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35章 流れに揺蕩う
秋の実りを
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「オユキ様」
「オユキさん」
朝からトモエにしっかりと不満を伝えられて、オユキとしても多少の反省はしている。今後の事を、家を遺すことを考えたときに、長期的な事業を考えるに至って。それこそ後に、遺すものとしてこちらでは少々狭い市場を改めて開拓しておくのもいいだろう。下手をすれば、今後門が、あちらの世界とつながった時に完成度の遥かに高い品が持ち込まれるには違いない。
では、そちらとどういった形で競争を行っていくのか。それについては、今から考えるのもオユキとしてはどうかと考えている。
何よりも、この世界はどこまで行っても広いのだから。
あちらから、こちらへ。門は一つだとオユキは考えており、だからこそ、色々と制限がかかる物でもある。人をこちらに、それにしてもあちらの者たちは警戒する事だろう。かつてあったゲームという名の接続器、それを用いてこちらに来たという記憶を持っている者たちがどの程度残っているか次第だろう。トモエがサキに聞いたところ、相応の歳月が既に流れていると、それを知ることが出来たのだから。
「大仰なと、そう感じてしまいますが。教会に出向くわけでもありませんのに」
「オユキ様、公爵家の当主様がというのは、十分すぎる程に大仰な事なのです」
「それに、王妃様も少し後には」
「隣国の戦と武技の巫女、その人物と会って話すだけ」
「オユキさん、だけというには、先方は背景をお持ちですから」
それもそうだと、オユキとしては一応頷きはするのだが、どういえばいいのだろうかとそんな事を考える。起き上がってみれば、確かに暫くの間は、それこそ闘技大会が開かれるまでの間、祈願祭が行われる少し前までは余裕があるのだとそう伝えていたのは事実。
昨夜の夜会には参加していなかったのだが、その前後とでもいえばいいのだろうか。ユニエス公爵家から、戦と武技の巫女が面会を求めておりすぐにでもという話をカレンが引き受けている。相手側に問題が無いのであれば、明日にでもとして。そうしてみれば、先ぶれが既に訪れており、すぐにでも用意をしなければならないとのことでありこうして、出迎えの準備を行っている。
「オユキさん、腕をこちらに」
「普段の衣服でも構わないかと思うのですが」
「オユキさん」
「いえ、その、お任せしているのはそうなのですが」
だからと言って、ここ暫くは祭祀の時ようにとなっていた、というよりも巫女としての公務にしか使っていなかった衣装をいよいよ完全装備で身につけなければいけないとまでは考えていなかった。緋袴の上に千早を。髪はトモエが結い上げながらも、冬と眠りの功績と合わせている簪を刺して纏めて。さらには、前天冠に、他の功績をそれぞれに。創造神から与えられている比翼連理を示す指輪は、指にはめ。戦と武技から与えられた功績を、首から下げて。
「威嚇と取られませんか」
此処までを行う、それこそ、施されている化粧にしても何やら険があるといえばいいのだろうか。
「化粧に、オユキさんも詳しくなってきましたね」
「一応、友好的な態度を取る心算でいるのですが」
「王妃様が、国交を閉ざすことも既に選択肢に入っているからと」
「それは、確かにそうかもしれないのですが」
「オユキ様は、巫女様と、その、武国の王女殿下と」
「それが無ければ、確かにここまでこじれていないのでしょうが。と、言いますか、ユニエス公爵家、アベルさんがまたここでも関わってとなると」
問題と言えばいいのだろうか。
どうにも、武国の事はアベルが基本となっている。此処で問題とでもいえばいいのだろうか、テトラポダの姫と呼ぶに値するアイリスに加えて、武国の姫でもあり還俗という観点についてオユキは尋ねる心算ではあるのだが、アベルが異性関係でかなり難しい立場である事には違いない。
