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もう失いたくない・前編
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祭りの次の日、
アクリちゃんがいたはずの部屋は
もぬけの殻になっていた。
「な…なんで…?」
昨日僕らは一緒に帰ってきたし、
寝る時にアクリちゃんに
おやすみって挨拶をして寝たよね…?
「あれ…?」
僕は机の上に置かれている
手紙に気付き、それを読んだ。
“真琴くんへ
この手紙を読んでるって事は
私がいない事に
気が付いたって事だよね?
何も言わずに出ていってごめんね。
でも事情があって
早く出ていかなくちゃいけなかったの。
今までお世話になりました!
ありがとう!そして、さよなら…
アクリより”
手紙にはそう書いてあった。
何で…何で黙って出ていったの?
事情…?
それなら声を掛けてから
出ていけば良かったのに。
なんで起こしてくれなかったの?
聞きたいけど行き先は書いてない。
「あれ?」
僕はベッドの下に
落ちている本を拾った。
これ、アクリちゃんの日記だ…。
忘れていったのかな…?
届けた方が良いよね…
聞きたい事もあるし…
まあ、行き先わからないけど。
「あっ、日記に書いてるかも」
他人の日記を見るなんて
よくないと思うけど
今回は仕方ないよね!
僕は日記を開いた。
その日記にはアクリちゃんが
幼い頃から書いていたものらしく、
僕の知らない事が
たくさん書いてあった。
しばらく読んでいくと
おそらく僕の事が書かれている
記述を見つけた。
“○月○日
今日は海岸でこっそりエメラルドを
助けた人間を見に行くことにした。
彼はとても優しそうな人だった。
一緒にいた彼女さんも良い人っぽい。
なんかお似合いの
カップルって感じだったな。”
…え?アクリちゃん、
彼女の事、知ってたの??
初めてあった時は
知らなさそうだったのに…
“○月△日
どうしよう…
毎日彼を見ていくうちに
私は彼の事がすきになってしまった。
でも彼にはお似合いの彼女がいるし、
私は彼女の事も大好きだから
奪う気なんてない。
そもそも私は人魚だしね。
結ばれるわけないもん…”
…どういうこと?
アクリちゃんは僕と結ばれる為に
人間になったはずだよね…?
“□月○○日
最近、海岸で二人を見かけない…
心配にだったけど
私は人魚だから海から出られない。
だからオパールに頼んで
二人を探してもらった。”
“□月○△日
オパールから彼女が病気になって
入院した事を聞かされた。
私はオパールに私の代わりに
なるべく毎日様子を
見に行ってほしいと伝え、
そして私は海で彼女の病気が治って
再び二人が海岸に来る事を願う事にした。
これが私に出来る唯一の事だから。”
“□月○□日
彼女の容態は
なかなか良くならないらしい。
神様、どうしてこんな事をするんですか?
あの人達はとても素敵な人達なんです。
だから助けてあげてください。”
“△月○日
彼女が今日死んだ…。
もしかしたら
神様なんていないのかもしれないね…。”
“□月△日
彼女が死んで以来、
彼は毎日海岸に来ては
悲しそうに海を眺めるようになった。
オパールに聞いた話しによると
彼は彼女から“もし私が死んでも
後追いしないで”と言われていたらしい。
今の彼は大切な人を失い、
生きる希望を失っているにも関わらず、
彼女のために無理矢理生きようとしている。
このままじゃ彼は壊れてしまう。
きっとそんな事は彼女も望んでない。
だから私は彼が立ち直らせるために
人間になる事を決めた。”
「え、嘘…」
僕を元気付けるために
わざわざ人間になったの…?
こんなに僕は
アクリちゃんに思われていたんだ…
それなのに僕は自分の事ばかりで
アクリちゃんに何も返せてない…。
“□月□日
次の日、人間になると決めた私は
早速、魔女がいる洞窟に向かって
人間になれる薬を貰った。
人間になれる薬は
近くの薬局屋にも売ってるし、
そっちの方が安いけど
持続性がないうえに何度も飲むと
だんだん薬が効かなくなっていく。
それに比べて魔女から貰った場合、
値段が高い代わりに
オプションとして
歩けるようになる薬が貰える。
人魚が人間になった場合、
すぐに足を使う事が出来ず、
動けなくなってしまう。
早く彼を助けたいのに
そんな事で躓くのは困るもん。
好きな人間を思い浮かべて飲み、
その人間と3ヶ月以内に
結ばれなければ消えてしまうけど…。
彼を助けるためなら消えても良い。”
ドサッ
僕は最後の文章に言葉を失い、
思わず日記を落としてしまった。
き、消える…?
アクリちゃんが…?
だからアクリちゃんは
黙って出ていったの?
気付かれないように…
このままじゃ、
僕はまた大切な人を失ってしまう…
早く…早く見つけなきゃ!
