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83 因果は巡る
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王国以外のすべての国をまわり終えた第七部隊は、いったん帰還しました。
なんだかんだで三ヶ月ぶりぐらいですが、魔王城は相変わらず賑やかです。
廊下を歩いていると、やたらと声をかけられます。何事かと思っていたら私の留守中に、連日、新聞に特集記事が組まれていたそうです。
私の影に潜み闇に生きるセラーさんが、せっせと人間領での出来事を、本国にレポートにまとめて送っていたようです。それが面白いと評判になり、紙面に連載小説のごとく掲載されていたんだとか。好評につきすでに書籍化も決定しているそうです。
すべては当人の預かり知らぬところで進行していました。おかげで私は物語の中の人扱いされているわけですね。
でも読者が喜ぶような愉快なことをした記憶は……、けっこうありますね。
両手の銃でバンバンとか、フェンリルに跨ってバンバンとか、ガトリングで敵対勢力相手にバンバンとか。
久しぶりの自宅の空気は、ちょっと湿り気を帯びていました。毎日、城勤めのメイドさんのどなたかが、空気の入れ替えはしてくれていたようですが、やはり人が住んでいないと、部屋の雰囲気自体が淀んでしまうようです。
少し休憩してから魔王様の執務室に報告に向かいます。
そうしたら、やたらと忙しそうに書類仕事をしている魔王様と宰相さま。
執務室が書類の山に埋もれて、そこかしこで事務員さんらが息も絶えだえにて転がっています。
なんでもここのところ人間領より、ひっきりなしに国交樹立や通商条約の締結の打診が舞い込んでいるんだとか。
なにせ例の王国以外の六十一カ国、そこから同盟国六か国を引いた、五十五カ国分もの書類の作成。ひとつひとつが辞書並みの分厚さになる書類が、五十五冊分。
そうですか、たいへんですね。お忙しそうですし、また出直すとしましょう……。
そろりそろりと逃げようとしたところで、ガラシャさんに頭をがっしと掴まれました。どうやら彼女も書類の山に埋もれて、作業に従事していたようです。
ごくろうさまです、王妃さまも大変ですね。
「いったい、だ・れ・の、せいだと思ってるんだい」
い、痛いです……、頭がもげてしまいます。市松人形の頭部は繊細なんです。卵の薄皮のごとく破れやすいのですから、赤ん坊に触れるがごとく、もっと優しく接してあげて下さい。
「ふん! そのへんで勘弁してやれ。それにそうやって余裕をかましていられるのも、今のうちだけだ」
助け船を出してくれた魔王様、おかげで頭部は無事に救出されましたが、そのお言葉がちょっと引っかかります。後はもう国同士の話し合いのハズ、私には関係ないかと。
「そんなワケがあるか。ほとんどの国がウチとの行事のときには、お前に親善大使として出席してくれと言ってきているぞ。まぁ、当事者なんだし当然だろう。今やお前は人間領における魔族の顔だ。だからオレらの書類仕事が終わったら、今度はお前の番だ。覚悟しておけよ。肩っ苦しいイベントが最低でも五十五回、それに付随する晩餐会やらパーティーやら、お呼ばれの席までいれたら、いったいどれ程になるか……、軽く三桁はいくだろうな。くくくくっ、せいぜい体を壊さないように注意しておけよ」
魔王様の残酷な宣告を受けて、私はがっくりと項垂れます。
とりあえず拒否してみましたが、バッサリと却下されました。
しかも強制的に礼儀作法とダンスレッスンが課せられることに……。
かつてないほどのピンチです。
私は、いまこそ中庭の聖堂に赴いて、魔王剣を抜くときなのでしょうか?
なんだかんだで三ヶ月ぶりぐらいですが、魔王城は相変わらず賑やかです。
廊下を歩いていると、やたらと声をかけられます。何事かと思っていたら私の留守中に、連日、新聞に特集記事が組まれていたそうです。
私の影に潜み闇に生きるセラーさんが、せっせと人間領での出来事を、本国にレポートにまとめて送っていたようです。それが面白いと評判になり、紙面に連載小説のごとく掲載されていたんだとか。好評につきすでに書籍化も決定しているそうです。
すべては当人の預かり知らぬところで進行していました。おかげで私は物語の中の人扱いされているわけですね。
でも読者が喜ぶような愉快なことをした記憶は……、けっこうありますね。
両手の銃でバンバンとか、フェンリルに跨ってバンバンとか、ガトリングで敵対勢力相手にバンバンとか。
久しぶりの自宅の空気は、ちょっと湿り気を帯びていました。毎日、城勤めのメイドさんのどなたかが、空気の入れ替えはしてくれていたようですが、やはり人が住んでいないと、部屋の雰囲気自体が淀んでしまうようです。
少し休憩してから魔王様の執務室に報告に向かいます。
そうしたら、やたらと忙しそうに書類仕事をしている魔王様と宰相さま。
執務室が書類の山に埋もれて、そこかしこで事務員さんらが息も絶えだえにて転がっています。
なんでもここのところ人間領より、ひっきりなしに国交樹立や通商条約の締結の打診が舞い込んでいるんだとか。
なにせ例の王国以外の六十一カ国、そこから同盟国六か国を引いた、五十五カ国分もの書類の作成。ひとつひとつが辞書並みの分厚さになる書類が、五十五冊分。
そうですか、たいへんですね。お忙しそうですし、また出直すとしましょう……。
そろりそろりと逃げようとしたところで、ガラシャさんに頭をがっしと掴まれました。どうやら彼女も書類の山に埋もれて、作業に従事していたようです。
ごくろうさまです、王妃さまも大変ですね。
「いったい、だ・れ・の、せいだと思ってるんだい」
い、痛いです……、頭がもげてしまいます。市松人形の頭部は繊細なんです。卵の薄皮のごとく破れやすいのですから、赤ん坊に触れるがごとく、もっと優しく接してあげて下さい。
「ふん! そのへんで勘弁してやれ。それにそうやって余裕をかましていられるのも、今のうちだけだ」
助け船を出してくれた魔王様、おかげで頭部は無事に救出されましたが、そのお言葉がちょっと引っかかります。後はもう国同士の話し合いのハズ、私には関係ないかと。
「そんなワケがあるか。ほとんどの国がウチとの行事のときには、お前に親善大使として出席してくれと言ってきているぞ。まぁ、当事者なんだし当然だろう。今やお前は人間領における魔族の顔だ。だからオレらの書類仕事が終わったら、今度はお前の番だ。覚悟しておけよ。肩っ苦しいイベントが最低でも五十五回、それに付随する晩餐会やらパーティーやら、お呼ばれの席までいれたら、いったいどれ程になるか……、軽く三桁はいくだろうな。くくくくっ、せいぜい体を壊さないように注意しておけよ」
魔王様の残酷な宣告を受けて、私はがっくりと項垂れます。
とりあえず拒否してみましたが、バッサリと却下されました。
しかも強制的に礼儀作法とダンスレッスンが課せられることに……。
かつてないほどのピンチです。
私は、いまこそ中庭の聖堂に赴いて、魔王剣を抜くときなのでしょうか?
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