衛していた元騎士という設定なんだろう。
じゃないと稽古を付けるだけの技量があるのは不自然だ。
武人が家具職人になるのは無理があり過ぎる。
本当に家具を製作出来るんだろうか?
俺が譲り受けた剣は樹の形見の品ではなく俺専用の武器だが、ここは同意しておこう。
「あぁ……それは残念だな。剣は大切に使用するよ」
「あとね、ガーグ老が通信の魔道具をくれたの。お父さんに渡しておくから、何かあったら連絡してね。魔力消費が高い魔道具みたい。使用後は、忘れずにハイエーテル飲んだ方がいいと思う」
予定通り、沙良は俺に通信の魔道具を渡してくれた。
ホームに戻った後、妻と一緒に食べてと鰻の蒲焼を渡される。
おお、今日は鰻丼だな~!
昼はすき焼き、夜は鰻丼なんて最高じゃないか?
その夜。
いつになく積極的な妻と仲良く頑張ってしまった……。
まるで20代の頃に戻った感じなんだが……。
翌日の月曜日。
今日から沙良達と初めてダンジョンを攻略する。
午前中は結花さんが魔物をテイムするらしく、先に妻がテイムした魔物の従魔登録を済ませてほしいと言われた。
沙良が結花さんと雫ちゃんを連れてダンジョンにいった後、残された俺達は受付嬢へ従魔登録の申請をする。
再び別室に案内され、ギルドマスターが対応してくれた。
従魔登録の用紙は代表して俺が書類を記入する。
テイム魔法か……、出来れば習得したいな。
沙良の従魔である迷宮タイガーは、白虎だからかなり見栄えがいい。
ゴールデンウルフには沙良が騎乗し、迷宮タイガーには賢也と尚人君が騎乗する。
妻がテイムしたシルバーウルフに2人で騎乗するのか?
テイムしたばかりの魔物で大丈夫だろうか……。
記入した書類を渡すと、ギルドマスターから従魔用の首輪を渡される。
その際、漏れた溜息が気になった。
何だ?
従魔登録に何か問題でも?
この後で結花さんも2匹登録する予定なんだがなぁ。
よく考えたら7人パーティーで5匹の従魔がいるのは、おかしいかも知れん。
従魔登録を済ませギルド内で沙良達を待っている間、冒険者達の視線がボブに集中する。
迷宮都市では従魔が珍しい存在なんだろう。
王都や摩天楼のあるダンジョンは普通に見掛けたが……。
1時間程で、沙良達が新しくテイムした3匹の従魔を連れ戻ってきた。
結花さんがテイムした魔物を見て絶句する。
どうしてウサギにしたんだ?
あんな飛び跳ねる魔物に乗るなんて正気じゃない。
騎獣としては最悪の部類に入るだろう。
しかも名前を聞いて頭が痛くなった。
アレキサンドリア・リヒテンシュタインと源五郎とは……。
結花さんは、妻と同じセンスをしているのかも。
尚人君が名前を聞き残念そうな顔をしていた。
まだボブの方がましか……。
そして沙良は、新たに迷宮タイガーをテイムしたようだ。
それを見た賢也が顔色を変える。
「沙良、従魔がもう1匹増えているように見えるんだが?」
おっとこれは、長男のお説教が始まりそうだ。
きっとボブに2人は乗れないと思い、俺の騎獣をテイムしてくれたんだろう。
「魔物のテイムにはMPが必要だったんだよな。悪い、母さんのテイムしたボブに2人乗りは無理そうだから、もう1匹テイムしてくれるよう沙良に頼んだんだ」
俺はすかさずフォローに回る。
「……分かった。新しい従魔の名前を教えてくれ」
「泰雅だよ!」
うん、娘はまた安易な名前を付けたらしい。
タイガーで泰雅とは……。
「サラちゃん、相変わらずまんまの名前を付けたんだ……。でもフォレストウサギの源五郎よりいいかなぁ」
尚人君の本音が漏れたようだ。
3匹の従魔登録が済み、いよいよそれぞれの騎獣に乗ってダンジョンへと向かう。
ダンジョンに到着すると入場料の銀貨1枚(1万円)を払い中に入る。
スキップ制度を受けたから、ダンジョン内が迷路状なのは既に分かっていた。
俺達は従魔に乗ったまま移動する。
あぁ、これじゃ沙良の護衛をするのは難しいだろう。
エルフとはいえ、人型では魔物の速度に追いつくのは不可能だ。
影衆達は相当苦労しているようだな。
ドラゴンの風太に騎獣を運んでもらうにしても、その騎獣の数は直ぐに揃わない。
苦肉の策として、通信の魔道具が役に立つといいんだが……。
沙良が地下15階までに習得出来る魔法を、俺と妻と結花さんに魔物から受けてほしいという。
俺は現在4属性魔法のボール系しか覚えていなかったため、その提案には賛成だ。
その結果、4属性魔法のアロー系・ニードル系、氷魔法、雷魔法、闇魔法、石化魔法、魅惑魔法を習得する。
「まじかっ……こんな簡単に!」
俺はステータス画面を確認し、思わず口にしてしまう。
教会の儀式を受け魔術書で覚える魔法の仕組みは、どこに消えたんだ?
地下15階の安全地帯に到着後、沙良がマジックテントを幾つも出していた。
そんなに数が必要なのか?
6人用なら1個でいいだろうに……。
お昼の時間を過ぎていたので、テント内からホームに戻り昼食にする。
沙良の家で妻と一緒に、これから料理を作るらしい。
ダンジョン攻略中、妻と娘の手料理が食べられるとは……。
摩天楼のダンジョンで提供された携帯食料とは違い過ぎ涙が出そうだ。
2人が料理を作り始めると、結花さんが「私もお手伝いするわ」と申し出る。
あぁ、それだけは止めてくれ!
危険を感じた雫ちゃんと尚人君が、「お母さんは何もしないでいいよ!」と止めに入ってくれ助かった。
携帯食料より酷い物を食べさせられる所だ。
ただ何もさせないのは申し訳ないと思ったのか、代わりにお茶を淹れてほしいと頼んでいる。
お茶なら大丈夫だろう。
出来上がった料理を食べながら、雫ちゃんと結花さんが感動していた。
「ダンジョン攻略中に、美味しいご飯が食べられるなんて夢みたい! もうあの塩味のスープとパサパサのパンとは、おさらばよ!」
「夜はお風呂に入れて、自宅のベッドで眠れるんでしょう? 沙良ちゃんと一緒のパーティーを組めて良かったわ~」
俺はその意見に激しく同意し、うんうんと頷いた。
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◇小説家になろうでも同時連載中です◇