39 / 80
エルフの森への準備とクリムゾンミントの輝き
しおりを挟む日記 二十一日目
ルミエールのスターダストバザールは、まるで星が地上に降りてきたような輝きで僕たちを魅了する。
今日はクローヴェールやセリナと一緒にクリムゾンミントを見つけ、新たな料理に挑戦した。
そして、セリナからのエルフの森への誘い。
そこにはムーンストーンフルーツが待っているらしい。
エルフの森への旅はもうすぐ。どんな食材、どんな魔法が待っているんだろう?
---
朝の光が宿屋「ムーンライトイン」の窓から差し込み、キラがテーブルの上でふわふわの羽を揺らしてピピッと鳴く。まるで「今日も美味しいもの探すよ!」とワクワクしてるみたいだ。
リナは朝食のパンをかじりながら目をキラキラさせて言う。
「ねえ、優! スターダストバザールってめっちゃキレイだったよね! クリムゾンミントで作るドリンクも絶対爽やかで最高だと思う! それにさ!セリナが言ってたエルフの森がめっちゃ気になる!」
カイラが魔法のメモを手に穏やかに微笑む。
「クリムゾンミントは気分をリフレッシュする効果があるわ。エルフの森への旅に持っていくなら、ドリンクやハーブティーにしたら旅の疲れも癒せそうね。優、どんなレシピにする?」
トムが追跡ランタンを手に、テーブルに地図を広げる。
「エルフの森か……ルミエールからちょっと離れてるって話だろ? どんな道のりなんだ? セリナから聞いた情報もちゃんとまとめておかねえと。優、旅の食材も頼むぜ!」
「うん、クリムゾンミントでドリンクを作って旅の準備もしよう! セリナとまた会ってから森の話を詳しく聞きたいね。キラ、食材の匂いチェックよろしく!」
キラがピピッと鳴いて、テーブルを軽く跳ねる。
まるで「ハーブの匂い、僕がバッチリ見つけるよ!」って言ってるみたいだ。
---
昼前にスターダストバザールの入り口でクローヴェールのエリックとローラ、グリーンソングのセリナと合流。
バザールは週末限定の豪華な市場で、星型のランタンが浮かび、屋台は魔法の布や宝石で彩られている。
甘い香りと魔力のざわめきが漂い、冒険者や商人が賑やかに交流している。
リナが屋台のクリムゾンミントを指差して目を輝かせる。
「うわっ! この赤いハーブ、めっちゃキラキラしてる! ドリンクにしたら絶対美味しいよね! 優、旅に持っていくやつを作っちゃおうよ!」
セリナが穏やかに微笑み、クリムゾンミントの束を手に取る。
「クリムゾンミントはエルフの森でも愛されているハーブなの。清涼感があって、旅の途中で飲むと気分が軽くなるわ。優さん、リナさん、試作してみる?」
カイラがハーブをスキャンし、興味深そうに言う。
「このハーブ、魔力のバランスを整える効果もあるのね。エルフの森の食材ってどんな魔法的な特徴があるの? セリナ、森への道のりも教えて欲しいわ。」
セリナが静かに目を細める。
「エルフの森はルミエールから馬車で2~3日ほどの場所にあるの。森の入り口までは平坦な道だけど、森の中は魔法の霧がかかっていて、食材も神秘的。ムーンストーンフルーツは月光を吸収して輝く果実で、癒しと魔力増強の効果があるの。旅の準備を整えて、ぜひ一緒に来て欲しいな。」
リナが跳ね回りながら叫ぶ。
「ムーンストーンフルーツ!? 絶対食べたい! 優、馬車での旅、楽しそうじゃない!? どんな食材持っていこう?」
トムが地図を指差しながらニヤリと笑う。
「半日か。なら、食料や調理器具もちゃんと準備しねえとな。エリック、森の近くに魔獣とか出るか? 追跡ランタンを持ってくぜ。」
エリックが豪快に笑う。
「ハハッ! トム、いい心がけだ! 森の周辺は静かだが、たまに小型の魔獣が出るぜ。追跡ランタンがある方がいいだろう。旅の飯はどうするんだ?」
ローラが微笑んで言う。
「旅には軽いデザートやドリンクがいいわね。クリムゾンミントのシロップなら、持ち運びも簡単よ。リナ、シロップの作り方、復習する?」
「うん!やる!」
---
バザールを歩いていると、赤いマントを翻す料理人と風魔法使いのコンビ、チーム・ブレイズウィンドと出会った。リーダーのヴィンセントが自信満々に声をかけてくる。
