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No.7 天籟
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協会に戻ったは良いが、何やら周囲が騒がしいな。まだ夜明けには早過ぎるが、一体何が……と、そんな事気にしてる余裕は無ぇんだったな。俺は例の目玉を握りしめたまま、ソフィアが寝かされていた病室へ向かう。
「おい!手掛かりになりそうな物持って来たぞ!」
「貴方は……ご協力ありがとうございます」
「目玉みてぇな石だ。黒目の部分見たら石になって多分死ぬ」
「ご安心を。神秘を打ち消す魔術を使える者も居ります」
さらっと言ってくれてるが、かなり珍しい魔術だ。実際に使ってる奴を見たのは初めてだな。だがそれでどうにもなってねぇってんだから、今のソフィアがどれだけ切羽詰まった状態かが見えて来る。
「ですが念の為、この不透明な箱に入れていただけますか?」
「何の前置きだったんだよ」
「説明はしておくべきかと。もう、お互い無関係ではないのですから」
差し出された箱は、外側が黒く塗り潰されている、ほぼ完全な立方体だった。当然中の様子は見えない。物を入れる場所が無いように見えるが……似たような物は見た事がある。俺がその箱に触れると、スライムに触れたような反発を感じながら、箱は俺の手を受け入れた。
これを箱って呼ぶのは、些か無理があるような気もするが……まぁ、そこは大した事じゃねぇ。俺は手を開き、掴んでいた目玉をその中に入れる。それを確認したらしい魔術師は、さっさとそれを持って退室してしまった。恐らく解析しに行ったんだろう。
しかし、絵画が触れた部分から腐食が始まっているというのは本当だったんだな。既に腹の肉が結構抉れてやがる。見てて気分が良い光景じゃねぇな。
まぁ、見たくない物を無理に見続ける必要は無ぇ。アレで状況が好転するとも限らねぇし、俺はもう一度……
「そこのお兄さん。少し良いかな?」
俺の目線から頭二つ分程度下から、よく通る、女の声が聞こえた。声の主へ目を向けると、東洋人の美しい少女が立っていた。英語の訛り方からして日本人。多分退魔師だ。
「今忙しいんだ。後にしてくれ」
「いや。その必要は無い。君が持ち帰った宝石で、君のお友達は助けられるだろうからね」
「何で分かる?」
「まぁ、そういう術式だと思ってくれれば良いよ」
術式……退魔師が持つ超能力的な神秘か。個人差が激しいから詳細を他者に明かさない事が多いと聞くが……意味深な事だけ言っておいて『そういう物』で済まされると、少し不愉快だな。
「本当だろうな?」
「あぁ。神に誓おう」
「生憎と信仰なんざ無ぇ身でな。その言葉は信用に値しねぇんだ」
「現金でも渡そうか?」
「いや良い」
見た感じ中学生とか高校生程度か?大学生って事もあり得るだろうが……見た目のわりに大人びた雰囲気だ。突然現れて話し掛けて来たのもそうだが信用ならねぇ。だがその一方で、悪意を感じないのも事実。
どうせ今から林へ向かったとして、そこから戻って来る頃には夜明けだろう。それなら、この女の話を聞いてた方がまだ有意義だ。
「分かった話を聞こう」
「手短に済ませよう」
「長くても良い。どうせ祈るしか無ぇんだ」
「信仰は無いんだろう?」
「日本人も都合の良い時だけ神に縋るだろ?同じだよ」
「耳が痛いね」
少女は、俺とは対照的に軽い足取りで、俺の一歩前を進んで行く。やがて、この時間に似合わない喧噪が聞こえない場所へ着いた。人通りはやはり少なく、俺と少女以外の人間は、一人も見当たらない。
「ここら辺で……良さそうだ」
「話をするのに良いという事か?」
「まぁ、そういう事さ。ほら丁度ベンチがある。座って、話をしよう」
少女はそう言ってベンチへ座ると、俺へ向かって手招きをした。相も変わらず敵意は無い。俺は少女の隣に座り、懐の斧へ手を伸ばした。すると少女は、半分包みに入っている黒い直方体を取り出しながら、懐へ突っ込んだ俺の右腕に触れた。
「そう警戒せずとも、敵意が無い事は伝わってるだろう?」
「お見通しって事か」
俺は懐から手を出し、両手を膝の間で組んだ。少女は黒い直方体を一口だけ齧った。少女はそれを口の中に入れたまま、話を始めた。
「今後、日本に来る予定はあるかな?」
「次の旅行先に勧められた」
「それは良かった。そうしたら、日本の協会本部にも是非来てほしい」
「何故?」
「そこにこそ、君達が望む真実があるからさ」
真実ねぇ……知りたい事なら山のようにあるな。爺さんの正体や目的、ソフィアと俺の体質の由来、ソフィアの目的、黒猫の正体……そして何より、俺達がいつまで、協会とファミリーから逃げていられるか。
「アカシックレコードにアクセスできる機器が日本にあったとは驚きだ」
「まぁ似たような物はあるが……」
俺が思わず「冗談だろ?俺はそのつもりだった」と言うと、少女の口からは曖昧な笑い声が漏れた。まさか本当に、そんな物があるなんて言わねぇよな?
「まぁそれとは関係が無い話だ。君達に、協会のあらゆる情報へアクセスする権限を与えよう。日本の施設限定だが、協会の全ての情報が集約されている。十分だろう?」
「へぇ。それで何を調べろって?」
「そこは君達の自由意思に任せる」
「お勧め位してくれよ」
「う~んそうだねぇ……」
少女は、時々黒い直方体を齧りながら、少し悩むように天井を見つめた。二十秒程だろうか。時間を空けて、少女が「そうだね。私は……」と何か言い掛けた所で、一つの足音が近付いて来た。その方向へ目を向けると、白衣を来た魔術師が、こちらへ走って来るのが見えた。
「やっと見つけた!ジョセフさん……でしたよね?」
「大正解だ医者もどき」
俺はベンチから立ち上がり、その魔術師の方へ歩み寄る。その魔術師は切れた息を整えようともせず、「やっと……見つけた……」と、うわ言のように繰り返している。
「何があった?詳しく話せ」
「いえ。私が……せっかちなだけでして……」
「見たら分かるさ。先ず息を整えろ」
魔術師は背筋を伸ばし、乱れた息を整える。俺を探すのに大分走っていたらしい。息がリズミカルになった所で、魔術師はようやく俺へ視線を向けた。
「ソフィアさんが回復しました。現在は腐食した部分の修復に取り掛かってます」
「……なら急がなくても良かっただろ?」
「せっかちなんです」
「想像を遥かに超えて来るんだな」
「魔術師ですから」
俺をソフィアの恋人か何かとでも思ってたのか?まぁそういう言い訳をしたのは俺な訳なんだが。
しかし、まさか本当にあの目玉だけで状況が好転するとは。あの少女の術式、本当に便利なんだな。未来視や予言の類か?まぁどちらにしても、余計な労力を払わずに済んだのは嬉しい事だった。
「ところで、こんな場所で何をしてたんです?」
「あ?そりゃこのお子様と少し……」
俺がベンチの方を振り向くと、そこに少女の姿は無い。どこかに歩いて行く音もしなかったにも関わらず、少女はそこから消えていた。空想上のお友達か?幼少期に居た記憶も無いのに、笑えるな。
「……えっと……」
「いや、良い。気にするな」
魔術師の話じゃ、何か問題が起こっている風でも無いんだ。急ぐ必要も無いだろう。俺はソフィアが要る病室へ向かって、ゆっくりと歩き始める。
「じゃあ、またあおう。つぎはにほんで」
例の少女がそう言ったのが聞こえたのと、彼女の名前を聞き忘れていた事を思い出したのは、ほぼ同時の事だった。
「おい!手掛かりになりそうな物持って来たぞ!」
「貴方は……ご協力ありがとうございます」
「目玉みてぇな石だ。黒目の部分見たら石になって多分死ぬ」
「ご安心を。神秘を打ち消す魔術を使える者も居ります」
さらっと言ってくれてるが、かなり珍しい魔術だ。実際に使ってる奴を見たのは初めてだな。だがそれでどうにもなってねぇってんだから、今のソフィアがどれだけ切羽詰まった状態かが見えて来る。
「ですが念の為、この不透明な箱に入れていただけますか?」
「何の前置きだったんだよ」
「説明はしておくべきかと。もう、お互い無関係ではないのですから」
差し出された箱は、外側が黒く塗り潰されている、ほぼ完全な立方体だった。当然中の様子は見えない。物を入れる場所が無いように見えるが……似たような物は見た事がある。俺がその箱に触れると、スライムに触れたような反発を感じながら、箱は俺の手を受け入れた。
これを箱って呼ぶのは、些か無理があるような気もするが……まぁ、そこは大した事じゃねぇ。俺は手を開き、掴んでいた目玉をその中に入れる。それを確認したらしい魔術師は、さっさとそれを持って退室してしまった。恐らく解析しに行ったんだろう。
しかし、絵画が触れた部分から腐食が始まっているというのは本当だったんだな。既に腹の肉が結構抉れてやがる。見てて気分が良い光景じゃねぇな。
まぁ、見たくない物を無理に見続ける必要は無ぇ。アレで状況が好転するとも限らねぇし、俺はもう一度……
「そこのお兄さん。少し良いかな?」
俺の目線から頭二つ分程度下から、よく通る、女の声が聞こえた。声の主へ目を向けると、東洋人の美しい少女が立っていた。英語の訛り方からして日本人。多分退魔師だ。
「今忙しいんだ。後にしてくれ」
「いや。その必要は無い。君が持ち帰った宝石で、君のお友達は助けられるだろうからね」
「何で分かる?」
「まぁ、そういう術式だと思ってくれれば良いよ」
術式……退魔師が持つ超能力的な神秘か。個人差が激しいから詳細を他者に明かさない事が多いと聞くが……意味深な事だけ言っておいて『そういう物』で済まされると、少し不愉快だな。
「本当だろうな?」
「あぁ。神に誓おう」
