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2章:神の種と迷宮都市
38:漆夜視ノ神眼
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俺はご飯を食べた後ムラクモを持ち、ティナたちに用事があると言ってから宿を出た。
俺が向かった先は、町の外だ。
前に通過したときに俺の顔を覚えていた兵士が、すんなり通してくれた。
町の外へ向かった理由はスキルの確認だ。生贄ノ棺の魔力の譲渡とかは試せないから、魔物を倒して奪える魔力とかは増えるのかの確かめとかな。
棺のスキルはもうすでに試してある。ムラクモはすでに生きている判定で仕舞うことはできなかったが、机やベットなどは回収できた。水は単体で回収すると事は出来なかったが、コップに巣くってコップごとは回収できた。植物も生えている状態では回収できないが切り取ったりし、命を絶てば回収はできるみたいだ。これで、今まで持って歩いていた荷物、まぁほとんどティナのものだが、それらを運ぶのが楽になる。迷宮に潜ってからの魔物の死体とかもだ。
そして一番気になるのは漆夜視ノ神眼だ。スキルの説明を見る限り、統合された先読み・鑑定・空間把握が強化されているのはわかる。で、おかしいのが月詠の瞳の転移だ。どこから来た。
と、近くの森に向かいながら考えていると、エルが補足してくれる。
《それは、生贄ノ棺が影響していると考えられます。生贄ノ棺は空間魔法と統合していますので》
そういえば、空間魔法を覚えた瞬間に統合されてたよな。コピーも失敗してたし。
その時丁度、森の入り口が見えた。
「どうせなら転移使ってみるか、エル、月詠ノ瞳ツクヨミの転移の仕方を教えてくれ」
《了解です。月詠ノ瞳ツクヨミの転移は左目の視界内にある場所に転移するというものであり、距離によって魔力の消費も変わります。短い距離を連続して移動できるのは今はまだ5回程度だと思います》
さすがに無制限に出来たらチートだもんな。まぁとりあえず、左目の視界に入っている森の入り口まで行くとしよう。
『月詠ノ瞳』
俺がスキルを発動すると、左目が少し熱くなるのを感じた。そして一瞬にして視界が変わる。
さっきまで、まだ遠くに見えていた森がもう目の前にあるのだ。そして俺は左目の妙な違和感に気づいた。
「エル、左目の改変で何が行われた?」
《それは、瞳に魔法陣を刻み対応した瞳の能力を発動させるというものです。普段はいつも通りの赤い眼に黒い瞳ですが、漆夜視ノ神眼を発動させるとそれに対応する魔法陣が瞳に浮かび上がるようになりました》
俺が左手を左目の前に持っていくと、手の平に紫色の光が照らされ、そして光は消えた。
エルが言うには月詠ノ瞳ツクヨミが紫色、視影ノ瞳ミカゲが灰色、天星ノ瞳ラノスが青らしい。
次に試すのは天星ノ瞳ラノスだ。空間把握のスキルには助けてもらった場面がいくつもある。これからも役立つ有能なスキルだったから少し期待をしている。
『天星ノ瞳』
俺がスキルを発動させると、さっきとは違い瞳の違和感しか感じなかった。熱くなったりはしない。が、左目の視点が変わる。そう、俺自身の姿が見えているのだ。まるで自分を空から見下ろしている、そんな視点だ。右目は普通に前を見ているため、混乱しないよう右目をつむる。空間把握は、ある程度の場所の把握とそこにある物の形がわかる程度だった。
しばらく試していると、いろいろなことが分かった。まず、この第三者視点は俺の意志によって自由に動かせること。ある程度範囲は決まっているが、その範囲以内ならどこでも見れる。勿論一度に見れるのは、その目の視界内だ。
そしてもう一つ、もう少し左目に魔力を込めることで、サーモグラフィー、と大まかな敵対者の表示ができるようになっていた。勿論、左目と同期しているため、視点を上空に飛ばさないことも可能であり、そのままサーモグラフィーや敵対表示可能だ。今は周りに味方がいないため、試すことはできないが多分表示できるだろう。
サーモグラフィーはそのままだが、敵対表示は、俺に敵対している物の体の周りに赤いオーラが見えるといった感じだ。
これを確かめるだけでも数匹の魔物が棺の中に仕舞われていった。
そしてこれだけの能力なのに、目が熱くなったりしないということは、それだけ、月詠ノ瞳の負担が大きいということだ。
そして最後は視影ノ瞳ミカゲだ。これは鑑定のスキルを媒介にして作られたスキルだ。
俺は天星ノ瞳ラノスを使用し、適当に魔物を見つけそっと近寄る。
視界内に入ったのを確認してからスキルを発動させる。
『視影ノ瞳』
左目にはやはり、月詠ノ瞳ツクヨミの時のような暑さは感じない。そして左目の視界には、その魔物の名称・属性・状態・スキル・武器・防具が見えていた。ステータス化するとこんな感じだ。
『名称:オーク
属性:なし
状態:健康
スキル:棒術
武器:木の棒
防具:布切れ』
みたいな感じだ。昨日見た、俺のスキルやフロンたちのスキルを見てからこっちを見るとすごく弱く見える。けど実際に、冒険者はこれらに負ける。理由は数の差とか、不意を突かれて、とかが多いのだろう。オークは基本集団で行動する魔物らしいし、実際に確認したら周りに数匹いた。
どうやら、左目に込める魔力や相手の強さによって、視える度合いが変わるらしい。試しに込める魔力を落としてみると、名称と武器、しか見えなかった。
とりあえず、スキルの確認は終わった。もちろんあの後オーク共も棺行きだ。魔物のスキルも取れる奴なら取っていく。そっと棒術を貰っておいた。
