狼王の贄神子様

だいきち

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 もしかしたら、ミツは大きな過ちを犯した気がする。薄ぼんやりとする思考の中、薄暗くなった天井を見上げながら思考が飛んだ。

「何を、考えている……?」
「ぁ、う……っ……」
「余計なことを考える余裕があるのか……」
「ひ、ゃ、ゃあ、あっ」

 薄い皮膚に、ぷつりと血が滲む。ロクによって何度も噛まれた肩口は、赤い痣になっている。大事に食う。と言われてから、ミツはロクが今までどれほど加減をしていたのかを知った。
 先ほどから、尻の内側で指が動いては性感を煽ってくる。視線を移せば、滑らかなミツの太腿やお腹にまで、噛み跡は広がっていた。
 聞くに耐えない水音が、ミツの聴覚を刺激してくる。座った状態で、ミツはロクの膝に背を預けるようにして散々にほぐされた。蜜がいやだを叫んでも、聞いてもくれずにだ。おかげで濡れた蕾はロクの指を二本も納め、ミツは自慢の尻尾を口にもできないような体液でしっとりと濡らしてしまった。

「好きだ、……ミツ、お前が、俺は好きだ」
「も、お……っお、おひ、りぃや……ら、っ」
「可愛い……知っているか。お前は、ここを刺激してやると容易く達する」
「きゅ、う……ぁあ、あっンっい、ぃく、い、いっちゃ、ぁっ」
「可愛い……」

 ロクの語彙力はどこにいってしまったのだろうか。先ほどから、好きだを重ね、可愛いを繰り返している。もしかしたら、ミツがねだったから? ゆるゆる首を振って、ミツの中を弄るロクの手の制止を試る。ああだめだ。だめになる器官を指で挟まれて、またミツの体でロクは遊ぶ。

「ミツの声を、もっと聞きたい。可愛い、好きだ……なあ、口付けをくれるか」
「ン、ンぅ、ふ……っ、むぅ、うっ」
「ン……上手だ、ミツは偉いな……」
「ふ、ぁ……ろ、ロク、ぅ……っ」

 甘やかされて、溶かされて、ミツはロクの恋人兼愛玩動物になったような心地だ。口付けの味を舌で覚え、指の味を蕾で覚える。上手にロクを気持ちよくできると、まるで子供のように甘やかされる。大人なのに、だめになってしまうあやし方をされるのだ。

「お、おひり……も、もうゃ、ぬ、ぬい、へ……」
「抜いて、もう俺を入れるというのか。まだ痛いかもしれないぞミツ……我慢できるか?」
「う、ぅう、う……っぁ、うぁ……っ」
「ミツ、言って」

 ロクの膝の上で、横抱きにされたままお尻をいじられている。ミツの目の前で、ロクは見せつけるように指で中を探るのだ。翡翠色が、己の股の間に収まったロクの手を見る。
 濡れて艶めく指先は全部、ミツが漏らしたものだと知らしめられているようだ。言葉を催促されている。本当は、きっと足りないことだってわかっている。それでも、これ以上はミツが限界だった。きっと、体の形を保っていられない。情けなく泣いた顔を、ロクの胸元に押し付ける。長い尾が縋るようにロクの腕に巻き付くと、グッ、と指の挿入が深まった。

「ミツ」
「きゃう、ぁ、ああ、あっん!」
「ここ、わかるな。肉の質が違う。俺のは、きっとここも通り抜けて奥を犯す」
「ぁあ、あっ、き、もひいぃ……っ、ろ、く、ロク、ぅ……っ」

 耳朶をくすぐる甘い声に、ミツは胸の二粒を反応させる。怖いことを言っているのに、ミツはそれでも期待してしまった。
 小さな丸耳に舌を這わされる。好きな人に毛繕いをされるのは、なんでこんなに気持ちがいいのだろう。愚図るように擦り寄りながら、柔らかな太ももでロクの腕を挟む。それだけで、ロクは嬉しそうに目を細めるのだ。

