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62話
しおりを挟む連れて行かれたのはホテルの小さな会議室みたいな所だった。
中へ入るとすでに他のメンバー達もいた。
「座ってください」
「はい」
と言われメンバーの横に座った。
そして、隣に座った悟さんの顔をチラッと覗くと、どこか落ち着いた表情をしていた
俺が見ていたのに気付いたのかテーブルの下で手をぎゅっと握ってくれた
「大丈夫」
今の俺に、この大丈夫は1番安心出来る言葉だった。
~
「じゃあ、聞いていくね」
「はい」
「とりあえず、聞きたい事は1つだけ」
「2人は付き合ってるって事でいいんだよね?」
俺と悟さんは迷う事なく2人同時に…
「はい。」
と答えた
「そうか。わかった」
少しして会社の人達は社長と話し込んでいた
そして…
マネージャーが言った
「別れろ、なんて言わないよ…蓮」
「え…」
下を向いていた俺は、その言葉で前を向くと優しい顔をしたマネージャーがいた
すると、他の会社の人達も同じように口を揃えて言った
「事実確認が必要だっただけだから」
「じゃあ、今後の事は会社に任せて」
「…はい」
「後、お名前なんでしたっけ? 」
「ご挨拶が遅れました。高島悟です」
「はい。高島さん」
「営業妨害や迷惑行為は、はっきりとした犯罪ですのでこちらで全て対応させて頂きます。」
「はい。」
「何かありましたら、こちらにご連絡ください。」
と言い悟さんは名刺を受け取り、悟さんはスーツに入っていたメモを取り出した
「これ、僕の番号です。受け取ってください」
「はい。何かあれば連絡させていただきます。」
「はい。」
~
「じゃあ、メンバー達と高島さん とりあえず部屋戻りましょうか」
と言う言葉でこの場は解散となった。
緊張していたほど、特に何もなかった感じもあるが、体はガチガチに固まっていて緊張状態だった。
椅子から立ち上がる時に、足がガクガクして自分の足に絡まってしまった。
それに気付いた悟さんはすぐに俺の体を支えた
「大丈夫?」
「うん… 大丈夫。 緊張した」
「そうだね。行こうか」
そして、マネージャー、メンバー達と一緒に、部屋に向かった
~
エレベーターの乗り込んだ瞬間メンバー達が一気に喋り始めた
「ちょー緊張した。」
「恭介も? 俺もマジやばかった」
「朝日くん でも緊張するんだ~。」
「恭介 お前俺のこと馬鹿にしてるだろう」
「俺も緊張した… 」
「蒼も?! 」
「蒼くんも?!」
「 珍しい」と2人揃って話してると、悟さんが口を開いた
「こんな事になって本当にごめんなさい」
「悟さん…」
俺も謝らないといけないと思いすぐに一緒に頭を下げた。
「俺も、本当にごめん。
気をつけなくちゃいけなかったのに。」
と言うとメンバー達は…
「謝るような事してないじゃん。」
と蒼が言ってくれた
「蒼…。」
「そうだよ。蓮くんも悟さんも悪いことしてないのに、謝る必要ないよ。 」
「俺もさっき、蓮くんと悟さんが来る前に話たんだ。彼氏いること、」
「…」
「でも、事務所の人達 俺の事 否定しなかった。まぁ、心の中では分かんないけど…きっと、大丈夫だよ。蓮くん!」
「ありがとうな。恭介…」
「ううん…蓮くんのお陰でなんか俺も勇気貰っちゃったな~」
「恭介。。」
「まぁ、でもファンには謝るべきだな。
迷惑かけたし、時代がいくら良くなってるって言っても皆が皆、お前を受け入れてくれるわけじゃないからな」
「うん。わかってる。ありがとうな…朝日」
「朝日のくせに何偉そうな事言ってんだ」と蒼は朝日の耳を引っ張った
「痛い痛い痛い!!!!引っ張るなよ!」
「俺も俺も~ 」と言い恭介も一緒に耳を引っ張った
「痛いってーーーー!!」
「皆、ありがとう。」
と言い頭を下げると蒼は俺を抱きしめた。
「頑張ろうな、俺ら。」
「頑張ろうね。蓮くん」
「まぁ、なんかあったら言え。友達でもあるんだし」と照れた様に朝日が答えた
「うん。」
「悟さんも何かあればいつでも相談乗るんで頼りないっすけど」と朝日が言うと
「ありがとうございます。朝日くん」
そんな様子を見ていたマネージャーは笑顔で俺たちを見守っていた
そして、「ほら、お前ら着いたぞ~」
と言いエレベーターを出た
「じゃあね~お疲れ様~」
と言いメンバーは各自の部屋に入って行った。
俺は、部屋に入る前に「本当に、すみませんでした。」とマネージャーに言うと…
「俺は、お前を守るのが仕事だ。なんでも相談しろ」
「はい。」
「悟さんも何かあったら、連絡ください。」
と言いマネージャーは名刺を渡した
「ありがとうございます。」
「じゃあ、とりあえず今日、東京戻る予定だったけど、明日になったから。だから、ゆっくり休め」
「はい。」
そして、俺の部屋に戻ってきた。
悟さんと一緒に…。
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