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season 3
03
しおりを挟む「ここで待ってて」
「えー」
「見える位置でしょ?」
「えー」
「もー京輔さん?」
「………わかった」
「ありがと」
車で、同窓会の会場前にきた。
目の前がその会場になってる建物で、入り口はガラス張りになってるから外からでも中の様子が窺える。
梨恵の言う通りここからでも見えるんだけど…それはさ?梨恵のそばにいて旦那です!!ってアピールしたいじゃん?でもそれはダメだって。
梨恵は梨恵で、俺がこれ以上モテるところ見たくないって。
ほんとかわいいよなぁ。あれ嫉妬だよね?ふふ、かわいすぎてやばいよね。
そんな梨恵をずっと愛でてたい。
ぎゅってしてちゅってしたい。
はぁー…ほんと大好き。
同窓会には参加しないで本当に挨拶だけして帰るつもりだから、梨恵の服装は普通。
周りの人たち(多分梨恵の同級生)は、ドレス着てたりスーツ着てる奴がいたりして、若干梨恵が浮いてるように見えるけど、やっぱ誰よりもかわいくて誰よりもキレイで、誰よりも愛おしい。
ここからだと声聞こえないのがやっぱ不満だなぁ…何喋ってるんだろ…あ、あの男ちょっと梨恵に近過ぎない?ほら!そんな笑顔見せるから男の方顔赤くなってるじゃん!
梨恵は、出会った頃よりも顔立ちが大人になって、キレイになった。
メイクも元からそんなにしてたわけじゃないけど、二十歳になってからちゃんとするようになって、それでさらにキレイになってる。
梨恵の顔立ちは、側から見たら少しキツめの見た目で、多分同級生の男どもからしたら高嶺の花みたいな存在だったと思う。
昔からクールで、話しかけてもきっと冷たい印象を与えてたんだと思う。
それは多分、あの家族みたいな奴らのせいなんだけど。
でもそれが、今は笑顔で話してるから、周りの男どもはドキッとしてる。はず…。
気に食わない…本当に気に食わない…!
ああ…無理…ここで梨恵が帰ってくるの待つとかほんと無理…そばにいたい。離れたくない。
…うん、無理!もう迎え行く!
いいよね?だって、挨拶したら帰るんだもんね?いいよね?
「梨恵!」
「えっ?!」
「挨拶終わった?」
「お、わったけど…ええ?」
我慢ならなくて、結局梨恵との約束破っちゃった。ごめん。
でも無理。特にこの梨恵の隣を陣取ってるこの男!
車の中から見ててもわかるくらいに梨恵に色目使ってたこの男!
「帰ろう?」
「あ、うん。みんなごめんね?」
「待って!神崎さん彼氏いたの?!」
「え?あー…」
「彼氏じゃなくて、旦那です」
「え…だ、んな?」
「うん…結婚したの」
「うっそ?!」
梨恵の左手を取って上に持ち上げて、周りの奴らに見せつけるように指先にキスしながら指輪を見せた。
その瞬間、周りは「キャー!」だの「ええええ?!」だのすごい歓声で、梨恵の隣を陣取ってた男は、ショック受けてる顔してた。
そのまま連れて帰ろうとしたら、周りに人だかり出来ちゃって、梨恵に対して「いつ出会ったの?!」「いつ結婚したの?!」と質問攻め。
梨恵は「いや、えーっと…」って困ってて、そんな姿もかわいらしい。
「梨恵の同級生のみなさん、ごめんね?梨恵困ってるから今日はもう帰ります」
「あっ…そ、そうですよね…!」
「また、機会があったら梨恵と仲良くしてください」
「は、はい…!」
そういって、掴んでる手を絡めて繋ぎ直して、車に向かった。
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