69 / 80
69話
しおりを挟む「大丈夫か」
「…正直どこかで気付いてたんだよね。」
「…うん」
俺が話始めると朝日はいつものように話を聞いてくれた。
「朝さ目が覚めた時、悟さん隣に居なかったんだよね。それで、戻って来た時に何処に行ってたんですか?って聞いたら両手いっぱいに材料買っててさ…」
「うん」
「しかも、その日に作ってくれた料理がさ初めて会った日に作ってくれた料理達だったんだよね」
「うん」
「その時に俺、あっもしかして最後なのかな?って心の中で気づいてた。でもさ?…
さっき実際目の前で悟さんが去って行く姿見てて、俺引き止める事出来なかったんだよね」
「…うん」
「だって、悟さんがきっと覚悟して決めた事…俺…」
俺は、この後涙で朝日の顔もボヤけ始め、言葉もつまり何もいえなかった。
そんな姿を見ていた朝日はただ俺の事を優しく抱きしめてくれた。
すると、寝ていたメンバー達が起きて来て俺をまた優しいく包んでくれた。
~
「失礼します。」
散々泣いた日の夜、俺は社長に呼ばれ事務所に向かった。
「座って。」
「はい。」
「…ごめんな。こんな型で」
「いえ…なんとなく分かっていた気がします」
俺がそう言うと下を向いていた社長が顔を上げた
「行動も変な感じでしたし、悟さんが言ってました。事務所の人達に言ったのは俺だって」
「…あぁ。悟くんは あの日の朝にマネージャーを通して俺に連絡して来た。 そして、会って欲しいと。」
「じゃあ、マネージャーは…」
「マネージャーは知らないよ。ただの仲介役だっただけだから。」
「…コクン。」
「会いに行くと悟くんは頭を下げていた。こんな事になってしまって申し訳ないと。最初は、時代も時代だし認めると蓮が言ってるしメンバーもそれを受け入れているし、覚悟もしているから気にしないで欲しいと言ったんだ。
でも、悟くんは多分自分のせいでと考え、蓮の未来に邪魔になるだけだと…そして、写真を撮られ気を付けてられなかった自分を許せなかったのだろう。少しして、交際の事実を否定して欲しいっと言われた。」
社長の話を聞きながら俺は、反省していた。
だって、悟さんの事を少なからずは知ってるつもりだった。
でも、知らない事の方が断然多かった。
1人で悩んでいた悟さんを今すぐにでも、抱きしめてあげたかった。でも…それは出来なくて。
また…涙が溢れてきた。
「蓮… これからだ。LOVE PEACEは」
「…はい。」
「大丈夫だ。きっと、また。
会える…」
「…はい。」
~
泣き止んだぐらいに社長に言われた。
「写真撮ったやつはこっちで既に手を打ってるから心配するな」
「え? 誰だか分かったんですか」
「あぁ。警護の人間だった。潜入してたらしい。」
「そうだったんですね。」
「お前、悟くんに会いに行く時にエレベーター連れて行ったアイツだよ」
「エレベーター?… あっ、、、」
「とりあえず、こう言う事は事務所がなんとかするし気にするな。」
「はい。ありがとうございます。」
「全国ツアー も残り少しだ。最後まで頑張れ。今はとにかく休め」
「はい。ありがとうございました。失礼します」
俺は、事務所を後にした。
0
あなたにおすすめの小説
真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~
水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。
アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。
氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。
「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」
辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。
これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!
【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。
きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。
自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。
食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
白花の檻(はっかのおり)
AzureHaru
BL
その世界には、生まれながらに祝福を受けた者がいる。その祝福は人ならざるほどの美貌を与えられる。
その祝福によって、交わるはずのなかった2人の運命が交わり狂っていく。
この出会いは祝福か、或いは呪いか。
受け――リュシアン。
祝福を授かりながらも、決して傲慢ではなく、いつも穏やかに笑っている青年。
柔らかな白銀の髪、淡い光を湛えた瞳。人々が息を呑むほどの美しさを持つ。
攻め――アーヴィス。
リュシアンと同じく祝福を授かる。リュシアン以上に人の域を逸脱した容姿。
黒曜石のような瞳、彫刻のように整った顔立ち。
王国に名を轟かせる貴族であり、数々の功績を誇る英雄。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる