妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~

創伽夢勾

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3章:王都招集

61:妖刀の共刀

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「助けてほしかったら二つ条件を呑め」

 俺は女にそう言った。
 女は、俺に「えっ?」という表情を向ける。

「お前ら二人も聞け! 助けてほしかったら今から言う二つを守れ。そしたら助けてやる。

 俺は声をあげ、交戦中の二人にも聞こえるように言った。

「あんたに何ができるの!」

 気の強そうな、槍使いの女が俺にそう言ってくる。

「守れないなら俺は、俺はここから去るよ。せいぜいオークたちとお楽しみに」

 俺がそう言って、森の入り口、王都の方へと足を進めようとすると血塗れの女が俺のコートの裾を掴んだ。
 振り返ると、女は首を振って「行かないで」と言いたいようだった。

「約束、守れるか?」

 俺がそう問うと、女は静かに頷いた。

「お前の仲間はこういってるが? どうするんだ?」

 俺ならこの女だけを連れて行くのは簡単だ。

「わ、わかったわよ! 何でも聞いてやろうじゃない!」

 槍使いの女がそういうと、もう一人の盾と剣を装備した女も頷いた。

「じゃあ、まず一つだ!」

 俺がそういうと、槍使いが「ここで?」みたいな表情で、こちらを見る。

「これから見る俺の戦闘を絶対黙秘しろ。で、お前達は一カ所に集まれ、その方が殺りやすい」
「わ、わかった」
「はい」
「ん」

 2人はオークを引き剥がし、俺の近くまでやってくる。俺の後ろにる女はどうやら後衛役職みたいだ。
 2人がこっちに来ると、当然その2人が相手していたオークたちも追いかけてくる。

(さぁ、ムラクモ、ヒサメやるぞ)
〝ん、任せて〟
〝やっと、おねぇさんの出番?〟

 俺は右手にムラクモを持っている。そしてそれを逆手に持ち替える。
 そして左手で、逆手にヒサメの柄を持ち引き抜く。

 女たちは刀みたいな長い武器を両手、逆手もちで持つことに驚いている。

『ムラクモ! 自在ジザイシュク』『ヒサメ! 雹璃ヒョウリ参刃サンジン

 右手に持つムラクモが短剣サイズまで短くなる。
 左手に持つヒサメは刀身が砕け、短剣サイズに、そして折れた残りの刀身が3本の刃を形成する。

「え? なにこれ……」

 槍使いの女が、驚きの声をあげる。

「さぁ、いくか」

 俺は目の前のオークに突っ込む。オークは俺めがけて棒を振り下ろすが、それは氷の刃によって防がれる。
 そのまま、俺はオークの心臓部をムラクモで一刺し。
 残りの2本の氷の刃が、隣にいたオークの頭を貫き絶命させる。
 ここでは大規模魔法は使えない。あの3人を巻き込んでしまうからだ。
 すると、俺をすり抜け、1体のオークが3人に迫る。

『黒影縛鎖』

 俺はとっさに魔法を発動させ、オークの動きを止める。

『貫き穿て。ムラクモ! 自在ジザイシン

 俺はその動きが止まったオークにムラクモの切っ先を向け伸ばし、心臓を貫いた。

『自在:縮』

 元の短剣サイズまでムラクモを戻し、次の標的に走り出す。
 オークは俺を迎え撃つため、棒を構える。

『縮地』

 俺はオークの懐に瞬間的に忍び込み、ヒサメで首を刈り落とす。

『炎剣:焔』『水剣:水刃』

 ムラクモには炎、ヒサメからは水の斬撃が飛び、左右のオークの首が飛ぶ。
 そのうちに氷の刃2本はもう一体のオークを仕留める。1本は女3人のところにいる。
 あと残り5体。

 そして俺の横には二体のオークが迫ってきていた。
 もちろん、予想済みだが。

『双風剣:鎌鼬陣カマイタチジン

 俺はムラクモ、ヒサメ両方に風を纏わせ、体を捻るように回転させ、風の斬撃を円状に飛ばす。
 オークは胴と足が離れ、絶命した。

『妖忌術:朧』

 オーク一体の周りに靄がかかる。その目はまるで焦点があっておらず、俺を捉えることができない。
 そして俺はそのまま首を刈り取った。
 そしてもう一体はまた、2本の氷の刃によって切り刻まれていた。
 残り1匹。
 この群れを仕切っていた、オークの上位種。オークジェネラルだ。

『雹璃:シュウ』『自在:刀』『縮地』

 俺はヒサメとムラクモを刀に戻し、ヒサメを納刀して瞬時にオークジェネラルに接近する。

『黒炎刀:素戔嗚スサノオ

 黒い炎を纏ったムラクモによって、オークジェネラルは鎧ごと真っ二つになった。

 女三人は、この状況に驚きのあまり声が出ず。ただ、この惨状を眺めることしかできなかった。
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