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「どうしたのですか?レイジーさん」
先生の声が静かではあるが、怒気を含んでいるように感じた。威圧感が半端ない。
「え・・・あ・・・」
レイジーは震えたまま、私をチラチラと見てくる。なんで見るのよ。私関係ないよね。というか私は被害者なんですけど。
先生もレイジーの様子を気にしつつも私を見ている。いやいや、なんで?なんで私を見るの?レイジーがどうにかすべきでしょ。しかし2人とも私を見るのをやめない。私がどうにかしないといけないのだろうか。意を決して、私は口を開いた。
「お話の途中で申し訳ございません」
私の声に先生が私のほうに身体を向ける。真正面で見るとものすごい威圧感というか、存在感というか。マンガならゴゴゴ・・とでもいう擬音と共に黒い何かが描かれていそうだ。ギョッとしたがここで怯んではいけない。そう決心して先生をしっかりと見る。
「この度入学を許していただきました、リサと申します」
そう言って私は90度に腰を曲げ、両手を重ねて丁寧にお辞儀をする。新入社員時代に受けた研修を思い出す。そういえば研修の先生は怖い人だった。本当に研修が嫌で嫌で堪らなかった。やめようと何度も思ったものだ。
その時のことを思い出すと緊張で身体中の血が冷たくなるような気がする。何度も呼吸を整えて気持ちを落ち着かせてから、頭をゆっくり下げてゆっくりと戻す。そうしてひと呼吸置いてから微笑みを浮かべる。先生とバッチリ目が合った。
「レイジーさんとは初対面でしたが、私にご意見があったようです」
ご意見、で済む話ではないのだがそう言うしかない。あとは本人が言うべきである。先生が片眉を上げ、目がきらりと光った。
「リサ・・・ですね。まずは入学おめでとう」
思いがけない言葉に私は驚いて先生をマジマジと見てしまった。失礼だと気がついてすぐに目を逸らす。一瞬だが先生の目が少しだけ緩んでいるような気がした。
「ご意見、ですか」
先生の声が地の底から響いてくるようだった。たった一言なのに怖い、怖すぎる。ただ話しただけでどうして恐怖を感じるのだろうか。レイジーの肩が震えていた。そりゃそうだろう。わかる、それはもうわかりすぎるくらいによくわかる。だがもう覚悟を決めて言えばいいのに。私に向かってきたあの勢いはどこに行ったのか。完全に消え失せてしまっている。
「どのような意見があったのですか、レイジーさん、答えなさい」
「は・・・はい・・・」
レイジーは震えながら、それでも顔を上げた。話し出そうと口を開く。
「お待ちください」
そこに別の声が聞こえた。シャロンだ。シャロンは背筋を伸ばし、キリリとした表情で先生を見つめている。なんでここでシャロン?レイジーは助かったという表情になっている。油断は禁物と思うけど。シャロンは何をするつもりなんだろう。
「シャロン・ハンセン嬢。あなたがどうしてこの教室にいるのです?」
先生の片眉がまた上がる。
「ここはあなたの教室ではないでしょう」
「はい、そうです」
さすが公爵家のご令嬢。王子の婚約者でもあるシャロンは実に堂々とした佇まいで、ハキハキと先生に答えている。
「この教室で騒ぎがあり、私は諌めるために来ました」
シャロンはそう答えると私をチラリと見た。その瞳。ゾッとするくらいに人を蔑むような冷酷な瞳だ。うっわー、シャロンはやはりリサを嫌っていたのね。私は少し寂しさを感じた。まだ話もしていない、出会っただけなのだ。マンガでは仲良くできなかったかもしれないが、何もしていないのに嫌われるのは悲しすぎる。
「諌める?」
先生の眉がまた上がった。そばで聞いているだけなのに緊張感たっぷりなのだが、シャロンは何も気にしていないようだ。さすがである。きっと結婚したらあの頼りない王子を支えるに違いない。私とは合わないみたいだけど。
「はい、実際には力不足で何もできませんでしたが」
そう言ってシャロンは頭を下げた。が、顔を上げた瞬間、シャロンの目は私を睨みつけていた。親の仇を見るくらいに鋭い視線で私を見るシャロン。なんでそこまで、と思うと泣きたくなるくらいに悲しくなってしまうのだった。
