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番外編【年齢について考える】11無料体験②
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ジムの中央には12種類の運動器具が円を描くように並べられていた。一つの器具を使う時間が30秒と決められていて、器具30秒→ゆっくりその場で足踏み30秒→器具30秒→足踏み30秒と運動を進めていくようだ。これを2周行い、約30分というわけだ。その後ストレッチをして1回の運動が終了となる。
ジム内には軽快な音楽が流れ、30秒ごとに移動の合図のアナウンスがあり、ジム会員の女性たちが懸命に身体を動かしていた。
「当ジムに通っている会員の年齢は幅広く、20代から80代くらいの年齢の方が通っています。紗々さんと同じ30代の方もいらっしゃいますので、入会したら頑張っていきましょうね」
女性のスタッフが年齢層について説明してくれた。同年代が通っているなら、気兼ねなく運動できそうだ。とはいえ、目の前で運動している女性たちの多くは60代~70代に見えたので、やはり高齢者がこのジムのターゲット層なのだろう。
「今日は12種類のうちの2種類ほど体験していただきます」
今回、無料体験に選ばれた器具は、腕を上下に動かす器具と腰を捻る器具だった。腕や腰、足など12種類で全身の筋肉を鍛えられるようになっているらしい。
「そういえば、スリッパのままでしたね。今日は体験なので靴を貸し出しますが、次回からはご自分で靴を持参くださいね」
女性スタッフが私の足元を見て、慌てて貸し出し用の靴を探しにその場を離れる。改めて運動している会員を観察すると、服装は上下ジャージで揃えていたり、ジーパンにTシャツといったラフな格好だったりと様々だった。私も帰りにスーパーでジム用の服と靴を買っていこう。今の格好はジーパンに長そでTシャツで悪くはないが、やはり気分をあげるために新しいものを買った方がいいだろう。
体験とはいえ、周りには30秒ごとの合図で会員たちが器具を使っている。女性スタッフから靴を借りて運動する用意ができた。女性スタッフの指示に従い、運動中の会員の邪魔にならないように器具を使って体を動かしていく。
「上手ですね。このような感じで運動をやっていきます。終わったらストレッチスペースでストレッチをして終了となります」
「わかりました」
「体験は以上となります。では最後に当ジムの金額についての説明をして行きたいと思います。持参していただいた飲み物を飲んでくださいね」
器具の利用を終えて、最初に話を聞いた机と椅子が置かれたスペースに戻る。そして、水分補給を行う。
一息ついたところで、金額についての説明が始まる。いくら健康に良いと言っても、値段が高過ぎたら通うのに躊躇してしまう。ネットでもある程度ジムについて調べていたが、なんとか金額的には払えるくらいだった。
「まずは、1月中のキャンペーンで、通常の入会金2万円が90%オフの2,000円になります。これは1月中に1回目の無料体験に来ていただいた際にご成約いただいた方限定となっています」
「今日、成約しないと割引されないということですか?」
「ハイ。申し訳ありませんが、今この場でのご成約での割引となります」
すでに私の心の中ではジムに通うことは決定事項だったが、ここで本当に入会してもよいかの迷いが生じた。
「入会金の他に月会費がかかりますが、こちらは月々の支払いとするか、1年分のまとめ払いかの2種類の支払い方法があります。続ける意思があるなら、1年分のまとめ払いがお得になりますよ」
月々の支払いで1か月8,000円となり、1年で96,000円。1年分のまとめ払いだと84,000円となり、12,000円お得となる価格設定らしい。
「当然、1年分まとめて支払いいただいた場合でも、1年以内に辞めてしまう方もいらっしゃいます。その場合は、未利用分の月×通常料金との差額1,000円の支払いで退会することも可能です」
1か月で7,000円の出費を健康のためで割り切るか、高いといって辞めてしまうか。もし月に3回通うとすると、1か月で12回になり、1回当たりの単価は600円弱。さらに言うと、1回のジムの時間が30分なので30分600円弱をどう考えるかで決まる。
「わかりました。入会します」
せっかく自分の意思でジムの無料体験に足を運んだのだ。この流れで運動する習慣をつけて健康に痩せて大鷹さんに少しでも似合う女性になりたい。そのための投資と思えば高くない。私はその場で入会を決めた。
その後は入会の為にタブレットに個人情報を入力したり、入会についての注意事項を聞いたりして無事に無料体験が終了した。
「では、無料体験は残り4回となります。その間は月会費が発生致しません。無料体験の5回が終了次第、月会費が発生することになります。なので、この場合、2月から月会費が発生することになりそうですね」
「わかりました」
「女性の場合、30歳を過ぎると、1年に3%ずつ筋肉量が減っていくので、運動していないとどんどん筋肉は減っていきます。ですが、運動をすることでその減少を抑え、新たに筋肉量を増やすことができます。週に2~3回ほどきていただくことをおススメしています。では次回、紗々さんに会えるのを楽しみにしています」
