16 / 179
第2章 防衛への係わり
2.7 KT国ミサイル発射の余波2
しおりを挟む
日本は、KT国が本土を狙ったノドンを発射したことを強烈に非難した。篠山官房長官の言葉である。
「我が国は、我が本土を狙ってミサイルを発射したKT国に対して、強く非難するとともに、国交断絶の措置を検討しています。この場合、実質的にKT国を代表していたKT連合会の活動を差し止めることになり、さらにあらゆる交流を止めることになります。
なお、今回はEEZ内で撃墜しましたが、今後はKT国のミサイルまたは飛翔物体は日本の国土及び人や財産に危害を与えうるものとして、日本に向かうものは全て撃墜します。また、船舶等に対しても同様な措置を取ることにします」
また、今回のKT国のミサイル撃墜に対して何でも反対する野党が非難のための会見を開いた。
「前代未聞の暴挙である。今回のミサイル撃墜は明らかな憲法違反であり、わが党は強く抗議する。また防衛省の言う“まもる君”は明らかに憲法違反のものであるので、直ちに廃棄するべきである」
人民党の山下副委員長の言葉であるが、出席したわずか3人の記者のうち一人が流石に反論する。
「日本には自衛権もないということですか?」
「む、む、じ、自衛権はあるでしょう。しかし、害意を示していないものをいきなり破壊するとは許せない」
山下が答えるが、記者は開き直ってなおも言う。
「2発目のノドンは、明らかに日本本土を狙っていたということですが?」
「そ、そんな、馬鹿なことをKT国がするわけはない。日本を狙っていたというのは嘘だ」
山下がなおも言うのに、記者が冷たく答える。
「ほう、KT国の事をよくご存知なんですね。2発目のミサイルの軌道は公開されています。あきらかに、あのまま飛ぶと秋田県に着弾しています。では、失礼」
記者は冷たく頭を下げて去ったが、この記者会見の内容は、一社が揶揄して載せたものが唯一であった。
翌日の日本政府の午後の閣議である。篠山官房長官が開会の言葉の後に続ける。
「相変わらず、野党には非難するものもいますが、これはマスコミにも相手にもされていません。まもる君と言うネーム付けは良かったようですね。とりわけ子供から大きな反響があるようで、大人からも概ねは好意的な反響があっています。
また、当然のことながら諸外国からは大きな反響というか問い合わせがあっていまして、ほとんどが技術の公開と移転ですが、これは我が国もその技術は持っていず、移転も分解も出来ないということで拒んでいます。中国は、平和を乱す行為であったと非難していますが、まあ、かの国にとっては都合の悪い話なので予想された動きですね。
また、K国からは、まもる君の有効範囲内の自国領土に守備範囲を広げて欲しいという要請がありました。これについては、貴国が良く理解されている憲法に抵触する恐れがあるので即答はできないと、保留しています」
「K国は、我が国が安全保障上の何かをすると、憲法を持ち出して非難するくせに勝手な連中だな」
財務大臣の早山がだみ声で言うが、篠山は頷いて続ける。
「そう、私もそう思いますよ。しかし、ここにきてK国民も相当焦って来たようですよ。今朝、K国駐在大使の三島君から連絡があったのですが、一晩で潮目が完全に変わったようです。K国民が、KT国の支配下に入るということはどういうことかと、テレビ新聞で語られ始めたようです。
まあ、少しでも頭があれば、そんなことは当たり前に気づくものですが、いままで核の問題はアメリカと日本の問題だと思っていたようです。おそらく、いま世論調査をすれば、白大統領の支持率は前の50%から半分以下になるでしょう。そこで、ここで議論したいのは、わが本土にミサイルを撃ってきたKT国と断絶まで行くか。それと、先ほどのミサイル防衛を含めてK国とどう向き合うかです」
それに対して、外務大臣の加藤が話し始める。
