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カルマイン編
二人仲良くしてってば **
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呼吸がままならない。脳みそがとろけて、全身から発汗する。逃げるように爪を立てたイザルの腕には赤い引っ掻き傷ができていると言うのに、それを気遣う余裕をシグムントは持たなかった。
「っぁっだ、だぇ、あ、ああぁっで、ぅ……っは、はな、しっ」
「だから出していいんだって。つか出さねえと俺に回って来ねえだろう」
「ぎも、ぢ……ぃの、も、ぉっお、ぉじま、いに……っあぁ、あーーっ‼︎」
「おーおー、そんな暴れたらルシアンが舐め辛えだろう」
「きゃ、ぅうっあ、あーーっ‼︎ あーーっぃや、らぁあっ‼︎」
じゅぷじゅぷと粘着質な音がする。それと、シグムントの下手くそな呼吸の音だ。
室内は、シグムントの体から放たれる熱が移ったかのようにこもっていた。細い足がバタバタと暴れるのも気にせずに、ルシアンはシグムントの性器を執拗に責め立てる。
出したばかりの敏感な先端を、ルシアンが舌で摩擦し遊ぶのだ。おかげでシグムントの尻の下は、ルシアンの唾液と先走りでシミを作る。薄く白い腹に巻かれていたひょろながい蛇の尾は、力無く寝台に投げ出されたままであった。
「ん、らひていいって……、もっと気持ちいいって言って。恥ずかしいところ、全部見せてシグムント」
「は、っ……ゃ、やら、も……お口、ひゃめ、っ」
「い、や、だ」
「んぁっ~~っぃ、イザルどめ、でっ……‼︎るじあ、んっ……も、どめ、へぇ……っ」
「面白えから嫌だ」
「ーーーー‼︎」
声のない悲鳴が上がった。シグムントの腰は押さえつけられたまま、足でルシアンの頭を挟むようにしてのけぞった。イザルの目の前で、涙も鼻水も、涎も全て垂れ流した情けない顔のシグムントが、はくりと唇を震わせる。
だらしなく開かれた口から赤い舌が見える。達したのであろういやらしい表情を前に。イザルは己の性器を痛いほど張り詰めさせていた。
シグムントの細い腰を、ルシアンが押さえ込むようにして深くまで性器を飲み込んだ。虚な瞳のまま体を痙攣させたシグムントが、達した勢いで伸び切ってしまった足をヘナヘナとおろす。
喉を鳴らし、放たれた精液を飲み込んだルシアンが、ゆっくりと唇を離す。粘り気のある唾液が性器と繋がって、ぷつりときれた。
「ん、うす……」
「お前あんまいじめてやんなよ。心臓発作起きたらどうすんだ」
「は……っ、はひゅ、……っ……」
「快感で人って死ぬことあるのか」
「いや知らねえけど」
シグムントの体液で濡れた手のひらのまま、薄い腹を撫でる。イザルの腕の中でぐったりとしているシグムントへと手を伸ばせば、こぼれた唾液を拭うように頬を撫でた。
「あんまやりすぎっと漏らすだろ。したらまた金がかかんだろ」
「インベントリに遠征用のテントならあるけど」
「下に敷けってか」
あっけらかんと答えるルシアンに、イザルは呆れた声を漏らした。
「なら下に敷け。あと、次いじめるのは俺だからな」
「いじめてないよ。俺はシグを愛しただけ」
「こんだけ泣かせておいて、よくいう」
汗を拭うように黒髪をかき上げたルシアンが、着ていたシャツを脱ぎ去る。鍛えられた体を晒したままとりに行ったのはインベントリだ。ソファではイェネドがクッションを咥えるようにして寝息を立てていた。
行為のせいで性的な香りが部屋にしている気がする。文句を言われる前にと、インベントリ片手に部屋の窓を少しばかし開けた。術でシグムントの声は遮られているので問題はない。
「ぁ、っ」
ルシアンの背後で、甘い声が聞こえた。振り向けば、イザルがシグムントの首筋に顔を埋めているところだった。膝の上に横抱きにし、抱え込んでいる。その姿はまるで獲物を独り占めにする獣のようにも見える。
