自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

如月 雪名

文字の大きさ
493 / 781
第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第616話 迷宮都市 地下15階 秘密のLv上げ24(摩天楼のダンジョン30階)&従魔用アイテム

 迷宮都市ダンジョン地下15階の安全地帯へ移動し、テントからホーム内に戻ってくる。
 宝箱の中身に納得いかない私は少し不機嫌だった。
 すると兄が近付いてきて、私の頬を軽くまむ。

「沙良。何を怒っているんだ? 怖い顔になってるぞ?」

「ゔ~少しイライラしてるだけだよ」

「そうか? 理由は分からんが、皆が心配するから早く機嫌を直せ。可愛い顔が台無しだ」

 兄はそう言って、頬から手を外しなだめるように頭をポンポンとたたいた。
 リーダーの私が不機嫌な顔をしていたら、パーティーの士気が下がるわよね。
 宝箱の件は4人しか知らないので、不審に思われないようにしないと……。
 その後、表情をつくろい再びテント内へ移動。
 2パーティーに分かれ3回目の攻略を開始する。

 気分を変えるため直ぐに摩天楼まてんろうのダンジョンへはいかず、地下1階の魔物を槍で倒そう。
 突進してくるファングボアに対し、ターンラカネリの槍を取り出し投げつける。
 槍はファングボアにかすりもせず、迷路状の壁に刺さった……。
 いっ、いつか投擲とうてき術を習得出来れば当たるはず
 直ぐに短槍で仕留め、戻ってきた槍をつかむ。
 その後、何度も投げてみたけど魔物には刺さらない。
 そばで見ていた父とかなで伯父さんに笑われてしまった。
 誰だって、最初はこんなものだよ!
 2人共、笑うなんてひどい! 

 ガーグ老から、槍術Lv5になれば地下5階の魔物を倒しても良いと言われている。
 早くLvを上げたいので今週はなるべく地下1階を攻略しよう。
 戻らないとセイさんが心配するといけないから、1時間ほど魔物を倒した後で摩天楼のダンジョンへ。
 テント内にいるセイさんへ遅くなったのを謝り、宝箱の中身を取り出しアイテムBOXへ収納しようとした所で、もう一つ入っているのに気付いた。
 金の指輪……?
 宝箱には、パーティー人数分だけしか入っていないはずなのに誰の分だろう?
 指輪を取り出し、性能を父に鑑定してもらうと従魔用のアイテムだった。
 首輪と同じで大きさは自在に変化するらしい。
 めると速度2倍の効果がある。

 私の従魔は、シルバー、泰雅たいが黄金こがねがいるけど黄金こがねはまだ最近テイムしたばかり。
 シルバーと泰雅たいが用なら、2個なければおかしい。
 となると、これはポチ用かしら?
 父の肩に乗り、いつも一緒に攻略しているからパーティーメンバーとみなされたのだろうか?
 従魔用のアイテムが一番良い物のような気がする。
 でも摩天楼のダンジョンを攻略している件はガーグ老へ話せないから、ポチへ指輪をめる訳にはいかないだろうな……。

 勿体もったいないから、シルバーに付けておこう。
 シルバーの右足を持ち上げ指輪を近付けると、見る見るうちに大きさが変化し足首に装着された。
 これは錬金術で作られた物?
 シルバーは従魔用のアイテムを嵌められても嫌がらず、尻尾を振りご機嫌な様子だ。
 ポチには悪いけど、有効活用させてもらうわね。
 シルバーに乗ったセイさんの討伐の様子をテント内から見てみると、いつもよりシルバーの動きが速い。
 これ……私を乗せた時は、速度制限されるから意味ないかも?
 きっと私と一緒の時は、こんなに速く動いてはくれないだろう。
 
 宝箱がハズレだったため、さっさと階層を上がろうと父へ提案したら、もう一度だけ宝箱を待ってみようと言われた。
 こればっかりは運だから、次は良い物が当たる可能性も否定出来ず30階を後30日だけ攻略する事に決める。
 次もハズレだったら、ダンジョンマスターに突撃しようとひそかに思ったのは内緒だ。
 誰だか知らないけど男性なのは間違いない。
 またビキニだったら一発殴ってやる!

 テント内で暇な奏伯父さんは、料理を作っている私を見ながら異世界の話を教えてくれた。
 伯父さんが宝箱を開けた時は、マジックバッグ100㎥が入っていたそうだ。
 ちなみに魔道具屋では金貨1,350枚(13億5千万円)で売っていると聞き、唖然あぜんとなる。
 高っ!!
 摩天楼のダンジョンを攻略出来るのはA級冒険者以上だけど、それにしても高額過ぎる。
 俺はラッキーだったなと笑っていた。
 マジックバッグは誰が作っているのか尋ねると、空間魔法持ちの人間だと言う。
 ただし、それは国が厳重に秘匿ひとくしているので詳細は分からないらしい。
 
 どうやら重要な魔法を使用出来る人間は、国に保護されているようだ。
 薬師ギルドのように、錬金術ギルドや従魔ギルドの存在もない。
 地球からダンジョンマスターとして召喚されている人間がいるのも、知らなかったと言う。
 異世界ではダンジョンマスターを見た人がいないのかな?
 旭はリースナーのダンジョン地下10階にいたけど、普通はもっと大型ダンジョンに召喚されるんだろうか?
 カルドサリ王国内にある大型ダンジョンは、全て攻略されていないものばかり。
 最終階層にいるダンジョンマスターの姿を、見た事がある冒険者がいないのも当然か……。

