男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…

アルファカッター

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縮まらない距離

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無言。

一家揃っての朝ご飯である。
献立はサラダに温玉、目玉焼きにソーセージと味噌汁にご飯。
母はまだ眠いのか夢心地でモソモソとご飯を食べ、妹は一切此方を見ずに黙々と食べる。
恐らく朝ご飯を作ったであろう姉は飲み物か?と思うほどカツカツカツと朝ご飯を早々に平らげていく。
タケルにとっては少し居心地が悪い朝食だった。

(まぁ、無理もないか…)

突然記憶を無くしましたー!と、今まで暴君のようにしていた人間がおとなしくなってしまい、お互いにどう距離を取れば良いのか分からないのだ。

(ぶっちゃけ俺からしたら他人なんだよなぁ…)

女性ばかりの他人の家で朝ご飯など前世だとラノベぐらいでしか見れないシチュエーションである。
こればかりは時間が解決するしかないだろう…。
それに何よりも…

(俺自身が皆を騙しているみたいで罪悪感的なものがねぇ…)

黙々と朝ご飯を口に運びながらこれからの事を考えるタケルであった…。











「いってきます。」
「…行ってきます。」

朝食後、ユイとカナは其々学校に向かっていった。
タケルは二人を見送ると使った食器を洗いだす。
愛衣はリビングのソファで食後のコーヒーを飲みながらゆっくりとした時間を過ごしていた。

「洗い物任せてごめんねぇ」

「いや、いいよ…俺がやりたかっただけだし…」

昨日のこともあってか母との距離は近付いたタケルは食器を洗った後、自分用のコップにお茶を淹れて愛衣の隣に座る。
丁度クッション一つ分の間、その距離が今の自分の愛衣に対する距離感だと無意識に感じていた。

「…タケルちゃんは…」

「?」

「……ううん、何でもない。」

タケルに何かを聞こうとした愛衣は、曖昧な笑顔をタケルに向ける。
不意に愛衣は頭に浮かんだタケルちゃんが別人になってしまった。という言葉を飲み込んだ。
多分今この場で聞いてしまうと取り返しがつかない事になりそうな予感がしたのだ。
今はまだ、そう、タケル自身が伝えてくれるまで待つ事にしたのだ。

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