インベントリから、テント生地だけを取り出した。しっかりと撥水加工してあるそれは、本来なら雨避けのための性能である。生地の硬いその上にシグムントを寝かせるのは気にかかるところではあるが、しかし出来上がった水たまりに顔を赤くする様子をみたい方が勝る。
生地を投げ渡す。ボスンという音がたち、重さでスプリングが軋む。愛撫に水を刺されたことに抗議するイザルがルシアンを睨みつければ、呑気に水を飲んでいた。
「てめえ、もう少し静かにできねえのか」
「シグとのセックスもシェアしてんだ。文句言うなら一人でこいてろ」
「おこぼれやってんのは俺の方なんだよ馬鹿野郎」
ルシアンの言い草に、イザルが吐き捨てる。適当に広げた生地の上に、シグムントを横たえた。ベッドよりも硬い生地に小さく舌打ちをすると、イザルはシグムントの腰を持ち上げるようにして枕を差し込んだ。
「起きろシグムント。いつまでも飛んでんじゃねえ」
「ふ、……も、もぅ、れなぃ……」
「文句なら俺じゃなくてルシアンにいえ」
「っ、ンむ……っ」
シグムントの泣き言を塞ぐように、イザルが唇を重ねた。濡れた唇は少しだけしょっぱい。薄く開いた唇に舌を差し込めば、熱い口内を舐るように深く口付けた。
イザルの熱い舌は、その声色とは裏腹に優しかった。時折小鳥が啄むように唇を喰まれる。恋人にするような甘やかなそれに、シグムントは恐る恐る広い背中に手を回す。
小さな手が服を握りしめたのに気がつくと、イザルは張り詰めた性器を取り出した。バックルを外す金属音すら性感へと繋がるのだろう。反応を示す柔らかな太腿に、熱くそり返った性器を押し付けた。
小さな水音を立てながら、ゆっくりと唇が離される。そのままシグムントの首筋へ唇を滑らせると、あぐりと甘く噛んだ。
「お前のためにほぐしたんじゃねえんだけど」
「愛してやったんだろう」
「ぁ、あい、って……っ」
ルシアンの唾液とシグムントの先走りで濡れた蕾に、ゆっくりとイザルが指を沈ませた。先程の奉仕にここも含まれていたらしい。柔らかくイザルの指を飲み込んだ蕾が、甘えるように指を締め付ける。
「あ?」
「ぁ、ぁいって、……あ、あぃ、か……」
「シグムント……」
か細く口にする言葉は、おそらく性感以外の意味合いも入り混じっているのだろう。シグムントはイザルの言葉に恥じらうように、肩口に額をくっつけている。
表情は見えない。それでも、ツンと尖った耳の先は、わかりやすく真っ赤に色づいていた。
「何その反応、クソ可愛いんだけど」
「なんでてめえはまた戻ってくるんだよ」
ギシリとベットを軋ませて、ルシアンが乗り上げてくる。軽い音を立ててサイドテーブルに水を置くと、枕元に腰掛ける。
「今の反応でもう無理。クソ痛い」
「へ、っぁ……っぁ、あっそ、そこ、ぉ……っ」
「腹に覚えさせられたろう。ここがてめえのいいとこだってな」
イザルが前立腺を指先で押し上げるたびに、じょ、じょ、とシグムントの性器から潮が吹きこぼれる。薄い腹で受け止めたそれが、パタパタと腰の下に敷いた生地に垂れた。
「さっきあれだけ飲んであげたのに、まだ出るのシグ」
「ふ、……ぁ、あれ、ゃだった……っ」
「だってよルシアン。嫌われたな」
「嫌いとは言われてねえ」
「ぁ、くっ……!」
指先が、強く前立腺を擦り上げた。下手くそな呼吸で刺激を受け止めたシグムントが、はぐりとイザルの肩口に噛み付く。
気がつけば白い尾はイザルの足に巻き付いていた。無意識のうちに縋り付かれたのだ。イザルがかすかに口元に笑みを浮かべれば、ルシアンがギョッとした顔でイザルを見た。
「お前……」
「ぁ、アぅ…うそまっ、へ、っ……ぁっく、くぅ、し……っ」
「ちっと待て、挿れる」
「ぃわ、な……ぁう、っン!」
ボトムスの前をくつろげ、取り出した性器を引くつく蕾に当てがった。散々指で鳴らされたそこは、すでに涎を垂らすようにイザルを待ち侘びている。これで、シグムントは無自覚なのだから始末に追えない。
イザルは肩口に感じる小さな犬歯の痛みに煽られながら、ゆっくりと性器を沈ませていった。