 -------------------------------------
 お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
 読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
 応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
 これからもよろしくお願い致します。
 -------------------------------------
感想 2,669

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!

akechi
ファンタジー
アウラード大帝国の第四皇女として生まれたアレクシア。だが、母親である側妃からは愛されず、父親である皇帝ルシアードには会った事もなかった…が、アレクシアは蔑ろにされているのを良いことに自由を満喫していた。 そう、アレクシアは前世の記憶を持って生まれたのだ。前世は大賢者として伝説になっているアリアナという女性だ。アレクシアは昔の知恵を使い、様々な事件を解決していく内に昔の仲間と再会したりと皆に愛されていくお話。 ※コメディ寄りです。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

家ごと異世界ライフ

もちもちほっぺ
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!

夢のテンプレ幼女転生、はじめました。 憧れののんびり冒険者生活を送ります

ういの
ファンタジー
旧題:テンプレ展開で幼女転生しました。憧れの冒険者になったので仲間たちとともにのんびり冒険したいとおもいます。 七瀬千那(ななせ ちな)28歳。トラックに轢かれ、気がついたら異世界の森の中でした。そこで出会った冒険者とともに森を抜け、最初の街で冒険者登録しました。新米冒険者(5歳)爆誕です!神様がくれた(と思われる)チート魔法を使ってお気楽冒険者生活のはじまりです!……ちょっと!神獣様!精霊王様!竜王様!私はのんびり冒険したいだけなので、目立つ行動はお控えください!! 初めての投稿で、完全に見切り発車です。自分が読みたい作品は読み切っちゃった!でももっと読みたい!じゃあ自分で書いちゃおう!っていうノリで書き始めました。 2024年5月 書籍一巻発売 2025年7月 書籍二巻発売 2025年10月 コミカライズ連載開始

転生したので、今世こそは楽しく生きます!~大好きな家族に囲まれて第2の人生を謳歌する~

結笑-yue-
ファンタジー
『可愛いわね』 『小さいな』 『…やっと…逢えた』 『我らの愛しい姫。パレスの愛し子よ』 『『『『『『『『『『我ら、原初の精霊の祝福を』』』』』』』』』』 地球とは別の世界、異世界“パレス”。 ここに生まれてくるはずだった世界に愛された愛し子。 しかし、神たちによって大切にされていた魂が突然できた輪廻の輪の歪みに吸い込まれてしまった。 神たちや精霊王、神獣や聖獣たちが必死に探したが、終ぞ見つけられず、時間ばかりが過ぎてしまっていた。 その頃その魂は、地球の日本で産声をあげ誕生していた。 しかし異世界とはいえ、神たちに大切にされていた魂、そして魔力などのない地球で生まれたため、体はひどく病弱。 原因不明の病気をいくつも抱え、病院のベッドの上でのみ生活ができる状態だった。 その子の名は、如月結笑《キサラギユエ》ーーー。 生まれた時に余命宣告されながらも、必死に生きてきたが、命の燈が消えそうな時ようやく愛し子の魂を見つけた神たち。 初めての人生が壮絶なものだったことを知り、激怒し、嘆き悲しみ、憂い……。 阿鼻叫喚のパレスの神界。 次の生では、健康で幸せに満ち溢れた暮らしを約束し、愛し子の魂を送り出した。 これはそんな愛し子が、第2の人生を楽しく幸せに暮らしていくお話。 家族に、精霊、聖獣や神獣、神たちに愛され、仲間を、友達をたくさん作り、困難に立ち向かいながらも成長していく姿を乞うご期待! *:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈ 小説家になろう様でも連載中です。 第1章無事に完走したので、アルファポリス様でも連載を始めます! よろしくお願い致します( . .)" *:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈

追放された荷物持ちですが、実は滅んだ竜族の末裔でした~のんびり暮らしたいのに、なぜかそうならない~

ソラリアル
ファンタジー
目が覚めたら、俺は孤児だった。 家族も、家も、居場所もない。 そんな俺を拾ってくれたのは、優しいSランク冒険者のパーティだった。 「荷物持ちでもいい、仲間になれ」 その言葉を信じて、俺は必死についていった。 だけど、自分には何もできないと思っていた。 それでも少しでも役に立ちたくて、夜な夜な一人で力を磨いた。 だけどある日、彼らは言った。 『ここからは危険だ。荷物持ちは、もう必要ない』 それは、俺の身を案じた「優しさ」からの判断だった。 俺も分かっていた。 だから、黙ってそれを受け入れ、静かにパーティを離れた。 「もう誰にも必要とされなくてもいい。一人で、穏やかに生きていこう」 そう思っていた。そのはずだった。 ――だけど。 ダンジョンの地下で出会った古代竜の魂と、 “様々な縁”が重なり、騒がしくなった。 「最強を目指すべくして生まれた存在」 「君と一緒に行かせてくれ。」 「……オリオンを辞めさせた、本当の理由を知っている」 穏やかなスローライフ生活を望んだはずなのに、 世界はまた、勝手に動き出してしまったらしい―― ◇小説家になろうでも同時連載中です◇