たかが、恋

水野七緒

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第4話

14・モヤモヤする

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 新たな謎にモヤモヤしたまま、私は書庫をあとにした。
 一方、隣を歩く間中くんはずいぶんと足取りが軽そうだ。

「なあなあ、クール系をやめるってことはさ、ゴール決まったときもふつうにしてていんだよな?」
「もちろん。叫ぶなり、派手にガッツポーズするなり好きにしなよ」
「わかった! じゃあ、今度決めたらバク転する!」

 いや、なにもそこまでは──まあ、好きにすればいいけど。

「そういえば、新人戦の決勝戦、勝ったんだってね」
「おう! 来月県大会!」
「吹奏楽部はまた応援に行くの?」
「それが、なんか無理みたいなんだよなぁ。日曜日に試合があるの、2回戦と決勝戦なんだけど、決勝は文化祭の2日目とかぶってるし、定期演奏会の練習もあるから2回戦の応援もたぶん無理って」

 そういえば、今年の定期演奏会は会場の都合で2ヶ月遅いんだっけ。それで3年生の引退がのびたって結麻ちゃんが言っていたような。

「まあ、いいけどさ。地区予選のとき、俺のゴール見てもらえたし」
「実は気づいていなかったりして」
「えっ」
「うそうそ。冗談だよ」

 笑いながら否定すると、間中くんは少し首を傾げて足を止めた。
 ──え、なに?
 なんでそんなまじめな顔して、私のことをジッと見てるの?
 答えがわからずソワソワしていると、間中くんは「うん」と大きくうなずいた。

「俺も好き」
「……えっ」
「お前が笑ってるとこ、俺も好き」

 言いたいことを言えて満足したのか、間中くんはまた軽い足取りで歩き出す。
 でも、私は──すぐに動き出すことができなくて。

「佐島? なにしてんの?」

 振り向いた彼は、不思議そうな顔をしている。
 私の心臓が早鐘のように響いていることに、きっとこれっぽっちも気づいていない。
 というか──

(なんでこんなに動揺してるの?)

 この反応はなに?
 どうして私、こんなにドキドキしているんだろう。
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