「っあー……、くそ、あったけ……」
「ふ……っ、ンン、ふ……っぇほ、っ……」
薄い腹は、臍を押し上げるようにぽこんと膨らんでいた。ケホケホとむせる、苦しそうなシグムントの様子すら胸にくるものがある。
汗で張り付く銀髪を、ルシアンの指先が撫でるように耳にかける。グッタリとしたシグムントがその手のひらに頬を寄せれば、ルシアンの喉から妙な音が漏れた。
「一生のお願いだ。……シグムントを俺にくれないか」
「断固拒否」
ルシアンの一言に被せるかのようにイザルが宣った。誰が渡すものか。そう言わんばかりに、シグムントの華奢な体を囲い込む。大きな掌が、細い腰を片手で持ち上げた。それだけで深くなった挿入に、体の下から泣きそうな声が上がった。
「ぃ……ぃま、う、動かな、いれ……っ」
「あ?」
「お、ぉなか……へん、っ、……な、ないちゃ、う……っ」
ヒック、と喉を震わせるシグムントの涙腺は、バカになってしまったようだった。
気持ちが良くて怖い。お腹の中で何が起きているのかわからなくて怖い。震える手で口元を抑えながら、ひぐひぐと泣く。そんなシグムントの様子に、イザルはグッと性器を膨らませた。
「は、ぁう……ンく、っ」
「無理だろ……」
「今のはシグムントが悪いな」
「ゔぁ、っ」
苦しげな声が漏れて、細い体は腰を浮かすようにイザルに密着した。肌同士が張り付いて、熱で溶け合うかのような感覚で満たされる。
イザルの腹筋の下は先ほどからじわじわと熱が広がって、生地を叩く水の音がシグムントの失禁を伝えてくる。
薄い腹の際奥、結腸に押し込まれた性器が狭い部屋を満たし、ちゅうっと張り詰めた先端に絡みつく。細い体は腕の檻に囲われたまま、加減をされずに揺さぶられた。
「ゔ、ぅう、あ、あっ! あ、あっぁ、あっ!」
「そんなおっきい声出したら、イェネドに聞こえちゃうかもよ」
「ひ、っぐ……っ、ぅ、ゔぅ、う、うう……っ」
「顔真っ赤だ……ああ、可愛いなあシグ」
うっとりとしたルシアンの声は、シグムントには届いていなかった。脳内を焼き尽くす激しい快楽が、体をどんどんだらしなくさせていく。部屋には汗と、精液と、シグムントが漏らした失禁の匂いが混じる。
大人の尊厳はあっけなく奪われて、イザルの体に押し潰された性器は柔らかいまま。シグムントは腹の奥で何度も達していた。
「っごぇ……んあ、さ……っ、ひ、っく」
「な、に……?」
「ご、ぇあ、っ……ぁあ、ご、ごぇ、んあ、さぃ、い……っ」
「何、謝ってんだてめ、っ」
かひゅ、と情けない呼吸の合間から、うわごとのようにシグムントが謝り続ける。もう涙も、涎も鼻水も、全て曝け出している。全身を皮膚同士の摩擦で赤く染め、だらしなく足を揺らしている。
もう、シグムントは訳がわからなかった。ただひたすらに気持ちが良くて、終わりが見えない拷問のように感じてしまったのだ。尻の感覚は、もうない。
唇に押し付けられたルシアンの性器も、簡単に口内に受け入れる。
「ふぐ、っ、ン、ンぅ、うっ」
「てめえ、待てもできねえのか」
「無理だろ、こんなに可愛いのに」
イザルは呆れた目でルシアンを見た。このまま体で押さえ込んでいれば、ルシアンの性器で余計にシグムントが苦しくなるだろう。そう思ったのだ。
仕方なく起き上がる。重なり合っていた皮膚は互いに同じ箇所を赤く染め上げており、行為の激しさをありありと示していた。
「勝手にやってくれ。俺も好きにさせてもらう」
「ぃ、ざぅ……っま、ん、んぁっ……」
ゆっくりと腰を引くように、性器を外気に晒す。しかし先端はシグムントの胎内に残したまま、蕾からはイザルの先端によって掻き出されたルシアンの精液が、水たまりの上にポタポタ落ちる。
薄い腹が楽になったのは一瞬だ。シグムントの瞳に理性が戻り始めた瞬間、イザルは狙ったように再び腰を強く打ち付けた。
「っぁく、ふ、ぅああ、あっ」
「ぁっ、シグ……っ」
「はー……っ……」