「後は、パストラーナ子爵なのですが」
「面会の要望が来ている、あの家ですか」
「トモエさんも、セシリアさんの事で理解はあるかと思います。その、本人に直接としないのは、私たちの庇護下にあるのだと示してはいますから」
「その、親子の判定と言えばいいのでしょうか。木精の血が流れていると言う事は、その、私にしてもタルヤ様の事で理解が出来ましたので」
「それが、また厄介なのですよね」
「ただ、親子関係といいますか、確かにこう、セシリアさんにしても似ているといいますか」
「オユキさんは、今後」
「親子関係ですから、そこはきちんと互いに互いを、そう考えています。ですが、セシリアさんが今更、子爵家の令嬢としてあることを望むかと言われれば、難しいでしょう」
既に木々と狩猟の神、そこから持祭と呼ばれている少女でもある。本人にしても、一度と言わずに、己の道を歩くのだと決めている処を聞いている。
「はい、オユキさん、大丈夫ですよ」
「あの、これまでに比べて随分と」
「戦と武技の神の色でもあると、それを踏まえてとしていますが。オユキさんは肌も白いですし、朱はよく似合っていますよ」
唇だけではなく、眦にも少し載せられている緋色。トモエに、眼を閉じる様に言われて開いてみれば、化粧が完成するよりも前にかなりの険相だと感じていたというのに今は尚の事。
「良く似合っていますよ」
トモエはそういうのだが、オユキとしては鏡の中にいる時分、化粧台の前に座っているため、全身像としてみる事は出来ないのだが、それでも見えている範囲でいえば不相応とでもいえばいいのだろうか。
「私よりも、こうした物はアイリスさんが似合いそうなものですが。それとも、代役を頼むことのあったシェリア様でしょうか」
「アイリスさんであれば、もう少し色合いの濃い物をと思わないでもありませんが」
「シェリアについてはどうでしょうか、オユキ様用の装飾のほとんどは使えないでしょうから、もう少し違う形でとなりますし。何よりも、髪色が異なりますので」
「こちらでは、カツラを利用したり髪を染めたりというのは」
「戦と武技の巫女、それを考えたときに彼の神を示す色は緋色ですから」
オユキも、そちらに髪色をあわせているわけではないだろうと。
「こちらでも、髪を染めたりというのはあるのですね」
「オユキさん、美容としての染髪というのは日焼けを厭ってというのもあるのですよ」
そのあたりは色素の質の違いとでもいえばいいのだろうか。トモエが、直接口にはしないが、己にしても髪に白が混じる自分には白波の例えではないが避けようとしたものだ。
そして、いよいよトモエの知る限りでは興味の無かったオユキが、気のない返事をするものだ。
トモエは、ついつい指をオユキの頬にと伸ばしたくもなるのだが、流石にここまで整えた以上はトモエとしても少し気が引けるのだから。
「さて、用意が整ったのであれば」
「そうですね。先触れの方が来てから相応に時間もたっていますから」
「オユキ様、案内をするのはどちらにしましょうか」
エステールに問われて、オユキとしては少し考える。
武国からの相手でもあるため、それこそいよいよ把握したこちらでの種族。それを示してみるのも良いだろうかと考える。聞かれていること、それがセツナの同席を求めるのかと聞かれているのは分かる。ただ、オユキとしても未だに明確な契約も無いため気が引けもする。
セツナには色よい返事をもらっているのだが、クレドについてはトモエから話を聞いた限りではどうにもと言うものだ。狩猟者として、それこそセツナに贈り物をするためにクレド自身がこちらで収入を求めているのだとそうした話は聞いている。だからこそ、トモエが動きの遅い、武国に配慮を見せている狩猟者ギルドに対して強い姿勢を見せているのはそちらの理由もあるとは聞いている。
オユキから、オユキの大事な物を奪うつもりではなく。あくまで、トモエが感謝している相手でもあり、その相手が望む物に配慮を行うのだとそう話をされて。
