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ふにっ…と子供らしく柔らかい頬の感触に私の頬が、だらりと緩む。
「なにを笑ってるの」
「えっ?」
推しの少年期かわいいなぁ、ほっぺたモチモチだなぁ、なんて考えていたら、バッチリ開いた青い瞳と目が合っていることに気が付いた。
過去のストーリーを思い返し、前世の干物女である自分とヒロインを比べて嘆いていたせいで、すっかり夢見心地にいた。
「いや、綺麗な顔してるなぁって」
「はっ?」
素直に出した答えを拒否するように飛び退いた少年は不信感しかない目で私を上から下まで見つめてくる。
「元気そうでよかった。でも熱はまだ引いていないみたいだから、今日はここで休みなよ」
警戒心がすごい…推しとの縁もここまでか、せめてもう少し身綺麗な時に会いたかったよ…
心で泣いていても、少年はもっと怪しむだけだろう。なるべく平常心に努めて、未だに眉根を寄せてこちらの出方を伺う少年に笑いかけて立ち上がる。
こういう場合は1人にしてあげたほうがいいよね、体調は心配だけど…というか気まずい、逃げるが勝ちだ
暖炉に寄せていた自分の外套はすっかり暖かくなっていたので椅子にかけた。
窓から見える湖はキラキラと輝いていて、小屋の中からでも快晴だと分かる。
なんだか疲れて人混みに戻る気力もないや…建国祭は3日間続くし、今日は山で食料調達しようかな、推しに出逢えた記念に山イチゴでも採るか…なんて考えながら出口の扉に手をかけると急に背中を押されて、顔面に痛みが走る。
扉に思いっきり顔面をぶつけてしまったようだ。
「いったぁ…」
「どこいくの…」
こっちは涙が滲むほど悶えていると言うのに少年はがっちりと腰を掴んで離してはくれない。
嬉しいけど…顔が痛い…
「ちょっ…と離して…」
「置いていかないでっ」
「わかっ…わかったから」
腰の拘束が緩むと、ボタボタボタッと木製の床に水が零れる音がした。自分の手のひらを見ると真っ赤に染まっている。
鼻血だ。
慌てて鼻を押さえるも止まらない鼻血は指の隙間から止めどなく溢れ出す。
やばいやばいやばい、ただでさえニヤケ面を晒したというのに、鼻血とか間抜けにも程があるでしょうが…
治癒魔法でなんとか血は止まったが、既に零れ落ちた血液は戻せない。腕や服まで真っ赤っかだ。
振り返れば目の前には驚愕し、固まる少年。
真っ赤に染まる私はホラーでしかないだろう。
あー本当にオワッタ…鼻血で引かれるどころの話じゃないぞこれは、オバケか殺人鬼か、はたまた吸血鬼とでも言われるんじゃないだろうか…
「なにを笑ってるの」
「えっ?」
推しの少年期かわいいなぁ、ほっぺたモチモチだなぁ、なんて考えていたら、バッチリ開いた青い瞳と目が合っていることに気が付いた。
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「いや、綺麗な顔してるなぁって」
「はっ?」
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窓から見える湖はキラキラと輝いていて、小屋の中からでも快晴だと分かる。
なんだか疲れて人混みに戻る気力もないや…建国祭は3日間続くし、今日は山で食料調達しようかな、推しに出逢えた記念に山イチゴでも採るか…なんて考えながら出口の扉に手をかけると急に背中を押されて、顔面に痛みが走る。
扉に思いっきり顔面をぶつけてしまったようだ。
「いったぁ…」
「どこいくの…」
こっちは涙が滲むほど悶えていると言うのに少年はがっちりと腰を掴んで離してはくれない。
嬉しいけど…顔が痛い…
「ちょっ…と離して…」
「置いていかないでっ」
「わかっ…わかったから」
腰の拘束が緩むと、ボタボタボタッと木製の床に水が零れる音がした。自分の手のひらを見ると真っ赤に染まっている。
鼻血だ。
慌てて鼻を押さえるも止まらない鼻血は指の隙間から止めどなく溢れ出す。
やばいやばいやばい、ただでさえニヤケ面を晒したというのに、鼻血とか間抜けにも程があるでしょうが…
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