シグムントの手に性器を刺激されたルシアンが、小さく吐息を漏らした。
イザルの腰の打ちつけによって、つい力が入ったようだった。乾いた音が室内に満ちる。小刻みにイザルが腰を打ちつける音だ。シグムントの腹は性器が出入りするたびに、ぽこんと膨らむ。薄い体で拾い上げる性感は、再びシグムントの頭をバカにさせていく。
「あっあっあっあっ」
「無意識に出ちゃうのか、……本当に、可愛い」
「ぁ、んぶ、っ……ふ、ぅう、う……っ」
「あんま喉奥入れんなよ。吐くから……っ」
「わかってる」
上も下も、気持ちが良くて逃げ場がない。二人して、シグムントの手のひらよりも大きな性器を使っていじめてくるのだ。
口いっぱいに頬張らされたルシアンの性器も、シグムントが嫌がってもお腹の奥をいじるイザルも。だいの大人がこぞって同じ性別の男に首っ丈という、この異常性を理解していない。
でも、全てを受け入れてしまっているシグムントが一番、始末に追えない。
「きも、ち……? しぐ、っ……」
「ぃ、いっひゃ、っい、いぐ、ぅるしぁ、んっ」
「お前を抱いてんのは、俺だっっつの……っ」
「ぃあ、あっぁんっい、ぃざ、う、っひぅ、あ、あっ」
二人の手が。シグムントの手に絡まった。だらしない声を上げてしまうほど、腹の奥が痺れている。ぱちゃぱちゃとしてはいけない水の音がして、聴覚すらもシグムントを辱めてくる。
二人して、雄の顔で征服してくるのだ。こんな、薄くて何も膨らみのない体に興奮して喜んでいる。
室内に、悲鳴じみた嬌声を上げるシグムントと、荒い呼吸が二人分。涙で視界はぼやけている。体の主導権を明け渡したまま、シグムントは全身で二人を受け止めていた。
「っぁっだ、だぇ、あ、ああぁっで、ぅ……っは、はな、しっ」
「だから出していいんだって。つか出さねえと俺に回って来ねえだろう」
「ぎも、ぢ……ぃの、も、ぉっお、ぉじま、いに……っあぁ、あーーっ‼︎」
「おーおー、そんな暴れたらルシアンが舐め辛えだろう」
「きゃ、ぅうっあ、あーーっ‼︎ あーーっぃや、らぁあっ‼︎」
じゅぷじゅぷと粘着質な音がする。それと、シグムントの下手くそな呼吸の音だ。
室内は、シグムントの体から放たれる熱が移ったかのようにこもっていた。細い足がバタバタと暴れるのも気にせずに、ルシアンはシグムントの性器を執拗に責め立てる。
出したばかりの敏感な先端を、ルシアンが舌で摩擦し遊ぶのだ。おかげでシグムントの尻の下は、ルシアンの唾液と先走りでシミを作る。薄く白い腹に巻かれていたひょろながい蛇の尾は、力無く寝台に投げ出されたままであった。
「ん、らひていいって……、もっと気持ちいいって言って。恥ずかしいところ、全部見せてシグムント」
「は、っ……ゃ、やら、も……お口、ひゃめ、っ」
「い、や、だ」
「んぁっ~~っぃ、イザルどめ、でっ……‼︎るじあ、んっ……も、どめ、へぇ……っ」
「面白えから嫌だ」
「ーーーー‼︎」
声のない悲鳴が上がった。シグムントの腰は押さえつけられたまま、足でルシアンの頭を挟むようにしてのけぞった。イザルの目の前で、涙も鼻水も、涎も全て垂れ流した情けない顔のシグムントが、はくりと唇を震わせる。
だらしなく開かれた口から赤い舌が見える。達したのであろういやらしい表情を前に。イザルは己の性器を痛いほど張り詰めさせていた。
シグムントの細い腰を、ルシアンが押さえ込むようにして深くまで性器を飲み込んだ。虚な瞳のまま体を痙攣させたシグムントが、達した勢いで伸び切ってしまった足をヘナヘナとおろす。
喉を鳴らし、放たれた精液を飲み込んだルシアンが、ゆっくりと唇を離す。粘り気のある唾液が性器と繋がって、ぷつりときれた。
「ん、うす……」
「お前あんまいじめてやんなよ。心臓発作起きたらどうすんだ」
「は……っ、はひゅ、……っ……」
「快感で人って死ぬことあるのか」
「いや知らねえけど」
シグムントの体液で濡れた手のひらのまま、薄い腹を撫でる。イザルの腕の中でぐったりとしているシグムントへと手を伸ばせば、こぼれた唾液を拭うように頬を撫でた。
