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2章:神の種と迷宮都市
26:発芽
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黒竜襲来を含む大規模クエストが終わり、俺は伯爵の権限により、冒険者ランクがCまで上げられた。これが限界だそうだ。それと共に、ゴブリンキング単独討伐に加え、黒竜撃退・・の報酬をもらった。
一応、表向きには黒竜は撃退された扱いになっている。そうした方が都合がいいそうだ。
それから1週間、俺たちはオルディナの町で、買い物や、ギルドのクエストを受けたり、ティナの剣術の指導などをしていた。ムラクモにはおいしいものを食べさせる約束もしていたしな。
ティナとムラクモはあれ以降、一層俺との距離が近づいた。物理的に。具体的に言うと、街で買い物をするときにティナは俺の真横に来るようになった。ムラクモにいたってはティナの反対側で俺の手をつないでくる。そんな状況に、エルは無言で、ヨリヒメは「フン、ボクは別に……」とか言っているが、明らかに声のトーンが低い。この前なんかは「僕に実体があれば」とか言ってたな、聞いてないふりをしたが。そして、あの二人が俺とくっつくように歩くせいか、周りの男から嫉妬の目線が飛んでくる。二人とも文句なしの美少女だ。俺もあっち側だったら、嫉妬の目線を送るだろう。その気持ちはわかるんだが、物凄く鬱陶しい。男どもは俺の実力を知っているせいか、手を出しては来ない。
ティナの服は、巫女服を改造して、動きやすいものになっていた。あの戦いの後、ティナは自ら俺に、剣術を教えてほしいといった。今回の戦いで、実力不足を感じたらしい。ムラクモも協力的だ。ムラクモは人化している状態で、自分を刀として顕現させることができるみたいだ。少し制限はかかるらしいけど。それで、ティナの相手を務めてくれたりする。結構充実な日々を送っている。
そして俺はこの1週間、夢をよく見るようになった。
◇◆◇
俺がいま立っている場所は、暗い空間だ。なぜか体は動かせず、そんな俺の元に、一人の女性がやってくる。俺と同じ黒髪で、紫色の目をしていた。
そしてその女性は俺の頬に触れる。俺は体が動かせないため抵抗することもできない。そして女性は俺にこんなことを言うのだ。
「やっぱりあなたの目は綺麗ね」
と、ただそれだけの夢だ。いつもだとここで、意識が覚醒する。はずなのだが今日は違った。
女性は俺の頬から手をどけて、自分の頬へと手を添える。表情が少しうっとりしているように見える。
女性は俺の耳元に顔を持ってきて、こう囁いた。
「私の名前はツクヨミ」
その名前は勿論聞いたことがある。日本神話に登場する神様だ。
また神かよ、俺はそう思わずにはいられなかった。そして女性は話を続ける。
「あなたの目は前から綺麗だと思っていたのよ? そう生まれたときからね。そしてその時、私は君の目に種を植え付けた。私は気に入ったものには力を与えることにしてるの、そして成長した君は、その目に闘志を宿した。今のあなたなら、私が植え付けた種が発芽しても、うまく使いこなせるでしょ」
そういうと、顔を離し、自らの指を俺の左目の中に突っ込んだ。それと同時に目に激痛が走る。
その指は、すぐに引き抜かれるが、痛みは消えない。俺は地面に膝をついた。硬直が解け、動けるようになったのだ。
ツクヨミは「あらあら」と言っている。その顔はニヤ付いていた。ほんとこっちに来てからというもの、ニヤニヤしている奴が多い。
「まぁ、今発芽の機会を与えたから、後はあなた次第よ、きっと使いこなせれば、あなたの力になってくれるわ。わざわざこれをするために、こっちの世界に干渉した私に感謝してほしいわ」
なんて言っている、まだ目の痛みは消えない。種を植え付けたとか、発芽させたとか、よくわからない、痛みが強すぎて、うまく思考がまとまらない。
「それじゃあ、頑張ってね」
俺は左目を無理やり開くと同時に視界が歪み、意識を失った。
◇◆◇
目を覚ますと、そこはいつもの宿だった。横ではまだティナが寝ている。左目にはまだ痛みが残っている。
俺はベットに腰掛け、ティナに毛布をかけなおす。だんだん左目の痛みが引いて行く。完全に痛みが消えた後目を開く、特に問題はないようだ。俺はとりあえず、ステータスを開いた、それはツクヨミが力を与えたといったからだ。案の定スキルが増えてた。
『ユウ・ツキカゲ 男
年齢 :16
種族 :人種
職 :妖魔師
属性 :UNKNOWN
スキル:剣術 刀術 妖術 体術 魔法剣 火魔法 光魔法 闇魔法 影移動 鑑定 先読み 言語 読解 空間把握 無詠唱 意思疎通 テイム 竜紋
ユニーク:解離魂 黙示録 ??????
耐性 :斬耐性 幻術無効
武器 :妖刀 天叢雲剣
従魔 :ノワール
防具 :黒霧のコート
黒鬼のマフラー』
ステータスのユニークの欄に??????が増えていた。ちなみに体術はヨリヒメからコピーさせてもらった・
(エル。聞こえるか?)
《はい》
(このはてなのスキル解析できるか?)
