妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~

創伽夢勾

文字の大きさ
67 / 133
3章:王都招集

62:王都到着

しおりを挟む
「大丈夫か?」

 俺はとりえず、まともに話せそうな、槍使いに話しかけた。

「あなた、規格外ね。オークの群れがこんなにあっさり」
「しかも、傷一つない」
「私たちを守りながら、すごいです」

 だが俺の質問とは違う回答が返ってきた。槍使い、盾使い、魔法使い? の順に感想を述べていた。

「まぁ、それだけ喋れるなら大丈夫か」
「怪我なんかはないわね。私はミラ・アーケル。見ての通り槍使いよ」
「私、シーナ・ソルロス。武器は、盾と剣?」
「私は血でべとべとなだけでそれ以外は、あっ! 名前はアーミル・アクイナです。魔法使いです」

 とのことだ。一応俺も名乗っとくか。

「俺はユウ・ツキカゲ。武器はこの刀だな」

 俺は手でムラクモの柄を揺らす。
 俺がそういうとミラが「それは刀って認識でいいのかな?」なんて言ってるし、アーミルは剣士なのに魔法も同時で使ってたよ? しかも無詠唱で」
 そんなこと言ってる間に俺はアーミルに近づく。

「アーミルでよかったか?」
「は、はい」

 少しびっくりした様な反応だがしょうがないだろう。
 俺はとりあえず、この血を取ってやることにした。

『浄化』

 俺がアーミルに手を向けそう唱えると、アーミルについていた血がみるみる消えていく。

 浄化:光属性の魔法で汚れや穢れをはらうことのできる魔法。

 何気にこいつは有能なので、これまでも何度かお世話になっている。

「約束は忘れるなよ、このことは誰にも言うな。今から見るものもだ」

 俺はそう言って、オークに手を当てる。するとオークの死体は一瞬にして消えた。
 棺の能力を使ったのだ。
 それを見たミラは「え? 空間魔法?」
 俺はそんなミラの反応を無視して、オークの死体を回収していく。

「そういえば、もう一つの条件って何よ?」
「あーそれか」
「ま、まさあエッチなこととか言わないでしょうね?」

 するとなぜか、ミラは体を引き、自分の体を抱きしめる。そしてアーミラは顔を赤く染める。

「なわけねーだろ。誰がそんな動機で助けるか」
「なんだ違うの」

 なぜか、そう反応するシーナ。無視したほうがいいな。

「俺が頼みたかったのは、王都の案内だ。それと宿紹介」

 俺が条件を言うと、ミラは自分を抱きしめる力を緩め、ホッと息をついた。

「そんなことなら別にいいわよ」
「俺には連れもいるからな、とりあえず森を出よう」

 俺はそう言って、森の出口を目指し歩き出した。



 俺が、ミラたちを引き連れ、ティナたちのいるところに到着すると、ゴブリンなどの魔物が数匹転がっていた。
 そして、真っ先に俺に気づいた、仔竜姿のノワールが俺に向かって飛んでくる。
 俺はそれを受け止め、頭を撫でてやる。

「え? 竜種?」

 アーミルが反応する。

「俺の従魔のノワールだ」
「キュイ♪」

 俺が紹介すると、それに合わせてノワールが鳴く。

「なにこれ、カワイイ」

 シーナが飛んでいるノワールを捕まえて、撫でまわす。

「キュ!? キュイ?」

 一瞬驚くノワールだが、撫でまわす手が優しかったのか、シーナに身を任せる。

「あっ! ご主人様」

 そして俺に気づいた。フロンがパタパタとこちらに向かってくる。

「ユウ様? その御三方は?」

 ティナは俺の後ろの三人に目を向ける。
 ミラは「様付とかご主人様とかなに? お偉い様なの?」

「あぁ、オークなんかに襲われてた、ミラ、シーナ、アーミルだ」
「悪かったわね! オークなんかに襲われてて!」

 ミラが、不機嫌そうに返してくる。
 その横で、アーミルが苦笑いをしていた。

「私はティナと言います。ユウ様の従者をしております」
「私はフロン。ご主人様の1番・・奴隷です」

 そしていつも通りのフロンの謎の一番強調。

「まぁ、お互い紹介は終わったし、そろそろ王都に向かうか」

 俺はそう切り出し、王都へ向かった。



 王都にはすんなり入ることができた。ギルドカードのチェックとノワールの従魔用の腕輪をつけるだけ、迷宮都市とさして変わらない。しいて言うなら、レジーナの紹介状があったから、緩かったのかもしれないな。

