自称異世界最強浪人のチーター達と万屋始めました

マシュウ

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チーター兄弟達は自分達が育てた弟子達を試したいようです

思い愛と遥かな言葉と被害者の俺

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 シルヴィがそうやって指差したのは、シャル公二人組だった。

「君達を倒して僕がソウヤの正妻って認めてもらうんだからねっ!」

「「…………」」

 シャル公達は顔を見合わせた。

「やってみなさい、できるものなら」
「やってみなさいよ、できるのならね?」

 そう言って凄まじいプレッシャーを二人は放った。

「……そうそう、そうこなくっちゃね?」

 と、そうシルヴィは不敵に笑ってそう言った。

「……よし、それなら行ってこい!」

「「「りょーかい!!」」」

 と、こうして俺達のテストは始まった。

「さーて、ビデオ中継を見るか」

 そう言ってソウヤは、能力で俺たち全員分の椅子を出した。

「よっし、映るよー」

 ゾウヤがそういうと、前にある大きな画面にシルヴィが映った。

『よーし!じゃあ早速始めるよ!』

『血気盛んね?それだけ盛んなら夜の街にでもかりだしてきなさいな』

『ソウヤさんを十分いたわり、労って甘やかすのは私だけで十分ですから』

『『『………よし、殺そう』』』

「ちょっと待って、訳がわからん」
 
 俺はいきなり始まった殺し合いに頭を抱えた。

 え?

 なんで?

 テストじゃなかったの?

 なんで殺しあってんの?

 何でガチなの?

 俺が唸っていると、はやくも決着がついたようだった。

「……やっぱりなぁ……狂化入ればシャルちゃんが一番かー……」

 どこかしみじみとした様子で語るソウヤの目の前の画面には白いシャル公がボロボロの服で傷だらけの体を起こして、笑う画面だった。

『……アハ………アハハハハ!ええ!ええ!!私が勝つのは当たり前何ですよ!アハハハハ!!!私が一番に愛すと言われたのですから!と言うか、愛すと言われたのは私だけですから!』

 こ、こっええ………。

「………シルヴィ達、帰ってこい」

 ソウヤはそういうと、指を鳴らしてシルヴィ達を瞬間移動させた。

「お疲れ、悪かったな、シャルちゃん、今度ゆっくり時間を取ろう、二人だけのな」

「アハハハハ………はい、ええ、お願いします。もう、辛抱たまりませんから……」

 ソウヤは立ち上がってシャル公(白)の頭を微笑みながら撫でながら抱きしめた。

「えっ?なんなの?お前?本当はだれが好きなの?」

 今までの矛盾した行動に疑問を持った俺はソウヤに聞いた。

「………シャルちゃん一筋だ、ずっと前から……これから先も……」

 こいつヤベェな。

 そう思いつつも、俺は次に備えた。

「よし、次は誰が……」

「俺が行く」

 そこで俺は声をあげた。

「ノウンか!早かったな、どうした?なんか悪いもんでも食ったか?」

「うっさい、……対戦相手はお前だ、ゾウヤ」

 俺はそう言ってゾウヤを指差した。

「……俺ちゃんか……舐められたもんだよ……まさか、魔法が使えないし、体力に限界があるから……なんて思ってないよね?」

 そう言ってゾウヤは今まで俺達の前で外したことのない仮面を取り外した。

「舐めんなよ?クソカスが」

 そう言ってゾウヤは目を黄色く光らせた。

「俺の強さを見誤ったのが負けの敗因や」

 いきなり口調が変わり驚いた俺をよそに、一人知らない人が増えて……はいなかった。

「久しぶりだな……お前のツラを見せるのはよ?」

「なんや、お前もその姿に戻ったんかい……なんか色々めんどいからって、後回しにするのもめんどいなぁ……セヤナ、言っとくか、『久しぶりやな?』」

「……あの時言えなかったからな、今言うとするか……好き……どーしょもないくらい……お前が好きだ……ずっとずっと前から……」

「ちょっと待って、人が混乱してる間になんなの君達?いちゃつかないでくれる?」

「「…………」」

 ゾウヤと、変身したセ姐はジト目でこちらを見た。

 が、しばらくすると、ゾウヤは盛大にため息をついて苦笑いをした。

「まっ、ええやろ?行ってくるわ」

「行ってこい天才、帰ってきたらキスしてやる」

 そう言ってニヘッと笑って互いに拳を当てた。

 そして、それを見守ってるオズマと何故かメグミは涙を流していた。

「………もう、突っ込むのも疲れたよ……色々あるんだろうけどさ?」

 俺も溜息をつくと、ソウヤの指パッチンで、星の表面に送られた。

「………んじゃ、やるか」

「おう、弟子の成長を見れんのか、楽しみやなぁ?」

 これまで見たことの無いゾウヤの素顔を眺めつつ、俺はどことなくソウヤのに似てるなぁと思いながら、いつかの槍を構えた。

「……こい」

「おう!」

 そういうと、俺は仁王立ちして腕を組むゾウヤに襲いかかった。
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