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「お前は、ドアと口付けをするのが好きなのか。」
「うぅ、ち、ちがいまふ…」
「サディンが勢い良く開けるからだバカモノ!ああ、まあお前のドジも有るだろうが…」
サディンはなんとも言えない顔をしながら、ダラスに治癒してもらっているミハエルを見た。サディンがミハエルの顔面にドアを叩きつけるのは二度目だ。まったく、本当によくぶち当たると思う。
「子犬ちゃん、平気?基本的に兵舎の会議室と団長の部屋は突然ドアが開くから、なるべく横に避けて待っとくのがおすすめ。」
「シスさん、できれば早く言ってほしかったでふ…」
舌も噛んだらしい。へろへろの口調で呟くと、よろよろと会議室に併設されている簡易キッチンの鏡の前で舌を出す。やはり噛んでいた。先を赤くしたまましょんもりと戻ってくるミハエルを見ながら、サディンはそっとミハエルに近づいた。
「かんじゃいまひた…」
「どれ、うーわ。赤くなってんじゃん。治癒できる?」
「ふぁ、ひ?んえ、」
シスに舌を見せていたミハエルが、斜め上から差した影を追うように見上げる。どうやらシス同様サディンもミハエルの舌を見に来たらしい。その顎に手を添えて口端に親指を突っ込んだサディンに、シスはぎょっとした。
「ちょ、っとさでぃ、あ。」
「ふ、んゅ、っーーーー!!!」
「ん。」
あーーーー!!!シスと、ダラスの素っ頓狂な声が揃った。それもそのはずだ。びしりと固まったミハエルの縮こまった舌に己の舌を重ねると、そのまま顔を傾けて唇を重ねたのだ。
痺れる舌先に、ぬるりとした唾液とともにじんわりと治癒の暖かさを感じた。柔く舌に吸い付いて、ゆっくりと唇を離したサディンの瞳が、口端を唾液でべたりとさせたまま硬直するミハエルを映す。繋がった唾液を舐め取るように、己の唇を獣のように舌で舐め終えた後に、はたと気がついた。
「やっべ。」
「やっべじゃないわばかものおおおおおおお!!!!!」
「うわっ!」
サディンの体の真横すれすれに放たれた火球に、会議室の壁が焦げる。シスは口の周りを唾液で濡らしたままのミハエルの顔の前でひらひらと手を振るが、どうやらあまりの事態に立ったまま意識を飛ばしているらしいことを理解すると、引きつり笑みを浮かべながらサディンを見る。
「さ、サディンなんでえ!?なんで今先生にキスしたの!?ええ!?付き合ってんの!?」
「付き合ってなどないわ!!このショタコンめ!!!お前、まだミハエルを抱いたこと許していないといったろうが!!」
「ええ!?やっぱあの日の夜に先生抱かれちゃったの!?ちょ、まって外でやって!!兵舎こわれちゃうからっ!!」
サディンが大慌てで会議室の窓から演習場に飛び出ると、ダラスが召喚したハルピュイアに跨がりながらそれを追いかける。シスはシスで野次馬だ。ミハエルを軽々と抱き上げると、よいしょっと羽だけ出して追いかける。
「付き合ってる!!ダラス!ショタコンじゃないけど、お宅の息子さんと今日から恋人です!!」
「おま、おまええ!!一度寝たくらいで彼氏面とは許さん!!という今日からだと!?貴様一体いつミハエルを唆した!!」
「あ、やべ。」
「もうさっきからボロ出まくりじゃん!!なんでそんな面白いことになってんの!!」
演習場はざわめきが起こった。先日に引き続き、マッドサイエンティストであるダラスを怒らせた団長が、後ろに目でもあるのかと突っ込みたくなるくらい、華麗にハルピュイアの繰り出す闇魔法を次々と避けるのだ。
次いで、騎士団の花であるシスが、医術局の花であるミハエルを抱いて羽ばたいているのだ。情報が多すぎてどうしたらいいかわからない。
「はっ、」
「あ、子犬ちゃんちょっとあの二人止めてくんない。」
「え、あ!!あーーーだめ!!だめですううなにしてるんでふかああ!!」
漸く意識が戻ってきたミハエルが、シスに抱きかかえられながら叫びを上げた。どうやら群衆は団長がミハエルにちょっかいをかけたことによってダラスがキレたのだと理解したらしい。ミハエルの声にサディンが反応すると、身体をひねって木をバネに見事な跳躍を見せたサディンが、ハルピュイアに機乗していたダラスの襟元を鷲掴んだ。
「どわぁっ!!」
「悪いなダラス。でももう、俺は決めたから。」
