アニ’ズ

塔野 瑞香

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第11話 アニ’ズと登校

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「今朝は3人で登校しますかな!」

遼太郎りょうたろうが起きてきて早々、そんなことを言い出したため、私は2人に挟まれそんな状況になっている。

私は一瞬、身震いした。いわゆる、かっこいい兄達に挟まれて登校。
鼓動の音が聞こえるような。緊張で体に力が入る。最近になって2人の魅力に気付いた自分。自覚症状のなかった私に戻りたい。。


凛那りんなこれから吹奏楽部の朝練で忙しくなるだろ?俺は今日、部活ないし、麻樹緒まきおも生徒総会終わって少し落ち着いたからさ、久しぶりに3人でと思って」

そうだ、私は吹奏楽の区のコンクールに参加するため朝と放課後に練習が増える。


「3人そろっては久しぶりだな。中学生以来か」
麻樹緒が言った。

「そうだね、高校生になってからは初めてだね。生徒会や部活で忙しくなってきたしね。遼太郎は都の予選の練習、麻樹緒は受験も加わってもっと忙しくなるかもしれないね」

「特進コースの麻樹緒なら大丈夫だろ」

「高を括りすぎだ。俺が受けるのは里舘大さとだてだいだぞ」

里舘大…国立大学の名門だ。

「里舘かぁ、麻樹緒なら大丈夫でしょ」

「おまえは楽観的だなぁ」

苦笑いしている。
兄弟仲は良好な方。2人の掛け合いを見ていて楽しい。私は2人が好きだし、兄妹として一緒にいられて嬉しい。でもそれがずっとは続くものなのか…漠然と思う時がある。それぞれが自立し、家を出ていき、家族をもつようになるかもしれない。それは過程として自然なこと。でも私は3人で一緒にいるこの空間がとても好きだ。だからできる限り続いてほしいと願ってしまう。


一台の自転車が私たちの横を通り過ぎた。男子生徒が振り返って目が合った。馬場だ。

「おはようっ」

「おっす」

それだけ言って学校へ向かって去って行った。

「今の彼は同じ部活だね」

麻樹緒、覚えてるんだ。

「えっ?凛那の彼氏?」

遼太郎が驚いた表情をした。

「違うよ!友達だよ」

「ふーん、そうなん?」
そっけない返しだ。

学校へ近くなるとたくさんの生徒が自転車や徒歩で行き交う。校内へ入り、玄関口へ向かっていた。すると、

「須藤くん!おはよう」
麻樹緒の隣に女子が近寄った。

「あ、五十嵐。おはよう」
麻樹緒が答えた。うん・・・?この人、生徒会の書記の人だ。

「おはようございます」
笑顔で私と遼太郎に挨拶をした。きちんとした人だ。私達も挨拶を返した。

「あのね、今日の放課後、用事ができて残れなくなっちゃったの。だから昨日のうちにアンケート集計終わらせておいたから」

「おっ、ありがとう。さすがだな」

「じゃあ、またね」

手を振り去って行った。

「彼女~?」
遼太郎が茶化したように言った。
生徒総会の時、噂を立てられていた。私も何気に気になっていたからナイス遼太郎!

「は?生徒会の仲間だ」

そうはっきり言った麻樹緒に安心を覚えたのは、なぜだろう。。


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