今は、夕方ぐらいだ。俺はおっさんこと、アルレルトに呼ばれていたことを思い出し、急いで町へと戻った。
俺が向かった先は、町の外だ。
前に通過したときに俺の顔を覚えていた兵士が、すんなり通してくれた。
町の外へ向かった理由はスキルの確認だ。生贄ノ棺の魔力の譲渡とかは試せないから、魔物を倒して奪える魔力とかは増えるのかの確かめとかな。
棺のスキルはもうすでに試してある。ムラクモはすでに生きている判定で仕舞うことはできなかったが、机やベットなどは回収できた。水は単体で回収すると事は出来なかったが、コップに巣くってコップごとは回収できた。植物も生えている状態では回収できないが切り取ったりし、命を絶てば回収はできるみたいだ。これで、今まで持って歩いていた荷物、まぁほとんどティナのものだが、それらを運ぶのが楽になる。迷宮に潜ってからの魔物の死体とかもだ。
そして一番気になるのは漆夜視ノ神眼だ。スキルの説明を見る限り、統合された先読み・鑑定・空間把握が強化されているのはわかる。で、おかしいのが月詠の瞳の転移だ。どこから来た。
と、近くの森に向かいながら考えていると、エルが補足してくれる。
《それは、生贄ノ棺が影響していると考えられます。生贄ノ棺は空間魔法と統合していますので》
そういえば、空間魔法を覚えた瞬間に統合されてたよな。コピーも失敗してたし。
その時丁度、森の入り口が見えた。
「どうせなら転移使ってみるか、エル、月詠ノ瞳ツクヨミの転移の仕方を教えてくれ」
《了解です。月詠ノ瞳ツクヨミの転移は左目の視界内にある場所に転移するというものであり、距離によって魔力の消費も変わります。短い距離を連続して移動できるのは今はまだ5回程度だと思います》
さすがに無制限に出来たらチートだもんな。まぁとりあえず、左目の視界に入っている森の入り口まで行くとしよう。
『月詠ノ瞳』
俺がスキルを発動すると、左目が少し熱くなるのを感じた。そして一瞬にして視界が変わる。
さっきまで、まだ遠くに見えていた森がもう目の前にあるのだ。そして俺は左目の妙な違和感に気づいた。
「エル、左目の改変で何が行われた?」
《それは、瞳に魔法陣を刻み対応した瞳の能力を発動させるというものです。普段はいつも通りの赤い眼に黒い瞳ですが、漆夜視ノ神眼を発動させるとそれに対応する魔法陣が瞳に浮かび上がるようになりました》
俺が左手を左目の前に持っていくと、手の平に紫色の光が照らされ、そして光は消えた。
エルが言うには月詠ノ瞳ツクヨミが紫色、視影ノ瞳ミカゲが灰色、天星ノ瞳ラノスが青らしい。
次に試すのは天星ノ瞳ラノスだ。空間把握のスキルには助けてもらった場面がいくつもある。これからも役立つ有能なスキルだったから少し期待をしている。
『天星ノ瞳』
俺がスキルを発動させると、さっきとは違い瞳の違和感しか感じなかった。熱くなったりはしない。が、左目の視点が変わる。そう、俺自身の姿が見えているのだ。まるで自分を空から見下ろしている、そんな視点だ。右目は普通に前を見ているため、混乱しないよう右目をつむる。空間把握は、ある程度の場所の把握とそこにある物の形がわかる程度だった。
しばらく試していると、いろいろなことが分かった。まず、この第三者視点は俺の意志によって自由に動かせること。ある程度範囲は決まっているが、その範囲以内ならどこでも見れる。勿論一度に見れるのは、その目の視界内だ。
そしてもう一つ、もう少し左目に魔力を込めることで、サーモグラフィー、と大まかな敵対者の表示ができるようになっていた。勿論、左目と同期しているため、視点を上空に飛ばさないことも可能であり、そのままサーモグラフィーや敵対表示可能だ。今は周りに味方がいないため、試すことはできないが多分表示できるだろう。
サーモグラフィーはそのままだが、敵対表示は、俺に敵対している物の体の周りに赤いオーラが見えるといった感じだ。
これを確かめるだけでも数匹の魔物が棺の中に仕舞われていった。
そしてこれだけの能力なのに、目が熱くなったりしないということは、それだけ、月詠ノ瞳の負担が大きいということだ。
そして最後は視影ノ瞳ミカゲだ。これは鑑定のスキルを媒介にして作られたスキルだ。
俺は天星ノ瞳ラノスを使用し、適当に魔物を見つけそっと近寄る。
視界内に入ったのを確認してからスキルを発動させる。
『視影ノ瞳』
左目にはやはり、月詠ノ瞳ツクヨミの時のような暑さは感じない。そして左目の視界には、その魔物の名称・属性・状態・スキル・武器・防具が見えていた。ステータス化するとこんな感じだ。
『名称:オーク
属性:なし
状態:健康
スキル:棒術
武器:木の棒
防具:布切れ』
みたいな感じだ。昨日見た、俺のスキルやフロンたちのスキルを見てからこっちを見るとすごく弱く見える。けど実際に、冒険者はこれらに負ける。理由は数の差とか、不意を突かれて、とかが多いのだろう。オークは基本集団で行動する魔物らしいし、実際に確認したら周りに数匹いた。
どうやら、左目に込める魔力や相手の強さによって、視える度合いが変わるらしい。試しに込める魔力を落としてみると、名称と武器、しか見えなかった。
とりあえず、スキルの確認は終わった。もちろんあの後オーク共も棺行きだ。魔物のスキルも取れる奴なら取っていく。そっと棒術を貰っておいた。
今は、夕方ぐらいだ。俺はおっさんこと、アルレルトに呼ばれていたことを思い出し、急いで町へと戻った。
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