そう言うと、地面に降り立った。ダラスはサディンによって横抱きに抱えらたまま、その言葉に目を見開いた。
「一度きりの人生だしな。俺は俺の好きなようにすることにした。そこに年齢なんて関係ないだろう。」
「…エルマーに似て、自分勝手な愚か者が。お前の動機が、ミハエルに対しての情けなら殺してやる。」
「情け?そんなもんないよ。」
ダラスは酷く悔しそうな顔でサディンを見上げると、シスに降ろされたミハエルがあわあわとした様子でかけてくる姿を見つめた。
口付けをされたときのミハエルの顔を見てしまったのだ。あれは犯されたものがする表情ではなかった。そして、サディンがミハエルを見る瞳はすべてを語っていた。ああ、くそ。本気なのだなとわかってしまった。
「いちいち鼻につく男だ。」
「父さん譲りで悪いね。」
ああ言えばこう言う。ダラスは本当に、父親譲りで嫌な男だと諦めた様は溜息を吐く。
「サディン!父さん!」
「呼ばれてるぞお父さん。」
「お前なんぞにお父さんと呼ばれる筋合いはないわ!!降ろせバカモノ!!」
「はいはい。いってぇ!」
ああ、また駆けったら転ぶだろう。鈍臭い息子を気に掛けながら、己がまるで乙女のように抱き抱えられてることに気がついたダラスが、その失礼な男の顔面に裏拳をかます。これくらいはいいだろう。
「いてて、」
「お、お父さん!」
「むかっ腹が立つ!!おまえ、サディンに虐められたら父に言え。何時でもぶっ殺してやる手筈は整えておく。」
「え、それって」
もしかして、お許しがでたということか。ミハエルが頬を染めながらダラスを見上げると、ダラスはしまったといわんばかりにしっかりと刻まれた眉間のしわを深くする。ダラスの背後ではサディンがおや?という顔で様子をうかがっていた。
「うるさい!お前次ミハエルを守るのをしくじったら許さんからな!!」
「!!」
ダラスのキレ気味の言葉は、しっかりとサディンを指さして声高々に宣言された。この瞬間、シスは吹き出して大笑いし、ミハエルは目を輝かせ、そしてそれを演習場の周りで聞いていた第一騎士団の面々は、彼らの不可侵領域でもあるミハエル先生が団長の毒牙にかかったことを理解して、各々が様々な感情の入り混じった地響きのごとく悲鳴を上げたという。
「うぅ、ち、ちがいまふ…」
「サディンが勢い良く開けるからだバカモノ!ああ、まあお前のドジも有るだろうが…」
サディンはなんとも言えない顔をしながら、ダラスに治癒してもらっているミハエルを見た。サディンがミハエルの顔面にドアを叩きつけるのは二度目だ。まったく、本当によくぶち当たると思う。
「子犬ちゃん、平気?基本的に兵舎の会議室と団長の部屋は突然ドアが開くから、なるべく横に避けて待っとくのがおすすめ。」
「シスさん、できれば早く言ってほしかったでふ…」
舌も噛んだらしい。へろへろの口調で呟くと、よろよろと会議室に併設されている簡易キッチンの鏡の前で舌を出す。やはり噛んでいた。先を赤くしたまましょんもりと戻ってくるミハエルを見ながら、サディンはそっとミハエルに近づいた。
「かんじゃいまひた…」
「どれ、うーわ。赤くなってんじゃん。治癒できる?」
「ふぁ、ひ?んえ、」
シスに舌を見せていたミハエルが、斜め上から差した影を追うように見上げる。どうやらシス同様サディンもミハエルの舌を見に来たらしい。その顎に手を添えて口端に親指を突っ込んだサディンに、シスはぎょっとした。
「ちょ、っとさでぃ、あ。」
「ふ、んゅ、っーーーー!!!」
「ん。」
あーーーー!!!シスと、ダラスの素っ頓狂な声が揃った。それもそのはずだ。びしりと固まったミハエルの縮こまった舌に己の舌を重ねると、そのまま顔を傾けて唇を重ねたのだ。
痺れる舌先に、ぬるりとした唾液とともにじんわりと治癒の暖かさを感じた。柔く舌に吸い付いて、ゆっくりと唇を離したサディンの瞳が、口端を唾液でべたりとさせたまま硬直するミハエルを映す。繋がった唾液を舐め取るように、己の唇を獣のように舌で舐め終えた後に、はたと気がついた。
「やっべ。」
「やっべじゃないわばかものおおおおおおお!!!!!」
「うわっ!」
サディンの体の真横すれすれに放たれた火球に、会議室の壁が焦げる。シスは口の周りを唾液で濡らしたままのミハエルの顔の前でひらひらと手を振るが、どうやらあまりの事態に立ったまま意識を飛ばしているらしいことを理解すると、引きつり笑みを浮かべながらサディンを見る。