僕は慌てて家を飛び出した。
💧To be continued…💧
アクリちゃんがいたはずの部屋は
もぬけの殻になっていた。
「な…なんで…?」
昨日僕らは一緒に帰ってきたし、
寝る時にアクリちゃんに
おやすみって挨拶をして寝たよね…?
「あれ…?」
僕は机の上に置かれている
手紙に気付き、それを読んだ。
“真琴くんへ
この手紙を読んでるって事は
私がいない事に
気が付いたって事だよね?
何も言わずに出ていってごめんね。
でも事情があって
早く出ていかなくちゃいけなかったの。
今までお世話になりました!
ありがとう!そして、さよなら…
アクリより”
手紙にはそう書いてあった。
何で…何で黙って出ていったの?
事情…?
それなら声を掛けてから
出ていけば良かったのに。
なんで起こしてくれなかったの?
聞きたいけど行き先は書いてない。
「あれ?」
僕はベッドの下に
落ちている本を拾った。
これ、アクリちゃんの日記だ…。
忘れていったのかな…?
届けた方が良いよね…
聞きたい事もあるし…
まあ、行き先わからないけど。
「あっ、日記に書いてるかも」
他人の日記を見るなんて
よくないと思うけど
今回は仕方ないよね!
僕は日記を開いた。
その日記にはアクリちゃんが
幼い頃から書いていたものらしく、
僕の知らない事が
たくさん書いてあった。
しばらく読んでいくと
おそらく僕の事が書かれている
記述を見つけた。
“○月○日
今日は海岸でこっそりエメラルドを
助けた人間を見に行くことにした。
彼はとても優しそうな人だった。
一緒にいた彼女さんも良い人っぽい。
なんかお似合いの
カップルって感じだったな。”
…え?アクリちゃん、
彼女の事、知ってたの??
初めてあった時は
知らなさそうだったのに…
“○月△日
どうしよう…
毎日彼を見ていくうちに
私は彼の事がすきになってしまった。
でも彼にはお似合いの彼女がいるし、
私は彼女の事も大好きだから
奪う気なんてない。
そもそも私は人魚だしね。
結ばれるわけないもん…”
…どういうこと?
アクリちゃんは僕と結ばれる為に
人間になったはずだよね…?
“□月○○日
最近、海岸で二人を見かけない…
心配にだったけど
私は人魚だから海から出られない。
だからオパールに頼んで
二人を探してもらった。”
“□月○△日
オパールから彼女が病気になって
入院した事を聞かされた。
私はオパールに私の代わりに
なるべく毎日様子を
見に行ってほしいと伝え、
そして私は海で彼女の病気が治って
再び二人が海岸に来る事を願う事にした。
これが私に出来る唯一の事だから。”
“□月○□日
彼女の容態は
なかなか良くならないらしい。
神様、どうしてこんな事をするんですか?
あの人達はとても素敵な人達なんです。
だから助けてあげてください。”
“△月○日
彼女が今日死んだ…。
もしかしたら
神様なんていないのかもしれないね…。”
“□月△日
彼女が死んで以来、
彼は毎日海岸に来ては
悲しそうに海を眺めるようになった。
オパールに聞いた話しによると
彼は彼女から“もし私が死んでも
後追いしないで”と言われていたらしい。
今の彼は大切な人を失い、
生きる希望を失っているにも関わらず、
彼女のために無理矢理生きようとしている。
このままじゃ彼は壊れてしまう。
きっとそんな事は彼女も望んでない。
だから私は彼が立ち直らせるために
人間になる事を決めた。”
「え、嘘…」
僕を元気付けるために
わざわざ人間になったの…?
こんなに僕は
アクリちゃんに思われていたんだ…
それなのに僕は自分の事ばかりで
アクリちゃんに何も返せてない…。
“□月□日
次の日、人間になると決めた私は
早速、魔女がいる洞窟に向かって
人間になれる薬を貰った。
人間になれる薬は
近くの薬局屋にも売ってるし、
そっちの方が安いけど
持続性がないうえに何度も飲むと
だんだん薬が効かなくなっていく。
それに比べて魔女から貰った場合、
値段が高い代わりに
オプションとして
歩けるようになる薬が貰える。
人魚が人間になった場合、
すぐに足を使う事が出来ず、
動けなくなってしまう。
早く彼を助けたいのに
そんな事で躓くのは困るもん。
好きな人間を思い浮かべて飲み、
その人間と3ヶ月以内に
結ばれなければ消えてしまうけど…。
彼を助けるためなら消えても良い。”
ドサッ
僕は最後の文章に言葉を失い、
思わず日記を落としてしまった。
き、消える…?
アクリちゃんが…?
だからアクリちゃんは
黙って出ていったの?
気付かれないように…
このままじゃ、
僕はまた大切な人を失ってしまう…
早く…早く見つけなきゃ!
僕は慌てて家を飛び出した。
💧To be continued…💧
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