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第二章
2-21 少女が平伏す
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つかつかと草原を踏みしめ歩み寄ってきた少女は、整えられた眉尻を吊り上げる。
まるで鬼の形相、というやつだろうか。顔は少し赤いのだが。
「あなた! よくも私の大事な、はだ、はだ…………肌を見てくれましたね! しかも同年代……こんな辱めは生まれてこの方受けたことがありませんよ!」
物凄い剣幕で唾が飛んできそうなほど。しかも、ぐんぐんと俺に詰め寄ってきている。
ただ茶巾を体に巻き付けキュッと小さな白い手で掴んでいるのは、恐い、というより何だか可愛いと思えてしまうのだが。
「ええと……いや、見てないよ。背中が見えただけで、ってそれも肌だね。ごめんごめん」
「嘘を言いなさんな! ばっちり目が合ったじゃないの! わ、わ、私のむ、むむ、むねをいやらしい目で……」
少女が裸と口にできなくて肌と言ったことは分かっていたし、誤魔化そうと言ってみたのだが通用しなかった。
確かに隠していた腕の間からチラと見えたのは確か。でも、それは不可抗力というもので……。
それでも顔を赤らめ涙を滲ませるのを見ていると罪悪感が湧いてくる。
どうしようかとオロオロしているとシュネムさんが助け舟を出してくれた。
「これこれ、フランシス。お礼を言いに来たんじゃなかったんですか? それは先ほど仕方がないことだと納得していたじゃないですか」
「だ、だってだって、本人を目の前にしたら……怒りが沸くというものよ! 土下座……そう! 土下座よ! 土下座して私の肌を見たことを謝りなさい!
そうすれば寛大な私はあなたを許してあげるわ……!」
土下座と言うのは、膝を地面に揃えて額を地に擦り付けるようにして行う謝罪方法。
正直な話、屈辱的なそれは人に強制するような物ではないと思う。
俺だっていやだ。
だって本来は助けてあげたはずだろう?
「なんで俺が土下座しないといけないんだよ! 肌を見たことは謝るよ。でも、流石に土下座はないだろ?」
俺の言葉は正しいと思う。
その証拠にリンガルさんも慌てた様子で口を開く。
「フ、フランシス、何を言ってるんだ! なぜ命の恩人に土下座を強要している! お礼を言って謝りなさい!」
「五月蠅い! リンガルは黙ってて! 今は私がこいつと話をしているの! ほら! 早く土下座しなさい!」
なんだか心がムカムカしてくる。
可愛いのは確かに可愛い。けれど、こんな言い方をされたらその外見も台無しだ。
だが。
土下座は無理だがきっちり頭を下げて謝れば機嫌を直すかもしれない。
そう考え頭を僅かに動かしかけた時だった。
聞きなれた声が耳に届き、俺の心臓をヒヤリと冷たいものが撫でる。
【主殿、この愚物は主殿に土下座を強要し困らせているという訳でありまするか? 妾がすぐに蒸発――】
「ああああああ!! 謝れ! すぐに謝れ!! 土下座だ、土下座して! 早くっ!」
ジョカの女性に対する死の宣告に、俺は反射するように声を荒げていた。
俺に土下座ではない。俺の中にいるジョカに土下座してもらわないといけない。
そうしないと俺の目の前の少女、はっきり言ってむかむかしているのはしている。
けれど。
彼女があっさり天に召されてしまうのは困る。まるで水が蒸発するように跡形もなく消えてしまうことだろう。
俺の剣幕に女の子は体をびくりと揺らし蒼色の瞳孔が大きく開く。
「えっ? えっ? え、え? な、なに……?」
「だから土下座してお礼を言えと言ってるんだ! ほら、土下座ってのはこうするんだよ!」
申し訳ないという気持ちもあったが、俺は女の子のブロンドで飾られた頭をぐいと抑え込む。
リンガルさんとシュネムさんが口をポカンと開き、瞳の色を驚愕に染めているのが目に映る。指の間から流れる絹糸のような感触が気持ちいい。
だが。
そんなことはどうでもいい。
一秒でも早く彼女に土下座してもらわないと、この場は焦土と化す。
そんな予感がして俺はぐいぐい、ぐいぐいと彼女の頭を地面に向けて押し込んでいた。
「きゃ、きゃぁぁ。な、なに、なんなの。分かった、謝る! 謝るからっ!」
「早く、急いで!」
少女は草原の上に丸まると俺に向かって頭を下げた。
だがブロンドの下ではプルプルと体が震えているのが分かる。
茶巾一枚で全身を包み込み、ダンゴ虫のように丸まり頭を地に擦り付けている姿は凄まじく憐憫を誘う。
しかし。
これでおそらく彼女の命は助かったのだ。
(ジョカ、ちゃんと謝ってくれたからこれでいいでしょ?)
