前世を思い出したら超絶ドアマットヒロインになっていたんですが。

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暖炉前の寝ていた場所まで手を引かれ、座らされると両手で私の手を掴んで心配そうに少年がこちらの様子を伺ってくる。

やばい、やばいやばいやばい可愛すぎる…美少年の上目遣いの破壊力が…というか目まぐるしく色々なことが起こりすぎて慌ててたけど、ハグされたり…普通に頬っぺた触ったりなんかしちゃって……

推しに無意識に触り続けていたことを思い出す。顔に熱が急激に集まっていくのを感じて慌てて目を背ける。人差し指で鼻下を拭いながら鼻をすすった。

よかった……鼻血は出ていない……

そんなくだらない心配をした私を勘違いしたのか、少年はさらに詰め寄ってくる。

「泣かないで…」

ああああ、泣かないでと言いたいのはこっちぃい…違うのっ!!あなたのお顔が美しすぎるからっ……!!ゔっ、こんな不純の塊みたいな私を見つめないでくれええ…お願いだよぉ…罪悪感が…

挙動不審に瞬きを繰り返している私のことなどお構い無しに少年は抱きついてくる。

ああああ…ご褒美だ…きっと私の死は近いのだろう…アーメン

「どこか痛い?」
「い、いえっ?(天国は、もうすぐそこかと…)」

裏返る私の返事に、ほっと息を吐いた少年は、腰のポシェットを開いて中身を取り出していく。

あら、あらあらあら…?

何を出すのかと黙って見ていたが、ポシェットに見合わない物量の布や食料、医療品が止めどなく出てきて、私の前へと置かれていく。

「なにこれぇ…」
「僕はもう行かなくちゃいけない…だけど…明日、明後日…ううん、分からない…でも絶対にまた会いに来るから!!…君はここに居てくれる?」
「ヒェッ…?」

いろいろと出し終えて満足したような少年は、放心する私の手を再び握り、悩殺上目遣いを繰り出してきた。クリティカルヒット。

「僕、この国の人間じゃないから…」
(知ってる)

伏し目がちに話す推しが儚くて尊い…
クリーンヒットして麻痺状態な私が、少年にはただ困っているように見えたようだ。

「つ、強くなるから…お願い」

ああああ…強くならなくてもいいんだよ……

泣きそうな声にギュッと胸を締め付けられて、うんうん頷くと、またすぐに抱きしめられる。

「ふふっ…一緒に…幸せに…」
「そうだね」
(よし、この体温を一生覚えておこう…うんうん、国に帰ってお母さんと幸せに暮らすんだよ…)

いやー、お恵み効果って半端ないね!
分かる…分かるよー、私もあの日以来、腰を治したお婆さんのことを街に降りたら探しちゃうもん…元気かなぁ
トマトのおじさんも防具屋のお兄さんも感謝しきれないぐらい今も大好きだよ
皆の力になりたいと思うのも喜ばせたいと思うのも、あの時があったからこそなんだよね

どうせなら、この子のお母さんの病気も治せないかなぁ …

懐かしい思い出に浸っていると、額に温かいものを感じる。

「ふぁっ」
「ふふっ、何度も顔が赤くなって…君は面白いね、かわいい」

額に口付けを落とした少年が妖艶に笑う。

……?!額に推しの唇が!!額に!おでこに!誰かサランラップください!!一生おでこ保存します!!!!

放心状態の私を放置して少年は小屋を出て行った。


「子供が出していい色気じゃないってええええ」
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