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19 蒼いドラゴン
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リビングのソファーにちょこんと腰かけていると、リースさんが給仕してくれてお茶とお菓子が出てきました。香り高い紅茶に、なんとフルーツゴロゴロのパウンドケーキです。どちらも大変、美味です。こちらの世界では間違いなく一番です。どうやら食文化に関しては魔族側の圧勝のようです。いえ、それだけでなくこの部屋の上品な内装、洗練された家具の造り、きめ細やかな模様が素晴らしいふかふかの敷物、どれをとっても王城にあった品よりも遥かに上質なところを拝見するに、文明そのものが勝っているのでしょう。
率直に思ったことを口にしたら、リースさんが控え目ながら微笑みました。その表情に胸がトクンとひと跳ねします。これはどうやら女性に関しても同様らしいです。
モキュモキュとケーキを頬張っていると、やたらとリースさんが甲斐甲斐しく、お世話をしてくれます。不思議に思って小首をコテンとすると、いきなりギューっと抱きしめられました。これ幸いと私も彼女の腰に手を回します。
なんという肌の吸い付き、これは魔性の腰です。このラインと感触を再現できれば、至高の抱き枕が完成するに違いあるまい。
「すみません。あんまりにも愛らしすぎて、つい我を忘れてしまいました」
存分にお互いの感触を堪能した後に、リースさんに謝られた。「気にしないで、死んだ母さまを思い出せて、私も嬉しかったから」と嘘をついたら、また抱きしめられた。どうやら魔族の女性は基本的に逞しい系が多いらしく、私のようにちんまい市松人形のようなタイプは少ないらしい。強者揃いの魔族からすると、私の容姿は彼らの庇護欲を多いに刺激するらしく、辛抱たまらんのだとか。
まさかのモテ期が、こんなところに転がっていようとは。
「だったら、こんな私でもイケてるモテ女になれますか?」
期待を込めた私の眼差しは、リースさんにさっと躱されてしまった。
どうやら魔族の男性は肉感的な女性を好むようで、庇護欲はソソるが、モテとはまた違うようです、残念。
こんな感じでリースさんと和気藹々と過ごしていたら、アルティナさんが、しゅっとしたスーツ姿の青髪の男性を引き連れて部屋にやって来た。切れ長な目と長いまつ毛、色白な肌に、サラサラ伸びた青い髪が腰まで伸びた素敵男子……、かと思ったら、よく見たら胸のあたりに膨らみがある、どうやら男装の麗人というやつらしい。
「こんにちわ、花蓮さん。私の名前はフリージア、アルティナと同じ第一部隊に所属している者です」
「こんにちわ、フリージアさん。えぇと、貴女もドラゴンでよろしのでしょうか」
「おや? わかりました。ドラゴンの人化は他と違って、特にわかりにくいというのに」
「なんといいますか、雰囲気、気配、存在感とでも言えばいいのでしょうか、ソレが他の方と比べると段違いといいますか、独特の圧みたいなのを感じます」
「なるほど……、どちらかというと感覚に近いようですね。ドラゴンが強者を嗅ぎ分けるのに、近い感覚が花蓮さんにも備わっているのかもしれませんね。それにしても、これは……」
しばらく黙り込んで、じっと私を見つめるフリージアさん。
彼女の冴えた青色の双眸から放たれる何かが、私の全身を這うのを感じます。ですが不快感はありません、とっても繊細な触れ方にて、むしろ少しこそばゆいぐらいです。
しばらくするとそれも無くなりました。するとフリージアさんが開口一番にこんなことを呟いた。
「勝てる気がまるでしませんね」
その言葉にぎょっとした表情を見せたアルティナさんとリースさん。
私はワケがわからずにぽかーんである。
率直に思ったことを口にしたら、リースさんが控え目ながら微笑みました。その表情に胸がトクンとひと跳ねします。これはどうやら女性に関しても同様らしいです。
モキュモキュとケーキを頬張っていると、やたらとリースさんが甲斐甲斐しく、お世話をしてくれます。不思議に思って小首をコテンとすると、いきなりギューっと抱きしめられました。これ幸いと私も彼女の腰に手を回します。
なんという肌の吸い付き、これは魔性の腰です。このラインと感触を再現できれば、至高の抱き枕が完成するに違いあるまい。
「すみません。あんまりにも愛らしすぎて、つい我を忘れてしまいました」
存分にお互いの感触を堪能した後に、リースさんに謝られた。「気にしないで、死んだ母さまを思い出せて、私も嬉しかったから」と嘘をついたら、また抱きしめられた。どうやら魔族の女性は基本的に逞しい系が多いらしく、私のようにちんまい市松人形のようなタイプは少ないらしい。強者揃いの魔族からすると、私の容姿は彼らの庇護欲を多いに刺激するらしく、辛抱たまらんのだとか。
まさかのモテ期が、こんなところに転がっていようとは。
「だったら、こんな私でもイケてるモテ女になれますか?」
期待を込めた私の眼差しは、リースさんにさっと躱されてしまった。
どうやら魔族の男性は肉感的な女性を好むようで、庇護欲はソソるが、モテとはまた違うようです、残念。
こんな感じでリースさんと和気藹々と過ごしていたら、アルティナさんが、しゅっとしたスーツ姿の青髪の男性を引き連れて部屋にやって来た。切れ長な目と長いまつ毛、色白な肌に、サラサラ伸びた青い髪が腰まで伸びた素敵男子……、かと思ったら、よく見たら胸のあたりに膨らみがある、どうやら男装の麗人というやつらしい。
「こんにちわ、花蓮さん。私の名前はフリージア、アルティナと同じ第一部隊に所属している者です」
「こんにちわ、フリージアさん。えぇと、貴女もドラゴンでよろしのでしょうか」
「おや? わかりました。ドラゴンの人化は他と違って、特にわかりにくいというのに」
「なんといいますか、雰囲気、気配、存在感とでも言えばいいのでしょうか、ソレが他の方と比べると段違いといいますか、独特の圧みたいなのを感じます」
「なるほど……、どちらかというと感覚に近いようですね。ドラゴンが強者を嗅ぎ分けるのに、近い感覚が花蓮さんにも備わっているのかもしれませんね。それにしても、これは……」
しばらく黙り込んで、じっと私を見つめるフリージアさん。
彼女の冴えた青色の双眸から放たれる何かが、私の全身を這うのを感じます。ですが不快感はありません、とっても繊細な触れ方にて、むしろ少しこそばゆいぐらいです。
しばらくするとそれも無くなりました。するとフリージアさんが開口一番にこんなことを呟いた。
「勝てる気がまるでしませんね」
その言葉にぎょっとした表情を見せたアルティナさんとリースさん。
私はワケがわからずにぽかーんである。
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