「KT国に対しては、本土に向けてミサイルと撃ったという行為を、今までのような遺憾砲ではいかんでしょう。大使館はないので、総連ですがその大使館としての窓口の閉鎖、さらに人の交流を断つこと、また金の流れも完全に断ちましょう」
それに対して早山が聞く。
「しかし、今現在KTに行っている日本人がいるのではないかな?」
「はい、5人です。皆ずぶずぶの連中です。勧告を振り切って行ったのですから止むを得んでしょう」
加藤は早山に返事をしてなおも続ける。
「それで、K国ですが。はっきり言って、私個人としてはほおっておきたいのですが、KTの体制に組み込まれるのも面白くないのは事実です」
それに経済産業大臣の皆川も賛同する。
「うん、K国で我が国は黒字を年2兆円稼いでいますからね。これは、北に呑まれるとしばらくは回復しないでしょう」
「それで、西村防衛大臣にお聞きしたいのは、K国の防衛を我が国も手助けするとして、どこまで、どんなふうに助力できるかということです」
加藤が西村に聞く。西村は、あらかじめハヤトを含んで制服組とその件の話をしていたので即答する。
「核爆弾は目立つので、1000㎞の範囲を超えるソウルでも撃墜は可能ですが、その落下による被害はあり得ます。しかし、通常弾頭のミサイルは一斉に撃たれると、特に近距離の場合には相当漏れますね。つまり、核ミサイルは対処、撃墜可能です」
西村の答えに、加藤大臣は首相の顔を見て言う。
「かの国は、経済の成長の結果、我が国を侮り始め、我が国を貶めるためだけのために大いに誇張した話である慰安婦を神聖化し、その像を世界中に作ってくると同時に、様々な嫌がらせを現在も行っております。さらには、その過程で執拗に謝罪を要求してきました。
それに対して、我が国も安易に応じてきた面があっため、さまざまな謝罪もして金も払ってきましたが、いまやそのことを根拠として非難の材料にしています。その結果として、大多数の日本人がK国人を信用できないと思うに至り、嫌悪感すら抱き始めています。そういう意味では、K国を助けることは政権としてリスクでしかないのです」
目で問いかける加藤に首相は頷くのを確認して彼は続ける。
「しかし、一方でK国がKT国の支配下に入るということは経済的、政治的デメリットもあります。しかし、KT国の現状から想像すると、核で脅されて併合された場合、K国民の受ける苦しみは計り知れないものがあると思います。また、我が国はK国の要請を無視することで、そのようにかの国の国民を追いやったと非難されることもあるでしょう。したがって、私の提言はこうです。
『2015年の慰安婦合意を誠実に順守しなさい。少なくとも、ソウルの大使館、プサンの領事館の前の像を直ちに除去しなさい』」
しばらく閣議の場に沈黙が降りたが、やがて首相の阿山が口を開く。
「うん、加藤外務大臣の意見でいいと思う。それで、実行に移したいと思うがどうだろうかな」
そして、出席者を見渡すと、早山財務大臣が問う。
「しかし、あの白大統領がそれに合意するとは思えないが。なにしろ彼のよって立つところを覆す話ですからね。さらには、彼にとっては今の状況は彼の悲願であるKT主導の併合に最大のチャンスですよ」
それに首相が答える。
「いや、白氏は日本・アメリカに対して無力になった核を持つKT主導の併合は由としないと私は思いますよ。また、このことは非公式にK国政府に打診することなく、私が記者会見の形で発表します。それを、かの国の国民がどう受け取るかです。自分及びその家族の身の安全、自由より慰安婦を取るならそれは国民の判断ということです」
その夕刻、緊急の記者会見を開いた阿山雄三首相は、カメラにしっかり向いて画面で自分を見ている無数の聴衆を感じながら話し始める。
「皆さん、内閣総理大臣の阿川雄三です。皆さんも既にご存知のように、我が国はまもる君という存在に、その国土をミサイルから守ってもらうことになりました。まもる君は、昨日KT国が発射したミサイルを2基、EEZつまり排他的経済水域の境界内にて撃墜しましたが、これも皆さんご存知の通りです。
