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2章:神の種と迷宮都市
48:本気と居場所
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俺が目を開けると、そこは見覚えのある天井だった。
宿屋の天井だ。
そして、俺の上に少し重みを感じて、手を動かした時、右手に何やら柔らかい感触が、横を見るとそこにはティナの顔があった。
俺は右手を動かそうとするが、動かない。柔らかい何かに挟まれている感覚だ。
「……ぁっ……う」
ティナの喘ぎ声が、右に耳から聞こえてくる。
やばい、そう思って左手を持ち上げようとしたとき、
「あっ、んっ……」
そんな声が聞こえて、左を向くとそこにはフロンがいた。
そして少し、視線を下に向けると、裸のフロンに腕ごと抱かれていた。
俺はすぐに反対側を見る。そして右手の在りかを探すとそこは、下の下着しか着ていないティナの太ももに挟まれていた。
すると、布団が少しめくれ上がり、俺の上からノワールがひょこっと顔を出した。もちろん全裸で、だが重みはもう一人分ある。まぁ、ムラクモだろうな。
(なんだ、この状況)
《ますたーはモテモテですね》
(いやいや)
俺はすぐに否定を入れる。
“……ボクも混ざりたい(ボソ”
(え? なんだって)
“なんでもないよ!”
ヨリヒメはいきなり出てきて、不機嫌になって帰っていく。
「あっ、ご主人! ご主人が起きてるなの!」
ノワールの声に、ティナとフロン、ムラクモが目を覚ます。
「あっ、ユウだ!」
ムラクモはさらに強く俺を抱きしめる。
そして、俺のお腹にムラクモのふくよかとは言わないがそれなりにある胸が俺のお腹に押し当てられる。
ん……? お腹に直接? そして俺は認識した、俺が下着しか来ていないことに。
「え? ユウ様?」
次に反応したのはティナだった。
「あ、あぁおはよう」
俺がそう返すと、ティナは真っ赤になりながら、着ていた毛布・・・・・・を引っ張り、体を隠す。
すると当然、裸のフロンとムラクモ、ノワールの裸が目に入るわけで、
俺はにしっかりと全員の裸を見てしまっていた。あの無表情だったムラクモですら、少し顔を赤らめていた。
フロンは、布団を剥がされた衝撃で、意識が覚醒し、状況を理解した。
「……ん!? で、でもご主人様ならいいよ?」
そして、驚き慌てたフロンはそこで踏みとどまり、俺を誘惑してくる。
それを見たムラクモは、俺の顔の横まで口を持ってきてこう囁いた。
「私も……ユウならいいよ? こんな刀の私でよければだけど」
「私もご主人ならいいのー」
明らかに理解が追い付いていないノワールをほっといたとしても、この二人からは少し本気を感じた。
俺はとっさに神判ノ瞳テミスを使っていた。その目で、フロンとムラクモを見るが、周りに黒い靄などなかった。
「理解できた? 私たち本気だよ?」
そして俺に追い打ちをかけるように、ムラクモが声をかけてくる。
ティナはというと、顔を真っ赤にして固まっていた。
こういう時にいつも、助けに入ってきてくれるティナは当てにならなかった。
「私は2番でも3番でもいい、ご主人様が私と一緒にいてくれるなら、でも出来れば……その……」
フロンは話の途中で顔を真っ赤にして止まってしまった。
「まぁ、今のタイミングだとユウが困るから、けど私たちは本気だよ」
そういうと、ムラクモは壁に立てかけてある、鞘へと戻っていった。
「とりあえず起きるか」
俺は、フロンに余った毛布を掛け、ノワールには仔竜に戻ってもらった。
「あの、ユウ様?」
「なんだ?」
再起不能状態から戻ったティナが俺に声をかけてくる。それはどこか不安そうな声だった。
「体は大丈夫ですか? あれからもう4日も経ってますし」