「あんまやりすぎっと漏らすだろ。したらまた金がかかんだろ」
「インベントリに遠征用のテントならあるけど」
「下に敷けってか」
あっけらかんと答えるルシアンに、イザルは呆れた声を漏らした。
「なら下に敷け。あと、次いじめるのは俺だからな」
「いじめてないよ。俺はシグを愛しただけ」
「こんだけ泣かせておいて、よくいう」
汗を拭うように黒髪をかき上げたルシアンが、着ていたシャツを脱ぎ去る。鍛えられた体を晒したままとりに行ったのはインベントリだ。ソファではイェネドがクッションを咥えるようにして寝息を立てていた。
行為のせいで性的な香りが部屋にしている気がする。文句を言われる前にと、インベントリ片手に部屋の窓を少しばかし開けた。術でシグムントの声は遮られているので問題はない。
「ぁ、っ」
ルシアンの背後で、甘い声が聞こえた。振り向けば、イザルがシグムントの首筋に顔を埋めているところだった。膝の上に横抱きにし、抱え込んでいる。その姿はまるで獲物を独り占めにする獣のようにも見える。
インベントリから、テント生地だけを取り出した。しっかりと撥水加工してあるそれは、本来なら雨避けのための性能である。生地の硬いその上にシグムントを寝かせるのは気にかかるところではあるが、しかし出来上がった水たまりに顔を赤くする様子をみたい方が勝る。
生地を投げ渡す。ボスンという音がたち、重さでスプリングが軋む。愛撫に水を刺されたことに抗議するイザルがルシアンを睨みつければ、呑気に水を飲んでいた。
「てめえ、もう少し静かにできねえのか」
「シグとのセックスもシェアしてんだ。文句言うなら一人でこいてろ」
「おこぼれやってんのは俺の方なんだよ馬鹿野郎」
ルシアンの言い草に、イザルが吐き捨てる。適当に広げた生地の上に、シグムントを横たえた。ベッドよりも硬い生地に小さく舌打ちをすると、イザルはシグムントの腰を持ち上げるようにして枕を差し込んだ。
「起きろシグムント。いつまでも飛んでんじゃねえ」
「ふ、……も、もぅ、れなぃ……」
「文句なら俺じゃなくてルシアンにいえ」
「っ、ンむ……っ」
シグムントの泣き言を塞ぐように、イザルが唇を重ねた。濡れた唇は少しだけしょっぱい。薄く開いた唇に舌を差し込めば、熱い口内を舐るように深く口付けた。
イザルの熱い舌は、その声色とは裏腹に優しかった。時折小鳥が啄むように唇を喰まれる。恋人にするような甘やかなそれに、シグムントは恐る恐る広い背中に手を回す。
小さな手が服を握りしめたのに気がつくと、イザルは張り詰めた性器を取り出した。バックルを外す金属音すら性感へと繋がるのだろう。反応を示す柔らかな太腿に、熱くそり返った性器を押し付けた。
小さな水音を立てながら、ゆっくりと唇が離される。そのままシグムントの首筋へ唇を滑らせると、あぐりと甘く噛んだ。
「お前のためにほぐしたんじゃねえんだけど」
「愛してやったんだろう」
「ぁ、あい、って……っ」
ルシアンの唾液とシグムントの先走りで濡れた蕾に、ゆっくりとイザルが指を沈ませた。先程の奉仕にここも含まれていたらしい。柔らかくイザルの指を飲み込んだ蕾が、甘えるように指を締め付ける。
「あ?」
「ぁ、ぁいって、……あ、あぃ、か……」
「シグムント……」
か細く口にする言葉は、おそらく性感以外の意味合いも入り混じっているのだろう。シグムントはイザルの言葉に恥じらうように、肩口に額をくっつけている。
表情は見えない。それでも、ツンと尖った耳の先は、わかりやすく真っ赤に色づいていた。
「何その反応、クソ可愛いんだけど」
「なんでてめえはまた戻ってくるんだよ」
ギシリとベットを軋ませて、ルシアンが乗り上げてくる。軽い音を立ててサイドテーブルに水を置くと、枕元に腰掛ける。
「今の反応でもう無理。クソ痛い」
「へ、っぁ……っぁ、あっそ、そこ、ぉ……っ」
「腹に覚えさせられたろう。ここがてめえのいいとこだってな」