さて、まもる君の防御範囲は、すでに発表したようにまもる君の設置されている東京を中心に半径1000km高さは3万㎞に達します。この場合、日本領であっても範囲から外れる部分はわずかにありますが、そこについては自衛隊が守りますのでご安心ください。
また、この範囲にはK国の領土も大部分含まれます。ソウル北端はわずかに外れますが、核ミサイルなど目立つ武器は探知可能ですので、撃墜可能であります。
そのことで、K国政府からその領土も防御範囲に加えて欲しいという要請がありました。一方で、すでに我が国はまもる君の防御範囲を発表しており、それは日本領土及びその上空であります。その意味でK国領土は明確にその範囲を外れる訳です。従って、K国領土も守るのであれば、憲法との微妙な関係もあり、国民の皆さんの合意が必要であると考えております。
また、皆さんがこれまたよくご存じのように、我が国とK国の間には2015年にいわゆる慰安婦合意と言うものを交わしました。しかし、いまのK国政府はそれが国民感情に照らして適当でないという立場のようです。そして、我が国が国庫から出す見舞金を支出までしてその責務を全て果たしたにも関わらず、K国側は何らの責務を果たしていないように見えます。
たしかに、この問題と安全保障上の問題はその質が違います。しかし、それなりに双方の国が重要と思う問題を、不可逆という言葉を入れた合意を覆すような政府と、安全保障という極めて重要な問題について共同作業はできないと我々は判断しています。
従って、我が日本政府は、K国を防衛するため国民の皆さんに働きかける条件として、K国政府が先に述べた合意を誠実に履行することとます。これは、中でも国際法に明確に違反している、ソウルの日本大使館及びプサンの領事館も前にいわゆる慰安婦像の撤去も含むものします。もっとも、現在はいまだK国には米軍が駐留しており、米軍基地のある場所は守る対象としますので、これは将来の話となります」
阿山首相の話はそのように終わったが、予想されたようにK国人の当初の反発はすさまじいものであった。
「日本の阿山首相は、卑劣にもK国の安全保障を人質にとり、慰安婦像の撤去を求めてきた」
それが、マスコミ及びネット民に代表をされる言葉であった。しかし、同時にKTが核で脅迫してきた場合、どうなるかというそれなりに正確なシミュレーションがK国人の中で一気に広まった。
まあ、普通の知性があれば自分で気が付くものだけど。
「考えてみろよ。あの白大統領が、KT国がK国に併合に応じないと核攻撃すると脅迫してきたとき、拒否できるか?」
友人の言葉にパニックになって男は答える。
「できないよ。米軍を追い出そうとしている馬鹿だぞ。米軍が引いたとたんに北は脅迫するぞ」
「ええ!北の亡命者を北で奴隷だったと馬鹿にしてたけど、俺たちはその奴隷の奴隷になるよ!冗談じゃない!」
追い打ちとして、その日の内に米軍から発表があった。「わが軍は、現政権の要請である、K半島の統制権の移管を1週間以内に行う。それと同時に、K国からの撤退を行うが、概ね3ヶ月を要する見込みだ。なお、K国軍から要請のあった、K国軍指揮官の指揮の元に、わが軍が残るというオプションは拒否する」
これは、当然である。半島戦争の時に、K国兵の多くは大統領と一緒に、KTの兵及び中国の兵に対して逃げ惑ったのだから、その指揮のもとに戦いたいと思う米軍兵士は一人も居ない。
この日の、阿山首相と米軍司令官の通告は、K国内で大ニュースとして駆け巡った。翌日、ソウルの日本大使館及びプサンの総領事館にKTシンパに組織されたデモが掛けられたが、数万の大きく盛り上がると考えられたそのデモは、わずか数百人でわびしいものに終わった。
