ここは少女マンガの世界みたいだけど、そんなこと知ったこっちゃない

ゆーぞー

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 そんなわけで全員を家に招待する。王子たちを招くことに抵抗はあったのだが、追い返す言い訳が思い浮かばない。ダン様もアメリアさんもいるし、まぁいいかと思ってしまった。

「ここって、物置では?」

 家の前まで来てサイモンが不安げに言った。以前は確かにそうだった。平民だからと物置を充てがわれたのだ。でも魔法は便利だね。中身を大きく改造できたのだから。でも王子たちにあれを見せていいのだろうか。好き勝手に作り出してしまった調度品。この世界ではかなり特殊になっている。チラリとダン様を見たが、特に何も気にしていないようなので問題ないことにしておこう。

「な、何ですか!ここは!」
「さすが攻撃の乙女・・・」

 ドアを開けた瞬間、サイモンが叫んだ。王子は特に気にしていないようだが、サイモンとポールは家の中を見て驚いている。確かにこの世界にはないものばかりだ。元の世界にあった、夢の調度品を並べているのだから。でも男性には理解し難いかもしれない。フリルやレースだらけの乙女全開の部屋になっているこの空間。アメリアさんも言っていたように王女の部屋よりも豪華なのだ。

「何ですか、このソファは」
「素敵でしょう?このリボンがいいですよね。ラグジュアリーな空気が心の奥に忍び寄る感じがわかると思います」

 気がつくとサイモンとアメリアさんの会話が聞こえてきた。アメリアさんは満面の笑みでサイモンに説明している。アメリアさん、そんなに得意げになってペラペラと。なんでわけのわからないことを並べているのだ?サイモンは何故だか熱心に聞いているし。

「座ってみてください。まるで身体中が包み込まれるような感覚なんですよ」

 販売員みたいな口調でアメリアさんは話している。1オクターブくらい高い声でやや早口だ。言われるまま、サイモンはソファに座った。

「な、何ですか。この座り心地」

 座った瞬間に驚いて立ち上がってしまうサイモン。その様子を見て満足げに笑うアメリアさん。

「でしょう?ふふふ」

 通販番組か。と、ツッコミたくなる2人の会話。アメリアさんはニマニマと微笑んでいるし、サイモンは大袈裟な声を上げている。何やってんの?その横では王子は満足げにうなづいているし(言いたくないがバカっぽい)、ポールは口をだらしなく開けたまま(言葉は悪いがアホっぽい)呆然と立ち尽くしている。ダン様はさっさとソファに座り、こめかみを軽くマッサージしていた。

 なんだ、この集団。関わるのが面倒なので放っておいて、私はさっさと食事の用意をしよう。午後の授業は出ないといけないからね。

 考えていた通り、ナスとベーコンのトマトソースパスタ。ベーコンは厚切りでナスはトロッと柔らかい。口に入れるとトマトソースの香りが広がって・・・。思わず涎が出そうになる。

 ハンバーグとは違う店の看板メニューだ。その店は可愛らしい女の子が可愛いエプロンをつけて料理を運んでくれるのだ。考えていると「いらっしゃいまっせ~」という声を思い出す。アニメの声優さんみたいに可愛い声だった。

 相変わらず魔法は便利だ。考えていたら料理が現れる。あのお店と同じ、水色のお皿に山盛りになったパスタが目の前にあった。女子好みのお店なのだが、何故だか盛りがいいのだ。客は若い女性がほとんどで「こんなの食べられな~い」などと言いながらみんな平らげてしまう。

 思い出すと懐かしい。パスタとデザートを食べるのが定番だった。デザートのケーキは何種類もあった。それを選ぶのは大変だったけど楽しかった。お腹がいっぱいになったけど、絶対また行きたくなる店だった。

 そんなわけで料理をテーブルに並べると、全員が目を見開いてフリーズしていた。

「う、美味そう・・・」

 最初に声を出したのはポールだった。

「こ、これ食べていいのか!」

 ダメと言っていいのだろうか。と思ったが、「どうぞ」と答える。私だって鬼ではない。そうして全員での食事が始まった。王子とアメリアさんが一緒に食事するのは問題だろうかと思ったが、アメリアさんは何も気にしていない様子だったし、ダン様も王子も何も言わないのでスルーした。
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