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一章 目覚めた死神姫
episode8 ハイエルフの血
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「さてさて、誰もいなくなった事だし、聞いていいかな~?」
「ひぅっ!」
抱えられた状態で急に顔を覗き込まれてビクリと肩を揺らす白雪。
「白ちゃんが目覚めたのは知ってたんだよ?でも、まさかこんな事になってるとは思ってなかったけどねぇ。で、起きたばっかでしょ?血液はどうしたの?」
いつもならこんなことは聞かないが、実は王国に来て、始めに王に2人のことを聞いていた。もちろん白雪が何につられて学園に入ったのかも。
「?しょくじ…?ああ、レオンのを貰いました」
こてんと可愛らしく首を傾げた白雪がノヴァにそう言う。その顔は、何でそんな事聞くの?だった。
「あいつ…。散々手ェだしたらどうなるかって言ったのに……」
「ノヴァッ…?」
急に絶対零度の目と地獄のそこを這うような低い声でブツブツと独り言を言うノヴァの様子にブルリと身体を震わせた白雪が恐る恐る声をかける。
「そっかー、レオンに貰ったのかぁー。良かったねぇー」
ものすごく棒読み+仮面の笑顔でよしよしと白雪の頭を撫でるノヴァ。
「は、はい…?」
「うん、でもそうだね。レオンが約束破ったなら、私も破っちゃおうかな~。……本当はオルガに止められてるけど」
最後の方は小さくだったので白雪には聞こえていないが、約束って何?と首を傾げる白雪。
「ううん~、何でもないよ。それより、今日の吸血はまだなんじゃないかな?良かったら私のをあげるけど…どう?」
チラリと着ているローブの首元をずらすノヴァ。その様子に白雪の喉がごくりとなった。
「で、でも私は吸血鬼の真祖ですから、吸血は1週間に1回くらいでいいですし…昨日ちょうどレオンにもらったとこなんですけど…」
がまんがまんと慌てて自分に言い聞かせて断ろうとする白雪。
(だって、何でかは知らないけど、吸血すると、相手が物凄く辛そうにしますし。レオンなら良いけど、ノヴァにはちょっと悪いです…。)
「あの、吸血した相手、いつも凄く辛そうにするんです…。えっと、レオンは良いんですけど、ノヴァにそんなことするのは…」
やっぱりダメだと断ろうとした白雪だったが、いつの間にか部屋に入っていたノヴァが、ベッドの上にぽすんと白雪を優しくおろす。
「大丈夫だよ。私がして欲しいんだから」
ハイエルフであるノヴァの美貌でニコリと微笑まれ、言葉に詰まる白雪。そのまま白雪を挟むように手をベッドに置いたノヴァの長い緑髪がサラリと肩から前に落ちてきた。
「う、では、遠慮なく頂きます」
「うん」
満足げに微笑んだノヴァは、ベッドの真ん中にゴロリと寝転ぶ。その上に乗る白雪。
「い、嫌になったらすぐに言って下さいね!えと、では…いただきます」
「はいはい」
「あむっ」
「ーっ」
痛みにビクリとノヴァの肩が震えて、力が入る。
(辛いって、これが?大して辛くなんて…
ーっ?!)
急に来た痛みとは違う感覚に目を見開くノヴァ。夢中になって血を吸っている白雪は気づかない。
「つらいって、これが、ねぇ…」
はぁ。と吐息をはいたノヴァ。
「おぃひ…。んくっ、んくっ」
「ーーっ…ん」
よほど美味しいのか、頬を高揚させて嬉しそうに血を頬張る白雪。
快感が襲ってくるノヴァは、いつもなら可愛いと言いたくなるような白雪の姿を見ても、せっかく耐えているのに理性を飛ばす材料になるだけだった。
「はっ、…っ」
「ん、ごちそうさまでした」
最後にぺろりと残る血を舐めてから自分の唇もチロリと覗いた舌でなめとる白雪。
「はぁっ、はぁっ…白ちゃん…」
「きゃっ」
まだ熱い吐息を零すノヴァに、ぎゅっと抱きしめられる白雪。突然のことに驚いた声を出す。
「あー、ダメだ…。襲っちゃいそう…。だからオルガは禁止してたのか…」
「?何か言いました?」
「……レオンに何もされなかった?」
「?ハグしかされてませんけど…」
「ふぅん」
途端に冷たい目をしたノヴァが、白雪を先程より強く抱きしめて、その頬に唇を落とす。
「っ!!」
すぐに唇は離されたが、急なことに白雪の顔は真っ赤に染まってしまう。
「え、あの…。授業でないとなので、も、もう戻りますね!!」
まさに疾風の如く、白雪は一瞬で部屋から駆けて行った。因みに、白雪が力を入れて蹴った部屋の床がいくつか小さなクレーターが出来ていたので、ノヴァがそっと直しておいた。
(そう言えば、怒られなかったな…)
走りながらホッとする白雪だった。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
次回の更新は明日の朝7時と昼の12時です。
「ひぅっ!」
抱えられた状態で急に顔を覗き込まれてビクリと肩を揺らす白雪。
「白ちゃんが目覚めたのは知ってたんだよ?でも、まさかこんな事になってるとは思ってなかったけどねぇ。で、起きたばっかでしょ?血液はどうしたの?」
いつもならこんなことは聞かないが、実は王国に来て、始めに王に2人のことを聞いていた。もちろん白雪が何につられて学園に入ったのかも。
「?しょくじ…?ああ、レオンのを貰いました」
こてんと可愛らしく首を傾げた白雪がノヴァにそう言う。その顔は、何でそんな事聞くの?だった。
「あいつ…。散々手ェだしたらどうなるかって言ったのに……」
「ノヴァッ…?」
急に絶対零度の目と地獄のそこを這うような低い声でブツブツと独り言を言うノヴァの様子にブルリと身体を震わせた白雪が恐る恐る声をかける。
「そっかー、レオンに貰ったのかぁー。良かったねぇー」
ものすごく棒読み+仮面の笑顔でよしよしと白雪の頭を撫でるノヴァ。
「は、はい…?」
「うん、でもそうだね。レオンが約束破ったなら、私も破っちゃおうかな~。……本当はオルガに止められてるけど」
最後の方は小さくだったので白雪には聞こえていないが、約束って何?と首を傾げる白雪。
「ううん~、何でもないよ。それより、今日の吸血はまだなんじゃないかな?良かったら私のをあげるけど…どう?」
チラリと着ているローブの首元をずらすノヴァ。その様子に白雪の喉がごくりとなった。
「で、でも私は吸血鬼の真祖ですから、吸血は1週間に1回くらいでいいですし…昨日ちょうどレオンにもらったとこなんですけど…」
がまんがまんと慌てて自分に言い聞かせて断ろうとする白雪。
(だって、何でかは知らないけど、吸血すると、相手が物凄く辛そうにしますし。レオンなら良いけど、ノヴァにはちょっと悪いです…。)
「あの、吸血した相手、いつも凄く辛そうにするんです…。えっと、レオンは良いんですけど、ノヴァにそんなことするのは…」
やっぱりダメだと断ろうとした白雪だったが、いつの間にか部屋に入っていたノヴァが、ベッドの上にぽすんと白雪を優しくおろす。
「大丈夫だよ。私がして欲しいんだから」
ハイエルフであるノヴァの美貌でニコリと微笑まれ、言葉に詰まる白雪。そのまま白雪を挟むように手をベッドに置いたノヴァの長い緑髪がサラリと肩から前に落ちてきた。
「う、では、遠慮なく頂きます」
「うん」
満足げに微笑んだノヴァは、ベッドの真ん中にゴロリと寝転ぶ。その上に乗る白雪。
「い、嫌になったらすぐに言って下さいね!えと、では…いただきます」
「はいはい」
「あむっ」
「ーっ」
痛みにビクリとノヴァの肩が震えて、力が入る。
(辛いって、これが?大して辛くなんて…
ーっ?!)
急に来た痛みとは違う感覚に目を見開くノヴァ。夢中になって血を吸っている白雪は気づかない。
「つらいって、これが、ねぇ…」
はぁ。と吐息をはいたノヴァ。
「おぃひ…。んくっ、んくっ」
「ーーっ…ん」
よほど美味しいのか、頬を高揚させて嬉しそうに血を頬張る白雪。
快感が襲ってくるノヴァは、いつもなら可愛いと言いたくなるような白雪の姿を見ても、せっかく耐えているのに理性を飛ばす材料になるだけだった。
「はっ、…っ」
「ん、ごちそうさまでした」
最後にぺろりと残る血を舐めてから自分の唇もチロリと覗いた舌でなめとる白雪。
「はぁっ、はぁっ…白ちゃん…」
「きゃっ」
まだ熱い吐息を零すノヴァに、ぎゅっと抱きしめられる白雪。突然のことに驚いた声を出す。
「あー、ダメだ…。襲っちゃいそう…。だからオルガは禁止してたのか…」
「?何か言いました?」
「……レオンに何もされなかった?」
「?ハグしかされてませんけど…」
「ふぅん」
途端に冷たい目をしたノヴァが、白雪を先程より強く抱きしめて、その頬に唇を落とす。
「っ!!」
すぐに唇は離されたが、急なことに白雪の顔は真っ赤に染まってしまう。
「え、あの…。授業でないとなので、も、もう戻りますね!!」
まさに疾風の如く、白雪は一瞬で部屋から駆けて行った。因みに、白雪が力を入れて蹴った部屋の床がいくつか小さなクレーターが出来ていたので、ノヴァがそっと直しておいた。
(そう言えば、怒られなかったな…)
走りながらホッとする白雪だった。
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次回の更新は明日の朝7時と昼の12時です。
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