「お前らがルミエールのコンテスト優勝チームだな! 俺はヴィンセント、料理人だ。こっちは相棒のソフィア、風魔法使い。クリムゾンミントで何か作るなら、旅用のドリンク対決でもどうだ? 森への旅に持っていく最高の一品、作ってみねえ?」
ソフィアが風魔法で軽くハーブを浮かせて微笑む。
「ヴィンセントのドリンクはスパイシーで旅の元気が出るわよ。優さんの料理、どんなのか楽しみね。」
リナが目を輝かせて飛び跳ねる。
「対決!? へーえ、超面白そう! 優、クリムゾンミントでキラキラのドリンク作って旅に持っていこうよ!」
カイラが穏やかに頷く。
「旅用のドリンクなら、持ち運びやすさと効果を重視したいわね。クリムゾンミントにグロウベリーを混ぜれば、魔法の感度も上がるし、見た目も華やかよ。」
トムがニヤリと笑う。
「ヴィンセント、いい勝負になりそうだな! 俺は旅の食材リスト作っとくか!」
セリナが静かに笑う。
「対決か……楽しそうね。優さんたちのドリンクなら旅の準備にぴったりだと思うわ。私もサンライムでサラダを作って旅のメニューに加えるね。」
トムが地図を広げてセリナに尋ねる。
「セリナ、森までの道で気をつけることって何かあるか? 食材や魔獣以外にも、他にもなんか面白いもんある?」
セリナが穏やかに答える。
「ルミエールから森までは、星見の丘って場所を通過するの。夜になると星がすごく綺麗で、旅の疲れを癒してくれるわ。馬車で休憩しながら、クリムゾンミントのドリンクを飲むのもいいかも。」
「じゃあそこで野営って感じだな!」
---
宿屋に戻り、スターオーブンを使って旅用の試作開始。
クリムゾンミントを細かく刻み、クリスタルシュガーと煮込んでシロップに。
グロウベリーとサファイアグレープを加え、スターオーブンの冷温機能でスパークルドリンクを作る。
カイラが風魔法で泡に星屑のようなエフェクトを施すと、まるで星空を閉じ込めたような輝きだ。
セリナがサンライムとクリアリーフで軽いサラダを作り、クリムゾンミントをトッピング。持ち運びやすいように、葉で包んだ小さなサラダパックに。ローラがリナにシロップの保存方法を教える。
「リナ、シロップは小さな魔法瓶に入れると、旅の途中で味が落ちないわ。クリムゾンミントは香りが強いから、しっかり密封してね。」
リナがメモを取りながら目を輝かせる。
「魔法瓶! ふむふむ、了解! ローラ、ありがとう! このドリンク、馬車で飲んだら絶対テンション上がるよね!」
トムが旅の荷物を整理しながら言う。
「ドリンクとサラダの方はいい感じだな! 俺は追跡ランタンと軽い調理器具も持っていくぜ。森で何か面白い食材見つけたら、すぐ試作できるようにさ。」
ヴィンセントとソフィアが試作したスパイシードリンクを持って現れる。ファイアペッパーとクリムゾンミントを組み合わせた、刺激的な味わいだ。
ヴィンセントが豪快に笑う。
「優、こいつは旅の疲れを吹っ飛ばす俺のドリンクだ! お前さんのキラキラドリンク、どんなもんか見せてくれよ!」
試飲タイム。
優たちのスパークルドリンクは、クリムゾンミントの清涼感とグロウベリーの甘酸っぱさが調和し、飲むと心が軽くなる。ヴィンセントのドリンクはピリッと刺激的で、旅のテンションを上げる。
エリックが両方を飲んで豪快に笑う。
「どっちも旅にピッタリだ! 優のドリンクは癒し系で、ヴィンセントのはガツンとくるぜ! 森への道、楽しみになってきたな!」
セリナが微笑みながら言う。
「優さんたちのドリンクは星見の丘で飲んだら最高だと思うわ。エルフの森のムーンストーンフルーツも、こんな素敵な料理にできそうね。」
---
試作の後、食堂で地図を広げ、みんなで旅の計画を立てる中セリナが静かに切り出す。
「エルフの森までは馬車で半日。星見の丘で一泊して、夜明けに森に入るのがいいと思うわ。ムーンストーンフルーツは夜に摘むと一番輝くの。優さんたち、どんな準備が必要か話したいな。」
リナが目を輝かせて言う。
「馬車でキャンプ!? めっちゃ楽しそう! 優、星見の丘で何か作ろうよ! クリムゾンミントのドリンク、持っていくよね?」
カイラが地図を見ながら言う。
「星見の丘なら、夜の魔力が高そうね。ムーンストーンフルーツの魔力分析もして森に着く前に準備しておきたいわ。セリナ、森の魔法についてもっと教えて。」
トムがニヤリと笑う。
