ナイショの妖精さん

くまの広珠

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1 作戦会議

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 ヨウちゃんちの玄関横の小窓から、夕日のオレンジ色がもれてくる。

 次の月曜のことを考えて、ドキドキしながら、スニーカーをはいていると、「綾」と呼びとめられた。


「これ、さっきのショウガ湯。一日三回、一口でいいから、毎食後に飲め」


「……うん。ありがと」


 ずっしりと重い水筒を、両手で受け取る。


「一日三回って、だいぶ飲むんだね」


 だって、たいていのフェアリー・ドクターの薬は、一回飲んでおしまいなのに。


「これは……ゆっくり治していく薬なんだよ」


「……ふ~ん」


 なんかヘン。

 ヨウちゃんの眉間にしわが寄ってる。琥珀色の瞳もゆがんでるし。

 何か言いたそうなのに、口はひきむすんだまま。


「……ヨウちゃん?」


「綾……あのさ……」


 大きな手のひらが、髪の上から、あたしの耳横にそえられる。



「え~? なになに~? これから、ラブシーンでもはじまるわけ~?」


 とつぜんの能天気な声に、あたしたちの肩、同時にビクッととびはねた。


「ま、誠っ!? 」


 ヨウちゃんの腕越しに見たら、誠が書斎から階段をのぼってきていた。


「ヤダね~、これだから、リア充は! オレがちょっと目をはなしたすきに、イチャイチャ!」

「し、してねぇだろっ!」


 教室では、いつもエラそうにふんぞり返ってるヨウちゃんが、誠の前では、たじたじ。

 教室では「おバカキャラ」で通ってる誠が、ヨウちゃんの前では、ひょうひょう。

 この力関係が、何気に好き。

 ケラケラ、お腹を抱えて笑っちゃう。







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