「客間の一つ、そうですね、私の客人を、戦と武技としての私の客人を招く部屋でよいでしょう。セツナ様にはお手数をかけますが、参加していただけるというのであれば、同席をお願いしてください。対価として払えるものは、その、布を求めておられるというのは私も理解していますので」
「畏まりました」
「トモエさんからは、何か」
「クレド様に対して、オユキさん」
「正直な所を言えば、クレド様についてはご自身で色々と取られることとなりますから、アルノーさんにお願いして、ご用意いただくのが良いとは思いますが」
「私からとしても構いませんが」
「そのあたりは、一度セツナ様とクレド様と話し合う必要があるでしょうが」
オユキにしても、それについては頭が痛い問題でもある。
今後の事を考えれば、というよりもオユキがこちらにと考えている期間に関しては、間違いなく色々と頼むことになるには違いない。だが、オユキがこちらから離れてしまった後には、正直な所氷の乙女との取引というのはどこまでの意味を持つのかという話でもある。
一応は、狩猟を行う者たちであるのだから、出稼ぎと考えても良いには違い無い。それこそ、今後の狩猟者ギルドとの話し合いの結果次第。王都における、マリーア公爵の寄子ではないものが監督を行っている場所ではなく。それこそ始まりの町や、おひざ元の領都、氷の乙女の暮らす一帯には間違いなく存在していない水産資源の得られるウニルの町でも構いはしないのだろう。より簡便な手段を利用して、他で登録さえしてしまえば、王都でも問題なく活動ができるのだから。
「オユキさん」
「少し、考えましょう、そのあたりは」
「では、それにしても」
「ただ、契約の主体が当家でもいいのかどうか、それに関しては未だに公爵様から回答を頂けていないのですよね」
それこそ、オユキがこちらに残るのであれば、すぐにでもファンタズマ子爵家として契約を、今後の話をすることもできる。だが、そうでは無い以上は。
「オユキ様、私たちもそこまで長くはありませんから」
「タルヤ様の子供たちは」
「そこは、また話し合わなければならないのですよね」
トモエがエステールを見ながら言葉を作れば、そちらからはため息と共に。
「オユキさん」
朝からトモエにしっかりと不満を伝えられて、オユキとしても多少の反省はしている。今後の事を、家を遺すことを考えたときに、長期的な事業を考えるに至って。それこそ後に、遺すものとしてこちらでは少々狭い市場を改めて開拓しておくのもいいだろう。下手をすれば、今後門が、あちらの世界とつながった時に完成度の遥かに高い品が持ち込まれるには違いない。
では、そちらとどういった形で競争を行っていくのか。それについては、今から考えるのもオユキとしてはどうかと考えている。
何よりも、この世界はどこまで行っても広いのだから。
あちらから、こちらへ。門は一つだとオユキは考えており、だからこそ、色々と制限がかかる物でもある。人をこちらに、それにしてもあちらの者たちは警戒する事だろう。かつてあったゲームという名の接続器、それを用いてこちらに来たという記憶を持っている者たちがどの程度残っているか次第だろう。トモエがサキに聞いたところ、相応の歳月が既に流れていると、それを知ることが出来たのだから。
「大仰なと、そう感じてしまいますが。教会に出向くわけでもありませんのに」
「オユキ様、公爵家の当主様がというのは、十分すぎる程に大仰な事なのです」
「それに、王妃様も少し後には」
「隣国の戦と武技の巫女、その人物と会って話すだけ」
「オユキさん、だけというには、先方は背景をお持ちですから」
それもそうだと、オユキとしては一応頷きはするのだが、どういえばいいのだろうかとそんな事を考える。起き上がってみれば、確かに暫くの間は、それこそ闘技大会が開かれるまでの間、祈願祭が行われる少し前までは余裕があるのだとそう伝えていたのは事実。
昨夜の夜会には参加していなかったのだが、その前後とでもいえばいいのだろうか。ユニエス公爵家から、戦と武技の巫女が面会を求めておりすぐにでもという話をカレンが引き受けている。相手側に問題が無いのであれば、明日にでもとして。そうしてみれば、先ぶれが既に訪れており、すぐにでも用意をしなければならないとのことでありこうして、出迎えの準備を行っている。
