妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~

創伽夢勾

文字の大きさ
44 / 133
2章:神の種と迷宮都市

40:肆瞳開眼

しおりを挟む
 俺は宿につき、ティナに心配されていた。

「体調悪いのにこんな時間まで何やってたんですか!」

 一瞬お母さんかな? と思ってしまった。心配していたのはティナだけで、ほかの3人はそこまででもなかった。ノワールは帰ってきてすぐに俺の頭に乗って、今はもう寝てしまった。
 二人は俺がいない間、宿の手伝いや、市場で買い物をしていたそうだ。

 とりあえず、俺は先に部屋へと戻ってきた。もちろんご飯は済ませてきた。先に帰ってきて何がしたいのか、それはステータスの確認だ。

『顕現』

 いつも通りにステータス画面を開く。

 『ユウ・ツキカゲ 男
 年齢 :16
 種族 :人種
 職  :妖魔師
 属性 :UNKNOWN
 スキル:剣術 刀術 短剣術 体術 棒術 魔法剣 妖術 火魔法 風魔法 光魔法 闇魔法 言語 読解 無詠唱 意思疎通 テイム 竜紋 影移動 隠蔽 夜目 覇気
 ユニーク:黙示録 漆夜視ノ神眼 生贄ノ棺
 耐性 :斬耐性 幻術無効
 状態 :妖呪
 武器 :妖刀 天叢雲剣
 防具 :黒霧のコート
     黒鬼のマフラー
 従魔 :ノワール』

 何か知らないうちに状態という項目が増えていた。
 妖呪?なんだそれは。

《解析結果が出ています》

 店を出るときエルに解析を頼んでおいたからな。

(頼む)
《それでは、妖呪は……》

 エルの話をまとめるとこうだ。俺がムラクモの力をよく扱えるようになった結果。俺は妖刀の類の武器しか持てなくなったのだ。つまり呪いにかかってたりする武器が見つからない限り、俺はムラクモ1本で頑張っていくしかないのだ。まぁ、ムラクモがいれば十分な気がするけど。

 そして丁度いいタイミングで、フロンとティナが部屋へと戻ってきた。

 「聞いてくれ、今から二人に話すことがあるんだ」

 もちろん話すこととは、この瞳の事である。
 俺は実際に使って見せた。ちなみに月詠ノ瞳の未来視はエルに止められ使えなかった。
 明日、ダンジョンで試す予定だ。
 そしてこの目を見て、その内容を聞いて、ティナたちは驚きはしたものの、すぐに元に戻った。
 天星ノ瞳にいたっては、使えば、覗きし放題である。そうやって、聞いてみると、

 ティナとフロンは、即答した。

「ユウ様に見られていけないものはありません」
「私もご主人様なら見られても平気です。なんてったって奴隷ですから」

 と、そして口をそろえていった。

『ですが、ご飯を食べた後はご遠慮ください』と、

 その時、エルの声が聞こえた。

《肆瞳。開眼を確認。解析を始めます》

 いきなり、4つ目が開眼したのだ。

(エル。原因は?)
《ますたーの真偽を確かめたい思いと、私が解析していた、心理のスキルが関係しているかと》

 なるほど、今のは条件がいろいろ重なった感じか。

《肆瞳:神判ノ瞳テミス解析完了。詳細を説明します》

 肆瞳:神判ノ瞳:心理のスキルの上位を備えたスキル。
 ・神判:相手が嘘をついているかを判断することができる。嘘をつくと、その人の周りに黒い靄が出てくる。
 ・裁き:自分が聞いた質問に嘘をついた場合のみ、拘束することができる。

 俺はさっそく使ってみることにした。

「ちょっと試したいことができた。『神判ノ瞳テミス』」

 俺がスキルを発動させると、左目に黄色い魔法陣が浮かび上がる。そして、ティナとフロンに神判質問をした。

「今お前たちが言ったことは、本心か」

 俺の問いに意味が分からないといった風に首をかしげる二人だが、二人はそろって頷いた。
 そして、何の反応も示さずに、光は消えてしまう。
 じゃあ、実験だ。

「このスキルについて説明したいんだが、試した方が早いな、フロン今から俺が言う質問に、はい。で答えろ」
「わ、わかりました」

 俺の唐突な振りに、驚きながらも答える。
 そして俺はまた神判質問をする。

「フロンは俺の血をまずいと思っている」

 俺がそう質問すると、すっごく嫌そうな顔をした。そんなはずないと言いたげな表情で、

「は、はい」

 そう答えたフロンの周りには黒い靄が浮かんでいた。もちろん左目の視界にだけだ。つまりこれはフロンが俺の血をおいしいと思っているってことだ。
 そして俺は裁きを発動する。すると左目に映る黒い靄が、フロンの手足を拘束、口を塞いだ。

「んー!?んー!」

 身動きが取れなくなったフロンは慌てている。そして俺は左目を閉じてみる。すると右目に映るのは、何もないはずなのに、手足が動かせないフロンがいた。
 つまりこの拘束している靄は、拘束している間も他人からは見えないということだ。ティナは、今起きている状態がわからず困惑している。

「つまりだ、神判ノ瞳を発動した状態で俺が質問したことに嘘を付くと、俺が任意で拘束できるっていうことだ」
(それはいいので、早く拘束を解いてください。お願いします!)

 俺が律儀に、ティナに説明していると、フロンから意思疎通が飛んできた。俺は急いで、神判ノ瞳を解除した。

 そして、ティナたちが本当に俺を信頼していることが分かった。元々そういうことをするつもりはないが、ここまで信頼されていると、とてもうれしく感じる。
 だから、ティナたちの想いには答えたい。

「今日はもう寝るぞ、明日はいよいよダンジョンに潜るぞ」

 説明を終えた俺はベットに潜り、寝たふり・・・・をした。

(ヨリヒメ、今日やるぞ)
“わかった”

 俺はヨリヒメに声をかけ、ティナたちが寝るのを待った。



 俺はみんなが寝静まった後、こっそり宿を出た。
 門を出ると怪しまれるから、少し高い位置へ上り、月詠ノ瞳ツクヨミを使って外の森へと向かった。



 私はユウ様が。宿をこっそり出ているのを知っている。
 そしてあの後。森の方角から、大きな爆発音が聞こえた。それは、小さいが町に聞こえるぐらいの音だった。そして誰がその爆発を起こしたのかも、私はわかっている。

「あんまり無理はしないでくださいよ」

 そして、私または眠りについた。
しおりを挟む
感想 118

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

処理中です...