反日デモとして、いつものように出かけようとした女学生の朴チョンサは、いつもは進んで送り出す父親から怒鳴り付けられて唖然とした。
「馬鹿か、お前は。日本を怒らせて日本の防御から外れて見ろ。KTの奴隷共の奴隷になるんだぞ。慰安婦?ふん!あんな薄汚い元売春婦のことはほおっておけ。今日のデモだって、KTの走狗が組織しているんだ。今後あんなデモなどに参加することは許さん!」
仕方なく学校に行き、仲の良いマヤラにこぼしたところ、当然と彼女も言う。
「当然よ。皆と話してごらんよ。もう、米軍が出ていくのよ。そうしたら、誰が北の核から守ってくれるのよ。あなた、KT国の状況を知っているの?」
「え、ええ。でも……」
チョンサは躊躇いながら答えるが、マヤラは昨晩兄から聞いた話を勢い込んで言う。
「北の狙いは、豊かな私たちの財産と技術よ。私たちは全ての財産を北の今の奴隷に取られて奴隷になるのよ。美しい私たちは性奴隷よ。日本人を怒らせるわけにはいかないわ。どうしても、北の核からは守ってもらわなくては。あんな、少女像は壊せばいいのよ」
2日の後の世論調査では、白大統領の支持率はわずか15%にとどまって、実に35%の低下である。彼は、その結果にショックを受けながらも未だに迷っていた。若い彼の補佐官チョンは、彼よりも過激なKTシンパであり、彼に対して提言している。
「大統領、これは絶好のチャンスです。米軍が引けば、もうKT国の核を遮るものはないのです。日本の話は拒絶すればいいのです。あの慰安婦の皆さんを冒涜するようなことは許しません。ちょっぱりは永遠に我々K国人に謝り続けるべきです」
しかし、白はアメリカと日本に対して全く効力を失ったKTの核ミサイルが何の役に立つか判らないし、結局アメリカに見捨てられて単独でKTの核に対することに今更ながら恐怖を感じていた。
「いや、日本の核に対する防御は必要だ。いま米軍が引いてKTの核に対して無力になった場合、否応でもKTの思うがままに併合される。そうなったとき、野蛮なKTの者の我が国の国民に対する扱いが心配だ」
白は勉強ができる馬鹿というやつで、物事に判断においてたいてい間違うが悪人ではない。
しかし、そういう指導者に導かれる国民は可哀そうではあるが、結局選んだのは自分たちなので自業自得である。そうやって、大統領とその補佐官は様々に話していたが、彼らの時間はすでに尽きていた。執務室のドアがバン!と蹴り開けられて、戦闘服の白髪が目立つが引き締まった体の将校と自動小銃を構えた兵が5人入ってくる。
「誰だ!お前たちは!」チョン補佐官が叫ぶが、兵士の一人が小銃の銃掴で殴りつけて昏倒させる。将校は、執務デスクの後ろで立ち上がった白に向かって見事な敬礼をして口を開く。「大統領閣下、陸軍第8師団、第5連隊長の朴パンクツ少将であります。この国の政府は、第8師団金ユッケ中将閣下により組織される愛国臨時政府の指揮下に入ります」
白は、驚きながらも頭に重苦しく乗っていた重荷から解放される思いであった。
K国に生まれた、愛国臨時政府は慰安婦協議会の主要メンバーをKTシンパとして逮捕し協議会を解散させ、ソウルの日本大使館、プサンの領事館を始めとする慰安婦像を重機で破壊し、各地の像も破壊していった。並行して、官庁、教育界、マスコミに入り込んだシンパを徹底的に追及して逮捕していき、なかでも無論白政権のメンバーは大部分が逮捕された。
この臨時政府は、やり方が少々手荒いこともあってアメリカ、日本などは正式に認めることはしなかったが、緊急時に鑑み国交は行こととし、臨時大統領金ユッケによる交渉により、米軍の撤退を3年延期するとした。日本政府は、国民の65%余の賛成もあり、臨時政府が慰安婦合意を行動の伴った順守しているとして、K国に対してまもる君による防衛を行うことを決した。
結局、K国国民はクーデターにより成立した、臨時政府の施政を受け入れ、1年後には慰安婦のことは忘れたようになって、海外の像も順次取り壊されていった。良く判らない人々である。