「オユキさん、腕をこちらに」
「普段の衣服でも構わないかと思うのですが」
「オユキさん」
「いえ、その、お任せしているのはそうなのですが」
だからと言って、ここ暫くは祭祀の時ようにとなっていた、というよりも巫女としての公務にしか使っていなかった衣装をいよいよ完全装備で身につけなければいけないとまでは考えていなかった。緋袴の上に千早を。髪はトモエが結い上げながらも、冬と眠りの功績と合わせている簪を刺して纏めて。さらには、前天冠に、他の功績をそれぞれに。創造神から与えられている比翼連理を示す指輪は、指にはめ。戦と武技から与えられた功績を、首から下げて。
「威嚇と取られませんか」
此処までを行う、それこそ、施されている化粧にしても何やら険があるといえばいいのだろうか。
「化粧に、オユキさんも詳しくなってきましたね」
「一応、友好的な態度を取る心算でいるのですが」
「王妃様が、国交を閉ざすことも既に選択肢に入っているからと」
「それは、確かにそうかもしれないのですが」
「オユキ様は、巫女様と、その、武国の王女殿下と」
「それが無ければ、確かにここまでこじれていないのでしょうが。と、言いますか、ユニエス公爵家、アベルさんがまたここでも関わってとなると」
問題と言えばいいのだろうか。
どうにも、武国の事はアベルが基本となっている。此処で問題とでもいえばいいのだろうか、テトラポダの姫と呼ぶに値するアイリスに加えて、武国の姫でもあり還俗という観点についてオユキは尋ねる心算ではあるのだが、アベルが異性関係でかなり難しい立場である事には違いない。
「後は、パストラーナ子爵なのですが」
「面会の要望が来ている、あの家ですか」
「トモエさんも、セシリアさんの事で理解はあるかと思います。その、本人に直接としないのは、私たちの庇護下にあるのだと示してはいますから」
「その、親子の判定と言えばいいのでしょうか。木精の血が流れていると言う事は、その、私にしてもタルヤ様の事で理解が出来ましたので」
「それが、また厄介なのですよね」
「ただ、親子関係といいますか、確かにこう、セシリアさんにしても似ているといいますか」
「オユキさんは、今後」
「親子関係ですから、そこはきちんと互いに互いを、そう考えています。ですが、セシリアさんが今更、子爵家の令嬢としてあることを望むかと言われれば、難しいでしょう」
既に木々と狩猟の神、そこから持祭と呼ばれている少女でもある。本人にしても、一度と言わずに、己の道を歩くのだと決めている処を聞いている。
「はい、オユキさん、大丈夫ですよ」
「あの、これまでに比べて随分と」
「戦と武技の神の色でもあると、それを踏まえてとしていますが。オユキさんは肌も白いですし、朱はよく似合っていますよ」
唇だけではなく、眦にも少し載せられている緋色。トモエに、眼を閉じる様に言われて開いてみれば、化粧が完成するよりも前にかなりの険相だと感じていたというのに今は尚の事。
「良く似合っていますよ」
トモエはそういうのだが、オユキとしては鏡の中にいる時分、化粧台の前に座っているため、全身像としてみる事は出来ないのだが、それでも見えている範囲でいえば不相応とでもいえばいいのだろうか。
「私よりも、こうした物はアイリスさんが似合いそうなものですが。それとも、代役を頼むことのあったシェリア様でしょうか」
「アイリスさんであれば、もう少し色合いの濃い物をと思わないでもありませんが」
「シェリアについてはどうでしょうか、オユキ様用の装飾のほとんどは使えないでしょうから、もう少し違う形でとなりますし。何よりも、髪色が異なりますので」
「こちらでは、カツラを利用したり髪を染めたりというのは」
「戦と武技の巫女、それを考えたときに彼の神を示す色は緋色ですから」
オユキも、そちらに髪色をあわせているわけではないだろうと。
