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レイヴン
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※少し過激な表現が含まれています(暴力、虐待)
7歳になって、肌寒い季節が通り過ぎようとしていた時、黒髪に水色の瞳をしたお兄さんが僕を尋ねてきた。少しおじさんに似ていたけれど、なんだか笑顔が怖くて上手く挨拶が出来なかった。
その日から、僕の地獄ははじまった。
夜になると森に連れていかれて弓矢を構えた大人達に追いかけられた。容赦なく肩や脚を撃ち抜かれてもやめてくれなかった。
小型魔獣と同じ部屋に閉じ込められて、僕がそれを倒すまで部屋から出してもらえなかった。
たくさんの刃物や液体の入った小瓶、小型の蛇や魔獣が入ったケースが置かれる部屋に連れていかれて、自分の皮膚が焼ける匂いを覚えた。
震えて、泣いて、吐いて、叫んでやめて欲しいと懇願した。
だけど、気を失って目覚めれば朝になっていて、怪我が治るまで母さんがその細い手で背中を撫でてくれる。その温かさにひたすら縋った。
そして、体調が良くなるとまた大人達に連れていかれて、痛いこと苦しいことが続いた。
魔法で作った底の見えない空間に飛び込めと言われて、恐怖し気絶しても頬を叩かれて、真っ暗闇の中に落とされる。
光なんて1個もなくて、自分が目を開けているのか閉じているのかもよく分からなくて…ずっと母さんを呼び続けた。
毒や暗闇、痛さに僕の顔の筋肉が動かなくなった時、マナーや外国語、色んなことを教える人達がやってきた。
読み書きを教えてくれた先生と違い、ただひたすらに問題を解くように言われた。
夜は街にでて、様々な人の行動や表情を教わった。
人がどうすれば喜ぶのか。どうすれば苦しむのか。どれくらいで動かなくなるのか。こんな僕みたいな子供に必死に助けを乞う大人達もいた。
僕が今まで受けたどんな痛みよりも小さな傷で泣く大人達が吐いた言葉は耳を塞ぎたくなるほどに汚くて「なんでもする」と懇願する顔は逃げたくなるほどに恐ろしかった。
だけど家に帰れば、最初の頃よりもどんどんと顔色良くなっていく母さんが僕を抱きしめてくれる。母さんはいつだって、温かくて、優しいおひさまの匂いがする。それが嬉しかった。僕を安心させてくれた。
欲にまみれたこの世界で母さんを守れるのは僕だけだ、そう決意した8歳の誕生日。母さんが血を吐いた。
ここに連れてこられた日以来、顔を合わせなかったおじさんが来るから、とお出迎えをした日だった。
滴る血液が
綺麗で真っ白な髪を
細くて真っ白な腕を
赤く、赤く染めていく
必死に母さんに声をかけたけれど、青白い顔をした母さんは外の馬車を見つめるだけで。
常駐していた医師達が母さんを屋敷内へと連れていく。
そんな中、背中を向けて去ろうとするおじさんに気付いて、デタラメな魔力の塊をぶつけた。
「父さんなんかいらない!!僕が働いて母さんの病気を治す…だから、だからもういじめないで…ほっといて…」
放った魔法は護衛の剣で簡単に弾かれていたけれど、ぼやけた視界の中に一瞬痛そうな顔をした父さんが見えた。
「そうか…」
それしか聞こえなかったけど、伝わったのだと僕は受け取った。身体が震えてその場に座り込み、いつぶりかに零れた涙はいつまでも止まらなかった。
屋敷に戻ると母さんはベッドの上で僕を見て、顔を歪めて泣いた。
「どうしてあんなことを言ったの」
「どうして引き止めてくれなかったの」
「あの人に忘れられたら…わたしは」
僕には分からなかった。母さんはすぐに謝って抱きしめてくれたけど、心が凍ったようにただただ冷えていく。
7歳になって、肌寒い季節が通り過ぎようとしていた時、黒髪に水色の瞳をしたお兄さんが僕を尋ねてきた。少しおじさんに似ていたけれど、なんだか笑顔が怖くて上手く挨拶が出来なかった。
その日から、僕の地獄ははじまった。
夜になると森に連れていかれて弓矢を構えた大人達に追いかけられた。容赦なく肩や脚を撃ち抜かれてもやめてくれなかった。
小型魔獣と同じ部屋に閉じ込められて、僕がそれを倒すまで部屋から出してもらえなかった。
たくさんの刃物や液体の入った小瓶、小型の蛇や魔獣が入ったケースが置かれる部屋に連れていかれて、自分の皮膚が焼ける匂いを覚えた。
震えて、泣いて、吐いて、叫んでやめて欲しいと懇願した。
だけど、気を失って目覚めれば朝になっていて、怪我が治るまで母さんがその細い手で背中を撫でてくれる。その温かさにひたすら縋った。
そして、体調が良くなるとまた大人達に連れていかれて、痛いこと苦しいことが続いた。
魔法で作った底の見えない空間に飛び込めと言われて、恐怖し気絶しても頬を叩かれて、真っ暗闇の中に落とされる。
光なんて1個もなくて、自分が目を開けているのか閉じているのかもよく分からなくて…ずっと母さんを呼び続けた。
毒や暗闇、痛さに僕の顔の筋肉が動かなくなった時、マナーや外国語、色んなことを教える人達がやってきた。
読み書きを教えてくれた先生と違い、ただひたすらに問題を解くように言われた。
夜は街にでて、様々な人の行動や表情を教わった。
人がどうすれば喜ぶのか。どうすれば苦しむのか。どれくらいで動かなくなるのか。こんな僕みたいな子供に必死に助けを乞う大人達もいた。
僕が今まで受けたどんな痛みよりも小さな傷で泣く大人達が吐いた言葉は耳を塞ぎたくなるほどに汚くて「なんでもする」と懇願する顔は逃げたくなるほどに恐ろしかった。
だけど家に帰れば、最初の頃よりもどんどんと顔色良くなっていく母さんが僕を抱きしめてくれる。母さんはいつだって、温かくて、優しいおひさまの匂いがする。それが嬉しかった。僕を安心させてくれた。
欲にまみれたこの世界で母さんを守れるのは僕だけだ、そう決意した8歳の誕生日。母さんが血を吐いた。
ここに連れてこられた日以来、顔を合わせなかったおじさんが来るから、とお出迎えをした日だった。
滴る血液が
綺麗で真っ白な髪を
細くて真っ白な腕を
赤く、赤く染めていく
必死に母さんに声をかけたけれど、青白い顔をした母さんは外の馬車を見つめるだけで。
常駐していた医師達が母さんを屋敷内へと連れていく。
そんな中、背中を向けて去ろうとするおじさんに気付いて、デタラメな魔力の塊をぶつけた。
「父さんなんかいらない!!僕が働いて母さんの病気を治す…だから、だからもういじめないで…ほっといて…」
放った魔法は護衛の剣で簡単に弾かれていたけれど、ぼやけた視界の中に一瞬痛そうな顔をした父さんが見えた。
「そうか…」
それしか聞こえなかったけど、伝わったのだと僕は受け取った。身体が震えてその場に座り込み、いつぶりかに零れた涙はいつまでも止まらなかった。
屋敷に戻ると母さんはベッドの上で僕を見て、顔を歪めて泣いた。
「どうしてあんなことを言ったの」
「どうして引き止めてくれなかったの」
「あの人に忘れられたら…わたしは」
僕には分からなかった。母さんはすぐに謝って抱きしめてくれたけど、心が凍ったようにただただ冷えていく。
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