イザルが前立腺を指先で押し上げるたびに、じょ、じょ、とシグムントの性器から潮が吹きこぼれる。薄い腹で受け止めたそれが、パタパタと腰の下に敷いた生地に垂れた。
「さっきあれだけ飲んであげたのに、まだ出るのシグ」
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「だってよルシアン。嫌われたな」
「嫌いとは言われてねえ」
「ぁ、くっ……!」
指先が、強く前立腺を擦り上げた。下手くそな呼吸で刺激を受け止めたシグムントが、はぐりとイザルの肩口に噛み付く。
気がつけば白い尾はイザルの足に巻き付いていた。無意識のうちに縋り付かれたのだ。イザルがかすかに口元に笑みを浮かべれば、ルシアンがギョッとした顔でイザルを見た。
「お前……」
「ぁ、アぅ…うそまっ、へ、っ……ぁっく、くぅ、し……っ」
「ちっと待て、挿れる」
「ぃわ、な……ぁう、っン!」
ボトムスの前をくつろげ、取り出した性器を引くつく蕾に当てがった。散々指で鳴らされたそこは、すでに涎を垂らすようにイザルを待ち侘びている。これで、シグムントは無自覚なのだから始末に追えない。
イザルは肩口に感じる小さな犬歯の痛みに煽られながら、ゆっくりと性器を沈ませていった。
「っあー……、くそ、あったけ……」
「ふ……っ、ンン、ふ……っぇほ、っ……」
薄い腹は、臍を押し上げるようにぽこんと膨らんでいた。ケホケホとむせる、苦しそうなシグムントの様子すら胸にくるものがある。
汗で張り付く銀髪を、ルシアンの指先が撫でるように耳にかける。グッタリとしたシグムントがその手のひらに頬を寄せれば、ルシアンの喉から妙な音が漏れた。
「一生のお願いだ。……シグムントを俺にくれないか」
「断固拒否」
ルシアンの一言に被せるかのようにイザルが宣った。誰が渡すものか。そう言わんばかりに、シグムントの華奢な体を囲い込む。大きな掌が、細い腰を片手で持ち上げた。それだけで深くなった挿入に、体の下から泣きそうな声が上がった。
「ぃ……ぃま、う、動かな、いれ……っ」
「あ?」
「お、ぉなか……へん、っ、……な、ないちゃ、う……っ」
ヒック、と喉を震わせるシグムントの涙腺は、バカになってしまったようだった。
気持ちが良くて怖い。お腹の中で何が起きているのかわからなくて怖い。震える手で口元を抑えながら、ひぐひぐと泣く。そんなシグムントの様子に、イザルはグッと性器を膨らませた。
「は、ぁう……ンく、っ」
「無理だろ……」
「今のはシグムントが悪いな」
「ゔぁ、っ」
苦しげな声が漏れて、細い体は腰を浮かすようにイザルに密着した。肌同士が張り付いて、熱で溶け合うかのような感覚で満たされる。
イザルの腹筋の下は先ほどからじわじわと熱が広がって、生地を叩く水の音がシグムントの失禁を伝えてくる。
薄い腹の際奥、結腸に押し込まれた性器が狭い部屋を満たし、ちゅうっと張り詰めた先端に絡みつく。細い体は腕の檻に囲われたまま、加減をされずに揺さぶられた。
「ゔ、ぅう、あ、あっ! あ、あっぁ、あっ!」
「そんなおっきい声出したら、イェネドに聞こえちゃうかもよ」
「ひ、っぐ……っ、ぅ、ゔぅ、う、うう……っ」
「顔真っ赤だ……ああ、可愛いなあシグ」
うっとりとしたルシアンの声は、シグムントには届いていなかった。脳内を焼き尽くす激しい快楽が、体をどんどんだらしなくさせていく。部屋には汗と、精液と、シグムントが漏らした失禁の匂いが混じる。
大人の尊厳はあっけなく奪われて、イザルの体に押し潰された性器は柔らかいまま。シグムントは腹の奥で何度も達していた。
「っごぇ……んあ、さ……っ、ひ、っく」
「な、に……?」
「ご、ぇあ、っ……ぁあ、ご、ごぇ、んあ、さぃ、い……っ」
「何、謝ってんだてめ、っ」
かひゅ、と情けない呼吸の合間から、うわごとのようにシグムントが謝り続ける。もう涙も、涎も鼻水も、全て曝け出している。全身を皮膚同士の摩擦で赤く染め、だらしなく足を揺らしている。