ジムから出る際、女性スタッフに笑顔で送り出された。彼女は常時、にこやかな笑顔だった。接客業というのは大変だなとしみじみ思い、私は利用者側にはなれるが、スタッフ側には絶対に慣れないなと感じて店を出た。
ジム内には軽快な音楽が流れ、30秒ごとに移動の合図のアナウンスがあり、ジム会員の女性たちが懸命に身体を動かしていた。
「当ジムに通っている会員の年齢は幅広く、20代から80代くらいの年齢の方が通っています。紗々さんと同じ30代の方もいらっしゃいますので、入会したら頑張っていきましょうね」
女性のスタッフが年齢層について説明してくれた。同年代が通っているなら、気兼ねなく運動できそうだ。とはいえ、目の前で運動している女性たちの多くは60代~70代に見えたので、やはり高齢者がこのジムのターゲット層なのだろう。
「今日は12種類のうちの2種類ほど体験していただきます」
今回、無料体験に選ばれた器具は、腕を上下に動かす器具と腰を捻る器具だった。腕や腰、足など12種類で全身の筋肉を鍛えられるようになっているらしい。
「そういえば、スリッパのままでしたね。今日は体験なので靴を貸し出しますが、次回からはご自分で靴を持参くださいね」
女性スタッフが私の足元を見て、慌てて貸し出し用の靴を探しにその場を離れる。改めて運動している会員を観察すると、服装は上下ジャージで揃えていたり、ジーパンにTシャツといったラフな格好だったりと様々だった。私も帰りにスーパーでジム用の服と靴を買っていこう。今の格好はジーパンに長そでTシャツで悪くはないが、やはり気分をあげるために新しいものを買った方がいいだろう。
体験とはいえ、周りには30秒ごとの合図で会員たちが器具を使っている。女性スタッフから靴を借りて運動する用意ができた。女性スタッフの指示に従い、運動中の会員の邪魔にならないように器具を使って体を動かしていく。
「上手ですね。このような感じで運動をやっていきます。終わったらストレッチスペースでストレッチをして終了となります」
「わかりました」
「体験は以上となります。では最後に当ジムの金額についての説明をして行きたいと思います。持参していただいた飲み物を飲んでくださいね」
器具の利用を終えて、最初に話を聞いた机と椅子が置かれたスペースに戻る。そして、水分補給を行う。
一息ついたところで、金額についての説明が始まる。いくら健康に良いと言っても、値段が高過ぎたら通うのに躊躇してしまう。ネットでもある程度ジムについて調べていたが、なんとか金額的には払えるくらいだった。
「まずは、1月中のキャンペーンで、通常の入会金2万円が90%オフの2,000円になります。これは1月中に1回目の無料体験に来ていただいた際にご成約いただいた方限定となっています」
「今日、成約しないと割引されないということですか?」
「ハイ。申し訳ありませんが、今この場でのご成約での割引となります」
すでに私の心の中ではジムに通うことは決定事項だったが、ここで本当に入会してもよいかの迷いが生じた。
「入会金の他に月会費がかかりますが、こちらは月々の支払いとするか、1年分のまとめ払いかの2種類の支払い方法があります。続ける意思があるなら、1年分のまとめ払いがお得になりますよ」
月々の支払いで1か月8,000円となり、1年で96,000円。1年分のまとめ払いだと84,000円となり、12,000円お得となる価格設定らしい。
「当然、1年分まとめて支払いいただいた場合でも、1年以内に辞めてしまう方もいらっしゃいます。その場合は、未利用分の月×通常料金との差額1,000円の支払いで退会することも可能です」
1か月で7,000円の出費を健康のためで割り切るか、高いといって辞めてしまうか。もし月に3回通うとすると、1か月で12回になり、1回当たりの単価は600円弱。さらに言うと、1回のジムの時間が30分なので30分600円弱をどう考えるかで決まる。
「わかりました。入会します」
せっかく自分の意思でジムの無料体験に足を運んだのだ。この流れで運動する習慣をつけて健康に痩せて大鷹さんに少しでも似合う女性になりたい。そのための投資と思えば高くない。私はその場で入会を決めた。
その後は入会の為にタブレットに個人情報を入力したり、入会についての注意事項を聞いたりして無事に無料体験が終了した。
「では、無料体験は残り4回となります。その間は月会費が発生致しません。無料体験の5回が終了次第、月会費が発生することになります。なので、この場合、2月から月会費が発生することになりそうですね」
「わかりました」
「女性の場合、30歳を過ぎると、1年に3%ずつ筋肉量が減っていくので、運動していないとどんどん筋肉は減っていきます。ですが、運動をすることでその減少を抑え、新たに筋肉量を増やすことができます。週に2~3回ほどきていただくことをおススメしています。では次回、紗々さんに会えるのを楽しみにしています」
ジムから出る際、女性スタッフに笑顔で送り出された。彼女は常時、にこやかな笑顔だった。接客業というのは大変だなとしみじみ思い、私は利用者側にはなれるが、スタッフ側には絶対に慣れないなと感じて店を出た。
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