47 / 55
12女性が頑張る日?③~悪しき風習~
しおりを挟む
あっという間に、バレンタインを週明けに控えた日曜日となった。私と陽咲、芳子にこなで、麗華のいつものメンバーはお菓子の材料を買いに、ショッピングモールを訪れていた。
「それにしても、喜咲たちの親って優しいわよね。私たちの買い物につき合って車を出してくれるなんて。普通、勝手にしなさいとか言って、付き合わないでしょ。私たち、もう高校生だよ」
「私もびっくりした。でも、仲がいいのは言いことじゃない?」
「羨ましい限りです」
『そう?』
バレンタインのお菓子を彼女たちと作るという話は、陽咲に問い詰めたら、勝手に自分で決めたということだった。次の日、彼女たちに事後報告をしていたので、わが妹ながら自分勝手な奴である。しかし、特に彼女たちに異論はなかったので、今こうして一緒に買い物をしているわけだ。
それにしても、毎回のように私たちの両親を褒められるが、私と陽咲は特になんとも思わない。彼らの普段の言動がいまいちなので、それと子供思いの行動が相殺されてしまい、私たちの中で、プラスマイナスゼロとなっているのかもしれない。
「今日は、確かチョコブラウニーを作る予定だよね」
いつまでも立ち止まって話しているわけにはいかない。私たちは製菓コーナーに向かい、さっそく材料をかごに入れていく。作るお菓子は陽咲が勝手に決めていたが、私は別にこれと言って作りたいものはなかったので反対はしなかった。驚いたことに、芳子たちも陽咲の言葉に文句ひとつ言わなかった。
「私、実は本格的なお菓子を家で作ったことがないから、今日は本当に楽しみにしていたんだ。私って不器用だから、いつもの年は、ホットケーキミックスでカップケーキを作るのが精いっぱいで」
恥ずかしそうに自分の不器用さを伝えるこなで。
「私はそもそも、お菓子作りって性格じゃなくて、いつもの年は売っているチョコを買って食べていました」
お菓子は作らないという麗華。
「意外な事実だね。私も面倒くさいから、麗華と同じかな。ああでも、部活の男子にあげるとかいう悪習に逆らえずに、中学の頃は、そこだけは手作りしたかな」
さらりと悪習と言い放つ芳子。
「なるほど。私たちの場合は、私がおかし作りたい人だから、お姉ちゃんと一緒に毎年作っているよ」
会話をしながらも、陽咲の手は製菓用のチョコレートや砂糖などを次々にかごに入れていく。スマホを片手に会話にも参加して、器用なものだ。
そのまま無事に会計を済ませ、お昼もショッピングモールで済ませることにした。スマホで両親からのメッセージを確認すると、両親も別の場所でお昼を取ることにしたようだ。
「親も昼はこの辺で取るから、食べ終わったら駐車場に集合だって」
『了解』
お菓子を作るため、昼食は和食ということになった。高校生が払える金額なんてたかが知れている。回転ずしの店に入って、好きなものを取っていく。昼頃ということで、店内は込み合っていたが、ちょうど入れ違いに会計をしていた客がいたため、すんなりと店内に入ることができた。
「ああ、やっと座れた」
「久しぶりにヒールがある靴はいてきたから、足が疲れた」
「たまにはおしゃれしなきゃと思ったけど、やっぱり無理だわ」
「買い物って、意外に疲れますよね」
席に着くと、陽咲を筆頭にぐったりと足を延ばしていた。よく見ると、彼女たちの服装には気合が入っているように見えた。こなでは言葉通りにヒールが5cmほどのショートブーツを履いているし、芳子もファーが付いたもこもこのパーカーに灰色のロングスカートに膝丈までのロングブーツを履いている。麗華も珍しくスカートを履いていた。
かくいう私たちは、いつも通りの私服だった。おそろいコーデは顕在で、ベージュのパーカーに紺色のガウチョパンツを合わせ、下はスニーカーである。
「とはいえ、ぐでぐでしている暇はないから、さっさと腹ごしらえをしましょう!」
芳子の言葉に賛成だ。私たちは各自、それぞれに気に入ったネタをどんどん頼み、腹に入れていくのだった。芳子はマグロ、こなではサーモン、麗華はえび、私と陽咲はぶりという、好みが結構違っていた。
「結局、今日は何を作るつもりなの?」
昼食を終え、駐車場に向かうと、すでに両親は車の中で待っていた。車には大きな紙袋が置かれていたが、両親も買い物をしたのだろう。何を買ったのか少し気になったが、母親の質問に先に答えることにした。
「チョコブラウニーだけど」
「ふうん」
聞いたくせに、あまり興味がなさそうな返事をした母親は、父親に車を発進させるよう伝える。私の家には車が2台あり、母親と父親がそれぞれ通勤用に使っている。今日は大人数ということで、ワンボックスのファミリーカーで移動している。私たちは家に帰ることにした。
お菓子作りは滞りなく進んだ。不器用だと事前に報告していたこなでは、私たちの邪魔にならないように気を遣っていたし、麗華も芳子もお菓子作りはしないと言っていた割に、陽咲の指示にてきぱきと従っていた。
ブラウニーをオーブンに入れて焼いている間は特にやることがないので、少し休憩をはさむことにした。私たちはリビングのソファに移動した。
「そういえば、芳子が言っていたけど、バレンタインにある『悪しき風習』って、本当に謎だよねえ」
何か話題をと考えていると、こなでがショッピングモールでの芳子の言葉を持ち出した。気になってはいたが、そんな悪いものだという認識はなかった。面倒ではあるがバレンタインというイベントだから仕方ない、くらいにしか考えていなかった。
そもそも、バレンタインというものが、日本では『女→男』へチョコ(贈り物)をするということが一般的だ。それが義理チョコに発展して、部活での『悪しき風習』と言われるまで根付いてしまったのだろう。
「うわ、ここに何も思わず、時代の流れに身を任せている人がいるんですけど」
「ないわあ」
「お姉ちゃんだから仕方ないけどね」
「私も疑問に思っていましたが、今年はそこから解放されたので、なんだかすがすがしい気持ちです」
まったく、こいつらは、私のことを何だと思っているのか。時代に身を任せて生きていくことのどこが悪いのだろうか。それで特に問題がなければ別にいいと思うのだが、彼女たちにとっては、そうではないらしい。
「ねえ、麗華。今年から解放されたってどういうこと?」
ここで、麗華の言葉に疑問を覚えた。今年は解放されたと言っているが、どういうことだろうか。いや、ここまでの話の流れから、女子部員が男子部員にチョコを渡すということがバレンタインの『悪しき風習』ということはわかっている。そして、そこから解放ということは、今年からそれがなくなったということだ。
なくなることは構わないが、今まで続いていた風習をそう簡単に変えられるものだろうか。
「それにしても、喜咲たちの親って優しいわよね。私たちの買い物につき合って車を出してくれるなんて。普通、勝手にしなさいとか言って、付き合わないでしょ。私たち、もう高校生だよ」
「私もびっくりした。でも、仲がいいのは言いことじゃない?」
「羨ましい限りです」
『そう?』
バレンタインのお菓子を彼女たちと作るという話は、陽咲に問い詰めたら、勝手に自分で決めたということだった。次の日、彼女たちに事後報告をしていたので、わが妹ながら自分勝手な奴である。しかし、特に彼女たちに異論はなかったので、今こうして一緒に買い物をしているわけだ。
それにしても、毎回のように私たちの両親を褒められるが、私と陽咲は特になんとも思わない。彼らの普段の言動がいまいちなので、それと子供思いの行動が相殺されてしまい、私たちの中で、プラスマイナスゼロとなっているのかもしれない。
「今日は、確かチョコブラウニーを作る予定だよね」
いつまでも立ち止まって話しているわけにはいかない。私たちは製菓コーナーに向かい、さっそく材料をかごに入れていく。作るお菓子は陽咲が勝手に決めていたが、私は別にこれと言って作りたいものはなかったので反対はしなかった。驚いたことに、芳子たちも陽咲の言葉に文句ひとつ言わなかった。
「私、実は本格的なお菓子を家で作ったことがないから、今日は本当に楽しみにしていたんだ。私って不器用だから、いつもの年は、ホットケーキミックスでカップケーキを作るのが精いっぱいで」
恥ずかしそうに自分の不器用さを伝えるこなで。
「私はそもそも、お菓子作りって性格じゃなくて、いつもの年は売っているチョコを買って食べていました」
お菓子は作らないという麗華。
「意外な事実だね。私も面倒くさいから、麗華と同じかな。ああでも、部活の男子にあげるとかいう悪習に逆らえずに、中学の頃は、そこだけは手作りしたかな」
さらりと悪習と言い放つ芳子。
「なるほど。私たちの場合は、私がおかし作りたい人だから、お姉ちゃんと一緒に毎年作っているよ」
会話をしながらも、陽咲の手は製菓用のチョコレートや砂糖などを次々にかごに入れていく。スマホを片手に会話にも参加して、器用なものだ。
