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第一章
第1話 王子に会ったら「2番目の女」宣言されました
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「安心してください。貴女は僕にとって2番目の女性だから」
「え……」
第1話 王子に会ったら「2番目の女」宣言されました
時は少し遡って、応接間に通された私たち。今更だけど、婚約の挨拶なのに親はいなくて良いのかとエミリーに聞いたら親は親同士で先に話をしているとのこと。そういうものなのかもしれないけど……。
心細く思いながら、執事のような人が私たちを呼びに来たので立ち上がる。やけに長い廊下、やたらと豪華な装飾のついた扉を開くと、その部屋の豪華さに負けないぐらいの煌びやかな雰囲気の男がこちらを見ていた。
ノワールと聞いていたけれど、容姿はどちらかというとやわらかな光を感じさせる。てっきり黒髪で冷たそうな人だと思っていたから、すごく意外だ。
「フリージア様…!」
「! ご、ごきげんよう、ノワール殿下」
エミリーの耳打ちでようやくさっき応接間で教えてもらったお辞儀(普通にやったらエミリーにひどく怒られた)をして、彼に向かって微笑みかける。
「こんにちは。無事に着いたようで何よりだ」
ちょっぴり猫目の彼は人懐っこそうに笑みを浮かべる。王子っていうから話しにくいかと思ったけど、そうでもなさそうで安心した。どっちかっていうと美人さを残した感じだな。
「レオナルド。護衛ご苦労であった」
「はっ」
そう言ってレオナルドは一礼し、部屋から出ていく。親しい雰囲気からして公爵家の使用人かと思っていたけれど、そうじゃなかったみたい。執事さんがソファに案内してくれて、次いでメイドがお茶を持ってきてくれた。ティーポットやカップは意外にシンプルで、白い陶器に紺色で模様が描かれてあるくらいだ。
「道中は辛くなかったかな?」
「あ、はい。お尻がちょっと痛かったですけど…」
「フリージア様…!!」
エミリーが顔色を変えて私に耳打ちした。彼女の慌て方からして、確かに初対面の高貴な人にする話ではなかったと反省する。
慌てて失礼しました、と軽く咳払いする。目の前の王子も驚いた顔をしている。フリージア、貴女の顔に泥を塗ってごめんなさい。
「いえ。……貴女がそんなことを仰るなんて、驚きました」
「申し訳ありません…!!」
エミリーが土下座しそうな勢いで謝る。思っていたよりことは重大のようだ。私も謝ろうとすると、彼があははっと笑い飛ばした。
殿下は長い足を組み替えて、こちらを見る。空色の瞳が私を映した。
「構いませんよ。貴女も僕のことを好きじゃないことはわかっていますし、何より僕も貴女を好きではありませんから」
「え……」
殿下はその名前とは正反対の見た目をしているが、もしかしたら性格を予見されてその名前をつけられたのかもしれない。突然好きじゃないなんて言われたら、部外者の私もいい印象を抱くはずがない。
「安心してください。貴女は僕にとって2番目の女性ですから」
「な、なん…!? え…!?」
それはそれで驚きだ。エミリーは手が震えて、もう涙が出そうになっている。殿下はそのまま続けた。
「ダルトワ家との婚姻は両家の親が決めたことです。1年経てば、君を自由にできる。そして僕も、自由になる」
「ですが…」
「大丈夫ですよ、フリージア。貴女は美しい。それに1年も経てば、きっとやむを得ない事情で僕たちが結婚させられたことは公に出るでしょう。その後嫁ぎ先に困ることはないはずです」
殿下の言葉は止まらない。エミリーが白目をむきそうだったので耳を手でそっと塞いであげた。
何かつらつらと離しながら彼は立ち上がって、側にあった花瓶に指をなぞらせる。この城全体がブルー、そして白を基調としたインテリアで揃えられていた。おそらく、この国家を表すカラーなのだろう。彼によく似合っている。
「国王陛下もそうすればきっと、…」
「殿下」
彼の息継ぎの間にそっと名前を呼びかける。彼はようやく口を止めて、私の番だと言うように形のいい片眉をあげた。
「2番目ということは、殿下は他に好きな方が?」
そして、私は負けを確信した。
彼の頬がほんのり赤く染まったからだ。こんなにも綺麗で、わかりやすい反応があるだろうか。先ほどまでの饒舌っぷりは緊張を隠していたのかしら、と思うほどにうぶな反応を見せてくれる。
金髪碧眼、絵本から飛び出したような王子のお眼鏡にかなうのは、フリージアではなかった。可哀想なフリージア。
馬車の中で読み込んだあの日記のようなものに、彼に会う日にどの服を着るか、どの髪飾りを、どんな髪型をするかまでこと細かく書かれていたのに。わたしはこの身体の持ち主を気の毒に思った。
「そうですか……」
残念には思うが、私はといえば特にダメージを受けていない。初対面だからなのかもしれない。
しんとした室内で、右手をとんとん、と優しく叩かれる。涙目になったエミリーが私を見つめていた。私は手をようやく離して、エミリーに涙を拭うようハンカチを渡した。