「半日の旅なら、軽い狩りもできるな。セリナ、森の周辺の魔獣ってどんなやつだ? 何かレアな食材手に入るか?」
セリナが穏やかに答える。
「森の周辺には、夜露の花を食べる小さな魔獣、スタードロウがいるの。肉は柔らかくて、グリルにすると美味しいわ。トムさんの追跡ランタンなら、すぐ見つけられると思う。」
エリックが豪快に笑う。
「スタードロウか! そいつはいい食材だな! 優、森に着いたらグリル頼むぜ!」
ローラが微笑む。
「旅の準備なら、デザートも忘れずにね。リナ、アンバーローズのシロップも持っていく? 森の夜に合うと思うわ。」
キラがピピッと鳴いて、クリムゾンミントのシロップを舐めながら跳ね回る。まるで「旅の準備、僕も手伝うよ!」って言ってるみたいだ。
---
スターダストバザールの輝きとクリムゾンミントの清涼な香りが、僕たちの旅への期待を膨らませてくれる。
ムーンストーンフルーツ、どんな輝きと味なんだろう?
ルミエールの賑やかな市場から、静かで神秘的な森へ。
167
あなたにおすすめの小説
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
【完結】すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ
一終一(にのまえしゅういち)
ファンタジー
俺こと“有塚しろ”が転移した先は巨大モンスターのうろつく異世界だった。それだけならエサになって終わりだったが、なぜか身に付けていた魔法“ワンオペ”によりポンコツ鎧兵を何体も召喚して命からがら生き延びていた。
百体まで増えた鎧兵を使って騎士団を結成し、モンスター狩りが安定してきた頃、大樹の上に人間の住むマルクト王国を発見する。女王に入国を許されたのだが何を血迷ったか“聖騎士団”の称号を与えられて、いきなり国の重職に就くことになってしまった。
平和に暮らしたい俺は騎士団が実は自分一人だということを隠し、国民の信頼を得るため一人百役で鎧兵を演じていく。
そして事あるごとに俺は心の中で呟くんだ。
『すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ』ってね。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。
国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。
でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。
これってもしかして【動物スキル?】
笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!
『規格外の薬師、追放されて辺境スローライフを始める。〜作ったポーションが国家機密級なのは秘密です〜』
雛月 らん
ファンタジー
俺、黒田 蓮(くろだ れん)35歳は前世でブラック企業の社畜だった。過労死寸前で倒れ、次に目覚めたとき、そこは剣と魔法の異世界。しかも、幼少期の俺は、とある大貴族の私生児、アレン・クロイツェルとして生まれ変わっていた。
前世の記憶と、この世界では「外れスキル」とされる『万物鑑定』と『薬草栽培(ハイレベル)』。そして、誰にも知られていない規格外の莫大な魔力を持っていた。
しかし、俺は決意する。「今世こそ、誰にも邪魔されない、のんびりしたスローライフを送る!」と。
これは、スローライフを死守したい天才薬師のアレンと、彼の作る規格外の薬に振り回される異世界の物語。
平穏を愛する(自称)凡人薬師の、のんびりだけど実は波乱万丈な辺境スローライフファンタジー。
異世界ネットスーパー始めました。〜家事万能スパダリ主夫、嫁のために世界を幸せにする〜
きっこ
ファンタジー
家事万能の主夫が、異世界のものを取り寄せられる異世界ネットスーパーを使ってお嫁ちゃんを癒やしつつも、有名になっていく話です。
AIと一緒に作りました。私の読みたいを共有します
感想もらえたら飛んで喜びます。
(おぼろ豆腐メンタルなので厳しいご意見はご勘弁下さい)
カクヨムにも掲載予定
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる