自称異世界最強浪人のチーター達と万屋始めました

マシュウ

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チーター兄弟達は自分達が育てた弟子達を試したいようです

俺とアイツの世界の違い

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「はーい!しーつもーんでーす!」

「何だ?ノウン君?」

「いつの間に俺達、神様試験に応募したんでしょーかー?」

「俺が決めた!」

「くそったれぇぇぇぇ!!」

 俺はソウヤに飛びかかった。

「ざけんなよ!俺が神様だってぇぇぇぇ!?」

「悪くないだろ?」

「はい!ありがとうございますぅぅぅぅ!」

 俺は頭を抱えてもんどりうった。

 冗談じゃない!

 俺が神だって!?

「ま、取り敢えず始めるか」

「おう……だちょっと待て、その言い方だったら」

 すると、ソウヤはパチンと指を鳴らした。

 景色は一般に変わり、先ほどとは異なる荒野に出てきた。

「この星だったらいいだろう……じゃあ……誰から始めるか?」

「僕からやるー!」

 そう言ってシルヴィは元気よく前に飛び出た。

「よっし!シルヴィからだな!?それじゃあ試験官リョウヤ!頼んだぜ?」

 そう言うと、ソウヤはパチンと指を鳴らした。

「っと、よし、ここからなら安全に見れるだろう?」

 そう言ってソウヤはゾウヤの方を向いた。

「うん、こっちからなら十分だよーん」

「オーケー」
 
「それなら……」

 そう言うとゾウヤは大袈裟に腕を大きく広げた。

「ウェルカム、俺ちゃんの『神の槍グングニル』射出衛星、『フォールン』へ、歓迎するよ」

 そう言ってゾウヤは笑った。

「おいおい、何なんだよここは?」

「人の話は聞こうね!?おれちゃんかなしいよ」

「いや、射出衛星って何だよ?それにここはどこだよ?俺は誰だよ?」

『…………』

「悪かった……少し調子に乗った」

 一瞬で凍死寸前の空気温度で下がった事を謝罪しつつ、俺は目の前に降りてきたモニターを見た。

「……ここは、あらゆる世界からの干渉を受けずに干渉することのできる、安全地帯の一つであり、俺ちゃんが誇る最強兵器の一つの中だよ」

「……お前らの言っている世界って何なんだ?聞いてて思ってきたんだが、もしかすると、俺の思っている世界とお前達の言っている世界とは違うかもしれない」

 と、突然ソウヤの顔色が明るくなった。

「おおおおおおおおおお!!」

「っるさいな!何だよ急に!?」

 ソウヤは雄叫びをあげたかと思うと、俺の肩を掴んだ。

「おうおう!教えてやろう!てか教えさせてください!」

 そう言うと、ソウヤはその場にホワイトボードを出した。

「待って……いや、もういい、どこから出したのなんかもう聞かないからな……」

「ではまずはじめに、お前の言う世界を言ってみろ」

 俺は首を傾げて、ポツリと、

「………俺たちの生きている……地を足につけて生きている土地……お前達で言う星?が、俺の言う世界……だと思う」

 ソウヤはそれを聞くと、

「うむ、そんなところだろうと思ってた。では、お教えしよう、俺たちの言う世界とは、まずはじめに、次元の話をしよう」

「次元?」

「おう、人は三次元の生き物だ、今はまだそれだけしか感知できていない、そしてまず次元とは?一次元は一本線、二次元は面、三次元になると立体、ここまではいいかな?」

「おう」

「そして、俺たちが次に話すのは、四次元時間……ではなく、変化だ」

「……変化……」
 
 ソウヤは頷いた。

「そう、変化だ。時間とは人間が人間の都合の良いように作ったただのミーム…思想だ」

「考えでよくね?カッコつけたいのはわかるけどさぁ?」

「そこ、黙ってろ、……で、四次元が変化だ。その起こった変化の前後の線だ。つまり、今ここには俺がこの持っているペンを落とす前と落とした後の空間が存在するわけだ」

「……でも見えないぞ?」

「そりゃそうだ、俺たちは特殊な機械、魔法、魔術を使って見ているからな?それに、普通人間にはそれを感知することは出来ない……まあ、例外も存在するけどそれはまた別の話だ」

「ややこしいな?」

「そうか?………そして五次元、並行世界だ」

「並行世界」

「イエッス、四次元の時に言ったように、そこの隣にお前がいる、お前には見えないがな?そして、並行世界の話だ。ここではお前は今、立っている。しかし、並行世界のお前は地べたに座っている……わかるか?」

「……今の俺とは別の選択肢をした俺?」

「正解!今している事が近ければ近いほど、その世界の密接度は高い!そして、たまーにだけど、その壁を転々として若干違う世界に迷い込む人間もいるが……それはまた別だ」

「………お前達は結構世界を転々としてるようだけどそれは?」

 ソウヤはとても嬉しそうに、そして見ているだけでむかっ腹が立つような顔をして、 

「いい質問だ」

 と言った。

「……ここで手を出さなかったのは偉いよ?ノウンさん?私、今一瞬殴りましたけど、難なくかわされましたし挙句に、セクハラまでされましたから」

 気がつけばシャル公(白)が俺の隣で股を抑えながらもじもじしているのに気がついた。

「やだなぁ?先にやってきたのは君でしょ?俺はあつーい抱擁をして、次のステップに進もうとしただけなのにさ?」

「……今のあなたは嫌いです」

「……ごめんちょっとテンション下げるわ」

「………はいそうしてください」

 そう言うとソウヤはいつの間にか持っていた、下着(パンツ)をシャル公(白)に返した。

 ついでに言うとパンツまでもし……。

「さて、五次元が終わって次は六次元……ここが大事だ」

 ソウヤは俺の思考を遮るように話を続けた。

「六次元……全くの別世界、いわゆる異世界だ」

「異世界……」

「ああ、お前の知ってる世界と全く別の世界だ。人が当たり前のように魔法を使えない世界とか、人類の霊長類を名乗るナメクジがいるの世界とかとか」

「………今一瞬、人類の何たるかが理解できたような」

「しない方が楽だぞ?」

 俺は一瞬でその思考を放棄して、忘れ去った。

「……ここで俺たちの言う世界だ、わかるか?」

「………お前達の言う世界とは国と国とかの問題じゃない………本当にその世界と世界……何だな?」

「そう、その通り、俺たちは常日頃から、異世界同士の衝突などがないか確認している。それが、その世界の間できちんと相互関係が結ばれているのなら話は別だが……まあ、俺たちはそんなことをしているわけだ」

「………異世界同士が、要らぬ接触をして争いを生まないように」

「そう、その通り………」

 ………意外とこいつらは思ってたよりも、すごい存在なのかもしれない。

「………じゃあとりあえずは話は終わったことだし、試験の内容を話そうか!」

 そう言ってソウヤは手をパンと鳴らした。

「さて、リョウヤ、説明よろしく」

 そう言うと、ソウヤは後ろに下がった。

「……じゃあ早速ルール説明だ。俺たちの中から一人選んで戦ってもらう。そこで、合否を決める」

「なるほど」

「じゃあ、シルヴィ、選べ、誰と何で戦う?」

 そう言うとリョウヤは、シルヴィを試すように見た。

「…………じゃあ僕は君を選ぶよ」
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