四日、それが俺の眠り続けた日数らしい。生成化の影響だろうな。それでも今は特に体に影響はない。
「あぁ、大丈夫だ」
だが、四日も寝ていたせいか、お腹がすいた。
「そうですか」
「俺は腹が減ったから先に下へ行くぞ。お前たちも着替えたら降りてこい」
俺はティナの小さな、でも安心が伝わってくるその返事を聞いて、部屋のドアを閉じた。
「あっ! ユウさん!」
俺が降りて、真っ先に反応したのはリナだった。
今はまだ朝だ。だが、いつもより遅い時間帯、人はいなかった。
「四日も寝てたんですから、心配しましたよ」
すると、奥の台所から二つの足音が聞こえてくる。
そして俺の前に顔を出したのは、レナとフィリアだった。
フィリアはあの時していたフード姿ではなく、きれいな赤髪を見せていた。
そして、俺の元へ駆け寄ってくると、こういった。
「私はあなた様の所有物です」
と、こう言ってきたのだ。俺はその物の扱いから解放したというのに、
「お前はもう自由だ。俺の元に仕える必要はない」
俺の言葉を聞き、フィリアの表情は大きく変化させた。それは悲しみだった。
「私は必要ないですか」
「いや、そうは言ってない。だが、俺はお前を自由にするために戦った。なのに俺がお前を縛り付けるのは違うだろ?」
俺は当然のように言い張る。それはそうだ、俺はそのために戦ったのだ。自分の意志で付いて来るのなら拒まない。だがフィリアは違う。
だから俺はフィリアに道を作る。
「フィリアのしたいようにすればいい」
「わ、わたしは、普通に働きたい」
「働けばいい」
「普通に生活したい」
「すればいい」
「私は好きな人と結ばれたい」
「あぁ、結ばれればいい」
「私は……自由?」
「そうだ、フィリアは自由だ」
「でも、私には……私には居場所が……ない」
俺はフィリアとの応答を続け、最後に行き詰まるようにしてきたことへこう答えた。
「なら作ればいい、だよな? リナ?」
「そうだね、うちならその全部ができるよ」
俺の問いに明確な回答をしてくれたリナは、フィリアへと笑顔を向ける。
「ほら居場所、出来ただろ?」
そして、それを理解したフィリアは泣き崩れ、それをリナが支えた。
「ユウさんって、本当に優しいんだね、それとも垂らし?」
そんなことを言ってくるのは俺の隣に立っているレナだ。
「まぁ、うちは人が少ないし、フィリアちゃんの今求めている物がすべてとは言えないけどほとんどあるからね」
「そうだな、ここにいればすべてを兼ねることができるからな」
俺がそういうとレナは首を振り、俺に対して「ど・ん・か・ん」と言って、厨房へと戻っていった。
その後は降りてきたティナとフロンは俺の顔を見ると顔を赤くした。
それを見てニヤニヤするリナを無視して今の状況を説明して、ちょっと遅めの朝ご飯を食べた。
宿屋の天井だ。
そして、俺の上に少し重みを感じて、手を動かした時、右手に何やら柔らかい感触が、横を見るとそこにはティナの顔があった。
俺は右手を動かそうとするが、動かない。柔らかい何かに挟まれている感覚だ。
「……ぁっ……う」
ティナの喘ぎ声が、右に耳から聞こえてくる。
やばい、そう思って左手を持ち上げようとしたとき、
「あっ、んっ……」
そんな声が聞こえて、左を向くとそこにはフロンがいた。
そして少し、視線を下に向けると、裸のフロンに腕ごと抱かれていた。
俺はすぐに反対側を見る。そして右手の在りかを探すとそこは、下の下着しか着ていないティナの太ももに挟まれていた。
すると、布団が少しめくれ上がり、俺の上からノワールがひょこっと顔を出した。もちろん全裸で、だが重みはもう一人分ある。まぁ、ムラクモだろうな。
(なんだ、この状況)
《ますたーはモテモテですね》
(いやいや)
俺はすぐに否定を入れる。
“……ボクも混ざりたい(ボソ”
(え? なんだって)
“なんでもないよ!”