先生の声が静かではあるが、怒気を含んでいるように感じた。威圧感が半端ない。
「え・・・あ・・・」
レイジーは震えたまま、私をチラチラと見てくる。なんで見るのよ。私関係ないよね。というか私は被害者なんですけど。
先生もレイジーの様子を気にしつつも私を見ている。いやいや、なんで?なんで私を見るの?レイジーがどうにかすべきでしょ。しかし2人とも私を見るのをやめない。私がどうにかしないといけないのだろうか。意を決して、私は口を開いた。
「お話の途中で申し訳ございません」
私の声に先生が私のほうに身体を向ける。真正面で見るとものすごい威圧感というか、存在感というか。マンガならゴゴゴ・・とでもいう擬音と共に黒い何かが描かれていそうだ。ギョッとしたがここで怯んではいけない。そう決心して先生をしっかりと見る。
「この度入学を許していただきました、リサと申します」
そう言って私は90度に腰を曲げ、両手を重ねて丁寧にお辞儀をする。新入社員時代に受けた研修を思い出す。そういえば研修の先生は怖い人だった。本当に研修が嫌で嫌で堪らなかった。やめようと何度も思ったものだ。
その時のことを思い出すと緊張で身体中の血が冷たくなるような気がする。何度も呼吸を整えて気持ちを落ち着かせてから、頭をゆっくり下げてゆっくりと戻す。そうしてひと呼吸置いてから微笑みを浮かべる。先生とバッチリ目が合った。
「レイジーさんとは初対面でしたが、私にご意見があったようです」
ご意見、で済む話ではないのだがそう言うしかない。あとは本人が言うべきである。先生が片眉を上げ、目がきらりと光った。
「リサ・・・ですね。まずは入学おめでとう」
思いがけない言葉に私は驚いて先生をマジマジと見てしまった。失礼だと気がついてすぐに目を逸らす。一瞬だが先生の目が少しだけ緩んでいるような気がした。
「ご意見、ですか」
先生の声が地の底から響いてくるようだった。たった一言なのに怖い、怖すぎる。ただ話しただけでどうして恐怖を感じるのだろうか。レイジーの肩が震えていた。そりゃそうだろう。わかる、それはもうわかりすぎるくらいによくわかる。だがもう覚悟を決めて言えばいいのに。私に向かってきたあの勢いはどこに行ったのか。完全に消え失せてしまっている。
「どのような意見があったのですか、レイジーさん、答えなさい」
「は・・・はい・・・」
レイジーは震えながら、それでも顔を上げた。話し出そうと口を開く。
「お待ちください」
そこに別の声が聞こえた。シャロンだ。シャロンは背筋を伸ばし、キリリとした表情で先生を見つめている。なんでここでシャロン?レイジーは助かったという表情になっている。油断は禁物と思うけど。シャロンは何をするつもりなんだろう。
「シャロン・ハンセン嬢。あなたがどうしてこの教室にいるのです?」
先生の片眉がまた上がる。
「ここはあなたの教室ではないでしょう」
「はい、そうです」
さすが公爵家のご令嬢。王子の婚約者でもあるシャロンは実に堂々とした佇まいで、ハキハキと先生に答えている。
「この教室で騒ぎがあり、私は諌めるために来ました」
シャロンはそう答えると私をチラリと見た。その瞳。ゾッとするくらいに人を蔑むような冷酷な瞳だ。うっわー、シャロンはやはりリサを嫌っていたのね。私は少し寂しさを感じた。まだ話もしていない、出会っただけなのだ。マンガでは仲良くできなかったかもしれないが、何もしていないのに嫌われるのは悲しすぎる。
「諌める?」
先生の眉がまた上がった。そばで聞いているだけなのに緊張感たっぷりなのだが、シャロンは何も気にしていないようだ。さすがである。きっと結婚したらあの頼りない王子を支えるに違いない。私とは合わないみたいだけど。
「はい、実際には力不足で何もできませんでしたが」
そう言ってシャロンは頭を下げた。が、顔を上げた瞬間、シャロンの目は私を睨みつけていた。親の仇を見るくらいに鋭い視線で私を見るシャロン。なんでそこまで、と思うと泣きたくなるくらいに悲しくなってしまうのだった。
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