「生憎と信仰なんざ無ぇ身でな。その言葉は信用に値しねぇんだ」
「現金でも渡そうか?」
「いや良い」
見た感じ中学生とか高校生程度か?大学生って事もあり得るだろうが……見た目のわりに大人びた雰囲気だ。突然現れて話し掛けて来たのもそうだが信用ならねぇ。だがその一方で、悪意を感じないのも事実。
どうせ今から林へ向かったとして、そこから戻って来る頃には夜明けだろう。それなら、この女の話を聞いてた方がまだ有意義だ。
「分かった話を聞こう」
「手短に済ませよう」
「長くても良い。どうせ祈るしか無ぇんだ」
「信仰は無いんだろう?」
「日本人も都合の良い時だけ神に縋るだろ?同じだよ」
「耳が痛いね」
少女は、俺とは対照的に軽い足取りで、俺の一歩前を進んで行く。やがて、この時間に似合わない喧噪が聞こえない場所へ着いた。人通りはやはり少なく、俺と少女以外の人間は、一人も見当たらない。
「ここら辺で……良さそうだ」
「話をするのに良いという事か?」
「まぁ、そういう事さ。ほら丁度ベンチがある。座って、話をしよう」
少女はそう言ってベンチへ座ると、俺へ向かって手招きをした。相も変わらず敵意は無い。俺は少女の隣に座り、懐の斧へ手を伸ばした。すると少女は、半分包みに入っている黒い直方体を取り出しながら、懐へ突っ込んだ俺の右腕に触れた。
「そう警戒せずとも、敵意が無い事は伝わってるだろう?」
「お見通しって事か」
俺は懐から手を出し、両手を膝の間で組んだ。少女は黒い直方体を一口だけ齧った。少女はそれを口の中に入れたまま、話を始めた。
「今後、日本に来る予定はあるかな?」
「次の旅行先に勧められた」
「それは良かった。そうしたら、日本の協会本部にも是非来てほしい」
「何故?」
「そこにこそ、君達が望む真実があるからさ」
真実ねぇ……知りたい事なら山のようにあるな。爺さんの正体や目的、ソフィアと俺の体質の由来、ソフィアの目的、黒猫の正体……そして何より、俺達がいつまで、協会とファミリーから逃げていられるか。
「アカシックレコードにアクセスできる機器が日本にあったとは驚きだ」
「まぁ似たような物はあるが……」
俺が思わず「冗談だろ?俺はそのつもりだった」と言うと、少女の口からは曖昧な笑い声が漏れた。まさか本当に、そんな物があるなんて言わねぇよな?
「まぁそれとは関係が無い話だ。君達に、協会のあらゆる情報へアクセスする権限を与えよう。日本の施設限定だが、協会の全ての情報が集約されている。十分だろう?」
「へぇ。それで何を調べろって?」
「そこは君達の自由意思に任せる」
「お勧め位してくれよ」
「う~んそうだねぇ……」
少女は、時々黒い直方体を齧りながら、少し悩むように天井を見つめた。二十秒程だろうか。時間を空けて、少女が「そうだね。私は……」と何か言い掛けた所で、一つの足音が近付いて来た。その方向へ目を向けると、白衣を来た魔術師が、こちらへ走って来るのが見えた。
「やっと見つけた!ジョセフさん……でしたよね?」
「大正解だ医者もどき」
俺はベンチから立ち上がり、その魔術師の方へ歩み寄る。その魔術師は切れた息を整えようともせず、「やっと……見つけた……」と、うわ言のように繰り返している。
「何があった?詳しく話せ」
「いえ。私が……せっかちなだけでして……」
「見たら分かるさ。先ず息を整えろ」
魔術師は背筋を伸ばし、乱れた息を整える。俺を探すのに大分走っていたらしい。息がリズミカルになった所で、魔術師はようやく俺へ視線を向けた。
「ソフィアさんが回復しました。現在は腐食した部分の修復に取り掛かってます」
「……なら急がなくても良かっただろ?」
「せっかちなんです」
「想像を遥かに超えて来るんだな」
「魔術師ですから」
俺をソフィアの恋人か何かとでも思ってたのか?まぁそういう言い訳をしたのは俺な訳なんだが。
しかし、まさか本当にあの目玉だけで状況が好転するとは。あの少女の術式、本当に便利なんだな。未来視や予言の類か?まぁどちらにしても、余計な労力を払わずに済んだのは嬉しい事だった。
「ところで、こんな場所で何をしてたんです?」
「あ?そりゃこのお子様と少し……」
俺がベンチの方を振り向くと、そこに少女の姿は無い。どこかに歩いて行く音もしなかったにも関わらず、少女はそこから消えていた。空想上のお友達か?幼少期に居た記憶も無いのに、笑えるな。
「……えっと……」
「いや、良い。気にするな」
魔術師の話じゃ、何か問題が起こっている風でも無いんだ。急ぐ必要も無いだろう。俺はソフィアが要る病室へ向かって、ゆっくりと歩き始める。
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