「さ、サディンなんでえ!?なんで今先生にキスしたの!?ええ!?付き合ってんの!?」
「付き合ってなどないわ!!このショタコンめ!!!お前、まだミハエルを抱いたこと許していないといったろうが!!」
「ええ!?やっぱあの日の夜に先生抱かれちゃったの!?ちょ、まって外でやって!!兵舎こわれちゃうからっ!!」
サディンが大慌てで会議室の窓から演習場に飛び出ると、ダラスが召喚したハルピュイアに跨がりながらそれを追いかける。シスはシスで野次馬だ。ミハエルを軽々と抱き上げると、よいしょっと羽だけ出して追いかける。
「付き合ってる!!ダラス!ショタコンじゃないけど、お宅の息子さんと今日から恋人です!!」
「おま、おまええ!!一度寝たくらいで彼氏面とは許さん!!という今日からだと!?貴様一体いつミハエルを唆した!!」
「あ、やべ。」
「もうさっきからボロ出まくりじゃん!!なんでそんな面白いことになってんの!!」
演習場はざわめきが起こった。先日に引き続き、マッドサイエンティストであるダラスを怒らせた団長が、後ろに目でもあるのかと突っ込みたくなるくらい、華麗にハルピュイアの繰り出す闇魔法を次々と避けるのだ。
次いで、騎士団の花であるシスが、医術局の花であるミハエルを抱いて羽ばたいているのだ。情報が多すぎてどうしたらいいかわからない。
「はっ、」
「あ、子犬ちゃんちょっとあの二人止めてくんない。」
「え、あ!!あーーーだめ!!だめですううなにしてるんでふかああ!!」
漸く意識が戻ってきたミハエルが、シスに抱きかかえられながら叫びを上げた。どうやら群衆は団長がミハエルにちょっかいをかけたことによってダラスがキレたのだと理解したらしい。ミハエルの声にサディンが反応すると、身体をひねって木をバネに見事な跳躍を見せたサディンが、ハルピュイアに機乗していたダラスの襟元を鷲掴んだ。
「どわぁっ!!」
「悪いなダラス。でももう、俺は決めたから。」
そう言うと、地面に降り立った。ダラスはサディンによって横抱きに抱えらたまま、その言葉に目を見開いた。
「一度きりの人生だしな。俺は俺の好きなようにすることにした。そこに年齢なんて関係ないだろう。」
「…エルマーに似て、自分勝手な愚か者が。お前の動機が、ミハエルに対しての情けなら殺してやる。」
「情け?そんなもんないよ。」
ダラスは酷く悔しそうな顔でサディンを見上げると、シスに降ろされたミハエルがあわあわとした様子でかけてくる姿を見つめた。
口付けをされたときのミハエルの顔を見てしまったのだ。あれは犯されたものがする表情ではなかった。そして、サディンがミハエルを見る瞳はすべてを語っていた。ああ、くそ。本気なのだなとわかってしまった。
「いちいち鼻につく男だ。」
「父さん譲りで悪いね。」
ああ言えばこう言う。ダラスは本当に、父親譲りで嫌な男だと諦めた様は溜息を吐く。
「サディン!父さん!」
「呼ばれてるぞお父さん。」
「お前なんぞにお父さんと呼ばれる筋合いはないわ!!降ろせバカモノ!!」
「はいはい。いってぇ!」
ああ、また駆けったら転ぶだろう。鈍臭い息子を気に掛けながら、己がまるで乙女のように抱き抱えられてることに気がついたダラスが、その失礼な男の顔面に裏拳をかます。これくらいはいいだろう。
「いてて、」
「お、お父さん!」
「むかっ腹が立つ!!おまえ、サディンに虐められたら父に言え。何時でもぶっ殺してやる手筈は整えておく。」
「え、それって」
もしかして、お許しがでたということか。ミハエルが頬を染めながらダラスを見上げると、ダラスはしまったといわんばかりにしっかりと刻まれた眉間のしわを深くする。ダラスの背後ではサディンがおや?という顔で様子をうかがっていた。
「うるさい!お前次ミハエルを守るのをしくじったら許さんからな!!」
「!!」
ダラスのキレ気味の言葉は、しっかりとサディンを指さして声高々に宣言された。この瞬間、シスは吹き出して大笑いし、ミハエルは目を輝かせ、そしてそれを演習場の周りで聞いていた第一騎士団の面々は、彼らの不可侵領域でもあるミハエル先生が団長の毒牙にかかったことを理解して、各々が様々な感情の入り混じった地響きのごとく悲鳴を上げたという。
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