前世を思い出したら超絶ドアマットヒロインになっていたんですが。

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レイヴン

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表通りは華やかだけど裏路地に少し入っただけで飢えた子供が目に入る。1人2人ではない。それに大人が子供に向ける視線はまるでゴミのようだ。

もう何日目だろうか。迎えの来る日付は遠に過ぎた。それでも毎日指定された場所で待ち続け、用意された空き家で眠る。持たされていた1週間分の食料は既に底を尽きていた。


空き家の外から人の声や花火の音が聞こえて目を覚ます。どうやら今日はお祭りがあるらしい。

建国祭か…だから最近、夜に憲兵の見回りが増え、路地裏の子供が減ってたのか…

外に出ると香ばしい匂いがして、腹を刺激する。

開店準備に忙しい市場を歩いていると真っ赤に輝くトマトを見つけて、ゴクリと喉が鳴る。
店主は背中を向け、子供が挨拶をしても無視をする。本当にこの国は終わっている。ひとつくらい盗ってもバレやしないだろう。

だけど、隣にいた子供に腕を捕まれて…手に持ったトマトを握りつぶしてしまった。店主はそれを呆れるように、だけど笑顔で許した。

どうして…そう思ったけど、勘違いしていたのは僕の方で、恥ずかしくて何も言えなかった。いつまでも離してくれないその手に大人しく連れられていく。

奴隷か、スリの協力か、何かの取引に使いたいのかな。もし、そうなら人気のないところまで来たら気を失わせて逃げよう

だけど、差し出されたのは香ばしい香りが漂う肉串。人混みの中、目の前で買った肉串に毒を盛るような素振りなんてなかった。気付いた時には考えるのもやめて無我夢中で齧り付いていた。

串についたソースを舐めていると声がして…初めて彼女の顔を見た。心配そうに笑いかけるその表情が眩しくて…僕の心臓がドキリと跳ねた。
照れくさくなって素っ気ない返事をしてしまう。
よく見ると母さんに似た綺麗な白髪…それに宝石みたいに綺麗な赤い瞳。
なのにその瞳はすぐに不安に揺れて、背中を向けた。

待って、置いていかないで

人混みを掻き分けながら必死にその背中を追いかけた。街を出て森を進み、もう彼女を見失えば前か後ろかも分からなくなるような森の奥。そこに現れた湖の前で彼女が立ち止まる。そして、いきなり下着姿になって湖へと飛び込んだ。

カァっと顔が熱くなるのが自分でも分かって、視線を横へと向ける。

白じゃなくて銀色だったんだ…キラキラして綺麗…

湖は少女を一呑みしたかのように静かになった。不安で岸へと近付くと、やがて少女が浮かび、水面を漂っている。

こんなに寒いのにどうしてあんなに平気そうなんだろう

隠れることも声をかけることも忘れて見つめていた。だけど

「…………どこで死んだっておんなじだ」

その声が聞こえた時には、僕は何も考えず湖に飛び込んでいた。




*****
お気に入りして貰えて凄く嬉しいです!!拙い文章を理解してくれている方もいるのだとほっと安心しております。

レイヴンのターンが長くなってしまいますが、なるべく同日にあげたいと思っていますのでもう少しお付き合いいただけると幸いです<(_ _)> 
できればあと2~3話で戻したい…と思っています。
よろしくお願い致します。

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます!!
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