「フリージア様…」
「家のための結婚とはいえ、僕も貴女に幸せになってもらいたい。この1年の生活は保障しましょう」
「ありがとうございます。……」
私は立ち上がって彼に一礼した。そのまま退室しようとエミリーに視線を送る。あわてて立ち上がって同じように頭を下げた。
「……」
3秒ほど彼と見つめあって、わたしは言葉を続けるべきか迷った。
おそらくフリージアは、彼のことが好きだから。その誤解だけは解かなければならない気がしていて、……だけど。
「明日から学校が始まります。貴女もここに住むことになっていますが、この前の水害があったでしょう。あれで調度品の支度が間に合わなくて。一週間後に迎えに行きますから、準備はしておいてくださいね」
「……わかりました」
そんなものこちらから持っていけば良いのではと思ったが、長いものには巻かれておこう。
生活は保障する、という言葉通り、彼らはわたしを迎え入れる準備をしていた。
私はそのまま帰りたかったけど、どうしても下見をさせたいとのことで、これまた長い廊下をわたって、大きな部屋に通される。ベッドこそなかったものの、ドレッサーや小さなデスク、すずらんのかさがついたランプなどどれもお金がかかっていそうだった。
「どうですか? 気に入ってくれるといいのですが」
「ええ! どれも素敵です。ありがとうございます」
「よかった。慌てて揃えさせたんです」
この部屋だけを見れば、フリージアは後の正室となることは約束されたように思える。
それなのに、フリージアが好きじゃないんだもんな。おそらくノワールは人あたりがよすぎるんだろう。誰にでも優しくて、フリージアはそういうところにきっと惹かれたんだ。ゆくゆくは国を治めるんだから、人に好かれやすくて損はないけれど。
◇◆◇◆◇
自宅に帰ってからも、エミリーは落ち込んだ様子だった。当人は気にしていないのに、馬車の中でずっと泣いていたのだ。
でも私が沢山ご飯を食べるのを見て(せっかくの機会だし、ほとんど何も食べていなかったので)、驚いたと同時に笑ってくれていた。お父様は特に事情を聞かなかったらしく、めちゃくちゃ嬉しそうだ。
お風呂の手伝いをしてもらいながら、エミリーとこの話をしようかと思ったが、案外風呂場は声が響くのでやめておいた。元に戻ったフリージアの立場が悪くなることをこれ以上重ねたくはない。
来てから数時間しか経っていないが、すっかりこんなことを考えるようになってしまった。でも寝てしまうのは勿体無いな。こんなにイケメンの婚約者(2番目だけど)として過ごせるんだから。
変な夢だけど、じゅうぶんネタにはなるだろう。いや、恋愛イベントがもう少し起こってから帰れたらいいのにな……。
「え……」
第1話 王子に会ったら「2番目の女」宣言されました
時は少し遡って、応接間に通された私たち。今更だけど、婚約の挨拶なのに親はいなくて良いのかとエミリーに聞いたら親は親同士で先に話をしているとのこと。そういうものなのかもしれないけど……。
心細く思いながら、執事のような人が私たちを呼びに来たので立ち上がる。やけに長い廊下、やたらと豪華な装飾のついた扉を開くと、その部屋の豪華さに負けないぐらいの煌びやかな雰囲気の男がこちらを見ていた。
ノワールと聞いていたけれど、容姿はどちらかというとやわらかな光を感じさせる。てっきり黒髪で冷たそうな人だと思っていたから、すごく意外だ。
「フリージア様…!」
「! ご、ごきげんよう、ノワール殿下」
エミリーの耳打ちでようやくさっき応接間で教えてもらったお辞儀(普通にやったらエミリーにひどく怒られた)をして、彼に向かって微笑みかける。
「こんにちは。無事に着いたようで何よりだ」
ちょっぴり猫目の彼は人懐っこそうに笑みを浮かべる。王子っていうから話しにくいかと思ったけど、そうでもなさそうで安心した。どっちかっていうと美人さを残した感じだな。
「レオナルド。護衛ご苦労であった」
「はっ」
そう言ってレオナルドは一礼し、部屋から出ていく。親しい雰囲気からして公爵家の使用人かと思っていたけれど、そうじゃなかったみたい。執事さんがソファに案内してくれて、次いでメイドがお茶を持ってきてくれた。ティーポットやカップは意外にシンプルで、白い陶器に紺色で模様が描かれてあるくらいだ。
「道中は辛くなかったかな?」
「あ、はい。お尻がちょっと痛かったですけど…」
「フリージア様…!!」
エミリーが顔色を変えて私に耳打ちした。彼女の慌て方からして、確かに初対面の高貴な人にする話ではなかったと反省する。
慌てて失礼しました、と軽く咳払いする。目の前の王子も驚いた顔をしている。フリージア、貴女の顔に泥を塗ってごめんなさい。
「いえ。……貴女がそんなことを仰るなんて、驚きました」
「申し訳ありません…!!」
エミリーが土下座しそうな勢いで謝る。思っていたよりことは重大のようだ。私も謝ろうとすると、彼があははっと笑い飛ばした。
殿下は長い足を組み替えて、こちらを見る。空色の瞳が私を映した。