 王都は迷宮都市よりも広く。中心には、大きな城が立っていた。
 確かセイン王国とか言う名前だったか。人も多いし、それなりに活気づいている。だがここは外側一般区だ。
 もう一つの壁の内側は貴族街。そしてその中心に王城があるといった感じの作りになっていた。
 俺たちが王都に入ったころにはすでに日が落ちかけていた。
 そしてミラたちに案内されるまま、街を歩いた。
 最終的にたどり着いたのは、ソルロスという名前の宿だった。

「あれ? ソルロスって……」
「そう、ここ私の家兼宿屋」

 そう言って、シーナはドアを開け中に入っていく。
 俺たちはそのあとに続いた。

「いらっしゃいって、シーナじゃないか。おかえり」
「ん。ただいま」
「お世話になります」

 中に入ると、優しそうな女の人が立っていた。シーナと同じ紫色の髪たぶんお母さんだろう。
 そしてミラが、入って挨拶をした。

「あっミラちゃん。アーミルちゃんいらっしゃい。おや? 新しいお客さまかな?」
「そう、私たちの命の恩人」

 まぁ、シーナの言ってることは間違いではないが。

「そうです。オークの群れから助けていただきました」

 そして、アーミルが情報御付け足す。

「なんと、それは大層もてなさないとね。私はアーナ・ソルロス。そこにいるシーナの母親だよ。気軽にアーナと呼んでちょうだい」
「わ、わかった。俺はユウ・ツキカゲ。気軽にユウでいい。アーナさんよろしく頼む。」

 俺が自己紹介を紹介すると、ティナとフロンもそれに続いた。
 ノワールはシーナに抱かれたままの状態で「キュイ♪」と自分もいるよと主張していた。

「お金はまとめて置いときます。何日滞在するかわからないので、とりあえず」

 俺はそう言ってポケットを漁るふりをして、棺から大銀貨4枚を取り出す。
 アーナは驚いた表情をすると

「これじゃあ、1年は泊まれちゃうよ」

 と言って、3枚を返してくる。
 そして、ミラは「やっぱり金持ちなの? 媚び売った方がいいの?」とか言っている。
 俺たちは、そのままご飯を食べ2階の部屋へと案内された。
 ミラとアーミルで一室。シーナはまぁ、自分の家だから寝るところはある。
 そして、またティナとフロンの強い要望で、一部屋ベット3つの部屋にしてもらった。

「まぁ、娘の恩人だしこれくらいはオーケーよ。ただし夜はまわリの人に迷惑がかからないようにね?」

 アーナがそういうと、ティナとフロン、アーミルが顔を真っ赤にしミラが俺を蔑むような目で見てくる。シーナは相変わらず無表情。ノワールは首をかしげるだけだった。

「俺はまだこいつらに手を出してないし、今のところ出す予定もない!」

 俺は強く断言し、先に部屋に戻り消費した魔力を回復させるために先に眠りにつくことにした。

 明日は、どうにかして今馬車でこち裏に向かっているレジーナを捕まえて、王城に行く必要がある。まぁ通行書持ってるからいなくても行けるとは思うが、それでもいてくれた方が何かと安心だ。
 これはティナたちにも伝えてある。めんどくさいが、放棄する方がめんどうになりそうだからなしょうがない。
 俺はそう割り切って、寝ることにした。
しおりを挟む
感想 118

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

処理中です...