妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~

創伽夢勾

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2章:神の種と迷宮都市

55:撫で撫で

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 そういえば、ツイン・サーペントを回収したときに宝箱も回収していた。
 普通は箱ごとなんて持って帰らないだろうが、俺には棺があるから。
 まだ中身は確かめていない。

 俺はギルドへと戻ってきていた。
 俺が帰ってくるのを見つけると一番最初に出迎えたのはまさかのフロンだった。
 
「ご主人様! もう遅い時間ですよ!」

 フロンに言われて外を見ると、もう日は落ち、町の道を照らすのは街灯と家の明かりだけだった。
 フロンは頬を膨らませ、怒りを表していた。
 俺は「すまん」と謝りながらフロンの頭を撫でる。
 するとフロンは「そ、それは卑怯ですよ~えへへ」となんだかんだで喜んでいた。

「ちょっと受付によって来る。待っててくれ」

 俺はフロンにフェルの元に行くことを伝え、フロンにはここで待ってもらう。

「あっ! ユウさん帰ってくるの遅いですよ! 心配したんですからね!」

 とこちらも少しご立腹の様子。

「まぁ、いろいろあってな」

 ヒサメのことなどは伝えれないため、こう言葉を濁すことしかできない。

「で、どこまで下りたんですか? 前の速度からすると13とかですか?」
「いや、20階層のボスは倒したぞ」

 俺がそういうと、フェルは目をぱちくりさせて再度聞いて来る。

「あの、いまなんて? 私の聞き間違いじゃなければ20って聞こえたんですけど……」
「あぁ、そういったぞ」
「ソロですよね!?」

 カウンターに手を突き、乗り出してくるフェルをどうにか止めながら、とりあえずこのことは秘密にさせておく。

「もう、何も言えません……あはは」

 なにかフェルがあきらめた感を出していた。まぁ、普通にこのことを知らせても信じてもらえないだろうな。
 報告も終わったことだし、俺が宿へ戻ろうとすると、フェルが気になることを口にする。

「何やら町で、ユウさんのことを探している人がいるらしいので、気を付けてくださいね。ユウさんは恨み買いそうな人ですし」

 しれっと酷いこと言われてるが、まぁいい。

「わかったありがと。それとただいま」

 俺がそういうと、フェルは満面の笑みで「はい!」と答えてくれた。
 俺はそのままフロンと一緒に宿に戻った。



 俺が、宿のドアを開けると、3人が即座に反応する。
 もちろんリナ、レナ、フィリアだ。

「なんだユウさんか」

 ふぅーと息を吐きながらリナが肩を落とす。

「どうしたんだ?」
「そりゃあ、こんな時間に宿に戻ってくる人とか早々いませんからね」
「それに、さっきユウ様探してる人見かけた」

 リナは俺に嫌味を言ってくる。
 フィリアはフェルと同じことを言っている。

「あの、金髪で鎧来てた人だよねー」

 レナがさらに情報を足してくる。
 女って聞いた瞬間、フロンの眉がぴくっと動いたのを俺は見逃していない。

「ゆうさん、また女関係ですかぁ?」

 リナが俺を弄るように聞いて来る。
 そんなリナの言葉に、さっきより明確な反応を示すフロン。具体的に言うと顔をこっちに向けてくるのだ。

「いや、俺は知らんな。金髪と言ったらフロンしか浮かばない」

 俺は、またフロンの頭を撫でる。
 フロンも嫌がらずに撫でられている。

「そうですか、てか人前でいちゃつくのやめてください」

 俺は「はいはい」と言いながらレナの頭をくしゃくしゃに撫でる。
 レナは「あっもう!」と言いながらそれでも明確に拒否は見せない。
 それを見ていたフィリアもどこか撫でてほしそうな顔をしていたので、こっちに来るように手招きすると、とことことこちらまで走ってくる。
 俺は頭を撫でるとは言ってないのに、頭を前に出しているフィリアがとても可愛く見えた。そしてそっと撫でてやる。
 フィリアは「ふふふ、ユウ様の手、でかいなぁ」とか言ってる。
 そして、リナとレナは「この天然垂らしが!」とか言ってるが無視だ無視。

 そのあとは適当にご飯を済ませて、部屋に戻った。
 フロンには先に戻ってもらい、俺が帰ってきたことを伝えてもらってある。
 俺が部屋のドアを開けると、ノワールが人型の姿で抱き着いて来る。

「ご主人! おかえりなさいなの」
「あぁ、ただいま」

 俺はまた、ノワールの頭を撫でてやる。
 今日は人の頭を撫でることが多いな。

「おかえりなさい。ユウ様。危険なこと、してませんよね?」

 ティナはそっと確認するように聞いて来るが、俺はコクリと頷くしかなかった。
 そして俺は棺から宝箱を取り出した。

「これは何ですか?」

 ティナが興味津々に聞いてくる。

「20階層のボスのドロップ?」

 俺がそういうと、ティナはこちらに迫ってきて。

「危険なことしてるじゃないですかぁ!」

 俺は怒るティナを宥めるように頭を撫でる。
 ティナは「もう、卑怯です」と言って気持ちよさそうにしていたが、宝箱の方も気になるのか、そっと俺から離れる。

「よし、開けてみるか」

 俺が宝箱を開けると、そこには1本のレイピアが入っていた。

『視影ノ瞳』

 とりあえず鑑定してみることにする。

『アストラレイピア
 属性 :光
 ランク:B
 練度 :0
 状態 :正常
 スキル:刺突術 剣術 光魔法
 ユニーク:精神攻撃
 耐性 :精神攻撃耐性』

 この性能は、ティナに持てと言わんばかりの性能をしていた。
 ランクBがどれだけすごいがわからんが、とりあえず刺突術だけもらっておこう。

 俺は、箱の中から、緑色の柄で黒い鞘に入っている、アストラレイピアをティナに向かって投げる。

「それはティナが使うべき武器だ
「え? でも」
「拒否はするなよ、俺にはこいつらがいるし、フロンは短剣がある。ノワールはそもそも武器いらないからな。ティナが使ってくれ」

 俺がそういうと「わかりました」と言って受け取ってくれる。

「それで、気になる点があったんですけど。こいつらって事はまさか」

 ティナの予想は的中する。フロンもティアの言葉を聞いた瞬間ハッとした表情になる。そしてノワールはいつも通り首を傾げていた。

「まぁ、その通りだよ」

召喚こい、ムラクモ、ヒサメ』

 前は、床に差せとか言ってたけど、いらないじゃん。

《ユウ様が成長してるからだと思います。魔力量、剣の技術ともに向上してますし》

 そういうのも関係してくるのか。

「やっとおねぇさんを呼んでくれた。ねぇ、おねぇさんも撫でてよ」
「ん、私が先」

 これはを今から説明するのは億劫だなと思いながら俺はベットに腰掛けた。
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