「こちらでも、髪を染めたりというのはあるのですね」
「オユキさん、美容としての染髪というのは日焼けを厭ってというのもあるのですよ」
そのあたりは色素の質の違いとでもいえばいいのだろうか。トモエが、直接口にはしないが、己にしても髪に白が混じる自分には白波の例えではないが避けようとしたものだ。
そして、いよいよトモエの知る限りでは興味の無かったオユキが、気のない返事をするものだ。
トモエは、ついつい指をオユキの頬にと伸ばしたくもなるのだが、流石にここまで整えた以上はトモエとしても少し気が引けるのだから。
「さて、用意が整ったのであれば」
「そうですね。先触れの方が来てから相応に時間もたっていますから」
「オユキ様、案内をするのはどちらにしましょうか」
エステールに問われて、オユキとしては少し考える。
武国からの相手でもあるため、それこそいよいよ把握したこちらでの種族。それを示してみるのも良いだろうかと考える。聞かれていること、それがセツナの同席を求めるのかと聞かれているのは分かる。ただ、オユキとしても未だに明確な契約も無いため気が引けもする。
セツナには色よい返事をもらっているのだが、クレドについてはトモエから話を聞いた限りではどうにもと言うものだ。狩猟者として、それこそセツナに贈り物をするためにクレド自身がこちらで収入を求めているのだとそうした話は聞いている。だからこそ、トモエが動きの遅い、武国に配慮を見せている狩猟者ギルドに対して強い姿勢を見せているのはそちらの理由もあるとは聞いている。
オユキから、オユキの大事な物を奪うつもりではなく。あくまで、トモエが感謝している相手でもあり、その相手が望む物に配慮を行うのだとそう話をされて。
「客間の一つ、そうですね、私の客人を、戦と武技としての私の客人を招く部屋でよいでしょう。セツナ様にはお手数をかけますが、参加していただけるというのであれば、同席をお願いしてください。対価として払えるものは、その、布を求めておられるというのは私も理解していますので」
「畏まりました」
「トモエさんからは、何か」
「クレド様に対して、オユキさん」
「正直な所を言えば、クレド様についてはご自身で色々と取られることとなりますから、アルノーさんにお願いして、ご用意いただくのが良いとは思いますが」
「私からとしても構いませんが」
「そのあたりは、一度セツナ様とクレド様と話し合う必要があるでしょうが」
オユキにしても、それについては頭が痛い問題でもある。
今後の事を考えれば、というよりもオユキがこちらにと考えている期間に関しては、間違いなく色々と頼むことになるには違いない。だが、オユキがこちらから離れてしまった後には、正直な所氷の乙女との取引というのはどこまでの意味を持つのかという話でもある。
一応は、狩猟を行う者たちであるのだから、出稼ぎと考えても良いには違い無い。それこそ、今後の狩猟者ギルドとの話し合いの結果次第。王都における、マリーア公爵の寄子ではないものが監督を行っている場所ではなく。それこそ始まりの町や、おひざ元の領都、氷の乙女の暮らす一帯には間違いなく存在していない水産資源の得られるウニルの町でも構いはしないのだろう。より簡便な手段を利用して、他で登録さえしてしまえば、王都でも問題なく活動ができるのだから。
「オユキさん」
「少し、考えましょう、そのあたりは」
「では、それにしても」
「ただ、契約の主体が当家でもいいのかどうか、それに関しては未だに公爵様から回答を頂けていないのですよね」
それこそ、オユキがこちらに残るのであれば、すぐにでもファンタズマ子爵家として契約を、今後の話をすることもできる。だが、そうでは無い以上は。
「オユキ様、私たちもそこまで長くはありませんから」
「タルヤ様の子供たちは」
「そこは、また話し合わなければならないのですよね」
トモエがエステールを見ながら言葉を作れば、そちらからはため息と共に。
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