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え?料理?それぐらい出来ますとも…
しおりを挟む夕方。
冷蔵庫の中身をみて献立を考えるタケル。
前世では親から自分の飯ぐらいは自分で作れるようになっときなさい!と言われてやり出した自炊。
意外と面白くてハマってしまったタケルは趣味として料理を嗜んでいた。
「…タケルちゃん?嬉しいけど…無理はしないでね…?」
以前のタケルとはかけ離れた行動に母はおろおろとしながらもタケルのやる事を否定する事はなかった。
後ろで心配そうに此方を窺う母を他所にタケルは手際良く準備を進めて行く。
そして、今日は生姜焼きにするか…、と献立を決めて調理に取り掛かるのだった。
「…ただいま。」
「ただいま。」
「あ、姉さん、カナ、お帰りなさい。」
「「………。」」
帰宅した姉と妹を笑顔で迎えたタケル。
それを見たユイはビクリ、と身体を硬直させてしまう。
カナは少し目を見開くが…何事もなかったかのようにタケルの側をすり抜けて家に入る。
ユイは呆然とした顔で玄関に立ち尽くしており…
「…姉さん?」
「…っ!?」
「…大丈夫?ご飯出来てるから、食べたら早く休んだ方がいいよ。」
タケルに肩を叩かれて我に帰る。
そんなユイを怪訝に思いながらタケルは背を向けてリビングに向かう。
後に残されたユイは叩かれた肩に手を添えて頬を染めてヘナヘナと崩れ落ちる。
「…ヤバイ…私の弟が…可愛すぎる…」
思わず出た言葉。
先程のタケルが自分を迎え入れた部屋着にエプロン姿が脳裏を離れない。
乙女ゲームだと一枚スチル必須の絵面であった。
膨らむ新婚生活の妄想に自己補完としてタケルの台詞がどんどん追加、改竄されて行く。
以下妄想
「…お姉ちゃん、中々帰ってこなくて…ちょっと寂しかったな…ご飯出来てるよ!一緒に食べよ!」
「え?俺を先に食べるって?…もぅ、しょうがないなぁ……いいよ。」
「お姉ちゃん、俺…もう…!うぁっ!」
「のわあああぁぁぁぁぁぁっ!!」
妄想から戻ったユイは頭をガンガンと壁にぶつけて理性を取り戻す。
「私は正常…私は正常…」
ぶつぶつと先程の妄想を振り払う様に繰り返して自己暗示を掛ける。
心配になって見に来た母が何かを察したのか生暖かい目でその様子を見守っていた…
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