「構いませんよ。貴女も僕のことを好きじゃないことはわかっていますし、何より僕も貴女を好きではありませんから」
「え……」
殿下はその名前とは正反対の見た目をしているが、もしかしたら性格を予見されてその名前をつけられたのかもしれない。突然好きじゃないなんて言われたら、部外者の私もいい印象を抱くはずがない。
「安心してください。貴女は僕にとって2番目の女性ですから」
「な、なん…!? え…!?」
それはそれで驚きだ。エミリーは手が震えて、もう涙が出そうになっている。殿下はそのまま続けた。
「ダルトワ家との婚姻は両家の親が決めたことです。1年経てば、君を自由にできる。そして僕も、自由になる」
「ですが…」
「大丈夫ですよ、フリージア。貴女は美しい。それに1年も経てば、きっとやむを得ない事情で僕たちが結婚させられたことは公に出るでしょう。その後嫁ぎ先に困ることはないはずです」
殿下の言葉は止まらない。エミリーが白目をむきそうだったので耳を手でそっと塞いであげた。
何かつらつらと離しながら彼は立ち上がって、側にあった花瓶に指をなぞらせる。この城全体がブルー、そして白を基調としたインテリアで揃えられていた。おそらく、この国家を表すカラーなのだろう。彼によく似合っている。
「国王陛下もそうすればきっと、…」
「殿下」
彼の息継ぎの間にそっと名前を呼びかける。彼はようやく口を止めて、私の番だと言うように形のいい片眉をあげた。
「2番目ということは、殿下は他に好きな方が?」
そして、私は負けを確信した。
彼の頬がほんのり赤く染まったからだ。こんなにも綺麗で、わかりやすい反応があるだろうか。先ほどまでの饒舌っぷりは緊張を隠していたのかしら、と思うほどにうぶな反応を見せてくれる。
金髪碧眼、絵本から飛び出したような王子のお眼鏡にかなうのは、フリージアではなかった。可哀想なフリージア。
馬車の中で読み込んだあの日記のようなものに、彼に会う日にどの服を着るか、どの髪飾りを、どんな髪型をするかまでこと細かく書かれていたのに。わたしはこの身体の持ち主を気の毒に思った。
「そうですか……」
残念には思うが、私はといえば特にダメージを受けていない。初対面だからなのかもしれない。
しんとした室内で、右手をとんとん、と優しく叩かれる。涙目になったエミリーが私を見つめていた。私は手をようやく離して、エミリーに涙を拭うようハンカチを渡した。
「フリージア様…」
「家のための結婚とはいえ、僕も貴女に幸せになってもらいたい。この1年の生活は保障しましょう」
「ありがとうございます。……」
私は立ち上がって彼に一礼した。そのまま退室しようとエミリーに視線を送る。あわてて立ち上がって同じように頭を下げた。
「……」
3秒ほど彼と見つめあって、わたしは言葉を続けるべきか迷った。
おそらくフリージアは、彼のことが好きだから。その誤解だけは解かなければならない気がしていて、……だけど。
「明日から学校が始まります。貴女もここに住むことになっていますが、この前の水害があったでしょう。あれで調度品の支度が間に合わなくて。一週間後に迎えに行きますから、準備はしておいてくださいね」
「……わかりました」
そんなものこちらから持っていけば良いのではと思ったが、長いものには巻かれておこう。
生活は保障する、という言葉通り、彼らはわたしを迎え入れる準備をしていた。
私はそのまま帰りたかったけど、どうしても下見をさせたいとのことで、これまた長い廊下をわたって、大きな部屋に通される。ベッドこそなかったものの、ドレッサーや小さなデスク、すずらんのかさがついたランプなどどれもお金がかかっていそうだった。
「どうですか? 気に入ってくれるといいのですが」
「ええ! どれも素敵です。ありがとうございます」
「よかった。慌てて揃えさせたんです」
この部屋だけを見れば、フリージアは後の正室となることは約束されたように思える。
それなのに、フリージアが好きじゃないんだもんな。おそらくノワールは人あたりがよすぎるんだろう。誰にでも優しくて、フリージアはそういうところにきっと惹かれたんだ。ゆくゆくは国を治めるんだから、人に好かれやすくて損はないけれど。
◇◆◇◆◇
自宅に帰ってからも、エミリーは落ち込んだ様子だった。当人は気にしていないのに、馬車の中でずっと泣いていたのだ。
でも私が沢山ご飯を食べるのを見て(せっかくの機会だし、ほとんど何も食べていなかったので)、驚いたと同時に笑ってくれていた。お父様は特に事情を聞かなかったらしく、めちゃくちゃ嬉しそうだ。
お風呂の手伝いをしてもらいながら、エミリーとこの話をしようかと思ったが、案外風呂場は声が響くのでやめておいた。元に戻ったフリージアの立場が悪くなることをこれ以上重ねたくはない。
来てから数時間しか経っていないが、すっかりこんなことを考えるようになってしまった。でも寝てしまうのは勿体無いな。こんなにイケメンの婚約者(2番目だけど)として過ごせるんだから。
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