ヨリヒメはいきなり出てきて、不機嫌になって帰っていく。
「あっ、ご主人! ご主人が起きてるなの!」
ノワールの声に、ティナとフロン、ムラクモが目を覚ます。
「あっ、ユウだ!」
ムラクモはさらに強く俺を抱きしめる。
そして、俺のお腹にムラクモのふくよかとは言わないがそれなりにある胸が俺のお腹に押し当てられる。
ん……? お腹に直接? そして俺は認識した、俺が下着しか来ていないことに。
「え? ユウ様?」
次に反応したのはティナだった。
「あ、あぁおはよう」
俺がそう返すと、ティナは真っ赤になりながら、着ていた毛布・・・・・・を引っ張り、体を隠す。
すると当然、裸のフロンとムラクモ、ノワールの裸が目に入るわけで、
俺はにしっかりと全員の裸を見てしまっていた。あの無表情だったムラクモですら、少し顔を赤らめていた。
フロンは、布団を剥がされた衝撃で、意識が覚醒し、状況を理解した。
「……ん!? で、でもご主人様ならいいよ?」
そして、驚き慌てたフロンはそこで踏みとどまり、俺を誘惑してくる。
それを見たムラクモは、俺の顔の横まで口を持ってきてこう囁いた。
「私も……ユウならいいよ? こんな刀の私でよければだけど」
「私もご主人ならいいのー」
明らかに理解が追い付いていないノワールをほっといたとしても、この二人からは少し本気を感じた。
俺はとっさに神判ノ瞳テミスを使っていた。その目で、フロンとムラクモを見るが、周りに黒い靄などなかった。
「理解できた? 私たち本気だよ?」
そして俺に追い打ちをかけるように、ムラクモが声をかけてくる。
ティナはというと、顔を真っ赤にして固まっていた。
こういう時にいつも、助けに入ってきてくれるティナは当てにならなかった。
「私は2番でも3番でもいい、ご主人様が私と一緒にいてくれるなら、でも出来れば……その……」
フロンは話の途中で顔を真っ赤にして止まってしまった。
「まぁ、今のタイミングだとユウが困るから、けど私たちは本気だよ」
そういうと、ムラクモは壁に立てかけてある、鞘へと戻っていった。
「とりあえず起きるか」
俺は、フロンに余った毛布を掛け、ノワールには仔竜に戻ってもらった。
「あの、ユウ様?」
「なんだ?」
再起不能状態から戻ったティナが俺に声をかけてくる。それはどこか不安そうな声だった。
「体は大丈夫ですか? あれからもう4日も経ってますし」
四日、それが俺の眠り続けた日数らしい。生成化の影響だろうな。それでも今は特に体に影響はない。
「あぁ、大丈夫だ」
だが、四日も寝ていたせいか、お腹がすいた。
「そうですか」
「俺は腹が減ったから先に下へ行くぞ。お前たちも着替えたら降りてこい」
俺はティナの小さな、でも安心が伝わってくるその返事を聞いて、部屋のドアを閉じた。
「あっ! ユウさん!」
俺が降りて、真っ先に反応したのはリナだった。
今はまだ朝だ。だが、いつもより遅い時間帯、人はいなかった。
「四日も寝てたんですから、心配しましたよ」
すると、奥の台所から二つの足音が聞こえてくる。
そして俺の前に顔を出したのは、レナとフィリアだった。
フィリアはあの時していたフード姿ではなく、きれいな赤髪を見せていた。
そして、俺の元へ駆け寄ってくると、こういった。
「私はあなた様の所有物です」
と、こう言ってきたのだ。俺はその物の扱いから解放したというのに、
「お前はもう自由だ。俺の元に仕える必要はない」
俺の言葉を聞き、フィリアの表情は大きく変化させた。それは悲しみだった。
「私は必要ないですか」
「いや、そうは言ってない。だが、俺はお前を自由にするために戦った。なのに俺がお前を縛り付けるのは違うだろ?」
俺は当然のように言い張る。それはそうだ、俺はそのために戦ったのだ。自分の意志で付いて来るのなら拒まない。だがフィリアは違う。
だから俺はフィリアに道を作る。
「フィリアのしたいようにすればいい」
「わ、わたしは、普通に働きたい」
「働けばいい」
「普通に生活したい」
「すればいい」
「私は好きな人と結ばれたい」
「あぁ、結ばれればいい」
「私は……自由?」
「そうだ、フィリアは自由だ」
「でも、私には……私には居場所が……ない」
俺はフィリアとの応答を続け、最後に行き詰まるようにしてきたことへこう答えた。
「なら作ればいい、だよな? リナ?」
「そうだね、うちならその全部ができるよ」
俺の問いに明確な回答をしてくれたリナは、フィリアへと笑顔を向ける。
「ほら居場所、出来ただろ?」
そして、それを理解したフィリアは泣き崩れ、それをリナが支えた。
「ユウさんって、本当に優しいんだね、それとも垂らし?」
そんなことを言ってくるのは俺の隣に立っているレナだ。
「まぁ、うちは人が少ないし、フィリアちゃんの今求めている物がすべてとは言えないけどほとんどあるからね」
「そうだな、ここにいればすべてを兼ねることができるからな」
俺がそういうとレナは首を振り、俺に対して「ど・ん・か・ん」と言って、厨房へと戻っていった。
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