「ほ、し……」
「聞こえない」
「ほし、い……っ、ろ、ロクの、み、ミツの中に、っ」
「……痛かったら、すぐに止める」

 求めるように触れたロクの唇。ミツの指は、がじりと甘く噛まれてしまった。コランダムがいつになく輝き、怪しく光る。整った顔に汗を滲ませながら、ロクは甘えるようにミツの唇をそっと啄んだ。大きな手のひらが、そっとミツの尻を浮かせる。肉の間に挟むようにして招いた性器は、ミツの小ぶりな袋を押し上げるように摩擦した。

「ぁ、あつい……」
「汗をかいてる。終わったら、一緒に湯浴みをしような」
「ね、るのも……い、一緒がい……」
「ああ、……朝飯も、一緒に食おう」

 ミツの肩を抱き寄せるようにしてロクがキツく抱きしめる。互いの体温を近くに感じて、ミツはトクトクと心音を響かせる。ロクの顎の下にスッポリと頭を埋めて、腕に巻きつけた尻尾は離れようともしない。ロクの手がミツの尻をわり開く。指を引き抜かれた蕾は名残惜しげに口を広げて、赤い媚肉を晒していた。それが、ロクの太い幹に触れるだけで吸い付くように収縮する。ミツの慎ましい性器よりも、よほどこちらの方が仕上がっている。

「ゆっくり挿れる。苦しかったら、噛み付いても構わない」
「ぅ……、ん……っ」
「っ……、ミツ……」

 薄茶色の髪に口付けるように、ロクが顔を寄せる。抱き込まれたまま、ロクの長大な性器はゆっくりとミツの体を貫いていった。こなれたミツの穴は、必死で頬張るかのようにロクの性器を受け入れる。腹の奥から粘液が分泌されている気がする。体が、必死に雄に馴染もうとしている。
 本来なら、入れる場所ではない。先端がゆっくりと腹に押し込まれるだけで、ミツの額からはじわりと汗が滲んだ。

「ふ、う、う……っ」
「っ……がんばれ、ミツ……っ」
「ふ、ぅあ……く、ま、まっ、へ……っ」
「力を抜け、……苦しいな、すまん……」
「ァ、っ……ぉ、おな、か……っ……撫で、てぇ……っ」

 ヒック、と喉を震わせる。信じられないくらい、痛い。お腹にガラス片が刺さった時よりも。尻尾を掴まれた時よりも痛い。ぐすぐすと泣きながら、ロクの鎖骨を涙で濡らす。小さな手に指が絡まって、繋いだ手をそっと腹の上に乗せる。
 きっと、きつい思いをしているのはロクも同じだ。堪えるように、男らしい太い筋が首に浮かび上がっていた。腹を温めるように手を置かれ、下手れた丸耳を労わるように口付けられる。
 体の力は、ゆっくりと抜けていった。痛みがじわじわと分散され、滑りに助けられるようにゆっくりと性器が奥へと進んでいく。

「ぉなか……ぽ、こってする……っ」
「ここにいる、奥まで入れると、ミツのここまでにいく」
「ぅあ、お、おさな……ぃれ……っァう、う……っ」
「いい、気にするな。きっと出してしまったほうが腹は楽になる」

 ロクの指先がミツの臍の下を押した時、まるで体はバカになってしまったかのように、性器の先端からしょわりと漏らした。勢いのない失禁が、じわじわと尾の付け根とロクの服を汚す。足を閉じることができないまま、ロクの目の前でお漏らしをしたのだ。
 それでも、ロクは怒ることもなく、ただ上手だと褒めてくれた。膀胱が不本意に軽くなり、腹の苦しさは随分と軽減された。

「っ……ミツ……深呼吸しろ……そう、えらいぞ」
「ァふ、っ……ん、んぅ、ふ……っ」

 痛みが熱へと変わった。しかし、次にミツを苦しめたのは鋭敏な感覚であった。肉が柔らかに包み込む、ロクの性器の形。まるで飲み込むようにきゅうんと収縮して、ミツの体に走る神経の末端までにロクを伝達する。
 失禁によって体の力が抜けて、細い足はへたりこむ。ず、と耳の奥で音がして、ロクの性器がずろりと動いた。
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