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悠斗先輩に協力するようになり、二週間が経った。ついでに、先輩と直接会わなくなってから一週間が経った。今日は9月21日。敬老の日だから学校はお休み。五連休の―いわゆるシルバーウィーク―の中日。悠斗先輩からのメールによると、明日が彼にとっての決戦の日となるらしい。教室でも比較的積極的に会話し、メールでのやり取りも増えたそうだ。そこで、明日9月22日がフリーであることを聞き出し、ショッピングに誘った。いわゆるデートだ。デートして、最後には告白。そのために先週、スタパに来た訳だし。先輩の好みを徹底的に把握させ、この店でこれを勧めるとか、お茶をするならこのお店と、スターパレスショッピングセンター内を案内した。案内したのだが……。
「ごめん! 最近緊張で眠れなくて!」
「この小心者!」
……なんでまた先輩と一緒にここにいるんだろう。そう、前日になって復習をしたいとスタパまで呼び出された私は、悠斗先輩に待ちぼうけをくらったのだ。
「本当にごめんよ、鈴原さん。電車代とか諸々、僕が出すから」
「お金のことはどうでもいいです。必要経費ですから」
これ以上先輩と一緒にいたら……。はぁ……。
「じゃあ、きっちりエスコートしてくださいね、悠斗さん」
「ん!? うん……」
どうせだったら、図々しくしてやろう。そう思って先輩の腕を取り、組む。驚いた表情をした先輩だったけど、すぐに笑顔を返してくれた。この笑顔、生嶋先輩に向けてほしいのに……ね。やっぱり変だなぁ、私。
「えっと……買い物も全部終わったとして、最後に告白するっていう流れでいいんだよね?」
結局、先週と同じようにお店をまわり、時刻はあの日と同じ午後三時。
「そうですよ。あ、先輩! また「えっと……」って言う癖が出ています。直してくださいって何度も言ったでしょう」
「ごめんなさい……」
あ! そんな項垂れないでよ、そんなつもりは……。あぁ、声に出せない。
「じゃあ、前回は言わなかったけど、今日は考えてきたから言うね」
前日だからこそ、先輩の考えてきた告白の言葉を私が採点する。もっと言い方があるだろうとか、諸々。女子からじゃないと分からない点があるだろうから。
「僕は君のことが好きだ」
うんうん、まずは結論。唐突かもしれないけど、そこは生嶋先輩も雰囲気で察してくれるだろう。
「短い間だったけど、君と話すようになって僕は変われた」
二年って短いのかな? そこは人それぞれか。
「すごく感謝しているし、これからも側にいてほしい」
おぉ、先輩には自己主張が足りなかったから、願望を言うのは高評価。
「だから、僕とお付き合いしてください!」
「おぉ! いい感じでした」
「どきどき……してくれた?」
「もちろんです……って、私をどきどきさせてどうするんですか! ちゃんと生嶋先輩をどきどきさせなきゃ。ていうか、二人称じゃなくて名前で呼ばなきゃ!」
明確に誰への言葉がぼやかすから……無駄にどきどきしちゃったじゃないの。まるで、本当に私に言われているみたいで……心が苦しくなっちゃいそうだよ……。
「だってさ……君に届けたかったんだもの、鈴原さん」
……この先輩は何を言っているのやら。
「何? どういうこと?」
「私から説明しようか?」
驚く私をさらに驚かせる人物の登場。モノトーンのワンピースに秋色のカーディガンを羽織った女性。
「……生嶋先輩」
悠斗先輩が告白する相手の筈の生嶋仁美先輩、その人だった。
「ごめん! 最近緊張で眠れなくて!」
「この小心者!」
……なんでまた先輩と一緒にここにいるんだろう。そう、前日になって復習をしたいとスタパまで呼び出された私は、悠斗先輩に待ちぼうけをくらったのだ。
「本当にごめんよ、鈴原さん。電車代とか諸々、僕が出すから」
「お金のことはどうでもいいです。必要経費ですから」
これ以上先輩と一緒にいたら……。はぁ……。
「じゃあ、きっちりエスコートしてくださいね、悠斗さん」
「ん!? うん……」
どうせだったら、図々しくしてやろう。そう思って先輩の腕を取り、組む。驚いた表情をした先輩だったけど、すぐに笑顔を返してくれた。この笑顔、生嶋先輩に向けてほしいのに……ね。やっぱり変だなぁ、私。
「えっと……買い物も全部終わったとして、最後に告白するっていう流れでいいんだよね?」
結局、先週と同じようにお店をまわり、時刻はあの日と同じ午後三時。
「そうですよ。あ、先輩! また「えっと……」って言う癖が出ています。直してくださいって何度も言ったでしょう」
「ごめんなさい……」
あ! そんな項垂れないでよ、そんなつもりは……。あぁ、声に出せない。
「じゃあ、前回は言わなかったけど、今日は考えてきたから言うね」
前日だからこそ、先輩の考えてきた告白の言葉を私が採点する。もっと言い方があるだろうとか、諸々。女子からじゃないと分からない点があるだろうから。
「僕は君のことが好きだ」
うんうん、まずは結論。唐突かもしれないけど、そこは生嶋先輩も雰囲気で察してくれるだろう。
「短い間だったけど、君と話すようになって僕は変われた」
二年って短いのかな? そこは人それぞれか。
「すごく感謝しているし、これからも側にいてほしい」
おぉ、先輩には自己主張が足りなかったから、願望を言うのは高評価。
「だから、僕とお付き合いしてください!」
「おぉ! いい感じでした」
「どきどき……してくれた?」
「もちろんです……って、私をどきどきさせてどうするんですか! ちゃんと生嶋先輩をどきどきさせなきゃ。ていうか、二人称じゃなくて名前で呼ばなきゃ!」
明確に誰への言葉がぼやかすから……無駄にどきどきしちゃったじゃないの。まるで、本当に私に言われているみたいで……心が苦しくなっちゃいそうだよ……。
「だってさ……君に届けたかったんだもの、鈴原さん」
……この先輩は何を言っているのやら。
「何? どういうこと?」
「私から説明しようか?」
驚く私をさらに驚かせる人物の登場。モノトーンのワンピースに秋色のカーディガンを羽織った女性。
「……生嶋先輩」
悠斗先輩が告白する相手の筈の生嶋仁美先輩、その人だった。
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