そのまま無事に会計を済ませ、お昼もショッピングモールで済ませることにした。スマホで両親からのメッセージを確認すると、両親も別の場所でお昼を取ることにしたようだ。
「親も昼はこの辺で取るから、食べ終わったら駐車場に集合だって」
『了解』
お菓子を作るため、昼食は和食ということになった。高校生が払える金額なんてたかが知れている。回転ずしの店に入って、好きなものを取っていく。昼頃ということで、店内は込み合っていたが、ちょうど入れ違いに会計をしていた客がいたため、すんなりと店内に入ることができた。
「ああ、やっと座れた」
「久しぶりにヒールがある靴はいてきたから、足が疲れた」
「たまにはおしゃれしなきゃと思ったけど、やっぱり無理だわ」
「買い物って、意外に疲れますよね」
席に着くと、陽咲を筆頭にぐったりと足を延ばしていた。よく見ると、彼女たちの服装には気合が入っているように見えた。こなでは言葉通りにヒールが5cmほどのショートブーツを履いているし、芳子もファーが付いたもこもこのパーカーに灰色のロングスカートに膝丈までのロングブーツを履いている。麗華も珍しくスカートを履いていた。
かくいう私たちは、いつも通りの私服だった。おそろいコーデは顕在で、ベージュのパーカーに紺色のガウチョパンツを合わせ、下はスニーカーである。
「とはいえ、ぐでぐでしている暇はないから、さっさと腹ごしらえをしましょう!」
芳子の言葉に賛成だ。私たちは各自、それぞれに気に入ったネタをどんどん頼み、腹に入れていくのだった。芳子はマグロ、こなではサーモン、麗華はえび、私と陽咲はぶりという、好みが結構違っていた。
「結局、今日は何を作るつもりなの?」
昼食を終え、駐車場に向かうと、すでに両親は車の中で待っていた。車には大きな紙袋が置かれていたが、両親も買い物をしたのだろう。何を買ったのか少し気になったが、母親の質問に先に答えることにした。
「チョコブラウニーだけど」
「ふうん」
聞いたくせに、あまり興味がなさそうな返事をした母親は、父親に車を発進させるよう伝える。私の家には車が2台あり、母親と父親がそれぞれ通勤用に使っている。今日は大人数ということで、ワンボックスのファミリーカーで移動している。私たちは家に帰ることにした。
お菓子作りは滞りなく進んだ。不器用だと事前に報告していたこなでは、私たちの邪魔にならないように気を遣っていたし、麗華も芳子もお菓子作りはしないと言っていた割に、陽咲の指示にてきぱきと従っていた。
ブラウニーをオーブンに入れて焼いている間は特にやることがないので、少し休憩をはさむことにした。私たちはリビングのソファに移動した。
「そういえば、芳子が言っていたけど、バレンタインにある『悪しき風習』って、本当に謎だよねえ」
何か話題をと考えていると、こなでがショッピングモールでの芳子の言葉を持ち出した。気になってはいたが、そんな悪いものだという認識はなかった。面倒ではあるがバレンタインというイベントだから仕方ない、くらいにしか考えていなかった。
そもそも、バレンタインというものが、日本では『女→男』へチョコ(贈り物)をするということが一般的だ。それが義理チョコに発展して、部活での『悪しき風習』と言われるまで根付いてしまったのだろう。
「うわ、ここに何も思わず、時代の流れに身を任せている人がいるんですけど」
「ないわあ」
「お姉ちゃんだから仕方ないけどね」
「私も疑問に思っていましたが、今年はそこから解放されたので、なんだかすがすがしい気持ちです」
まったく、こいつらは、私のことを何だと思っているのか。時代に身を任せて生きていくことのどこが悪いのだろうか。それで特に問題がなければ別にいいと思うのだが、彼女たちにとっては、そうではないらしい。
「ねえ、麗華。今年から解放されたってどういうこと?」
ここで、麗華の言葉に疑問を覚えた。今年は解放されたと言っているが、どういうことだろうか。いや、ここまでの話の流れから、女子部員が男子部員にチョコを渡すということがバレンタインの『悪しき風習』ということはわかっている。そして、そこから解放ということは、今年からそれがなくなったということだ。
なくなることは構わないが、今まで続いていた風習をそう簡単に変えられるものだろうか。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる