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闇深き動乱
会見
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ロハリネの宮殿に詰めかけた数百名の記者。
会見が始まる時刻を整然と待っている。
広間に二人の人物が入室してきた。ロハリネのモビー宰相とムンゾの国皇である。
大勢の記者は小型の写真機を掲げ、撮影用の照明を灯して両者をレンズに焼き付けた。
広間の奥に設けられた壇上には横長の机と椅子。二人が腰を降ろす。
「まずは、この戦争で犠牲となった尊き民に追悼の意を捧げる」
モビーがそう言ったあと、壇上の二人は自らの胸に手を当て、瞳を瞑る。
広間にいるロハリネの公官やムンゾの臣下、記者達も同様に黙祷した。
やがてゆっくりと目を開く。
モビーが軽く咳払いをしてから話す。
「我々は三日間に渡り、終戦協議を行った。ロハリネの各地に多大な被害をもたらしたムンゾの過失は重く、容易に許されることではないだろう。
我が国の法律や同盟国の意見、国際規則などに基づき、ムンゾがロハリネに相応の賠償金を納めるという誓約で合意した。
尚、ベルトーメ陛下の罪は問わない」
広間がざわつき、前列にいた記者達が口を挟む。
「なぜです?最も責任があるのはムンゾの国皇では?」
「戦った兵士には命を落とした者も多数います。ロハリネや各国の市民が賛同するでしょうか?」
反発が絶え間なく起きる。
「そのような疑問を持つのは理解できる・・・。
しかしこの戦争の最中、ベルトーメ陛下は何者かに呪文を掛けられ、行動や思考を操られていたのです」
「呪文?・・・」
記者が聞き返すように呟く。
「協議に参考人として同席したロハリネ、ミオランデ、ノースキャトルの賢正が明確に証言したのだ。私は彼らを信頼している」
「当時の状況を教えてください」
ベルトーメは息を深く吸い込み、記者の質問に答える。
「一ヶ月ほど前、私は原因不明の病で倒れてしまい、永らく床に伏した。それから記憶がないのです・・・。
臣下の話では宮廷に謎の医師が現れ、私を治療したらしい。
その後、目覚めた私は態度が豹変し、ロハリネを攻めよと・・・」
「謎の医師?どんな人物でしょうか?」
「直接に見たことはないのだか、魔術師だと聞いた・・・。
連れてきたのはシモンという軍部局の副長官で、彼に尋問したところ、全てを詳細に自白した。
医師と偽った魔術師と共謀して私を操り、戦争を企てたと・・・」
「シモン氏はなぜそのような陰謀を?」
「分からない・・・。おそらく、他国との健全な関係を築くより、ムンゾが第一だと考えていたようだ。その過激な思想が彼の行動に影響しているのだろう」
「魔術師に操られていたとはいえ、ロハリネへの侵略を指示なされた。やはり、あなたに重大な責任があるのでは?」
厳しい意見がベルトーメの面相を曇らせた。
「うむ・・・私が命じた発令により戦争が始まったのは事実だ。自責の念を痛感している・・・。
他国を攻撃するような事態は二度と起こさぬと誓う。
軍に関する指揮系統を改革し、失った平和と信頼を取り戻せるように努力してゆきたい」
「この戦争は誰にとっても、対処しきれぬ不遇の災難だったのです。
ベルトーメ公は本来、近隣各国との友好を重要視されている。それは皆さんもご存じでしょう。
故に罪を問うのではなく、ムンゾと世界の更なる発展のために尽力してほしい。これが協議で一致した結論なのです」
モビーが補足した。
広間に集まる大勢の記者達は納得しておらず、会見の終了時刻まで何度も質問を続けた・・・。
会見が始まる時刻を整然と待っている。
広間に二人の人物が入室してきた。ロハリネのモビー宰相とムンゾの国皇である。
大勢の記者は小型の写真機を掲げ、撮影用の照明を灯して両者をレンズに焼き付けた。
広間の奥に設けられた壇上には横長の机と椅子。二人が腰を降ろす。
「まずは、この戦争で犠牲となった尊き民に追悼の意を捧げる」
モビーがそう言ったあと、壇上の二人は自らの胸に手を当て、瞳を瞑る。
広間にいるロハリネの公官やムンゾの臣下、記者達も同様に黙祷した。
やがてゆっくりと目を開く。
モビーが軽く咳払いをしてから話す。
「我々は三日間に渡り、終戦協議を行った。ロハリネの各地に多大な被害をもたらしたムンゾの過失は重く、容易に許されることではないだろう。
我が国の法律や同盟国の意見、国際規則などに基づき、ムンゾがロハリネに相応の賠償金を納めるという誓約で合意した。
尚、ベルトーメ陛下の罪は問わない」
広間がざわつき、前列にいた記者達が口を挟む。
「なぜです?最も責任があるのはムンゾの国皇では?」
「戦った兵士には命を落とした者も多数います。ロハリネや各国の市民が賛同するでしょうか?」
反発が絶え間なく起きる。
「そのような疑問を持つのは理解できる・・・。
しかしこの戦争の最中、ベルトーメ陛下は何者かに呪文を掛けられ、行動や思考を操られていたのです」
「呪文?・・・」
記者が聞き返すように呟く。
「協議に参考人として同席したロハリネ、ミオランデ、ノースキャトルの賢正が明確に証言したのだ。私は彼らを信頼している」
「当時の状況を教えてください」
ベルトーメは息を深く吸い込み、記者の質問に答える。
「一ヶ月ほど前、私は原因不明の病で倒れてしまい、永らく床に伏した。それから記憶がないのです・・・。
臣下の話では宮廷に謎の医師が現れ、私を治療したらしい。
その後、目覚めた私は態度が豹変し、ロハリネを攻めよと・・・」
「謎の医師?どんな人物でしょうか?」
「直接に見たことはないのだか、魔術師だと聞いた・・・。
連れてきたのはシモンという軍部局の副長官で、彼に尋問したところ、全てを詳細に自白した。
医師と偽った魔術師と共謀して私を操り、戦争を企てたと・・・」
「シモン氏はなぜそのような陰謀を?」
「分からない・・・。おそらく、他国との健全な関係を築くより、ムンゾが第一だと考えていたようだ。その過激な思想が彼の行動に影響しているのだろう」
「魔術師に操られていたとはいえ、ロハリネへの侵略を指示なされた。やはり、あなたに重大な責任があるのでは?」
厳しい意見がベルトーメの面相を曇らせた。
「うむ・・・私が命じた発令により戦争が始まったのは事実だ。自責の念を痛感している・・・。
他国を攻撃するような事態は二度と起こさぬと誓う。
軍に関する指揮系統を改革し、失った平和と信頼を取り戻せるように努力してゆきたい」
「この戦争は誰にとっても、対処しきれぬ不遇の災難だったのです。
ベルトーメ公は本来、近隣各国との友好を重要視されている。それは皆さんもご存じでしょう。
故に罪を問うのではなく、ムンゾと世界の更なる発展のために尽力してほしい。これが協議で一致した結論なのです」
モビーが補足した。
広間に集まる大勢の記者達は納得しておらず、会見の終了時刻まで何度も質問を続けた・・・。
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