《すみません、弾かれました》
エルでも無理なのか、まぁ、いずれわかるだろう。
《すいません私の実力不足で》
(いや大丈夫だ、どうせ神が関与してるからな)
混合神とかツクヨミとかどっかでニヤニヤしてんだろーな。そう考えただけでイライラしてきた。
そういえば今日は伯爵に呼ばれてたんだっけか、とりあえず行く準備をするか。
俺はティナを起こして、伯爵の館に行く準備を始めた。
一応、表向きには黒竜は撃退された扱いになっている。そうした方が都合がいいそうだ。
それから1週間、俺たちはオルディナの町で、買い物や、ギルドのクエストを受けたり、ティナの剣術の指導などをしていた。ムラクモにはおいしいものを食べさせる約束もしていたしな。
ティナとムラクモはあれ以降、一層俺との距離が近づいた。物理的に。具体的に言うと、街で買い物をするときにティナは俺の真横に来るようになった。ムラクモにいたってはティナの反対側で俺の手をつないでくる。そんな状況に、エルは無言で、ヨリヒメは「フン、ボクは別に……」とか言っているが、明らかに声のトーンが低い。この前なんかは「僕に実体があれば」とか言ってたな、聞いてないふりをしたが。そして、あの二人が俺とくっつくように歩くせいか、周りの男から嫉妬の目線が飛んでくる。二人とも文句なしの美少女だ。俺もあっち側だったら、嫉妬の目線を送るだろう。その気持ちはわかるんだが、物凄く鬱陶しい。男どもは俺の実力を知っているせいか、手を出しては来ない。
ティナの服は、巫女服を改造して、動きやすいものになっていた。あの戦いの後、ティナは自ら俺に、剣術を教えてほしいといった。今回の戦いで、実力不足を感じたらしい。ムラクモも協力的だ。ムラクモは人化している状態で、自分を刀として顕現させることができるみたいだ。少し制限はかかるらしいけど。それで、ティナの相手を務めてくれたりする。結構充実な日々を送っている。
そして俺はこの1週間、夢をよく見るようになった。
◇◆◇
俺がいま立っている場所は、暗い空間だ。なぜか体は動かせず、そんな俺の元に、一人の女性がやってくる。俺と同じ黒髪で、紫色の目をしていた。
そしてその女性は俺の頬に触れる。俺は体が動かせないため抵抗することもできない。そして女性は俺にこんなことを言うのだ。
「やっぱりあなたの目は綺麗ね」
と、ただそれだけの夢だ。いつもだとここで、意識が覚醒する。はずなのだが今日は違った。
女性は俺の頬から手をどけて、自分の頬へと手を添える。表情が少しうっとりしているように見える。
女性は俺の耳元に顔を持ってきて、こう囁いた。
「私の名前はツクヨミ」
その名前は勿論聞いたことがある。日本神話に登場する神様だ。
また神かよ、俺はそう思わずにはいられなかった。そして女性は話を続ける。
「あなたの目は前から綺麗だと思っていたのよ? そう生まれたときからね。そしてその時、私は君の目に種を植え付けた。私は気に入ったものには力を与えることにしてるの、そして成長した君は、その目に闘志を宿した。今のあなたなら、私が植え付けた種が発芽しても、うまく使いこなせるでしょ」
そういうと、顔を離し、自らの指を俺の左目の中に突っ込んだ。それと同時に目に激痛が走る。
その指は、すぐに引き抜かれるが、痛みは消えない。俺は地面に膝をついた。硬直が解け、動けるようになったのだ。
ツクヨミは「あらあら」と言っている。その顔はニヤ付いていた。ほんとこっちに来てからというもの、ニヤニヤしている奴が多い。
「まぁ、今発芽の機会を与えたから、後はあなた次第よ、きっと使いこなせれば、あなたの力になってくれるわ。わざわざこれをするために、こっちの世界に干渉した私に感謝してほしいわ」
なんて言っている、まだ目の痛みは消えない。種を植え付けたとか、発芽させたとか、よくわからない、痛みが強すぎて、うまく思考がまとまらない。
「それじゃあ、頑張ってね」
俺は左目を無理やり開くと同時に視界が歪み、意識を失った。
◇◆◇
目を覚ますと、そこはいつもの宿だった。横ではまだティナが寝ている。左目にはまだ痛みが残っている。
俺はベットに腰掛け、ティナに毛布をかけなおす。だんだん左目の痛みが引いて行く。完全に痛みが消えた後目を開く、特に問題はないようだ。俺はとりあえず、ステータスを開いた、それはツクヨミが力を与えたといったからだ。案の定スキルが増えてた。
『ユウ・ツキカゲ 男
年齢 :16
種族 :人種
職 :妖魔師
属性 :UNKNOWN
スキル:剣術 刀術 妖術 体術 魔法剣 火魔法 光魔法 闇魔法 影移動 鑑定 先読み 言語 読解 空間把握 無詠唱 意思疎通 テイム 竜紋
ユニーク:解離魂 黙示録 ??????
耐性 :斬耐性 幻術無効
武器 :妖刀 天叢雲剣
従魔 :ノワール
防具 :黒霧のコート
黒鬼のマフラー』
ステータスのユニークの欄に??????が増えていた。ちなみに体術はヨリヒメからコピーさせてもらった・
(エル。聞こえるか?)
《はい》
(このはてなのスキル解析できるか?)
《すみません、弾かれました》
エルでも無理なのか、まぁ、いずれわかるだろう。
《すいません私の実力不足で》
(いや大丈夫だ、どうせ神が関与してるからな)
混合神とかツクヨミとかどっかでニヤニヤしてんだろーな。そう考えただけでイライラしてきた。
そういえば今日は伯爵に呼ばれてたんだっけか、とりあえず行く準備をするか。
俺はティナを起こして、伯爵の館に行く準備を始めた。
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