もういらないと言われたので隣国で聖女やります。

ゆーぞー

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 マグヌスと父上の腰巾着どもが揃って逃げ出してくれたおかげで、我がインディアル国はより一層の繁栄を約束されたようなものだ。俺は気分よく仕事を開始している。まずはバカ聖女が篭っていたあの建物、通称祈りの間をぶち壊すか。

 あの場所は俺のアトリエを新しく建てよう。キングサイズのベッドを置いて、調度品も最高級のものを揃えよう。アトリエは俺の活力の源になるのだからな。すぐさま解体工事に取り掛からねば。

「陛下、アマンダが到着しました」

 ハイマスが入ってきた。アマンダ?誰だったか、新しいメイドか?いちいちそんなこと報告する必要ないだろう。こいつは最近図に乗ってきた。母上の推薦があったから宰相にしてやったが、仕事は黙ってするもんだ。俺は国王陛下なのだから、細かいことはやる必要がないのだ。

 俺は黙ってハイマスを見た。昨日もハイマスに会ったはずだが、ずいぶん痩せたように見える。顔色も良くないし、目の下にはクマができていて、見苦しいことこの上ない。体調管理も満足にできないのか?そんなことじゃ、俺のサポートは任せられないではないか。

    そのハイマスの後ろに女が立っている。あれがアマンダか。そう言えばハイマスの遠縁の女を俺の妃にするとか言っていたな。

「お初にお目にかかります。アマン、」

 俺は女の顎を掴んだ。女は挨拶の途中で驚いたように目を見開き、声が途中で止まった。

「挨拶も満足にできないのですね。なんて無作法な」

 母上が入ってきた。目つきがギラギラして女を睨みつけている。おそらくハイマスが連れてきたので気に入らないのだろう。

    まさかハイマスの女ではないだろうか。ふとそう思った。なるほど。俺は思わず笑った。

「作法はこれから俺が教えますよ」

 ハイマスの様子を見たら明らかに狼狽しているようだ。母上は明らかに機嫌が悪くなっている。面白い。この前みたいに部屋中の調度品を壊していくだろうか。それともワインをガブ飲みしてハイマスを罵るだろうか。

「陛下、その前にこちらの書類を」

 俺が女を連れて行こうとしたら呼び止められた。

「書類?」
「はい、婚姻届の書類です」

 そこには俺の名前の隣にアマンダとやらの名前が書かれていた。女は泣きそうな顔をして俯いている。俺は小さく舌打ちをした。

「こんな女と結婚するわけないだろう」
「ですが」
「婚姻制度は廃止すると言ってあっただろう!忘れたか!」

 俺はムカついて書類を引き裂いた。

「いい気になるなよ。俺に楯突くな」

 ハイマスは黙って頭を下げている。その姿を見ているとイライラが募ってくる。なんでこんな男を宰相にしたんだ?あぁ、母上の推薦か。あの女、何も分かっていないくせに口出ししやがって。

 俺は何もかも頭に来てしまい、部屋を出て行った。

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