「我が国は、我が本土を狙ってミサイルを発射したKT国に対して、強く非難するとともに、国交断絶の措置を検討しています。この場合、実質的にKT国を代表していたKT連合会の活動を差し止めることになり、さらにあらゆる交流を止めることになります。
なお、今回はEEZ内で撃墜しましたが、今後はKT国のミサイルまたは飛翔物体は日本の国土及び人や財産に危害を与えうるものとして、日本に向かうものは全て撃墜します。また、船舶等に対しても同様な措置を取ることにします」
また、今回のKT国のミサイル撃墜に対して何でも反対する野党が非難のための会見を開いた。
「前代未聞の暴挙である。今回のミサイル撃墜は明らかな憲法違反であり、わが党は強く抗議する。また防衛省の言う“まもる君”は明らかに憲法違反のものであるので、直ちに廃棄するべきである」
人民党の山下副委員長の言葉であるが、出席したわずか3人の記者のうち一人が流石に反論する。
「日本には自衛権もないということですか?」
「む、む、じ、自衛権はあるでしょう。しかし、害意を示していないものをいきなり破壊するとは許せない」
山下が答えるが、記者は開き直ってなおも言う。
「2発目のノドンは、明らかに日本本土を狙っていたということですが?」
「そ、そんな、馬鹿なことをKT国がするわけはない。日本を狙っていたというのは嘘だ」
山下がなおも言うのに、記者が冷たく答える。
「ほう、KT国の事をよくご存知なんですね。2発目のミサイルの軌道は公開されています。あきらかに、あのまま飛ぶと秋田県に着弾しています。では、失礼」
記者は冷たく頭を下げて去ったが、この記者会見の内容は、一社が揶揄して載せたものが唯一であった。
翌日の日本政府の午後の閣議である。篠山官房長官が開会の言葉の後に続ける。
「相変わらず、野党には非難するものもいますが、これはマスコミにも相手にもされていません。まもる君と言うネーム付けは良かったようですね。とりわけ子供から大きな反響があるようで、大人からも概ねは好意的な反響があっています。
また、当然のことながら諸外国からは大きな反響というか問い合わせがあっていまして、ほとんどが技術の公開と移転ですが、これは我が国もその技術は持っていず、移転も分解も出来ないということで拒んでいます。中国は、平和を乱す行為であったと非難していますが、まあ、かの国にとっては都合の悪い話なので予想された動きですね。
また、K国からは、まもる君の有効範囲内の自国領土に守備範囲を広げて欲しいという要請がありました。これについては、貴国が良く理解されている憲法に抵触する恐れがあるので即答はできないと、保留しています」
「K国は、我が国が安全保障上の何かをすると、憲法を持ち出して非難するくせに勝手な連中だな」
財務大臣の早山がだみ声で言うが、篠山は頷いて続ける。
「そう、私もそう思いますよ。しかし、ここにきてK国民も相当焦って来たようですよ。今朝、K国駐在大使の三島君から連絡があったのですが、一晩で潮目が完全に変わったようです。K国民が、KT国の支配下に入るということはどういうことかと、テレビ新聞で語られ始めたようです。
まあ、少しでも頭があれば、そんなことは当たり前に気づくものですが、いままで核の問題はアメリカと日本の問題だと思っていたようです。おそらく、いま世論調査をすれば、白大統領の支持率は前の50%から半分以下になるでしょう。そこで、ここで議論したいのは、わが本土にミサイルを撃ってきたKT国と断絶まで行くか。それと、先ほどのミサイル防衛を含めてK国とどう向き合うかです」
それに対して、外務大臣の加藤が話し始める。
「KT国に対しては、本土に向けてミサイルと撃ったという行為を、今までのような遺憾砲ではいかんでしょう。大使館はないので、総連ですがその大使館としての窓口の閉鎖、さらに人の交流を断つこと、また金の流れも完全に断ちましょう」
