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レイヴン4
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「おなまえ……きいてない…」
「僕はケイルですよー」
「ちがうよっ、そのこのおなまえ」
「はてはて、どの子でしょうねっ」
叔父はレイヴンを抱えて、出口の扉へと向かう。
「まって、あっ……」
ゴンッと激しくぶつかる音がして一瞬、叔父は立ち止まるがすぐに歩き出す。抱えられて不自由なレイヴンの視界に、泣き出す少年の額から出ていた血があっという間に消えていくのが見えた気がした。
「お世話係はなにしてんだろーねぇ」
「あれなに」
「んー、化け物?」
「は?」
何も無かったかのように長い廊下を歩く叔父ははぐらかして答えてはくれないようだ。
「いい加減…下ろしてくれない?」
「あっ、ごめんごめん」
やっと地面に解放されて、寄れた身なりを整えると叔父が目の前の扉を叩く。
「はいるよー」
返事もないのにガチャリと扉を開けた叔父はレイヴンの背を押しながら、その部屋へと入る。
「押さないでよ、触らないで」
叔父を睨み、手を退けようと身じろいでいるとすぐに立ち止まり、その手は離れた。
「〝息子さん〟と対面しちゃった」
叔父の見つめる先に居たのは、コンドラー公爵。あの時から変わらない容姿に衰えはなく、その青い瞳はしっかりとレイヴンを捉えている。
「あれー、反応無し?」
「大きくなったな」
「………」
ベルを鳴らした公爵がメイドにお茶を用意させる。叔父はメイドの運んで来たカートから茶菓子を取るとレイヴンの隣に腰かけた。
「あれ、聞くんじゃなかったのー?」
お互いに喋り始めないことを不思議に思った叔父がレイヴンに問いかける。
「………」
「なんかさ、兄さんのお仕事知りたいんだってさ」
「知ってるよ、帝国の最後の砦。この国の中枢で在りながら、軍の前線の戦闘指揮も担う、帝国に無くてはならない存在 、でしょ」
「えー、じゃあ会いたかっただけ?」
「違うっ」
慌てて否定すれば、叔父が可笑しそうに笑う。
「お勉強頑張ってるもんねー」
「何が言いたいの」
「仲がいいんだな」
対面にいる公爵は相変わらず表情を変えずにレイヴンを見ている。
「メア…母は…元気か?」
「はい、とても」
「それは…よかった」
「社交辞令は要りません。僕はこれからどうしたらいいですか?母さん連れて別の国でひっそり暮らしたっていいんです」
「………」
願望が大いに含まれていたが、帝国の重要貴族相手に黙って逃げれる気もしなかったのでレイヴンは素直に聞いた。
「彼女の病のことは知ってるのか?」
「知りません。母は教えてくれませんでした」
「そうか」
「話してあげればー?」
「だが…」
「この子、優秀だよー?魔法も戦闘も」
叔父は公爵の煮え切らない態度につまらなそうに質問を投げかけるが、すぐにレイヴンの腰を掴んで立たせるとそのままレイヴンごと背中を向けた。
「まぁ、僕はこの子が欲しいよ。諜報の才もあるし…何より僕を遠ざけないからねー」
「待ってくれ……分かった、2人にしてくれないか?」
「えー…兄さんは信用できない」
「いいよ」
レイヴンは叔父の腰を押して、公爵に向き直る。
「話してください」
「僕はケイルですよー」
「ちがうよっ、そのこのおなまえ」
「はてはて、どの子でしょうねっ」
叔父はレイヴンを抱えて、出口の扉へと向かう。
「まって、あっ……」
ゴンッと激しくぶつかる音がして一瞬、叔父は立ち止まるがすぐに歩き出す。抱えられて不自由なレイヴンの視界に、泣き出す少年の額から出ていた血があっという間に消えていくのが見えた気がした。
「お世話係はなにしてんだろーねぇ」
「あれなに」
「んー、化け物?」
「は?」
何も無かったかのように長い廊下を歩く叔父ははぐらかして答えてはくれないようだ。
「いい加減…下ろしてくれない?」
「あっ、ごめんごめん」
やっと地面に解放されて、寄れた身なりを整えると叔父が目の前の扉を叩く。
「はいるよー」
返事もないのにガチャリと扉を開けた叔父はレイヴンの背を押しながら、その部屋へと入る。
「押さないでよ、触らないで」
叔父を睨み、手を退けようと身じろいでいるとすぐに立ち止まり、その手は離れた。
「〝息子さん〟と対面しちゃった」
叔父の見つめる先に居たのは、コンドラー公爵。あの時から変わらない容姿に衰えはなく、その青い瞳はしっかりとレイヴンを捉えている。
「あれー、反応無し?」
「大きくなったな」
「………」
ベルを鳴らした公爵がメイドにお茶を用意させる。叔父はメイドの運んで来たカートから茶菓子を取るとレイヴンの隣に腰かけた。
「あれ、聞くんじゃなかったのー?」
お互いに喋り始めないことを不思議に思った叔父がレイヴンに問いかける。
「………」
「なんかさ、兄さんのお仕事知りたいんだってさ」
「知ってるよ、帝国の最後の砦。この国の中枢で在りながら、軍の前線の戦闘指揮も担う、帝国に無くてはならない存在 、でしょ」
「えー、じゃあ会いたかっただけ?」
「違うっ」
慌てて否定すれば、叔父が可笑しそうに笑う。
「お勉強頑張ってるもんねー」
「何が言いたいの」
「仲がいいんだな」
対面にいる公爵は相変わらず表情を変えずにレイヴンを見ている。
「メア…母は…元気か?」
「はい、とても」
「それは…よかった」
「社交辞令は要りません。僕はこれからどうしたらいいですか?母さん連れて別の国でひっそり暮らしたっていいんです」
「………」
願望が大いに含まれていたが、帝国の重要貴族相手に黙って逃げれる気もしなかったのでレイヴンは素直に聞いた。
「彼女の病のことは知ってるのか?」
「知りません。母は教えてくれませんでした」
「そうか」
「話してあげればー?」
「だが…」
「この子、優秀だよー?魔法も戦闘も」
叔父は公爵の煮え切らない態度につまらなそうに質問を投げかけるが、すぐにレイヴンの腰を掴んで立たせるとそのままレイヴンごと背中を向けた。
「まぁ、僕はこの子が欲しいよ。諜報の才もあるし…何より僕を遠ざけないからねー」
「待ってくれ……分かった、2人にしてくれないか?」
「えー…兄さんは信用できない」
「いいよ」
レイヴンは叔父の腰を押して、公爵に向き直る。
「話してください」
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