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第10話 気付き
しおりを挟む家族になったとはいえ、実際の生活はすぐには実感が湧かなかった。父に対しては、初めはぎこちないながらも、父を知らない私はその寛大な優しさ、包容力、力強さを感じて次第に信頼していき、「お父さん」と呼べるまでになった。
母と父は職場で知り合ったようだった。私を1歳から保育園に入れ、フルタイムの事務職をずっとやってきていた。今は短時間のパートで働いている。
毎日、家庭と仕事の両立で忙しなく動いていた母しか知らない私は、母が幸せそうで嬉しかった。
兄となった麻樹緒と遼太郎は、今までの延長で友達のような存在でいた。
幼い頃から冷静でポーカーフェイスな麻樹緒。昔から成績優秀な優等生だった。学級委員は何度も経験していて、慕われていた。凛とした風格はその頃からあった。
遼太郎は今と変わらず、明るく無邪気で人懐こい性格だった。いつも友達に囲まれていた。スポーツ万能で運動会のリレーの選手は常連だった。
レストランで初めて出会った時も、遼太郎の人柄のおかげで私は須藤家に溶け込めていった気がする。
そんな2人と過ごしてきて9年が経つ。幼い頃から一緒にいて、当たり前のように2人を見ていた私は今まで、わかっていなかった。
生徒会長として壇上に立ち、堂々とした佇まいをかっこいいと思った。
バスケで汗を流しながらチームを統率していく姿をかっこいいと思った。
そんな2人が魅力的な男の人なのだと、今頃気付き始めた。
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