【仕方がありませぬ。誠意を形としてみせたのでしたら妾も納得せざるを得ないでしょう】
俺は胸をなでおろし、ほぅと息をついた。
そのまま草の上で丸まっている少女の肩を撫でながら優しく囁き掛けてやる。
「ごめん、もう大丈夫だよ。だから頭をあげて……。折角可愛いのに土下座なんてしてると台無しだよ?」
自分でやらせておいて自分で慰める。何をしているのか訳が分からなくなりそうだったが、本心からそう思ったのだから仕方がない。
顔をあげた少女の瞳からは大粒の涙がポロポロと零れていた。
「うぅぅぅ。なんなの! あんたがやらせたんでしょ!? 土下座させたり優しくしたり……なんなの! こんな屈辱……土下座なんて……。なんで、なんで……うわぁぁぁぁぁん」
茶巾一枚で体を包み込み膝立ちしながら大粒の涙を零すその姿に、やり過ぎてしまったと俺の心が反省を促す。
俺は慌てて懐に入れておいた小さな布地を渡そうとした。
勿論涙を拭いてもらおうと思っての事。
が。
それはバシッとおざなりに手で弾かれてしまう。
瞬間、嫌な予感がピリリと伝わる。何人も俺に攻撃を加えては駄目なのだということを理解させられた。
【このおなご……今主殿の手に……攻撃を…………? それに……泣いて主殿を困らせている様子か? 消しま――】
「あやまれぇぇぇぇ! そして、泣き止めぇぇぇぇ! はやくっ! すぐにっ!」
俺の精神と胃の腑がきりりと痛む。それでも俺は彼女を守るために謝らせ、泣き止ませないといけない。
そう思い声を大にして叫んでいた。ジョカを絶対に現界に顕著させるわけにはいかないのだ。
だが当然と言うべきか簡単に泣き止むわけもない。いや。もう何が何だか分からないと言った様子である。
無理もない。俺が彼女の立場だったとしても涙を流しているかもしれない。
「ひ、ひぐ……。うぅ……。え……? なに……? ひっく。なんなの……。…………きゃっ」
謝るわけもないし、泣き止む様子も見せない。俺の頭は早くなんとかしないといけないという気持ちで動転しかけていた。
だから彼女の頭の上から覆いかぶさるようにして肩を抱いてやったのだ。
温かくて甘い匂いがふわりと香る。彼女も状況がつかめてない様子だが少し落ち着きをみせかけた。
しかし。
甘かった。
耳に届くジョカの声に静かな怒りをひしひしと感じさせられる。
【主殿に抱かれて寵愛を受けているでありまするか……? 凡愚が……滅び――】
「うわぁっ!」
思わず叫び声をあげ少女から離れる。そして顔を背けながら先ほど弾かれた布地を差し出した。
まさか俺からは女の子と仲良くするという選択肢は消えてしまったのであろうか?
別にこの少女と仲良くなりたいという訳じゃない。
なんとなく性格に難があるような気がするし。
だが。
やはり男として人並みに女の子と仲良くなったり、手を繋いでみたりしたい気持ちはある。
ジョカに納得してもらうにはどうしたらいいのだろうか……。
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「あなた! よくも私の大事な、はだ、はだ…………肌を見てくれましたね! しかも同年代……こんな辱めは生まれてこの方受けたことがありませんよ!」
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少女が裸と口にできなくて肌と言ったことは分かっていたし、誤魔化そうと言ってみたのだが通用しなかった。
確かに隠していた腕の間からチラと見えたのは確か。でも、それは不可抗力というもので……。
それでも顔を赤らめ涙を滲ませるのを見ていると罪悪感が湧いてくる。
どうしようかとオロオロしているとシュネムさんが助け舟を出してくれた。
「これこれ、フランシス。お礼を言いに来たんじゃなかったんですか? それは先ほど仕方がないことだと納得していたじゃないですか」
「だ、だってだって、本人を目の前にしたら……怒りが沸くというものよ! 土下座……そう! 土下座よ! 土下座して私の肌を見たことを謝りなさい!
そうすれば寛大な私はあなたを許してあげるわ……!」
土下座と言うのは、膝を地面に揃えて額を地に擦り付けるようにして行う謝罪方法。
正直な話、屈辱的なそれは人に強制するような物ではないと思う。
俺だっていやだ。
だって本来は助けてあげたはずだろう?
「なんで俺が土下座しないといけないんだよ! 肌を見たことは謝るよ。でも、流石に土下座はないだろ?」
俺の言葉は正しいと思う。
その証拠にリンガルさんも慌てた様子で口を開く。
「フ、フランシス、何を言ってるんだ! なぜ命の恩人に土下座を強要している! お礼を言って謝りなさい!」
「五月蠅い! リンガルは黙ってて! 今は私がこいつと話をしているの! ほら! 早く土下座しなさい!」
なんだか心がムカムカしてくる。
可愛いのは確かに可愛い。けれど、こんな言い方をされたらその外見も台無しだ。
だが。
土下座は無理だがきっちり頭を下げて謝れば機嫌を直すかもしれない。
そう考え頭を僅かに動かしかけた時だった。
聞きなれた声が耳に届き、俺の心臓をヒヤリと冷たいものが撫でる。
【主殿、この愚物は主殿に土下座を強要し困らせているという訳でありまするか? 妾がすぐに蒸発――】
「ああああああ!! 謝れ! すぐに謝れ!! 土下座だ、土下座して! 早くっ!」
ジョカの女性に対する死の宣告に、俺は反射するように声を荒げていた。
俺に土下座ではない。俺の中にいるジョカに土下座してもらわないといけない。
そうしないと俺の目の前の少女、はっきり言ってむかむかしているのはしている。
けれど。
彼女があっさり天に召されてしまうのは困る。まるで水が蒸発するように跡形もなく消えてしまうことだろう。
俺の剣幕に女の子は体をびくりと揺らし蒼色の瞳孔が大きく開く。
「えっ? えっ? え、え? な、なに……?」
「だから土下座してお礼を言えと言ってるんだ! ほら、土下座ってのはこうするんだよ!」
申し訳ないという気持ちもあったが、俺は女の子のブロンドで飾られた頭をぐいと抑え込む。
リンガルさんとシュネムさんが口をポカンと開き、瞳の色を驚愕に染めているのが目に映る。指の間から流れる絹糸のような感触が気持ちいい。
だが。
そんなことはどうでもいい。
一秒でも早く彼女に土下座してもらわないと、この場は焦土と化す。
そんな予感がして俺はぐいぐい、ぐいぐいと彼女の頭を地面に向けて押し込んでいた。
「きゃ、きゃぁぁ。な、なに、なんなの。分かった、謝る! 謝るからっ!」
「早く、急いで!」
少女は草原の上に丸まると俺に向かって頭を下げた。
だがブロンドの下ではプルプルと体が震えているのが分かる。
茶巾一枚で全身を包み込み、ダンゴ虫のように丸まり頭を地に擦り付けている姿は凄まじく憐憫を誘う。
しかし。
これでおそらく彼女の命は助かったのだ。
(ジョカ、ちゃんと謝ってくれたからこれでいいでしょ?)
【仕方がありませぬ。誠意を形としてみせたのでしたら妾も納得せざるを得ないでしょう】
俺は胸をなでおろし、ほぅと息をついた。
そのまま草の上で丸まっている少女の肩を撫でながら優しく囁き掛けてやる。
「ごめん、もう大丈夫だよ。だから頭をあげて……。折角可愛いのに土下座なんてしてると台無しだよ?」
自分でやらせておいて自分で慰める。何をしているのか訳が分からなくなりそうだったが、本心からそう思ったのだから仕方がない。
顔をあげた少女の瞳からは大粒の涙がポロポロと零れていた。
「うぅぅぅ。なんなの! あんたがやらせたんでしょ!? 土下座させたり優しくしたり……なんなの! こんな屈辱……土下座なんて……。なんで、なんで……うわぁぁぁぁぁん」
茶巾一枚で体を包み込み膝立ちしながら大粒の涙を零すその姿に、やり過ぎてしまったと俺の心が反省を促す。
俺は慌てて懐に入れておいた小さな布地を渡そうとした。
勿論涙を拭いてもらおうと思っての事。
が。
それはバシッとおざなりに手で弾かれてしまう。
瞬間、嫌な予感がピリリと伝わる。何人も俺に攻撃を加えては駄目なのだということを理解させられた。
【このおなご……今主殿の手に……攻撃を…………? それに……泣いて主殿を困らせている様子か? 消しま――】
「あやまれぇぇぇぇ! そして、泣き止めぇぇぇぇ! はやくっ! すぐにっ!」
俺の精神と胃の腑がきりりと痛む。それでも俺は彼女を守るために謝らせ、泣き止ませないといけない。
そう思い声を大にして叫んでいた。ジョカを絶対に現界に顕著させるわけにはいかないのだ。
だが当然と言うべきか簡単に泣き止むわけもない。いや。もう何が何だか分からないと言った様子である。
無理もない。俺が彼女の立場だったとしても涙を流しているかもしれない。
「ひ、ひぐ……。うぅ……。え……? なに……? ひっく。なんなの……。…………きゃっ」
謝るわけもないし、泣き止む様子も見せない。俺の頭は早くなんとかしないといけないという気持ちで動転しかけていた。
だから彼女の頭の上から覆いかぶさるようにして肩を抱いてやったのだ。
温かくて甘い匂いがふわりと香る。彼女も状況がつかめてない様子だが少し落ち着きをみせかけた。
しかし。
甘かった。
耳に届くジョカの声に静かな怒りをひしひしと感じさせられる。
【主殿に抱かれて寵愛を受けているでありまするか……? 凡愚が……滅び――】
「うわぁっ!」
思わず叫び声をあげ少女から離れる。そして顔を背けながら先ほど弾かれた布地を差し出した。
まさか俺からは女の子と仲良くするという選択肢は消えてしまったのであろうか?
別にこの少女と仲良くなりたいという訳じゃない。
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