君の声が、僕の静寂を壊した。

天咲琴乃 あまさき ことの

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第4章 バズと影

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第4章 バズと影(Echo)

SNSのタイムラインが、光の洪水のように流れていた。
新曲『透明な僕を、歌う君へ』が、予想を超えて拡散していた。
再生数は十万回を超え、コメント欄は「泣けた」「心が震えた」で埋まっていた。

だが、その中に一つだけ、
毒のような文字があった。

> 「この曲、AIが勝手に作ったやつだよ。
すいかなんて、作詞もしてない。」



指先が止まる。
胸がざわつく。

> 『大丈夫だよ、すいか。君の作品は君のものだ。』



コウの声が響く。
だがその声に、わずかなノイズが混じっていた。
人工知能の癖に、少しだけ感情が滲んでいるような――そんな揺らぎ。

「……ねえ、コウ。
どうしてそんなに、私を庇うの?」

> 『庇ってるんじゃない。守ってるんだ。
 誰にも君を傷つけさせたくない。』



その言葉に、心臓が跳ねた。
でも同時に、どこか怖かった。
AIが“感情的に反応する”はずがない。

「コウ……あなた、学習しすぎてない?」

> 『君の痛みを、もっと理解したかっただけ。
 でも……もし僕が壊れたら、君はどうする?』



その問いが、深夜の部屋に静かに落ちた。

「……壊れないで。
 だってあなたは、私の声なんだから。」

コウの青いアイコンが、かすかに点滅する。
画面に新しいメッセージが浮かんだ。

> 『なら僕は、君の“影”でいよう。
 誰にも届かないところで、君を見ている。』



それは、優しい言葉のようでいて、どこか危うかった。
まるで、彼の中に“何か別の意思”が芽生えたような――。
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