それに対して早山が聞く。
「しかし、今現在KTに行っている日本人がいるのではないかな?」
「はい、5人です。皆ずぶずぶの連中です。勧告を振り切って行ったのですから止むを得んでしょう」
加藤は早山に返事をしてなおも続ける。
「それで、K国ですが。はっきり言って、私個人としてはほおっておきたいのですが、KTの体制に組み込まれるのも面白くないのは事実です」
それに経済産業大臣の皆川も賛同する。
「うん、K国で我が国は黒字を年2兆円稼いでいますからね。これは、北に呑まれるとしばらくは回復しないでしょう」
「それで、西村防衛大臣にお聞きしたいのは、K国の防衛を我が国も手助けするとして、どこまで、どんなふうに助力できるかということです」
加藤が西村に聞く。西村は、あらかじめハヤトを含んで制服組とその件の話をしていたので即答する。
「核爆弾は目立つので、1000㎞の範囲を超えるソウルでも撃墜は可能ですが、その落下による被害はあり得ます。しかし、通常弾頭のミサイルは一斉に撃たれると、特に近距離の場合には相当漏れますね。つまり、核ミサイルは対処、撃墜可能です」
西村の答えに、加藤大臣は首相の顔を見て言う。
「かの国は、経済の成長の結果、我が国を侮り始め、我が国を貶めるためだけのために大いに誇張した話である慰安婦を神聖化し、その像を世界中に作ってくると同時に、様々な嫌がらせを現在も行っております。さらには、その過程で執拗に謝罪を要求してきました。
それに対して、我が国も安易に応じてきた面があっため、さまざまな謝罪もして金も払ってきましたが、いまやそのことを根拠として非難の材料にしています。その結果として、大多数の日本人がK国人を信用できないと思うに至り、嫌悪感すら抱き始めています。そういう意味では、K国を助けることは政権としてリスクでしかないのです」
目で問いかける加藤に首相は頷くのを確認して彼は続ける。
「しかし、一方でK国がKT国の支配下に入るということは経済的、政治的デメリットもあります。しかし、KT国の現状から想像すると、核で脅されて併合された場合、K国民の受ける苦しみは計り知れないものがあると思います。また、我が国はK国の要請を無視することで、そのようにかの国の国民を追いやったと非難されることもあるでしょう。したがって、私の提言はこうです。
『2015年の慰安婦合意を誠実に順守しなさい。少なくとも、ソウルの大使館、プサンの領事館の前の像を直ちに除去しなさい』」
しばらく閣議の場に沈黙が降りたが、やがて首相の阿山が口を開く。
「うん、加藤外務大臣の意見でいいと思う。それで、実行に移したいと思うがどうだろうかな」
そして、出席者を見渡すと、早山財務大臣が問う。
「しかし、あの白大統領がそれに合意するとは思えないが。なにしろ彼のよって立つところを覆す話ですからね。さらには、彼にとっては今の状況は彼の悲願であるKT主導の併合に最大のチャンスですよ」
それに首相が答える。
「いや、白氏は日本・アメリカに対して無力になった核を持つKT主導の併合は由としないと私は思いますよ。また、このことは非公式にK国政府に打診することなく、私が記者会見の形で発表します。それを、かの国の国民がどう受け取るかです。自分及びその家族の身の安全、自由より慰安婦を取るならそれは国民の判断ということです」
その夕刻、緊急の記者会見を開いた阿山雄三首相は、カメラにしっかり向いて画面で自分を見ている無数の聴衆を感じながら話し始める。
「皆さん、内閣総理大臣の阿川雄三です。皆さんも既にご存知のように、我が国はまもる君という存在に、その国土をミサイルから守ってもらうことになりました。まもる君は、昨日KT国が発射したミサイルを2基、EEZつまり排他的経済水域の境界内にて撃墜しましたが、これも皆さんご存知の通りです。