もう、シグムントは訳がわからなかった。ただひたすらに気持ちが良くて、終わりが見えない拷問のように感じてしまったのだ。尻の感覚は、もうない。
唇に押し付けられたルシアンの性器も、簡単に口内に受け入れる。
「ふぐ、っ、ン、ンぅ、うっ」
「てめえ、待てもできねえのか」
「無理だろ、こんなに可愛いのに」
イザルは呆れた目でルシアンを見た。このまま体で押さえ込んでいれば、ルシアンの性器で余計にシグムントが苦しくなるだろう。そう思ったのだ。
仕方なく起き上がる。重なり合っていた皮膚は互いに同じ箇所を赤く染め上げており、行為の激しさをありありと示していた。
「勝手にやってくれ。俺も好きにさせてもらう」
「ぃ、ざぅ……っま、ん、んぁっ……」
ゆっくりと腰を引くように、性器を外気に晒す。しかし先端はシグムントの胎内に残したまま、蕾からはイザルの先端によって掻き出されたルシアンの精液が、水たまりの上にポタポタ落ちる。
薄い腹が楽になったのは一瞬だ。シグムントの瞳に理性が戻り始めた瞬間、イザルは狙ったように再び腰を強く打ち付けた。
「っぁく、ふ、ぅああ、あっ」
「ぁっ、シグ……っ」
「はー……っ……」
シグムントの手に性器を刺激されたルシアンが、小さく吐息を漏らした。
イザルの腰の打ちつけによって、つい力が入ったようだった。乾いた音が室内に満ちる。小刻みにイザルが腰を打ちつける音だ。シグムントの腹は性器が出入りするたびに、ぽこんと膨らむ。薄い体で拾い上げる性感は、再びシグムントの頭をバカにさせていく。
「あっあっあっあっ」
「無意識に出ちゃうのか、……本当に、可愛い」
「ぁ、んぶ、っ……ふ、ぅう、う……っ」
「あんま喉奥入れんなよ。吐くから……っ」
「わかってる」
上も下も、気持ちが良くて逃げ場がない。二人して、シグムントの手のひらよりも大きな性器を使っていじめてくるのだ。
口いっぱいに頬張らされたルシアンの性器も、シグムントが嫌がってもお腹の奥をいじるイザルも。だいの大人がこぞって同じ性別の男に首っ丈という、この異常性を理解していない。
でも、全てを受け入れてしまっているシグムントが一番、始末に追えない。
「きも、ち……? しぐ、っ……」
「ぃ、いっひゃ、っい、いぐ、ぅるしぁ、んっ」
「お前を抱いてんのは、俺だっっつの……っ」
「ぃあ、あっぁんっい、ぃざ、う、っひぅ、あ、あっ」
二人の手が。シグムントの手に絡まった。だらしない声を上げてしまうほど、腹の奥が痺れている。ぱちゃぱちゃとしてはいけない水の音がして、聴覚すらもシグムントを辱めてくる。
二人して、雄の顔で征服してくるのだ。こんな、薄くて何も膨らみのない体に興奮して喜んでいる。
室内に、悲鳴じみた嬌声を上げるシグムントと、荒い呼吸が二人分。涙で視界はぼやけている。体の主導権を明け渡したまま、シグムントは全身で二人を受け止めていた。
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こじらせた処女
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幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
親友が虎視眈々と僕を囲い込む準備をしていた
こたま
BL
西井朔空(さく)は24歳。IT企業で社会人生活を送っていた。朔空には、高校時代の親友で今も交流のある鹿島絢斗(あやと)がいる。大学時代に起業して財を成したイケメンである。賃貸マンションの配管故障のため部屋が水浸しになり使えなくなった日、絢斗に助けを求めると…美形×平凡と思っている美人の社会人ハッピーエンドBLです。
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
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