さて、まもる君の防御範囲は、すでに発表したようにまもる君の設置されている東京を中心に半径1000km高さは3万㎞に達します。この場合、日本領であっても範囲から外れる部分はわずかにありますが、そこについては自衛隊が守りますのでご安心ください。
また、この範囲にはK国の領土も大部分含まれます。ソウル北端はわずかに外れますが、核ミサイルなど目立つ武器は探知可能ですので、撃墜可能であります。
そのことで、K国政府からその領土も防御範囲に加えて欲しいという要請がありました。一方で、すでに我が国はまもる君の防御範囲を発表しており、それは日本領土及びその上空であります。その意味でK国領土は明確にその範囲を外れる訳です。従って、K国領土も守るのであれば、憲法との微妙な関係もあり、国民の皆さんの合意が必要であると考えております。
また、皆さんがこれまたよくご存じのように、我が国とK国の間には2015年にいわゆる慰安婦合意と言うものを交わしました。しかし、いまのK国政府はそれが国民感情に照らして適当でないという立場のようです。そして、我が国が国庫から出す見舞金を支出までしてその責務を全て果たしたにも関わらず、K国側は何らの責務を果たしていないように見えます。
たしかに、この問題と安全保障上の問題はその質が違います。しかし、それなりに双方の国が重要と思う問題を、不可逆という言葉を入れた合意を覆すような政府と、安全保障という極めて重要な問題について共同作業はできないと我々は判断しています。
従って、我が日本政府は、K国を防衛するため国民の皆さんに働きかける条件として、K国政府が先に述べた合意を誠実に履行することとます。これは、中でも国際法に明確に違反している、ソウルの日本大使館及びプサンの領事館も前にいわゆる慰安婦像の撤去も含むものします。もっとも、現在はいまだK国には米軍が駐留しており、米軍基地のある場所は守る対象としますので、これは将来の話となります」
阿山首相の話はそのように終わったが、予想されたようにK国人の当初の反発はすさまじいものであった。
「日本の阿山首相は、卑劣にもK国の安全保障を人質にとり、慰安婦像の撤去を求めてきた」
それが、マスコミ及びネット民に代表をされる言葉であった。しかし、同時にKTが核で脅迫してきた場合、どうなるかというそれなりに正確なシミュレーションがK国人の中で一気に広まった。
まあ、普通の知性があれば自分で気が付くものだけど。
「考えてみろよ。あの白大統領が、KT国がK国に併合に応じないと核攻撃すると脅迫してきたとき、拒否できるか?」
友人の言葉にパニックになって男は答える。
「できないよ。米軍を追い出そうとしている馬鹿だぞ。米軍が引いたとたんに北は脅迫するぞ」
「ええ!北の亡命者を北で奴隷だったと馬鹿にしてたけど、俺たちはその奴隷の奴隷になるよ!冗談じゃない!」
追い打ちとして、その日の内に米軍から発表があった。「わが軍は、現政権の要請である、K半島の統制権の移管を1週間以内に行う。それと同時に、K国からの撤退を行うが、概ね3ヶ月を要する見込みだ。なお、K国軍から要請のあった、K国軍指揮官の指揮の元に、わが軍が残るというオプションは拒否する」
これは、当然である。半島戦争の時に、K国兵の多くは大統領と一緒に、KTの兵及び中国の兵に対して逃げ惑ったのだから、その指揮のもとに戦いたいと思う米軍兵士は一人も居ない。
この日の、阿山首相と米軍司令官の通告は、K国内で大ニュースとして駆け巡った。翌日、ソウルの日本大使館及びプサンの総領事館にKTシンパに組織されたデモが掛けられたが、数万の大きく盛り上がると考えられたそのデモは、わずか数百人でわびしいものに終わった。
反日デモとして、いつものように出かけようとした女学生の朴チョンサは、いつもは進んで送り出す父親から怒鳴り付けられて唖然とした。
「馬鹿か、お前は。日本を怒らせて日本の防御から外れて見ろ。KTの奴隷共の奴隷になるんだぞ。慰安婦?ふん!あんな薄汚い元売春婦のことはほおっておけ。今日のデモだって、KTの走狗が組織しているんだ。今後あんなデモなどに参加することは許さん!」
仕方なく学校に行き、仲の良いマヤラにこぼしたところ、当然と彼女も言う。
「当然よ。皆と話してごらんよ。もう、米軍が出ていくのよ。そうしたら、誰が北の核から守ってくれるのよ。あなた、KT国の状況を知っているの?」
「え、ええ。でも……」
チョンサは躊躇いながら答えるが、マヤラは昨晩兄から聞いた話を勢い込んで言う。
「北の狙いは、豊かな私たちの財産と技術よ。私たちは全ての財産を北の今の奴隷に取られて奴隷になるのよ。美しい私たちは性奴隷よ。日本人を怒らせるわけにはいかないわ。どうしても、北の核からは守ってもらわなくては。あんな、少女像は壊せばいいのよ」
2日の後の世論調査では、白大統領の支持率はわずか15%にとどまって、実に35%の低下である。彼は、その結果にショックを受けながらも未だに迷っていた。若い彼の補佐官チョンは、彼よりも過激なKTシンパであり、彼に対して提言している。
「大統領、これは絶好のチャンスです。米軍が引けば、もうKT国の核を遮るものはないのです。日本の話は拒絶すればいいのです。あの慰安婦の皆さんを冒涜するようなことは許しません。ちょっぱりは永遠に我々K国人に謝り続けるべきです」
しかし、白はアメリカと日本に対して全く効力を失ったKTの核ミサイルが何の役に立つか判らないし、結局アメリカに見捨てられて単独でKTの核に対することに今更ながら恐怖を感じていた。
「いや、日本の核に対する防御は必要だ。いま米軍が引いてKTの核に対して無力になった場合、否応でもKTの思うがままに併合される。そうなったとき、野蛮なKTの者の我が国の国民に対する扱いが心配だ」
白は勉強ができる馬鹿というやつで、物事に判断においてたいてい間違うが悪人ではない。
しかし、そういう指導者に導かれる国民は可哀そうではあるが、結局選んだのは自分たちなので自業自得である。そうやって、大統領とその補佐官は様々に話していたが、彼らの時間はすでに尽きていた。執務室のドアがバン!と蹴り開けられて、戦闘服の白髪が目立つが引き締まった体の将校と自動小銃を構えた兵が5人入ってくる。
「誰だ!お前たちは!」チョン補佐官が叫ぶが、兵士の一人が小銃の銃掴で殴りつけて昏倒させる。将校は、執務デスクの後ろで立ち上がった白に向かって見事な敬礼をして口を開く。「大統領閣下、陸軍第8師団、第5連隊長の朴パンクツ少将であります。この国の政府は、第8師団金ユッケ中将閣下により組織される愛国臨時政府の指揮下に入ります」
白は、驚きながらも頭に重苦しく乗っていた重荷から解放される思いであった。
K国に生まれた、愛国臨時政府は慰安婦協議会の主要メンバーをKTシンパとして逮捕し協議会を解散させ、ソウルの日本大使館、プサンの領事館を始めとする慰安婦像を重機で破壊し、各地の像も破壊していった。並行して、官庁、教育界、マスコミに入り込んだシンパを徹底的に追及して逮捕していき、なかでも無論白政権のメンバーは大部分が逮捕された。
この臨時政府は、やり方が少々手荒いこともあってアメリカ、日本などは正式に認めることはしなかったが、緊急時に鑑み国交は行こととし、臨時大統領金ユッケによる交渉により、米軍の撤退を3年延期するとした。日本政府は、国民の65%余の賛成もあり、臨時政府が慰安婦合意を行動の伴った順守しているとして、K国に対してまもる君による防衛を行うことを決した。
結局、K国国民はクーデターにより成立した、臨時政府の施政を受け入れ、1年後には慰安婦のことは忘れたようになって、海外の像も順次取り壊されていった。良く判らない人々である。
74
あなたにおすすめの小説
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる